2016/05/31

5/30 Murphy様様

W4-3@PHI (Season 31-21)
Roark(W4-4) 7.0IP 2ER 4H 2BB 4K
Papelbon(SV14) 1.0IP 1ER 2H 2K
Murphy 3/4 double HR(8) R 3RBI
Werth 1/4 R RBI

フィリーズ先発は4月27日に対戦して7回無得点に抑えられたJeremy Hellickson。今日もさっぱり打てず、7回までのうち、実に4イニングが三者凡退で、得点は、4回表2死からのDaniel Murphyのソロ本塁打による1点だけでした。

その間、ナショナルズ先発のTanner Roarkはよく投げていましたが、2回裏にHellicksonのスクイズで1点、6回裏にFreddy Garvisに右中間へソロ本塁打を被弾。8回表に代打を送られた時点では負け投手になるところでした。

ナショナルズにとって幸運だったのは、Hellicksonが7回で降板してくれたこと。まだ79球でしたが、8回表の頭から2番手のHector Nerisにスイッチ。これがナショナルズを助けました。2死ながらランナー1塁から、Ben Revereが四球を選んでつなぎ、2番Jayson Werthがレフト前にタイムリーを打って、同点。さらにHeiseyが歩いて2死満塁とし、打席にはMurphy。肩に力が入る場面でしたが、タイムのコールの後の球審との会話で笑顔さえ見せる余裕があれば当然の結果ですが、あっさりとライト前に2点タイムリーを打って勝ち越しに成功しました。開幕から絶好調のMurphyの勢いは落ちません。5月だけで45本の安打(もちろん球団記録)を記録し、未だに打率.395という高水準を維持(2位は.350台)。頼りになります。

これで勝ち投手の権利が付いたRoark。8回はFelipe Riveroがあっさりと3人で片付け、今日はこのまま快勝かと思われましたが、9回に無用のドラマがありました。マウンドにはJonathan Papelbonが上がりましたが、いきなり2者連続二塁打を打たれて1点差とされ、ファンの気分は最悪。後続を三振、三振、そしてセカンドMurphyへのハーフライナーで何とか1点差を守り切りましたが、ハラハラさせてくれました。全く余計な心配をさせてくれました。

ところで、心配なのは7回に右ひざに死球を受けて途中交代したBryce Harper。とりあえずは打撲との診断ですが、試合後もかなり痛がっており、明日以降の出場が危ぶまれます。せっかく調子が上がってきたところだったのに。。。

MVP: Daniel Murphy

2016/05/30

5/29 Strasburg 負けなしの9連勝

W10-2 Cardinals (Season 30-21)
Strasburg(W9-0) 6.0IP 1ER 6H 2BB 4K
Ramos 3/3 HR(6) BB 2R 4RBI
Rendon 2/4 HR(4) 2R RBI
Werth 1/1 HR(7) R 4RBI

先発が早々に崩れての2連敗で迎えたこの試合。先発のStephen Strasburgが連敗ストッパーとして頑張ってくれました。3回までは何とか無失点で切り抜けましたが、毎回ヒットを許しながらという苦しいピッチング。4回表にはBrandon Mossに先制ソロを打たれてしまうなど、必ずしも好調という感じではありませんでしたが、ずるずると崩れることなく踏ん張りました。

すると直後の4回裏。先頭のMichael Taylorがレフトへの二塁打で出塁すると、Bryce Harperがやや詰まりながらもライト前に落として、まず同点。その後2死2,3塁とし、Wilson Ramosがしぶとくライト前に運んで二者が生還。逆転してくれました。

Strasburgは5回も6回もランナーを許しましたが、粘りの投球で失点を許さず。104球で6イニングを投げ切り、1失点。悪いながらしっかりと仕事をしました。

7回表にOliver Perez、Blake Treinenがランナーをためて1死満塁のピンチを作りましたが、Felipe Riveroが犠飛による1失点に止め、1点のリードを守り切ったところが勝負の分かれ目。その裏、Anthony Rendonのソロ本塁打の後、今日は休養日だったJayson Werthが代打で登場して満塁弾を打ち、勝負あり。

Strasburgはこれで負けなしの開幕9連勝。これはエキスポス時代を含めてのフランチャイズレコードだそうです。

MVP: Stephen Strasburg

2016/05/29

5/28 Gioも打たれ今季最多の9失点

L4-9 Cardinals (Season 29-21)
Gio(L3-3) 4.2IP 6ER 6H 4BB 6K
Zimmerman 4/4 2HR(7,8) 2R 3RBI
Harper 1/4 HR(13) R RBI

前回登板で今季初めて打ち込まれたGio Gonzalez。1回表を三者連続三振で終え、今日は大丈夫かと思わせた矢先、2回に四球から崩れていきました。先頭打者に四球。センターフライと三振で2死を取りましたが、もう1つ四球を与えて1,2塁としてしまい、Greg Garciaに詰まりながらもレフト前に落とされてまず1点。これで気落ちしたか、相手投手のAdam Wainwrightに左中間への2点二塁打を打たれ、さらにもう1点取られて、この回4失点。3回にはMatt Holidayにソロを打たれて1点。そして5回、2死走者なしから、Holidayに四球を与えた後に連打され、ノックアウトされました。

ブルペンも打たれて、結局9失点は、チーム今季最多失点。

打線は、Ryan Zimmermanが2本のホームランを打てば、Bryce Harperも13号ソロと、この2人の調子が上向きなことがせめてもの救いですが、何となく低調。

明日はStephen Strasburgが先発。連敗ストッパー、お願いします。

2016/05/28

5/27 Scherzer満塁被弾

L2-6 Cardinals (Season 29-20)
Scherzer(L5-4) 7.0IP 5ER 3H 4BB 6K
Rendon 2/3 double BB SB(6)
Revere 2/4
Espinosa 1/4 HR(5) R RBI

7イニングを投げて被安打3、与四球4なら悪くないはずですが、そのうちの3安打2四球が続き、しかもその最後がホームラン立った場合には、5失点で敗戦投手となります。それが今日のMax Scherzerのおかしなピッチングでした。

問題となったのは3回表、1死走者なしから、投手のJaime Garciaにチーム初安打を許すと、四球、シングルで満塁とされ、Matt Hollidayを歩かせてしまいまず1点。そして続く、Stephen Piscottyに1ストライクからの2球目真ん中へのスライダーをすくい上げられ高々と上がった打球がそのままレフトスタンドへ届く満塁弾。これであっという間に5失点。

この3回表以外に許した走者は初回、2回の四球の2人だけで、しかも2回のランナーは併殺で消しており、二塁さえ踏ませず。4回から7回までの7イニングはなんと12人でパーフェクトピッチングだっただけに、あの3回表はなんだったんだ、という感じです。

