2017/12/30

2017 シーズンレビュー

2017年もあと1日を残すだけとなりました。あの Game 5 から気力が戻ることはなく、毎年書いてきたシーズンレビューも書けないまま。このままでもいいかな、と思いましたが、簡略版でもいいから書いておくことにします。

Player of the Year 2017: Ryan Zimmerman
長年のファンとしては、Zimmermanが復活し、シーズンを通じて貢献してくれたことが何よりも嬉しかったですね。

GPARHRRBISBBAOBPSLG
Anthony Rendon14760581251007.301.403.533
Ryan Zimmerman14457690361081.303.358.573
Daniel Murphy1445939423932.322.384.543
Trea Turner9844775114546.284.338.451
Matt Wieters1234654310521.225.288.344
Michael Taylor11843255195317.271.320.486
Bryce Harper1114929529874.319.413.595
Jayson Werth702893510294.226.322.393
Wilmer Difo1243654752110.271.319.370
Adam Lind1163013914591.303.362.513
Brian Goodwin742784113306.251.313.498

Pitcher of the Year 2017: Max Scherzer
2年連続ナ・リーグ サイヤング賞投手。登板の度に、ノーヒッターを期待させてくれる投手はそうそういません。

GSIPWSOERAWHIP
Gio Gonzalez32201.0151882.961.10
Max Scherzer31200.2162682.510.90
Tanner Roark30181.1131664.671.34
Stephen Strasburg28175.1152042.521.02
GIPSVHDERAWHIP
Sean Doolittle3030.02112.41.00
Matt Albers6361.02141.620.85
Enny Romero5355.22103.561.40
Matt Grace4050.0244.321.36
Brandon Kintzler2726.01103.461.15
Ryan Madson2019.21111.370.81
Koda Glover2319.1855.121.24

Rookie of the Year 2017: Wilmer Difo
前年までにデビュー済みでありながらルーキーステータスをもってプレーしたのが、Wilmer Difo、A. J. Cole、Pedro Severino、Brian Goodwin、Matt Grace、Koda Gloverの6人。今シーズン、メジャーデビューを果たしたのが、Andrew Stevenson、Rafael Bautista、Victor Robles、Raudy Read、Erick Fedde、Austin Adamsの6人。ということで、都合12人のルーキーが出場。このうち、打者130打席、投手50投球回数に到達してルーキーを卒業したのは、Difo、Goodwin、Cole、Graceの4人。チームへの貢献という点でDifoで迷いなしでした。

今年はこれくらいで勘弁してください。まあ、こんな管理人ですが、いろいろとありがとうございました。

来年も皆様に幸多からんことを願って。

Sickels: Nationals Top 20 Prospects

ちょうどクリスマスの日にMinor League BallのJohn Sickelsのプロスペクトランキングが発表されていました(元記事)。

当然トップ評価のVictor Robles。昨年はGrade B+/A-という厳しい評価でしたが、今年はAランク(スター候補)と評価されました。2位、3位のJuan SotoとCarter Kieboomも評価アップ。Erick Feddeは少し評価を落としましたが、Bが付いた選手が10位のRaudy Readまで、20位に入れなかったC+もいたということで、全体的にも昨年より少し評価が上がった印象です。

Grade A-/A:
1. Victor Robles, OF
Grade B+:
2. Juan Soto, OF
3. Carter Kieboom, SS
Grade B/B+:
4. Erick Fedde, RHP
Grade B:
5. Seth Romero, LHP
Grade B/B-:
6. Wil Crowe, RHP
7. Daniel Johnson, OF
Grade B-:
8. Yasel Antuna, INF
9. Luis Garcia, INF
Grade B-/C+:
10. Raudy Read, C
Grade C+:
11. Andrew Stevenson, OF
12. Blake Perkins, OF
13. Austin Adams, RHP 
14. Pedro Severino, C
15. Taylor Gushue, C
16. Jefry Rodriguez, RHP
17. Kelvin Gutierrez, 3B
18. Nick Raquet, LHP
19. Jackson Tetreault, RHP
20. Wander Suero, RHP 
XX. Tres Barrera, C
XX. Rafael Bautista, OF
XX. Justin Connell, OF
XX. Alex Troop, LHP

