2014/11/20

ロースター異動まとめ (2014年11月)

11月のロースターの動きをフォローしておきます。

11/4 Eric Fornataro投手をウェイバー獲得
11/14 Matt Purke投手を解雇 ⇒ 11/17 マイナー契約
11/15 Kevin Frandsen内野手と年俸調停回避の1年契約
11/18 Jhonatan Solano捕手を解雇
11/19 ルール5ドラフトに向けて、A.J. Cole投手、Wilmer Difo内野手、Brian Goodwin外野手、Matt Grace投手を40人ロースターに追加。Pedro Florimon内野手をウェイバー喪失、Ryan Mattheus投手を解雇。
その他、マイナー契約

詳細は以下。

2014/11/19

BP: Nationals Top 10 Prospects

オフの恒例行事、トッププロスペクトランキングの発表です。ナショナルズについては、まずBaseball Prospectus (BP) のトップ10が発表されました(元記事)。

1. Lucas Giolito, RHP 
2. A.J. Cole, RHP
3. Michael Taylor, CF
4. Reynaldo Lopez, RHP
5. Erick Fedde, RHP
6. Steven Souza, OF
7. Jakson Reetz, C
8. Jake Johansen, RHP
9. Rafael Bautista, CF
10. Wilmer Difo, SS/2B

全体でもトップ10に入るのでは、と言われているLucas Giolitoに、A. J. ColeMichael Taylorを加えた3人は各種プロスペクトランキングで共通することになりそうで、ノーサプライズ。

Reynaldo Lopezへの高い評価が印象的なランキングとなりました。ドミニカ出身の20歳の先発右腕。米本土では5回1/3(ドミニカ夏季リーグを合わせてもプロ通算16イニング)しか投げておらず実質ルーキーイヤーとなった今季、100マイル近い速球を武器にHagerstown(A)で活躍して、一躍評価を上げました。

Jake Johansenが8位というのもやはり高い評価で驚きましたが、意味合いは異なります。2013年ドラフト最上位(2順目)入団とはいえ、2年目の今季、Hagerstownで全く結果が残せずブルペンに降格されていました。同じ2013年ドラフトでも、高卒入団し、Hagerstownでソリッドな成績を残したDrew Ward三塁手のほうが個人的期待感は上回っています。

今年(2014年)ドラフト組は、5位のErick Fedde投手と7位のJakson Reetz捕手の2人。特にReetzは高い出塁率を誇りDerek Norris二世との呼び声が高まっています。

9位のRafael Bautistaと10位のWilmer Difoの2人はドミニカ出身の快足コンビ。Lopezも含めてドミニカ出身選手がマイナーの階段を順調に上がれるかどうかは分かりませんが、楽しみであることは確か。期待して見守っていきましょう。

2014/11/16

リーグMVP投票でRendonが5位入賞

オフの各賞発表の最後は、両リーグのMVP。

ナ・リーグのMVPはサイ・ヤング賞投手のドジャーズのClayton Kershawが、マーリンズのGiancarlo Stanton外野手、パイレーツのAndrew McCutchen外野手などを抑えてのダブル受賞となりました。

ナショナルズからは、5位にAnthony Rendon、18位にJayson Werth、19位タイにDenard Spanが入りました。Rendonの5位は、ワシントンへの球団移転後の最高順位です。よくできました。

ア・リーグは、エンゼルスのMike Troutが満票で初受賞。一昨季、昨季も十分に値する成績を残していましたが、チームがポストシーズンを逃していたことと、Miguel Cabreraに打撃三冠王を記録されてしまっていたために受賞なりませんでしたが、今年は両方をクリアしたことで(数字だけ見ると3年間で最低なのに!)、念願の受賞となりました。

Bryce Harperはデビュー以来何かとTroutと比較されてきましたが、少し差をつけられた感じですね。追いついて、というのはなかなか酷な要求ですが、少しでも差を詰めてほしいですね。

サイ・ヤング賞に3投手が入賞

サイ・ヤング賞の投票結果が公表され、ナ・リーグは、ドジャーズのClayton Kershawが満票で2年連続3度目の受賞。21勝3敗、防御率1.77、WHIP 0.86、6完投はいずれもリーグトップですから、まったく順当な結果となりました。

ナショナルズの投手陣からは3人が入賞しました! Jordan Zimmermannが5位、Doug Fisterが8位、Stephen Strasburgが9位タイという結果。 FisterとStrasburgにとっては初めての得票となりました。特にStrasburgには、来季こそは受賞を争えるようなシーズンを送ってくれることを期待しています。