一方でナショナルズ打線には運がなかった。初回無死1,2塁でBryce Harperが4-6-3、6回は無死1,3塁でRyan Zimmermanが5-4-3の併殺(1点入ったが)を打ってしまいましたが、2人とも完璧にとらえた弾丸のような打球で、ほんの少し左右にずれていればヒット担っていたはずでしたが、不運にも野手の正面をついてしまいました。いずれのイニングも、あれがヒットならビッグイニングになっていたはず、とは思いますが、他のヒットよりも余程いい当たりでしたから、2人とも責める気にはなりません。

ゲーム差なしながら、メッツに抜かれ地区2位に後退。このままずるずる行くなよ。

2016/05/27

5/26 Harperの久々12号でカージナルスを寄り切る

W2-1 Cardinals (Season 29-19)
Ross(W4-4) 7.0IP 1ER 6H 1BB 4K
Papelbon(SV13) 1.0IP 0ER
Harper 1/4 HR(12) R RBI
Espinosa 1/3 HR(4) R RBI

カージナルスを迎えての4連戦の初戦。がっぷり四つに組んで最後は寄り切ったという印象の好ゲームでした。

ナショナルズ先発のJoe Rossがナイスピッチング。武器であるツーシーム(シンカー)でゴロを打たせるピッチングが冴え、1、5回には併殺を打たせるなど持ち味を生かした投球。4回表にAledmys Diazに左中間のブルペンへソロ本塁打を打たれた以外は失点せず、6回を投げ終えました。

しかし、打線がなかなか援護できず。カージナルス先発のMike Leakeの前にそこそこランナーは出すものの詰め切れず、5回まで無得点。前日は9イニング無得点だったこともあり、重い空気が流れていました。相撲で言えば、四つに組んで相手に右上手を取られているといった感じでした。

この状況を変えたのが、Bryce Harperに久々に出た一発。6回裏1死走者なし。カウント1-1から真ん中に入ってきたカーブを完ぺきにとらえた打球はライト3階席の手前の壁に当たって跳ね返る超特大のホームランとなりました。ほんの少し左にずれていたら、場外弾だったかもしれないという飛距離。5月に入ってから不振が続いており、ホームランは実に5月13日以来。これをきっかけに調子を上げてくれるといいのですが。

ともかくこれで同点。Rossの球数は既に94球に達しており、これで交代という選択肢もあったと思いますが、Baker監督の選択は続投。しかも、7回表の最初の2人の打者にシングル(2本目はRossには不運な内野安打)で無死1,2塁とされましたが、それでも続投。Yadier Molinaを空振り三振にとったものの、次の打者は左のKolton Wongでブルペンでは左投手のOliver Perezの準備が整っていましたが、それでもなお続投。カウント3-2からRossの110球目。Wongの打球は緩い二ゴロでしたが、今日休養のDaniel Murphyに代わって守っていたStephen Drewが素早く処理して4-6-3の併殺。イニング終了。Baker監督のベンチでのガッツポーズが興奮を物語っています。(動画

そしてその裏、1死走者なしからDanny Espinosaがライト2階席への勝ち越しソロを放ち、Rossに勝利投手の権利が点灯。相撲風に言えば、巻きかえに成功して上手をとったという感じでしょうか。あとは、焦らずに上手を引きながら低い体勢で寄せていくだけ。8回はFelipe Rivero、9回はJonathan Papelbonがしっかりと仕事をし、寄り切りました。

会心の勝利です。

MVP: Bryce Harper

2016/05/25

5/25 Matz以下に完封負け

L0-2 Mets (Season 28-19) 
Roark(L3-4) 7.0IP 1ER(2R) 5H 2BB 5K 
Murphy 2/4 

ナショナルズ先発のTanner Roarkはよく投げました。1回表1死から2番のDavid Wrightに高めに甘く入った速球をレフトのブルペンへ弾き返されて1失点したものの、その後はランナーを出しながらも要所を締めてゼロを並べ、最後のイニングとなった7回表にDaniel Murphyのエラーが絡んでもう1点失ったものの、十分な仕事をしたと言えるでしょう。

ダメだったのは打線。不振のBryce Harperが休養を与えられて益々迫力不足。Steven Matzの前に8回までシングル安打ばかり4本と1四球のみ。三塁さえ踏ませてもらえませんでした。9回裏、クローザーのJeurys Familiaに代わってようやく連打で無死1,2塁のチャンスを作りましたが、Ryan Zimmerman、Anthony Rendon、Wilson Ramosが凡退し、完封負けを喫しました。

これでメッツとのシリーズは1勝2敗に終わり、0.5差にリードが縮まりました。なかなか突き放せません。

5/24 またしてもHarveyを撃破

W7-4 Mets (Season 28-18)
Strasburg(W8-0) 6.2IP 2ER 4H 2BB 11K
Revere 2/3 double HR(1) 2R RBI
Murphy 2/4 HR(7) R 2RBI
Zimmerman 2/4 HR(6) R RBI
Rendon 1/3 HR(3) BB R RBI
Ramos 1/4 HR(5) R RBI

先週、ニューヨークで3回途中ノックアウトしたMatt Harveyと再戦。ナショナルズも先週と同じStephen Strasburgが先発。場所が変わりましたが、結果は同じことでした。

3回までは両軍無得点。先に失点したのは、3回を9人で終え、うち6奪三振と完璧だったStrasburg。4回表1死からAsdrubal Cabreraにライトのブルペンに運ばれてしまいました。が、メッツペースだったのはここまで。3回までは毎回ランナーを出しながらも得点できなかったナショナルズ打線でしたが、4回裏、1死からRyan ZimmermanとAnthony Rendonが二者連続でレフトスタンドに打ち込みあっさりと逆転。そして5回裏。3周目となったナショナルズ打線が完璧にHarveyを捕まえました。先頭のBen Revereがセンターオーバーの二塁打で出塁すると、Jayson Werthもレフト前で続いて無死1、3塁。Bryce Harperのフェンス際まで飛んだセンターフライでRevereが生還。そして、続くDaniel Murphyがライト二階席に届く2ラン。これで5-1となり、今日もHarveyはダメだったという結論が出ました。この回のHarveyは既に疲れが見え、球速も90マイルちょっと(1回は95マイル超だったのに)で、アウトになったものも含め強烈な当たりばかり。5回5失点で防御率はさらに上がり、6.08となりました。一度マイナーで調整するかどうかという議論があってHarvey自身が拒否しているとの報道もありますが、本格的に壊れる前にそうしたほうがいいのではないでしょうか。。。

一方のStrasburgは、7回にダブル、シングル、二ゴロで2点目を失い、さらに四球を与えて1死1,2塁のピンチを作りましたが、次打者をこの日11個目の三振。ここで100球を超えたこともあって降板となりましたが、7回途中2失点。負けなしの8連勝は素晴らしい。