2017/12/24

ロースター異動まとめ(2017年12月)

12/14 Brandon Kintzlerと2年契約(再契約)
12/22 Matt Adamsと1年契約, Tom Miloneとマイナー契約

● Brandon Kintzlerと2年契約(再契約)
私がさぼっているわけではなく本当に何にも動きがないオフが続いてきました。ウィンターミーティングが始まってからも、ナショナルズの噂は数えるほど。ルール5ドラフトでも指名せず、指名されず。実に静かに過ぎつつありましたが、最終日を前にようやく1つ、Brandon Kintzlerとの再契約がまとまりました。

今年の夏にトレードでツインズから加入し、7回のセットアッパーとして大いに貢献してくれた右腕。ツインズではクローザーとして結果を残していたので、クローザーとしての契約を目指すと見られていましたが、再契約に成功。しかも、ブルペン投手が軒並み2000万ドル以上の契約を結んでいる状況の中で、2年1000万ドル、プラス最大600万ドルのインセンティブという格安で合意してくれました。ありがとう。


● Matt Adamsと1年契約, Tom Miloneとマイナー契約
Matt Adams内野手と1年契約を結びました。1年400万ドル。28歳の左打ち。2014年にはカージナルスでファーストのレギュラーとして活躍しましたが、故障もあって次第に出場機会を減らしていました。ところが、今年5月、Freddie Freemanの故障により補強が必要となったブレーブスにトレードで移ると、意外なほどの打撃成績を残し、復帰してきたFreemanをサードに回してそのままファーストでプレーし続け、終わってみれば自己最多の20本塁打を記録する活躍でした。そんなわけなので十分レギュラーとしてやっていける力はありますが、ベンチバットとしての経験も十分。ナショナルズでは、FA退団したAdam Lindの後釜として左のベンチバット兼Ryan Zimmermanが故障した場合の代役として期待されます。

元ナショナルズのプロスペクトで今季はブリューワーズとメッツで投げたTom Milone投手とマイナー契約を結びました。2011年9月のデビュー戦で初打席初本塁打を打った記憶が戦列に残っている先発左腕。その直後にGio Gonzalezのトレードの一員としてアスレティックスに放出(A.J. Coleはその後のトレードで戻ってきたし、Derek Norrisも一瞬でしたが戻ってきたし、4人中3人が結局で戻りという珍しいパターンのトレードとなりました)され、その後、4チームを渡り歩くことにはなりましたが、なんだかんだでメジャーで投げ続け、通算126試合に先発(146試合登板)し、45勝(36敗)を記録。45勝というのは、2008年ドラフトで入団した全投手中でも5位(なお、1位はLance Lynnの72勝、Tanner Roarkが55勝で3位)という好成績。立派なメジャーリーガーとなりました。ただ、今季は全くダメで1勝3敗、防御率7.63に終わり、今回、31歳で迎えるシーズンを前にナショナルズとマイナー契約を結ぶこととなりました。決して簡単に40人ロースターに入れるとは思えませんが、応援しています。

2017/12/04

Prospect Profile #4: Matt Skole

[2017年12月最終更新, 2016年11月更新, 2015年4月更新, 2014年4月更新, 2013年4月オリジナル]

第4回は2012年シーズンに大ブレイクし、一気にトッププロスペクトの仲間入りを果たしたMatt Skole

[Player Data]
Name: Matt Skole
Position: 3B/1B
Born: July 30, 1989
Birthplace: Woodstock, Georgia
School: Georgia Institute of Technology
Height: 6-4
Weight: 220
Bats: Left
Throws: Right
Draft: 2011-5
Acquired: Draft
BA Organization Rank: 17(2012) ⇒5(2013)4(2014) ⇒24(2015) ⇒NA(2016) ⇒30(2017)
BA Overall Rank: NA

[Scouting Report]
選球眼に優れたパワーヒッター。プロ入り後に足を高く上げない打撃フォームに変えたことにより、引っ張り専門ではなく逆方向(レフト)にも強い打球を打てるようになった。左投手への対応も見せており、残す課題は変化球への対応。

