2017/01/19

Iván Rodríguezが殿堂入り

2008年から続け、10年目に突入しようとしている私のブログですが、初めて殿堂入りに関する記事を書くことになりました。祝。

1月18日に投票結果が発表された2017年の殿堂入り選手。この中に、2010-2011年にナショナルズでプレーしたIvan Rodriguezが入りました。ワシントン移転後のナショナルズでプレーした選手では初めての殿堂入りです。

プエルトリコ出身で1991年にメジャーデビュー。捕手として、21シーズンにわたりプレーしました。守っては捕手として史上最多の13回のゴールドグラブ賞受賞(座ったまま二塁に矢のような送球を送るシーンを見たときは度肝を抜かれました)。打っても7回のシルバースラッガー賞は、捕手ではMike Piazzaの10回に次ぐ2位。オールスター選出14回。レンジャーズ時代の1999年にはア・リーグMVP。2003年にはワールドシリーズ制覇にも貢献しました(カブスと戦ったNLCSではシリーズMVPの活躍。)。という見事な実績を残し、史上最高の捕手の1人という評価を得てきましたので、今回の殿堂入りは当然といえば当然の結果でしょう。

そんなRodriguezが現役最後の2シーズンを過ごしたのが2010年、2011年のナショナルズでした。38歳と39歳のシーズンで、故障もあったため、2シーズンでわずか155試合の出場に終わりましたが、Rodriguezの欠場により出場機会を得たWilson Ramosへの影響という点で大きな貢献をしてくれたと思っています。Ramosが2010年途中にトレードでツインズから加入してきたのが、Rodriguezの1年目の夏。そして、Rodriguezが故障で長期離脱した2011年はRamosがメジャーの正捕手としての地位を確立した年となりました。この1年半の間、Rodriguezから学んだことが、その後のRamosの成長に役立ったことは間違いないでしょう。

もっとも、Rodriguezが最も輝いていたのはデビューから12年間を過ごしたレンジャーズ時代。クーパーズタウンに飾られるレリーフは当然レンジャーズのキャップを被った姿となることでしょう。

そこで、話題となっているのが、この先、ナショナルズのキャップを被ったレリーフが飾られことがあるとすれば、それは誰のものになるだろうかという点です。まず名前が挙がるのはBryce Harperですが、そもそもまだ成績が不十分ですし、仮に成績を積み上げるとしても、それが2018年シーズン後に大型長期FA契約を結んだ球団でのことなら、そちらのキャップを選びそうな気もします。Stephen Strasburgは故障がちなため実績を積み上げることが難しいだろうというのが、現時点での現実的な評価。意外と一番可能性がありそうなのが、Max Scherzerではないでしょうか。既に2度のサイ・ヤング賞を受賞し、実績としてはかなりのものです。通算勝利数125は全く不十分ですが、ナショナルズとの契約が残る今後5年間に年平均15勝すればちょうど200勝に到達します。200勝でもまだ物足りない、という感じなので、どれだけ上積みできるかにかかっているでしょう。さらには、ポストシーズンでの活躍もあれば、加算点となるはず。最終的に、ナショナルズ在籍は通算7年になり、タイガースでの5年を上回りますので、ナショナルズのキャップを選んでくれる可能性は高いはず。まあ、それもこれも、まだ大分先の話ですね。

ともかくも今日は、Pudge Rodriguez、おめでとう!

2017/01/13

Prospect Profile #12: Jake Johansen

[2017年1月更新, 2015年12月更新, 2015年3月更新, 2014年5月オリジナル]

2014年の第2弾、全体第12回は2013年ドラフトの最上位指名入団のJake Johansen投手です。

[Player Data]
Name: Jake Johansen
Position: RHP
Born: January 23, 1991
Birthplace: Allen, Texas
School: Dallas Baptist University
Height: 6-6
Weight: 235
Bats: Right
Throws: Right
Draft: 2013-2 WAS
Acquired: Draft
BA Organization Rank: 7(2014)  ⇒17(2015) ⇒ NA(2016)
BA Overall Rank: NA

[Scouting Report]
6フィート6インチ(195センチ)という長身から投げ下ろす最速99マイルの速球を持つが、腕力で投げているという感じで、速球のムーブメントは低評価。カーブ、チェンジアップ、カッターと変化球もいろいろ投げるがいずれも評価は高くない。投球フォームも安定せず、制球力は平均以下。