MVP: Daniel Murphy

5/23 Gio 3被弾でメッツに大敗

L1-7 Mets (Season 27-18)
Gio(L3-2) 5.0IP 7ER 10H 7K
Murphy 2/4
Werth 2/4 R
Zimmerman 2/4 RBI

開幕以来ずっと好投してきたGio Gonzalezが派手に打ち込まれました。1点リードの3回表に、David Wrightへの初球、甘く入ったチェンジアップをレフトスタンドに運ばれる3ランで逆転さえて、さらに2失点。5回表にはYoenis CespedesとNeil Walkerに連続ソロを被弾し、都合7失点での降板となりました。ずっと好投していた間はJose Lobatonがパーソナルキャッチャーのように起用されていましたが、Baker監督の方針で今日はWilson Ramosが先発マスク。誰も言いませんが、この影響だと言われても仕方ない結果ですね。

打線は打線で、2回裏にRyan Zimmermanのタイムリーで先制したところまではよかったのですが、リードされてからは淡泊な攻撃ばかり。中でもBryce Harperが大不振。今日も4打数ノーヒットで、5月に入ってからの打率は.207。うーむ。

ともかく、あっさりと派手に大敗。

2016/05/22

5/22 Revereのエンジンようやく始動

W8-2@MIA (Season 27-17)
Scherzer(W5-3) 8.0IP 2ER 6H 8K
Revere 3/5 2R 2RBI 2SB(1,2)
Rendon 2/4 double triple BB R 3RBI
Ramos 2/3 double 2BB R

開幕戦で故障してDL入り。今月頭に復帰してきてからも不振で打率1割にも満たない日々さえ過ごしてきたBen Revere。そんなRevereが今日は大活躍。まず1回表、センター前シングルで出塁すると、すかさず二盗。これが(4度失敗した末の)ようやくの今季初当塁。その後三塁へ進み、Bryce Harperの浅いセンターへの犠飛で生還しました。3回も再び先頭打者として打席に入りファーストへのバントシングルで、出塁すると1死1、2塁から三盗を成功し、続くDaniel Murphyのセカンドゴロでの生還につなげました。6回表1死、2,3塁で回ってきた第4打席ではライト前に弾き返す2点タイムリー。Revereに期待される足を活かしたリードオフの仕事を今季初めてし、我慢して使い続けてきたBaker監督にようやく報いることができました。とはいえ、まだ打率1割台。こういう活躍をしばらく続けて出塁率を上げていってくれないと。

そんなRevereの活躍もあり、打線は3回までに3点、6回にさらに3点と着実に加点。この援護をもらったMax Scherzerが悠々と投げて8回2失点(相変わらずの一発病で2ランを浴びましたが)。103球でしたから9回完投も行ける感じでしたが、点差が開いていたため余裕を持っての降板。しっかり5勝目を記録しました。

アウェイのマーリンズ戦を2勝1敗。このロード6戦を4勝2敗。いい感じでホームに戻ります。

なお、今日も先発したイチローが2安打。これで残り44となりました。今季中に3000本に到達するペースに戻っています。3試合で6本。ナショナルズなかなか貢献しています。

MVP: Ben Revere

5/21 9回表無死満塁で1点を追いつけず

L2-3@MIA (Season 26-17)
Ross(L3-4) 5.2IP 3ER 8H 2BB 7K
Harper 2/4 R
Robinson 1/3 RBI
Ramos 1/1 RBI

マーリンズの先発はJose Fernandezでしたが、序盤は決して捉えられない感じではありませんでした。しかし、初回、2回とも、先頭打者がシングル安打で出塁しながら、次の打者で三振・二盗死の併殺でチャンスを潰し、流れをマーリンズに与えてしまいました。それでも、4回表2死からClint Robinsonがタイムリーを打って1点を先制しましたが、以降はぱったり。

先発のJoe Rossは4回1死満塁を無失点で切り抜けるなど頑張りましたが、5回にMartin Pradoのタイムリーで同点に追いつかれると、6回にはJustin Bourに2ランを浴びて、3失点降板。まあ、よく頑張ったと思います。

その後は両軍ブルペンがしっかり投げ、試合は9回表へ。敗色濃厚かと思われましたが、Bryce Harperの当たり損ねの三塁内野安打に、Daniel Murphyがライト前で続き、無死1,3塁。代打Wilson Ramosが詰まりながらもレフト前に運んで1点差。さらに、Anthony Rendonもフルカウントから四球を選び、無死満塁。押せ押せムードで、最低でも同点、いっそ逆転もあるか、と思われました。ところが、ここで起用した代打Jayson Werthがまさかの5-2併殺。これで勢いを止められ、1点を取れないまま試合終了となりました。最近好調のWerthを代打起用したことは間違いとは思いません。簡単に三振するのではなく、食らいついてよくバットに当てたと思います。しかし、打球の方向の運が本当に悪かった。。。

惜しい試合を落としました。

それはそうと、この試合マーリンズの1番で先発したイチローが4打数4安打1四球。通算安打数3000本を目指し、この試合の前の残りちょうど50本から、一気に46本まで減らしました。ガンバレ。

2016/05/21

5/20 Roark 4度目でようやくマーリンズを倒す

W4-1@MIA (Season 26-16)
Roark(W3-3) 6.2IP 1ER 6H 2BB 7K
Papelbon(SV12) 1.0IP 0ER 1H
Zimmerman 1/4 HR(5) R RBI
Taylor 1/5 HR(4) R 2RBI
Rendon 2/4 double R
Ramos 1/4 double R RBI

今シーズンこれまで3度先発し、0勝3敗、防御率8.40と不思議なほどマーリンズを苦手としてきたTanner Roarkが、4度目でようやく勝ちました。立ち上がり先頭打者に死球を与えたときは、おいおいという感じでしたが、2番のMartin Pradoのバットをへし折っての併殺に打ち取ると、以降、7回途中まで投げて失点はソロ本塁打による1点のみ。7回裏1死走者なしからレフト線へヒットを打たれましたが、Jayson Werthの好返球で二塁でアウトにしてもらったところで降板。よく投げました。

そんなRoarkを打線が2回表に援護。マーリンズ先発のJustin Nicolinoから、Ryan Zimmermanのレフトへのソロ、Wilson Ramosのタイムリー二塁打、Michael Taylorのやはりレフトへの2ランで計4点。しっかりとらえたライナー・フライが多く、もっと行けるという印象もあった序盤でしたが、マーリンズの好守もあり結局得点はこれだけ。やや不完全燃焼感があります。