サードの守備は守備範囲、肩ともまずまずという評価だが、2012年のアリゾナ秋季リーグではファーストも経験。以降は、両ポジションで併用されている。

[Background]
弟のJake Skoleは2010年ドラフト1順目(全体15位)でレンジャーズに入団した外野手。

ジョージア工科大では強打の三塁手として鳴らす。2011年5順目でドラフト指名を受けると、早々に契約してAuburg(SS)でプロキャリアをスタート。72試合に出場し、319打席で.290/.382/.438、リーグ最多の23二塁打、48打点という好成績を残す。BAのランキングでは球団内17位。

Hagerstown(A)で開幕した2012年シーズンに大ブレイク。開幕から打ちまくり、8月中旬にPotomoac(A+)に昇格するまでに本塁打(結局27本塁打はリーグ2位に8本差の独走トップ)、打点を量産し、出塁率、長打率でもトップとなったSouth Atlantic LeagueのMVPを受賞。A+昇格後は本塁打こそ出なかったが、それでも76打席で.314/.355/.486という良い数字。マイナーのシーズン終了後、球団公式のMinor League Player of the Yearに選ばれる。アリゾナ秋季リーグに派遣されると、不慣れな一塁守備に挑戦しつつも、17試合72打席で3本塁打を含む305/.419/.525という打撃成績を残し、プロスペクトとしての評価を確たるものに。BAのランキングでは球団内5位に浮上。

2013年はメジャーのスプリングトレーニングに初挑戦。24打席に立って.250/.406/.333という期待感を持たせる数字を残す。ところがHarrisburg(AA)での開幕2試合目、守備中に走者と交錯して左腕を故障し、TJ手術(投げるほうの腕ではないが)でシーズンを棒に振った。リハビリを経て10月のアリゾナ秋季リーグに参加したが、打率は2割に満たず散々な1年となった。

2014年もメジャーのスプリングトレーニングに参加。早々にマイナーキャンプ行きとなったが、17打席で本塁打1本を含む.333/.412/.733という好成績。Williams監督からJim Thomeと比較されるなど、パワーヒッターとして評価を高めた。ところが、開幕後はAAで大苦戦。4月を.177/.244/.228で終えると最後まで調子を上げることができず、故障なくフルシーズン過ごしながら.241/.352/.399、14本塁打という不本意な成績に終わり、プロスペクトとしての株は大きく低下した。

2015年は3年連続となるメジャーのスプリングトレーニングでも22打席で.409/.480/.727、2本塁打と頑張ったが、開幕後はまたもAAで打撃不振に陥り、5月終了時点の打率は.190。6月以降にやや盛り返し、7月下旬にはSyracuse(AAA)に昇格したものの、やはり打率は2割台前半。AA, AAA通算で.234/.340/.417の残念な成績に終わった。救いは計20本塁打の長打力を見せたことだが、三振も多く、手放しで喜べるものではない。シーズン終了後のBAのランキングでは遂にチーム内トップ30からも脱落。

26歳となった2016年は開幕からAAA。フルシーズン健康に過ごし、ファースト・サードの両ポジションで起用され、自己最多の140試合に出場したが、.244/.337/.437と打撃成績は相変わらず。守備も決して評価は高くない。このままマイナーFAで退団との観測もあった中、意外や意外、12月のルール5ドラフトを前に念願の40人ロースター入りを果たした。

40人ロースターの一員として初めて迎えた2017年のスプリングトレーニングでも早々にカットされ、AAAでも調子が上がらないまま6月にDL入り。7月末のトレードで獲得した選手に弾き出される形であえなくDFA。リハビリ出場を経て8月にはSyracuse(AAA)に復帰したが、以降も打率2割に満たず。シーズン終了ともにマイナーFAして退団。(その後ホワイトソックスとマイナー契約を結んだ。)

[Comment]
2013年から足掛け5シーズンにわたりフォローしてきましたが、残念な形で更新を終えることになりました。いよいよというときに限って故障離脱。本人が一番無念に思っているでしょうから周りがとやかく言っても仕方ないのですが、それにしても残念なナショナルズでのキャリアとなってしまいました。新天地で頑張ってください。(2017年12月)