ア・リーグは大接戦。今季彗星のように現れたインディアンズのCorey Kluberが、防御率、WHIP1位のFelix Hernandezを僅差で振り切り初受賞となりました。

2014/11/12

Williams監督がリーグ最優秀監督受賞

ナショナルズのMatt Williams監督がナ・リーグ最優秀監督賞を受賞しました。30人の投票のうち、1位票を18集めて、パイレーツのClint Hurdle監督などを振り切りました。監督として1年目の受賞は史上4人目。昨季ポストシーズンを逃したチームをリーグ最高勝率に導いた功績が評価されました。ずっとフォローしてきたファンの目にはところどころ不満の残る采配もありましたが、トータルで結果を残したことは紛れもない事実。素直におめでとうと思います。

ア・リーグはオリオールズのBuck Showalter監督が受賞。1994年(ヤンキース)、2004年(レンジャーズ)に続き、ちょうど10年おきとなる自身3度目の受賞となりました。別チームでの3度の受賞はTony La Russaと2人だけだそうです。

2014/11/11

新人王は得票なし

ナ・リーグ新人王はメッツのJacob deGrom投手でした。開幕前はそこまで高く評価されていませんでした(BAで)が、25歳で迎えた今季、AAAで好投し、5月にメジャーデビュー。そのままシーズン終了までローテーションを守り、9勝。特に、9月15日のマーリンズ戦では初回から8者連続三振の快投を演じ、一躍評価を高めました。来季はMatt HarveyもTJ手術から復帰してくるし、メッツ投手陣は手強そうです(ちなみにdeGromは今季ナショナルズ戦では1試合に先発し6回3失点勝ち負けつかず)。

ナショナルズの選手には1票も入りませんでした。6月くらいまではAaron Barrettの名前もちらほら聞かれましたが、夏場に失速してマイナー降格となった時点で脱落しました。むしろ惜しかったのはTanner Roark。2013年シーズンの投球回数があと4イニング少なければ、内容的にはdeGromを凌駕しており受賞確実でした。

ア・リーグはホワイトソックスのJose Abreuが満票で受賞。キューバ出身のスラッガーはリーグ3位の36本塁打を打ち、堂々の受賞。田中将大は5位でした。2か月以上休んだにしては高く評価されたと思います。

2014/11/07

DesmondとRendonがシルバースラッガー受賞

ポジションごとに打撃の第一人者を表彰するシルバースラッガー賞の発表がありました。ナショナルズからは、Ian Desmond遊撃手が3年連続で、Anthony Rendon三塁手が初めて受賞。ショート部門での3年連続は、過去Cal Ripken Jr.Barry LarkinAlex RodriguezDerek Jeterの4人しか達成していない偉業です(連続でなければ3度受賞が他に2人)。素晴らしい。

受賞者は下記の通り。Desmond、Rendonの2人には来年も取ってもらいたいですね。

NATIONAL LEAGUE
C Buster Posey (SF) 2年ぶり2度目
1B Adrian Gonzalez (LAD) 3年ぶり2度目
2B Neil Walker (PIT) 初
3B Anthony Rendon (WAS) 初
SS Ian Desmond (WAS) 3年連続3度目
OF Andrew McCutchen (PIT) 3年連続3度目
OF Giancarlo Stanton (MIA) 初
OF Justin Upton (ATL) 3年ぶり2度目
P Madison Bumgarner (SF) 初

AMERICAN LEAGUE
C Yan Gomez (CLE) 初
1B Jose Abreu (CHW) 初
2B Jose Altuve (HOU) 初
3B Adrian Beltre (TEX) 3年ぶり4度目
SS Alexei Ramirez (CHW) 4年ぶり2度目
OF Jose Bautista (TOR) 3年ぶり3度目
OF Michael Brantley (CLE) 初
OF Mike Trout (LAA) 2年連続2度目
DH Victor Martinez (DET) 9年ぶり2度目 

2014/11/05

ゴールドグラブ賞は受賞なし

今日からFA選手との契約が解禁となるなど、オフシーズンが本格化。恒例の各賞の発表です。最初に発表されたのは守備のゴールドグラブ賞。

ナショナルズの選手では一塁手のAdam LaRocheとセンターのDenard Spanが事前に公表されていた上位3人に入っていましたが、いずれも受賞はなりませんでした。Spanは受賞させてあげたかったと思いますのですが、受賞したメッツのJuan Lagaresも確かに素晴らしい守備力を誇る選手でしたから仕方ないですね。