当初は先発投手として期待されたが、2014年シーズン途中にブルペンに転向。。将来もしメジャーに上がってくるとしてもブルペン投手という見方が大勢。

[Background]
2013年ドラフトで、オフにFAのRafael Sorianoと契約したために1順目指名権を失ったナショナルズが2順目全体68位で最初に指名した選手。あまりコンペティティブでない大学で15先発88回1/3を投げて75奪三振、5.40/1.53と平凡以下の数字しか残しておらず、しかもシニア(4年生)。BAの直前ランキングでは182位(5‐6順目相当)にランクされていた。ドラフト直後に、Rizzo GMは同じテキサンのJosh Beckettを比較対象として名を挙げ先発として育成する方針を明らかにしたが、大方の予想はブルペン投手。ということで、ドラフト直後には失望したコメントが目立った。

ところが、意外といっては失礼だが、素晴らしいプロデビュー。指名の翌日にスロット金額で契約してすぐにAuburt(SS)に合流すると、10試合に先発して42.1イニングで44奪三振、18四球、1.06/0.94と支配的なピッチングを見せ、シーズン終盤にはHagerstown(A)に昇格。そこでは少し打たれたものの、それでもシーズンを通じての数字は51 回2/3を投げて51奪三振。23四球はやや多いが、それでもかなり評価を上げた。

2014年はAのローテーション投手として開幕し、19試合に登板(18先発)させたもらったものの、結果は5.09/1.76と散々。7月下旬にブルペンに転向させられたが、以降の10試合でも5.94/1.62とやっぱりダメ。年齢的に簡単にクリアすべきステップで躓いたことでプロスペクトとしての期待感は一気に薄れてしまった。

年齢的にのんびりしていられないという判断もあったのでしょう。2015年の開幕はPotomac(A+)。案の定、通用せず。開幕から12試合にロングリリーフとして登板したが、うち9試合で失点(5.76/1.85)。いったんDL入りして7月末に復帰した後はショートリリーフとして使われたが、やはり12試合で4.95/1.75という成績。与四球率が前年より上昇しているなど内容も良くなかった。BAのランキングではチーム内トップ30からさえも姿を消す体たらく。

2016年も開幕はPotomac(A+)。6試合9回1/3を投げて被安打、与四球各11でDL入り。6月下旬にGCLに合流し、7月中旬からシーズン終了まで在籍したHagerstown(A)では11試合中9試合で無失点だったが、リーグ平均年齢を3歳以上上回ってなので当然と言えば当然。もう終わったに等しい選手だが、AFLに派遣されて登板9試合のうち7試合で無失点と最低限の結果を残した。

[Comment]
AFL後のルール5ドラフトで指名する球団がなかった事実が現時点での評価を物語っています。奇跡的な覚醒がなければ、ナショナルズでのキャリアはまもなく終わりそうです。(2017年1月)

年齢的にオーバースペックなはずのA+でブルペン投手として使われて全くダメでは話になりません。中途半端なイニングまたぎとかさせず、完全1イニング限定のブルペン投手として起用としてはどうでしょうか。それでだめならもう。。。(2015年12月)

どちらに転ぶかと注目された2014年は完全な失敗に終わってしまいました。既に24歳となり、ノンビリしている余裕はありません。このままBustで終わってしまうのか・・・。(2015年3月)

期待が低かった割にはよくやっているというのが率直な印象。最近のナショナルズは、Alex Meyer、Robbie Rayといった素材系の投手プロスペクトを比較的上手く育てている印象があるので、その流れに乗ってほしいですね。(2014年5月)

2017/01/05

Prospect Profile #25: Trea Turner

[2017年1月最終更新, 2015年8月オリジナル]

2017年、あけましておめでとうございます。本年最初のブログ更新は、Turnerが打線を引っ張り、今年こそポストシーズンを勝ち抜いてくれることを願って、こちらの記事の更新にしました。皆さま、本年もどうぞよろしくお願いします。(2017年1月)

このシリーズ全体25回は、2014年12月にトレードが決まったものの制度上2015年6月までパドレス傘下に留まるという奇妙な経験をし、そしてこの8月には早くもメジャーにたどり着いたTrea Turnerです。(2015年8月)