終盤はブルペンがしっかり仕事をして、最後はJonathan Papelbonが12セーブ目。いい感じでシリーズの初戦を取りました。

MVP: Tanner Roark

2016/05/20

5/19 Harveyをノックアウト

W9-1@NYM (Season 25-16)
Strasburg(W7-0) 6.0IP 1ER 6H 1BB 10K
Rendon 3/4 double R 2RBI
Revere 2/5 triple R 2RBI
Murphy 2/4 double HR(6) BB 2R 2RBI
Ramos 1/4 2RBI

Stephen StrasburgとMatt Harveyというマッチアップで投手戦を期待していましたが、よく見たら今季のHarveyは不調だったんですね。この試合の前まで8試合で3勝5敗、4.93/1.53という数字に目を疑いました。

この試合でもナショナルズ打線があっさり粉砕。まずは初回、四球で出塁のJayson Werthを置いてDaniel Murphyがセンターへ先制2ラン。そして3回表。1番のBen Revereのシングルを皮切りに1死満塁とし、Ryan Zimmermanの三遊間へのゴロをショートAsdrubal Cabreraがお手玉する間にまず1点。続くAnthony Rendonがレフトのグラブを弾く二点タイムリー二塁打。Wilson Ramosもレフト前シングルで続き、2点追加。更に、2死2,3塁からRevereが左中間への三塁打を打ち、この回だけで7点、計9点となり、Harveyをノックアウトしました。エラーが絡んだので自責点は6ですが、それでも防御率は5.77まで上昇。昨年イニング制限を超えて投げた影響なのでしょうか。敵ながら心配になります。

一方のStrasburgは今日も安定したピッチング。序盤から速球が走り、最速は98マイルを計測。2回裏に3本のシングルを集められて1点を失いましたが、大量リードをもらってからは悠々のピッチング。10奪三振。負けなしの7連勝となりました。

今日は3回に2本のヒットを打ったRevereが活躍。打率は.123に上昇。もうちょっと頑張れ。

MVP: Ben Rereve

2016/05/19

5/18 打線組み換えが的中

W7-1@NYM (Season 24-16)
Gio(W3-1) 6.1IP 1ER 5H 1BB 5K
Rivero(HD6) 1.0IP 0ER 1K
Werth 2/2 double 3BB 3R
Rendon 2/3 2BB R 2RBI
Murphy 1/4 2RBI
Ramos 1/2 2RBI

打線全体の調子が上がらない中、このメッツとのシリーズから、開幕以来2番に入っていたAnthony Rendonと主に6番を打っていたJayson Werthとを入れ替えたBaker監督。前日はどのみち手も足も出ませんでしたが、今日は、Bartolo Colonに対し、新打線が見事に機能しました。

2番に入ったWerthが3つの四球と2安打で全5打席で出塁してチャンスを作り続けると、6番に入ったRendonが5回表2死2,3塁からの決勝2点タイムリー。直前のRyan Zimmermanが三振で嫌な流れになりそうになったところでの殊勲打。Baker采配が見事に的中した形です。特に2番のWerthが出塁して3度もホームに帰ってきていることは、1番のBen Revereが1死球で1度出塁したものの残る5打席は凡退した(シーズン打率は再び1割を切りました)こととのコントラストで、上位打線が塁に出ることの重要性を再確認することになりました。いっそWerthをリードオフにおいて、Taylroを下位に置いてはどうか思います。

投手陣では、今日もGio Gonzalezが好投しました。6回まではYoenis Cespedesのソロ本塁打による1失点のみ。それ以外に許した走者は1安打1四球の2人だけという好投で、非常に安定感がありました。4点リードで迎えた7回裏に3本のシングルで1死満塁としてしまい降板を告げられましたが、まだ100球未満で相手は下位打線なのだからこのまま投げさせてやっても、という印象でした。まあ、ともかく結果は1失点でシーズン3勝目。大事な試合でも動ずることなく見事な白星を記録しました。

その7回裏1死満塁でBaker監督が呼んだのはFelipe Rivero。最初の打者を投ゴロ本塁封殺、代打Michael Confortoを簡単なファーストゴロに打ち取って無失点で切り抜けました。これもまた見事な采配と言えるでしょう。これで相手は意気消沈。8,9回はブルペン投手が難無く抑えて快勝しました。

MVP: Anthony Rendon

2016/05/18

5/17 Scherzerまた一発病(2発)

L0-2@NYM (Season 23-16)
Scherzer(L4-3) 6.1IP 2ER 3H(2HR) 3BB 10K

メッツとの今季初対戦。

ナショナルズ先発は前回20奪三振のMax Scherzer。今日もボールは走っており、7回途中までで10個の三振を奪いましたが、「前回同様」2本のソロを被弾。被安打3本のうち2本がホームランと相変わらずの一発病です。前回は、それでも味方が援護してくれたので勝ち投手になりましたが、今日はそうもいかず負け投手となりました。

ナショナルズ打線はメッツ先発のNoah Syndergaardの「100マイル速球+93マイルスライダー」の前に7回でやはり10三振。とはいえ、全く付け入る隙がなかったかというとそういうわけでもなく、2回は1死から連打で1,3塁としましたが、Wilson Ramosが併殺。6回は1死からBen Revereがシングルで出たものの、盗塁死、直後にJayson Werthがまたシングル、というちぐはぐな攻撃でした。

それにしてもRevereはひどいですね。今日のシングルでようやく打率1割を超えました(.106)が、直近7試合でのヒットはわずかに2本で、しかもどちらも直後に二盗失敗・・・(シーズン:盗塁成功0、失敗2)。この間に選んだ四球もわずかに1つ(シーズン:出塁率.157)。リードオフとしての仕事は全くできていません。Michael Taylorのほうがまだましに見えます(.195/.240/.310、盗塁成功6、失敗1)。

2016/05/17

Neftali Sotoが週間MVP(AA)

Harrisburg Senators(AA)のベテラン一塁手、Neftali Sotoが、Eastern Leagueの5月15日までの週の週間MVPに選出されました。週間成績は下記の通りの立派な成績です。

7G 31AB 2HR 13RBI 3BB 6K .387/.441/.613 1SB

マイナーFAとして今シーズンからナショナルズ傘下に入った選手でよく知らなかったのでちょっと調べてみました。

プロ10年目の27歳。プエルトリコ出身で2007年のドラフト3順目でレッズに高卒入団し、2014年まで在籍。2013年にメジャーデビューを果たし、2014年にも少し出場していますが、通算44打席で.071/.091/.095という成績。2015年3月にホワイトソックスへ金銭トレードされ、AAAで結果を残せず、オフにマイナーFAとして退団。