受賞者は下記のとおり。来年は三塁手に定着するであろうAnthony RendonとSpanが今度こそ受賞することを期待したいです。

NATIONAL LEAGUE
C Yadier Molina (STL) 7年連続7度目
1B Adrian Gonzalez (LAD) 3年ぶり4度目
2B DJ LeMahieu (COL) 初
3B Nolan Arenado (COL) 2年連続2度目
SS Andrelton Simmons (ATL) 2年連続2度目
LF Christian Yelich (MIA) 初
CF Juan Lagares (NYM) 初
RF Jason Heyward (ATL) 2年ぶり2度目
P Zack Greinke (LAD) 初

AMERICAN LEAGUE
C Salvador Perez (KC) 2年連続2度目
1B Eric Hosmer (KC) 2年連続2度目
2B Dustin Pedroia (BOS) 2年連続4度目
3B Kyle Seager (SEA) 初
SS JJ Hardy (BAL) 3年連続3度目
LF Alex Gordon (KC) 4年連続4度目
CF Adam Jones (BAL) 3年連続4度目
RF Nick Markakis (BAL) 3年ぶり2度目
P Dallas Keuchel (HOU) 初 

2014/11/01

Hot Stove Outlook 6 (Bench)

オフシーズンの見どころシリーズの最後はベンチプレーヤー編。

2013年にチームの弱点と言われたベンチ。オフに2年1075万ドルという控え選手としてはかなりの高額でNate McLouthを迎え入れましたが、そのMcLouthは惨憺たる成績(162打席で.173/.280/ .237)の後、8月1日を最後に右肩痛でDL入りし、手術でシーズンを終えてしまう完全な期待はずれ。開幕直前に契約したKevin Frandsenこそシーズンを通じて頑張ってくれました(236打席で.259/.299/.309)が、Tyler Moore(.231/300/.385)、Scott Hairston(.208/.253/.299)、シーズン終盤に契約した Nate Schierholtz(.225/.262/.375)は頼りになりませんでした。

このうち、オフとともにFAとなったのがHairstonとSchierholtzの2人。戻ってくることが確実なのは、2年契約の2年目となるMcLouthのみ。Frandsenも、年俸調停の対象ですが、今季の頑張りからすると契約を提示されて戻ってくると予想されます。

球団側に保有権はあるもののいろいろと噂の対象となりそうなのがMoore。まだ年俸調停前で安く雇えるのですが、来季は、いわゆるオプション切れとなるためマイナーに落とすにはウェイバーを通さなければならなくなります。事実上守れるのがファーストとレフトのみであり、ナショナルズでレギュラーとして起用される見込みは(故障が発声しない限り)ほとんどありません。ところが、今季のスタッツを見ると、先発出場時の .243/.312/.429に対して、代打起用時の成績は .071/.188/.143(16打席でわずか1安打)。年間通じてベンチに置いておくにはあまりにもコストパフォーマンスが悪いと言わざるを得ません。そこで、ファースト又はDHのレギュラーとしての起用を試してみようと思う球団へのトレードが画策されるのではないかと予想されます。具体的には、すっかり仲良し感のあるアスレティックスなんてどうでしょうか?個人的には、特にRyan Zimmermanの健康面に全幅の信頼が置けない以上、少なくともスプリングトレーニング中盤までは置いておいていいと思います。

若手にも、今季メジャーデビューを果たした Steven Souza (レギュラーシーズン最終戦の最後のアウトを覚えていますか!?) とMichael Taylorがいるので、外野手の控えはそこそこ充実しています。ベテラン外野手とマイナー契約する程度の補強に終わると見ています。

一方の内野、特に二塁手・遊撃手の控えは、内野手編でも書いたようにJeff Kobernusくらいしかおらず手薄。Danny Espinosaをレギュラーとして使うのかどうかにもよりますが、少なくとも1人はメジャー契約を結ぶものと予想されます。とはいえ、現時点のFA選手のリストを見ても、レギュラーとして使えそうなのは、Rickie WeeksEmilio Bonifacio(文字通りジャーニーマン状態)くらいしかいません。もしレギュラーを狙うなら、トレードでしょうね。ともかく、何らかの動きが間違いなくあるのは全ポジション中ここだけです。

このシリーズはこれで終わりです。次は、プロスペクト関連の記事に着手するつもりです。