[Player Data]
Name: Trea Turner
Position: SS
Born: June 30, 1993
Birthplace: Boynton Beach, FL
School: North Carolina State University
Height: 6-1
Weight: 175
Bats: Right
Throws: Right
Draft: 2014-1(13) *Padres
Acquired: Trade(December 2014)
BA Organization Rank: 2(2015) →2(2016)
BA Overall Rank: 65(2015) →9(2016)

[Scouting Report]
何と言っても売りはスピード。盗塁数はもちろん、内野安打の多さも圧倒的。守備でも俊敏な動きも目を引くほど。この足を活かしたエネルギッシュなプレーでチームを引っ張る選手となることが期待される。

コンタクト中心のため長打力はそこまで期待できないが、将来的には10本塁打前後は打てると見込まれる。選球眼はそれなりに良く、.350程度の出塁率は期待できることからリードオフも十分勤まる。

守備の動きも素晴らしく、必ずしもロケットアームというわけではないが十分ショートとしてやっていける見込み。

(2017年1月 追記)
チーム事情から2016年シーズン後半はセンターを守った。急造らしい粗さも見られたが、守備範囲、肩とも及第点を与えられるものだった。オフにAdam Eatonをトレーで補強し、2017年シーズンにはショートに戻る見込み。

[Background]
高卒時にもパイレーツからドラフト20順目で指名されたが、このときは進学を選択。大学は名門ノースカロライナ州立大で、1年からレギュラーとして活躍し(1年のときはサード、2年以降はショート)、毎年3割を軽く超える打率とリーグトップクラスの盗塁数を記録。

2014年ドラフト1順目全体13位でパドレスから指名されるとすぐに契約し、Eugene(A-)に合流。必ずしも成績を残したわけではなかったものの、1か月足らずでFort Wayne(A)し、ここで46試合216打席に立って.369 /.447/.529と結果を残した。秋にはアリゾナ秋季リーグに派遣され、そこでも9試合で打率4割、加えて7盗塁と自慢の足も披露。

このように順調なプロ1年目を終えたTurnerであったが、2014年12月にパドレス、ナショナルズ、レイズの3球団の間で11人もの選手が動く大型トレードで、ナショナルズに移籍することが決まった。ただし、ルール上、ドラフト後の入団契約から丸1年が経過するまではトレードが認められないため、形式上はPTBNLと発表された。

オフの間に何らかのアレンジが組まれることもなく、パドレス傘下のSan Antonio(AA)の選手として迎えた2015年シーズン。微妙な立場ながら58試合254打席で.322/.385/.471という文句のつけようのない成績をしっかりと残し、リーグのオールスターにも選出。

そして、2015年6月14日、晴れて正式にナショナルズに移籍。

ナショナルズ傘下では、当初Harrisburg(AA)に合流したものの.359/.366/.513と結果を残し、わずか14試合でSyracuse(AAA)へ昇格。最初の5試合は18打席ノーヒットと一瞬苦しんだが、直後に13試合連続ヒットを記録。その後も順調に記録を残し、オールスター前座のFutures Gameに選出・出場。8月20日までの48試合205打席で.314/.353/.431、14盗塁を記録し、ドラフト指名からわずか1年2か月後の8月21日にメジャー昇格し、同日途中出場でデビューを果たした。当初はベンチを温めることが多く、なかなか初安打も出なかったが、9月に入ると、初安打、初本塁打を記録。シーズン後のプロスペクトランキングでは、組織内ではLucas Giolitoに次ぐ2位ながら、メジャー全体でトップ10前後(BAの全体9が最高)の高い評価を受けるに至った。

迎えた2016年シーズンの活躍は2016年のシーズンレビューで書いた(記事へのリンクはこちら)のでここでは割愛しますが、MLBを代表するスター選手になる可能性さえ感じさせてくれる素晴らしいシーズンとなりました。

[Comment]
期待に違わぬ、いや、期待を上回る内容でメジャーに定着しました。2017年は、他球団から研究されることで、いわゆる2年目のジンクスに陥る可能性もありますが、「足にスランプはない」のであまり心配はしていません。このままスター選手への道を歩んでくれることでしょう。(2017年1月)

まさかこの記事を書く前にメジャーデビューを果たすとは予想していませんでした。マイナーでの成績は十分。このオフにFAとなる予定のIan Desmondの後釜としてすんなりメジャーに定着することを期待しては期待し過ぎでしょうか。(2015年8月)