という、いわゆるAAAA選手の典型的なキャリアのようですが、よくよく見ると、最初思った以上にスター選手に肉薄したのかもしれないと思いました。baseball reference.comのマイナーリーグでのスタッツを併せて表示するページを見ると、2011年にAAで30本もホームランを打っています。この30本、Paul Goldschmidtと並んでの堂々のSouthern Leagueのトップでした(しかも、Goldschmidtよりも1歳若くして)。SotoとGoldschmidt。同じパワーバットの右打ちの一塁手。この時点ではほとんど差はなかったように見えます。しかし、その後のキャリアは明暗を分けます。その年の8月にメジャーデビューを果たしたGoldschmidtが、以降マイナーに戻ることなく、スターMLB選手としての地位を確立していったのに対し、Sotoは9月になってAAAに昇格して結果を残したものの、翌年以降は低迷し、今に至っています。

2011年の夏、優勝争いをする中で一塁手の補強を探らざるをなかったダイヤモンドバックスと、Joey Votto全盛期(この年161試合に出場)のレッズ。所属した球団が逆だったらどういう運命となっていたか、そんなことをbaseball reference.comのSotoのページを見ながら考えてしまいました。

プロスペクト・レポート (5/15まで) その2

今日は傘下の各チームで活躍している選手をピックアップしてみました。

(※ 成績は5月15日終了時点。)


● Syracuse(AAA)

Brian Goodwin, CF 
34G 133PA 3HR 17RBI 12BB 34K .314/.374/.475 2SB 
ほとんど忘れられた存在になりつつありましたが、今季は開幕から頑張っています。ただし、パワーもスピードもないままで、三振は多い。メジャー昇格に向けてもう1プッシュが必要。

Rafael Martin, RHP 
14G(6SV) 14.2IP 6BB 20K 4.30/1.13
チームのクローザーとして14試合に登板。防御率はいまいちですが、スライダーを武器にイニング数のほぼ1.5倍という極めて高い奪三振率。


● Harrisburg(AA)

Rafael Bautista, CF
34G 152PA 1HR 10RIBI 18BB 21K .289/.387/.344 19SB(3CS)
昨年のMy Top 10 Prospects選手。今年は他の選手を優先して外しましたが、期待は消えていません。高い出塁率と盗塁(成功率)で1番センターを立派に務めています。

Bryan Harper, RHP
14G(2SV) 16.0IP 4BB 15K 1.13/0.69
Bryceの兄。ただし入団はBryce(2010年)より後の2011年ドラフト30順目。縁故採用かと思いきや、最低限の結果を残し、じわじわと昇格。既に26歳なので残された時間は少なくなっていますが、メジャーデビューが微かに見えるところまで来ています。


● Potomac(A+)

Jose Marmolejos, 1B
34G 154PA 5HR 16RIBI 26BB 33K .278/.409/.540 1SB
ドミニカ共和国出身の左打ちのパワーバット。23歳。OPS.949は同僚のDrew Wardをしのぎ、傘下のマイナーリーガーでトップ。大化けの可能性あり!?

Koda Glover, RHP
7G(2SV) 9.2IP 4BB 15K 0.00/0.72 (A+) 
6G(1SV) 8.0IP 2BB 11K 5.63/1.50 (AA)
昨年のドラフト8順目でオクラホマ州立大から入団。昨季、SSとAで好投し、今季はA+で開幕。7試合で打者を圧倒し、早々に卒業。Harrisburg(AA)では、最初の2試合を無失点に抑えた後、2試合続けて大量失点し、一時は防御率9.00となりましたが、続く2試合はまた無失点。AAでも三振は積み上げ、注目のプロスペクトになりつつある。


● Hagerstown(A)

Max Schrock, SS
34G 152PA 2HR 16RIBI 13BB 10K .321/.382/.453 11SB(1CS)
昨年のドラフト13順目。昨季はSSで.308/.355/.448の成績を残しました。今季は2番打者としてVictor Roblesの後を打ち、競い合っているような印象を受けます。注目すべきは三振数を上回る四球を選んでいること。

Andrew Lee, RHP
7G(7GS) 35.0IP 8BB 28K 1.54/0.94 (A+) 
昨年のドラフト11順目の右腕。テネシー大では一塁手兼任のブルペン投手を務めていたこともあり、当初はブルペン投手として起用されていましたが、あまりに好投を続けたため、昨年8月にHagerstown(A)で先発に転向。今季も開幕から好投を続けています。
(※ と書いた矢先の5月16日に3回途中8失点降板。防御率も3点台まで上げてしまいました。。)

2016/05/16

プロスペクト・レポート (5/15まで) その1

シーズンが始まって1か月あまりが経過しました。My Top 10 Prospectsの選手がどう過ごしているか、まとめておきます。

なお、明日もう1本記事をアップする予定ですが、そちらでは、My Top 10以外で各チームで目立つ成績を残している選手を紹介します。両方合わせて見てもらうと分かりますが、センターの層の厚さが目立ちます。

(※ 成績は5月15日終了時点。)

Lucas Giolito, RHP 
7G(7GS) 30.1IP 25K 20BB 3.86/1.68 [AA]
開幕から7試合、Harrisburg(AA)のローテーションで投げていますが、20与四球に現れているようにコントロールに苦しんでいます。開幕から5試合は、おそらく予定通りで4イニング以下。6試合目に6イニングを投げて与四球1の2失点で今季初勝利を記録し、いよいよ本領発揮かと思いましたが、続く直近の試合では、6回表だけで3四球を与えてしまいイニング途中で降板(3失点したものの味方エラーもあったため自責は0)。きっかけさえあれば好投し始めると信じています。

Reynaldo Lopez, RHP
6G(6GS) 31.1IP 31K 14BB 4.60/1.31[AA]
こちらも開幕からAAのローテーションで投げていますが、同僚のGiolitoとどっこいどっこいの結果。イニング数とほぼ同じ数の三振を奪っており悪くはありませんが、余計な四球も多く、失点を重ねています。Giolito同様、これからギアを上げて行ってほしいです。

Austin Voth, RHP 
6G(6GS) 35.0IP 36K 5BB 2.31/1.00 [AAA]
開幕からSyracuse(AAA)のローテーション投手として6試合に先発。うち4試合で自責点0。やはり4試合で無四球。イニング数を上回る36奪三振。素晴らしい成績です。強いて懸念を挙げれば、打たれた2試合が4失点、5失点と派手に失点しており好不調の波が大きいのかなという点ですが、合計でこれだけの数字を残せば、文句の付けようがありません。メジャーのローテーションに何かあればコールアップの一番手と言っていいでしょう。それはいつになるでしょうか。

Erick Fedde, RHP 
7G(7GS) 34.0IP 35K 9BB 6.62/1.44 [A+]
Potomac(A+)のローション投手として7試合に先発していますが、ここまでは残念な結果となっています。特に、5月4日のLynchburg戦では、7本の長短打と1死球で6点を失い、1回を投げ切ることさえできず。もっとも、奪三振はイニング数を上回り、四球もそれほど多くないので、防御率ほどひどい内容ではないはず。どこかで風向きを変えたい。

