2012/11/30

Denard Spanをトレード獲得

昨日(水曜日)、同地区のブレーブスがFAとなっていたB. J. Upton外野手と5年契約を結んだと報じられ、いよいよストーブリーグも熱くなってきたなと思った矢先、Mike Rizzo GMが思い切ったトレードを敢行しました。

このオフのナショナルズの最初の大きな動きは、ツインズとの間でのDenard Span外野手とAlex Meyer投手の1対1のトレードでした。

Denard Span (2012 for MIN)
128G 568PA 38double 4rtiple 4HR .283/.342/.395 17SB

28歳の外野手。ゴールドグラブの受賞こそないもののセンター守備は極めて高い評価。長打力はないが足があるコンタクトヒッター(三振が少ない)という典型的なリードオフタイプ。2002年ドラフト1順目(全体20位)でツインズに入団。順調にマイナーの階段を上り、2008年にメジャーデビューを果し、2009年にはツインズの1番センターを不動のものに。ところが2011年6月3日のロイヤルズ戦でランニングホームランを狙って本塁に突入した際に捕手と交錯し脳震盪で退場。結局その後も後遺症に悩まされ、結局この年は70試合の出場にとどまりました。2011年の夏にもナショナルズとのトレードが噂されましたが、この脳震盪の影響もあり成立せず。今季は時々休みをもらいながらも、攻守ともに脳震盪の影響がないことを証明する活躍を見せていました。

残り契約は、2013年の475万㌦、2014年の650万㌦までが確定。2015年は900万㌦の球団オプションとなっています。リードオフのセンターとしてはかなり安い。B. J. Uptonが平均年俸1500万ドルでの5年契約となったこと、Michael Bournはさらにそれ以上の額になると想定されていることを思うと、格安と言ってもいいかもしれません。また、確定しているのがあと2年だけという点も、Brian Goodwinが順調に成長してくれれば最もいいタイミングで移行することができます。

それよりなにより、何と言っても、長年の穴であったリードオフとセンターというニーズを同時を埋めることができた点は高く評価されるべき。今季はJason Werth がリードオフを務めて打線として機能しましたが、本来はもう少し下位に置いて長打を期待したい打者。センターにしても、Bryce Harperが守れることを証明していましたが、打撃への負担を考えればベストシナリオではありませんでした。

Rizzo GMが長い間Spanを狙っていたことは周知の事実。上記のように2011年にもかなり煮詰めた交渉をしていましたが、脳震盪の後遺症への懸念と、見返りにDrew Storenを要求されていたことから合意に至りませんでしたが、今回は成立させました。

Alex Meyer (2012 for A and A+) 
25G 129.0IP 45BB 139K 2.86/1.10 

見返りに放出したのがMeyer。22歳の先発右腕。2011年のドラフト1順目全体23位(ナショナルズの指名ではAnthony Rendonに続く2人目の指名。指名権は前年FAとなったAdam Dunnの補償でホワイトソックスから譲られたもの)。昨年は登板せず、プロ1年目となった今季はAで開幕すると、6月には週間MVPに選ばれるなどきっちり結果を残し、7月後半にA+へと昇格。昇格後はさらに成績を向上させ、いい感じでシーズンを終えました。2メートル近い長身からの100マイル近い速球が武器でエースになれる器と言われる一方で、フォームが安定せず制球が不安定とも言われています。1年目の結果を見る限り、そこまで制球を心配する必要はないようにも思えましたが、まだまだ未完成であることは確かでした。

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これでいったん全ての穴が埋まりました。現時点での開幕スタメンを予想すれば次の通り。悪くない(笑)。

1. Denard Span, CF
2. Jason Werth, RF
3. Bryce Harper, LF
4. Ryan Zimmerman, 3B
5. Michael Morse, 1B
6. Ian Desmond, SS
7. Danny Espinosa, 2B
8. Wilson Ramos, C
9. Stephen Strasburg, P

ですが、FAとなっているAdam LaRocheとの交渉を継続しているとRizzo GMが明言しています。分かれ目はおそらく契約年数。2年で留めたいナショナルズと、3年目の保証を求めるLaRoche。仮にLaRocheと合意するとなった場合には、Michael Morseがトレードされることになるとの観測が強いです(Morseとの契約は2013年まで)。これは難しい。守備も含めて考えれば今季は間違いなくLaRocheのほうが望ましいと思いますが、3年契約と言われると契約終了時には35歳を越えます・・・。個人的には、2013年はこのままMorse、次のオフに考える余地を残しておくべきだと思います。

2 件のコメント:

ララ さんのコメント...

こんちわ~。

Span獲りましたね~。しかし見返りがMeyerとは...。制球が不安定で、まだまだ先は長く、今勝ちたいチーム事情からすると出すのも仕方ないかという気もしますが、何せボールは凄まじいだけにもったいないカンジがしてならないですね。

Low-Aとは言え、しっかり成績も残してたわけだし、Spanはしっかりした選手だけど、All-Starクラスではないですしね。

自分なら、Ellsburyと交換してでも欲しいくらいの選手です。まぁEllsburyは残り1年で、Borasクライアントなんで、無理だったでしょうが。

これでSpanでしばらくつないで、Goodwinを待てるので、CFは数年きっちり埋まりましたね。穴のないチームになってきて羨ましいです。

estoppel さんのコメント...

ララさん
コメントありがとうございます。

確かにもったいない気はしますが、1対1のトレードでSpanを取れれば御の字です。幸いリーグも異なるので、飛躍してくれることを願ってします。

Ellsburyとのトレードはソックスさえその気なら、あり得たのではないでしょうか。ただ残り1年ですから、契約延長が入ってこない限りMeyerとの1対1はなかったでしょう。契約延長が入れば、Meyer1人では済まなかったでしょうけど。そういう意味ではタイミングもあったんでしょうね。昨夏ならちょうど良かったかもしれませんが。

「穴のないチーム」。まさにそんな感じです(笑)。Morseを除く全野手レギュラー、先発4人、クローザー(Storen)が、少なくともあと3シーズン確保できる状況。この下にTyler Moore、Rendonと2014年にはレギュラーが務まるであろう選手が控えています。Goodwinはその更に先。これほどのロースターを作ったRizzo GMが偉いと思います。

懸念があるとすれば投手プロスペクトの層がすっかり薄くなってしまったこと。Gioとのトレードで3人、そして今回Meyerを放出。Giolito、Purke、Solisは故障からの回復待ち。健康なプロスペクトはNathan Karnsくらいです・・・。来年のドラフトは最速でも全体31位まで回って来ませんし。

そんなことより、ソックスにLaRocheに本気でオファーしているんでしょうかね。投手陣は喜ぶはずですが、2013年は勝負しないとすればあまりフィットしないようにも思いますが。