かつてのトッププロスペクトが、もはや崖っぷちで踏みとどまっている状況。残された資産価値は長打力くらいでしょう。左の代打の切り札としてMLBで生き残っていくことができるかどうか。あまり大きく期待せず、見守っていきましょう。(2016年11月)

2014年は健康面では問題がなくスプリングトレーニングでも好調だっただけに残念な1年となってしまいました。4月のつまずきは自分にプレッシャーをかけ過ぎた結果のような気がします。2015年はいきなり崖っぷちになってしまいましたが、スプリングトレーニングでの好成績で多少は株を戻したはず。気を楽に頑張ってくれることを期待しています。(2015年4月)

結局2013年は完全に失われたシーズンとなりました。それでも各種プロスペクトランキングでの評価が下がっていないのは、それだけ素材が評価されているということ。AAでしっかり結果を残して、9月にはメジャーに呼ばれることを期待しています。(2014年4月)

高い期待を集めてのシーズンだったのに、いきなりの長期離脱。24歳になるこのシーズンを失うのは将来を考えてもかなり厳しい。何とか今季中に元気に戻ってきてくれることを願うばかりです。(2013年4月)

2017/12/03

Prospect Profile #27: Anderson Franco

[2017年12月更新, 2016年10月オリジナル]

まだ両リーグのチャンピオンシップシリーズが続いているところですが、ナショナルズのシーズンは終わったので、久し振りにProspect Profileシリーズの新エントリーです。しかも最初はかなりマイナーな選手(笑)。(今更ですが)2016年のMy Top 10 Prospectsの1人、Anderson Franco内野手です。

[Player Data]
Name: Anderson Franco
Position: 3B
Born: August 15, 1997
Birthplace: Bani, Dominican Rep.
School: NA
Height: 6-3
Weight: 190
Bats: Right
Throws: Right
Draft: NA
Acquired: International FA(2013)
BA Organization Rank: 10(2016) ⇒ 14(2017)
BA Overall Rank: NA

[Scouting Report]
荒削りながら、スイング・スピード、パワーともに高い評価。特に引っ張った打球の強さは目を見張るものがある。打撃面での課題は選球眼と変化球への対応。グラブさばき、肩、守備範囲、いずれも平均以上で、将来的にもサードを守れるとの評価。足は速くない。

[Background]
ドミニカ共和国出身。2013年8月に16歳の誕生日となるのを待ってナショナルズが契約。90万ドルというドミニカ出身のティーン・エイジャーに対するものとしてはかなりの高額ボーナスに期待の程が窺われる。

2014年シーズンをドミニカ・サマー・リーグで過ごした後、2015年に米本土上陸。GLCナショナルズ(Rk)で.281/.347/.412、4本塁打という好成績を残し、シーズン終盤の11試合だけAuburn(SS)に昇格してプレーした。

AuburnかあるいはHagerstonw(A)でプレーすると見込まれた2016年シーズンだったが、予想外にもGCLで開幕。しかも、当初はレギュラーとして出場させてもらえず。シーズン終盤にはほぼサードのレギュラーとしてプレーしたが、24試合で.277/.307/.349と前年の成績さえ大きく下回った。故障という情報はないのだが。

前年からは大きく期待を下げて迎えた2017年だったが、さらに評価を下げることになった。Hagerstown(A)でフルシーズン120試合に健康にプレーしたものの、打撃成績は456打席で.201/.272/.348という惨憺たるもの。11本塁打のパワーの一方で、100三振。守備でもサードでのエラー率が1割を超え、シーズン終盤はもっぱらファーストに回されていた。

[Comment]
Victor Roblesとはずいぶん差をつけられてしまいましたが、まだ19歳、どこかでスイッチが入ればという期待感は残っています。2018年はもう一度シングルAかな。頑張れ。(2017年12月)

2016年は謎の足踏みに終わりましたが、同じ2013年の海外FA同期であり、誕生日も3か月しか違わないVictor Roblesを手本にステップアップしていくことを期待しています。(2016年10月)