Tyler Watson, LHP
高卒ルーキー。まだ出場機会はありません。6月以降にRkかSSに所属するはず。

Drew Ward, 3B
34G 148PA 7HR 21RBI 17BB 37K .305/.399/.547 0SB [A+]
故障もあって不完全燃焼に終わった昨シーズンと同じPotomac(A+)で開幕。開幕から7試合連続安打(うち2本塁打)のロケットスタートを切り、4月の成績は.310/.396/.560、5本塁打。5月に入ってもほぼ同水準の数字。A+の投手をしっかり打ち込んでいます。三振は多いものの、四球もしっかり選んでおり、何より長打が出ていることが期待感を高めています。シーズン途中のAAへの昇格もあるかも。

Andrew Stevenson, CF 
32G 150PA 5triple 0HR 10RBI 14BB 20K .346/.405/.474 14SB(6CS) [A+]
Potomac(A+)の1番センターとして活躍中。チームメイトのWardを上回る開幕から11試合連続安打を記録。その後も打ち続け、リーグトップの46安打、出場32試合のうちノーヒットに終わったのはわずか5試合と、立派な安打製造機となっています。本塁打はありませんが、二塁打、三塁打を量産中。盗塁も期待通りに積み上げています(盗塁死も目立ちますが)。

Victor Robles, CF 
33G 147PA 3HR 17RBI 9BB 16K .336/.423/.484 12SB(6CS)
こちらはHagerstown(A)の1番センターとして打ちまくっています。3本塁打に現れるように長打力もあり、盗塁もあり、三振の少なさも魅力。しかし、5月13日の試合の8回裏の打席で代打を出され、14、15日は欠場。特に故障情報は見つけられていませんが、少し心配です。

Jakson Reetz, C 
20G 79PA 0HR 4RBI 13BB 16K .183/.372/.267 1SB [A]
昨季はSSでも打てなかったにも関わらず、Hagerstown(A)で開幕。ベネズエラ出身の22歳、Jorge Tilleroと先発マスクをほぼ分け合っています(Reetzの育成という観点からは、いいことだと思います)。打撃成績を見ると苦しんでいるようですが、しっかりとボールを見極め13四球を選び、出塁率は立派です。焦る必要はありません。

Anderson Franco, 3B
まだ出場機会はありません。6月以降に(昨シーズン終盤に昇格した)SSに所属するはず。

5/15 セカンドフライ落球で2失点では勝てない

L1-5 Marlins (Season 23-15)
Ross(L3-3) 5.2IP 3ER(5R) 7H 2BB 3K
Zimmerman 2/4 HR(4) R RBI
Espinosa 2/4 double

どうしようもない試合でしたね。

3回2死2,3塁。Matin Pradoをポップフライに打ちとりイニング終了のはずでしたが、これを二塁手のStephen Drewが太陽に入れてしまい落球。2者生還。

それでもJoe Rossは頑張って投げていましたが、6回表、(Giancarlo Stantonに当てただけのバッティングでライトスタンドンに運ばれたのは仕方ないとしても)敬遠で満塁策を取りながら相手投手のJose Fernandezに真ん中高めにスライダーを投げて2点タイムリーを打たれたのはRoss自身の完全なミスでした。

打線は打線で、Jose Fernandezとブルペン投手の前に三振、三振また三振で計15三振。しかも、うち10三振はランナーを置いて。

勝てるわけがありません。

明日は移動日で、ニューヨークに乗り込んでメッツとの3連戦となります。メッツとは今季初対戦。さあ、気合を入れてまいりましょう。

2016/05/15

5/14 マーリンズとのダブルヘッダーは1勝1敗

[Game 1] Taylor 4度出塁、Strasburg負けなしの6勝目
W6-4 Marlins (Season 23-13)
Strasburg(W6-0) 6.0IP 3ER 5H 3BB 7K
Papelbon(SV11) 1.0IP 0ER 2BB 1K
Taylor 2/3 doulbe 2BB 2R 2SB(5,6)
Rendon 2/4 BB R RBI
Werth 2/4 RBI
Ramos 1/4 HR(4) R RBI

1回裏、制球が定まらないマーリンズ先発のJustin Nicolinoから3連続四球で無死満塁のチャンスをもらうと、2本の犠飛とJayson Werthのタイムリーですかさず3点を先制。

しかし、先発のStephen Strasburgの調子ははっきりいって悪かった。初回にはChristian Yelichに先制ソロを被弾。いずれも無失点で切り抜けたとはいえ、2回、3回はいずれも先頭打者に、4回にも1死から四球を与えるリズムの悪さ。そして、5回、6回にはそれぞれタイムリーを打たれて各1失点。何とか6回3失点というクオリティスタートの要件は満たしましたが、なんとかクリアしたという印象でした。

そんなStrasburgでしたが、今日は打線がしっかり援護。Strasburgが表に失点した5,6回はいずれも直後の裏の攻撃で得点し、2点のリードを保持。7回にFelipe Riveroが1失点した後も、1イニング遅れとはいえ8回裏にMichael Taylorが左中間に二塁打を打ち、これが相手のエラーを誘ってもう1点(激しい雨の中でマーリンズの守備が乱れたのはナショナルズにはラッキーでした)。

2点リードで迎えた最終回、Jonathan Papelbonが先頭打者に四球を与え気をもませましたが、最後は三振で締めてゲームセット。

MVPは、2度も盗塁を成功させ、3度も得点に絡んだMichael Taylor。4出塁は初めてです。まだ打率2割にわずかに届いていませんが、じわじわと上げてきてくれればOKです。

MVP: Michael Taylor


[Game 2] Roarkまたもマーリンズに激しく打たれる
L1-7 Marlins (Season 23-14)
Roark(L2-3) 5.0IP 7ER 8H 3BB 5K
Murphy 2/4

Tanner Roarkがまたもマーリンズに激しく打たれました。初回こそ無死1,2塁のピンチをなんとかしのぎましたが、2回に2失点、3回にも1失点。そして5回、シングルと2つの四球で無死満塁のピンチを作ると、何とか2死までこぎつけながら、連続タイムリーを打たれて4失点。4月7日と18日にもそれぞれ4失点、5失点と打たれていましたが、今回はさらにひどく7失点。この時点で試合がほぼ壊れました。

しかし、Roarkのマーリンズの苦手っぷりはもはや謎の域です。今シーズン8試合の先発のうち、マーリンズとの3試合の合計は、0勝3敗、防御率8.40。これに対して、他球団に対する5試合の合計は、2勝0敗、防御率0.79。しかも、マーリンズに打たれるのは今年に限った話ではなく、昨シーズンとの合計で見ても、計9試合(うち5先発)で実に0勝6敗、防御率7.14となっています。どうなっているんでしょうか。

打線は打線で、Stephen Drewの犠飛による1点のみ。ダブルヘッダーの2戦目ということで、レギュラー陣の多くを休ませた結果とはいえ、残念。

2016/05/14

5/13 Baker采配的中!

W5-3 Marlins (Season 22-13)
Gio(ND) 5.0+IP 0ER(2R) 6H 2BB 7K
Petit 0.1IP 0ER
O. Perez 0.2IP 0ER
Treinen(W3-1) 2.0IP 1ER 2H 1K
Papelbon(SV10) 0.2IP 1K
Harper 2/2 2BB HR(11) R 2RBI
Drew 1/1 HR(2) R 2RBI
Heisey 1/1 HR(4) R RBI

選手とのコミュニケーション能力・指導力では高く評価されるものの、采配面ではあまり評価されることがないBaker監督。しかし、今日はBaker監督の采配で勝ったと言ってもいいでしょう。

先発のGio Gonzalezは今日も快投。4回まではほぼ完璧。5回に2失点しましたが、Daniel Murphyの2つのエラーに足を引っ張られたもので、外野に飛んだ打球は一球もなし。6回表に3連打で無死満塁として降板しましたが、まともに打たれた打球は最初のGiancarlo Stantonのレフト前だけで、後の2本は内野安打。。。とにかく運がなかった。

このようにGioは十分な仕事をしました、打線が拙攻を繰り返したため、降板時点では負け投手になってしまうところでした。しかも、無死満塁。試合が壊れる寸前という場面。ここでBaker監督が動きました。

最初に送り出したYusmeiro Petitが、Adeiny Hechavarriaを空振り三振でまず1アウト。マーリンズのDon Mattingly監督が次のMiguel Rojasに代えて左打者のDerek Dietrichを送り出すと、Baker監督は左投手のOliver Perezにスイッチ。2点ビハインドでまだ6回1死、ロングリリーフのPetitを代えるのは意外でしたが、この采配が大成功。詰まらせたショートゴロ併殺で、まさかの無失点で切り抜けました。

その裏。2死走者なしから、Jose Lobatonがどん詰まりのシングルで出塁すると、投手Perezに代えて、Baker監督が送り出したのはStephen Drew。今季まだ代打でのヒットがなかった(8打数ノーヒット)Drewでしたが、カウント2-1からの真ん中への速球を振り抜き右中間スタンドへの同点2ラン。

こうなると勢いはナショナルズ。7回裏、先頭のAnthony Rendonが歩いた後、Bryce Harperがやってくれました。ライトスタンドのかなり深いところまで達する勝ち越しの2ラン。さすが、役者が違います。

この後はまたBaker采配が冴えます。1点差に追いつかれた後の8回裏にはまたも代打のChris Heiseyがレフトスタンドへダメ押しのソロ本塁打。当たり過ぎ。2点リードの9回表は、最初の2人の左打者にはFelipe Riveroをつぎ込み(結果は死球と三振)、残りをJohnathan Papelbonに任せるという念の入れよう。

見事な逆転勝利。これでメッツを抜き、地区単独首位に返り咲きました。

MVP: Stephen Drew 

2016/05/13

Stephen Strasburgが契約延長に合意!!

[5月14日 追記]
総額175百万ドルの支払われ方が明らかになりました。2017年から23年までの7年間は毎年15百万ドルが支払われ、その後2024年から30年までの7年間に毎年.10百万ドルが支払われるとのこと。

また、今回の延長合意に達するまでの交渉経緯について、ワシントン・ポストのJames WagnerとAdam Kilgoreの長い記事が出ていましたので、リンクを貼っておきます。Scott BorasとLernerオーナーとの交渉の様子などがかなりリアルに書かれていて、読む価値はあります。


[5月10日 オリジナル]
西海岸(サンディエゴ)出身。

FA前最終年であり、今オフにFAとなる投手の層の薄さ。

そして、代理人はScott Boras。

あきらめていました。来季はきっと違うユニフォームを着ているんだろうな、と。


しかし。


5月9日、Stephen Strasburgがナショナルズとの契約延長に合意したことが明らかになりました。まさにStrasburgがデトロイト・タイガースとの試合でマウンドに上がっているその時、Washington PostのChelsea Janesがこの驚きのニュースをツィートしたのが第一報でした。

契約の詳細などは明日の記者会見を見てから書こうと思いますが、判明している情報をまとめると次のとおり。

・とりあえず7年契約
・7年契約が満了する場合、総額175百万ドル
・支払は7年よりも長い期間にわたって支払われる(deferral)
・パフォーマンス・ボーナス(毎年、180投球回数達成で1百万ドル)
・3年目及び4年目終了後にStrasburg側からオプトアウト(契約解除)可能

つまり、少なくともあと3年はナショナルズのユニフォームを着て、Max Scherzerとローテーションを組むことが決まりました。


それにしてもこんな契約延長をこのタイミングで決めるとは。Mike Rizzo GM 恐るべし!いや、さすがです。

2016/05/12

5/11 Scherzer 20奪三振(MLBタイ記録)

W3-2 Tigers (Season 21-13)
Scherzer(W4-2) 9.0IP 2ER 6H 0BB 20K
Murphy 3/4 double 2RBI
Harper 2/3 BB
Rendon 2/4 double 2R SB(4)
Espinosa 1/3 HR(3) R RBI

昨シーズン、2度のノーヒッターと16奪三振のワンヒッターという歴史的快投を演じてきたMax Scherzer。今シーズンは開幕からピリッとせず、この試合の始まる前まで7試合に先発し、3勝2敗、防御率4.70。リーグで2番目に多い9被本塁打。

そんなScherzerがやってくれました。

MLB記録タイに並ぶ1試合(9イニング)20奪三振。過去、Roger Clemens(1996, 1998)、Kerry Wood(1998)、Randy Johnson(2001)の3人(4度)しか達成していない大記録です。

イニング毎の奪三振数は、次の通り。

1回表: 2 ⇒1回裏、Daniel Murphyのタイムリーで1-0と先制 
2回表: 3 (先頭打者のVictor Martinezにシングル)
3回表: 3 (先頭打者のJose Igresiasにソロ被弾)
4回表: 1
5回表: 2
6回表: 2 ⇒6回裏、またもMurphyのタイムリーで2-1とリード
7回表: 2 (1死2,3塁から、連続三振でピンチを脱出)
8回表: 3 ⇒8回裏、Danny Espinosaのソロで3-1とリード

この時点で18奪三振の球団タイ記録。MLB新記録の可能性も残して、9回表のマウンドへ。先頭のJ.D. Martinezに投じた初球、ど真ん中へのスライダーをセンター左へ運ばれ、3-2と1点差に迫られましたが、続く、Miguel Cabreraを空振り三振で19個目。Victor Martinezにレフト前シングルを打たれた後、Justin Uptonを低めへのスライダーで空振り三振に仕留め、遂に20奪三振。

新記録への期待がかかったJames McCannの打席でしたが、初球空振りの後、2球目をスイングし、打球は緩いサードゴロ。Anthony Rendonが二塁のMurphyに転送してフォースアウトが記録され、ゲームセット。惜しくも新記録はなりませんでしたが、見事な完投勝利。

Stephen Strasburgも長期契約を結んだことで、「どちらがエースか」という論争が生じ得るところでしたが、このピッチングを見せられてはかないません。Scherzerがエースです。

最後は、Scherzer 自身のコメントで締めくくります。

“Strikeouts are sexy.”

MVP: Max Scherzer

2016/05/11

5/10 納得いかないスライディング・ルール

L4-5 Tigers (Season 20-13)
Ross(L3-2) 6.0IP 5ER 8H 2BB 4K
Zimmerman 2/5 2HR(2,3) 2R 3RBI
Murphy 2/5 R
Ramos 2/2 double 2BB

併殺の際にベースカバーに入った二塁手・遊撃手が死角からのスライディングを受けて負傷することを防ぐ観点から、一塁走者は、二塁へのスライディングの際にはベースに向かい、守備を妨害してはならないというルールが今シーズンから導入されました。スプリングトレーニング中からかなり厳格に適用され、かなり定着してきたという印象を持っていました。

例えば、同ルールが初めて適用された4月5日のブルージェイズ対レイズ戦でのこのプレー(動画へのリンク)。あるいは、4月8日のアストロズ対ブリューワーズ戦でのこのプレー(2戦分併せて議論している動画へのリンク)。いずれも併殺が認定されています。

で、今日の試合。6回表1死満塁でのこのプレー(動画へのリンク)です。

どう見えますか?スライディングしたAnthony Goseの足は完全にベースではなくDanny Espinosaの足元を狙っているのではないでしょうか。しかし、審判は併殺成立とジャッジせず、タイガースの得点を認めました。ナショナルズのチャレンジによるビデオ判定でも結果は変わらず。Goseはそもそもベースに触ようとさえしていません。ここまであからさまなケースを認めないなんて、どういうことなんでしょうか。

試合後のMLB側の説明は、「野手の送球を邪魔していなければよい。」というものでした。全く納得いきません。Espinosaがうまく避けたから邪魔にならなかったように見えただけのこと。それなら、併殺をコールしてもらいたければ、野手は故障のリスクを冒してでも、向かってきたスライディングを避けてはならないというのでしょうか。まさか。

あれが併殺ならその時点でイニングは終了し、このプレーでの1点と、続くMiguel Cabreraのタイムリーはなく、最終的な点差からすれば勝っていたはずです。

Ryan Zimmermanが2本のホームランを打ったとか、8,9回にチャンスを作りながらあと一歩及ばなかったとか、いろいろありましたが、他のことは書く気になりません。

ばかばかしい。

2016/05/10

5/9 Robinsonのサヨナラ弾でStrasburg契約延長を祝う

W5x-4 Tigers (Season 20-12)
Strasburg(ND) 7.0+IP 4ER 6H 3BB 11K
Kelley(W1-0) 0.1IP
Murphy 2/4 HR(5) R 3RBI
Robinson 1/1 HR(2) R RBI

カブスに4連敗、しかも最終戦は延長13回の末にサヨナラ負けを喫して戻ってきたホームでの一戦。

マウンドに上がったのは、Max Scherzerがピリッとしない中4勝負けなしとローテーションの軸として活躍中のStephen Strasburgでしたが、立ち上がり、先頭のIan Kinslerにストレートの四球を与えると、2死後、Nick Castellanosにレフトへの2ランを被弾。4回裏にDaniel Murphyのタイムリーで1点差に追い上げてもらったのに、直後の5回表にJ.D. Martinezにまたもレフトへ2ランを許し、1-4と差を広げられてしまいました。

という、まさにこのタイミングで入ってきたのが、「Strasburg契約延長に合意」の大ニュース。

この直後、偶然かもしれませんが、ギアが入ったようにStrasburgのピッチングが変わりました。6回表を2三振を含む三者凡退で終えると、その裏、Murphyの2ランで1点差。7回表は三者連続の空振り三振と圧倒。この時点で103球となっており、お役御免かと思われましたが、その裏、7,8番が連打で無死1,2塁としてくれたため送りバントのために打席へ。しかも、Strasburgの一塁線へのバントをAnibal Sanchezが握りきれずオールセーフで無死満塁となりました。

これで一気に逆転すればStrasburgが勝利投手になって、これ以上ないおめでたい日となるはずでしたが、残念ながらそう簡単には行きませんでした。Ben Revereの右中間への犠飛で同点にこそしましたが、なお1死1,3塁でAnthony Rendonは見逃し三振。Bryce Harperがまたも敬遠されて2死満塁となった後、Ryan Zimmermanは2球目の胸元への難しいボールに手を出しどん詰まりの一邪飛に倒れて勝ち越しはならず。

その後、タイガースに行きそうな流れを捕手Wilson Ramosのサードへの好送球などで何とか押し止め、迎えた9回裏。先頭のDanny Espinosaの見逃し三振でベンチから暴言を吐いたとしてHarperが退場処分を受けたことで球場全体がざわめく中、代打Clint Robinsonが2球目の速球を高々と打ち上げた打球はライトスタンド最前列に届く一発。あっけない形でサヨナラ勝ちとなりました。勝利投手はShawn Kelley。9回表2死走者なしで登板し、Ian Kinslerが初球を打ち上げ一塁ファールフライ。「1球で」勝ち投手になっています。

連敗ストップ。シーズン20勝目。さあ、どんどん行きましょう。

MVP: Clint Robinson

2016/05/09

Harperとの勝負を徹底的に回避するカブスの策について

5月8日のカブス戦Bryce Harperが1試合6四球のMLBタイ記録を達成しました。過去3度、1938年のJimmie Foxx、1984年のAndre Thornton、そして1999年のJeff Bagwellが記録しただけ。3人ともそれ以外の打席では出塁していませんが、今回のHarperは残りの1打席も死球で出塁。1試合の全打席で、打数にカウントされない形で7度出塁というのはMLB新記録とのことです。

敬遠は3つでしたが、他の四球も勝負をする気がほとんどない敬遠気味のもの。つまり、徹底的にHarperを避ける。それがカブスの作戦でした。しかも、この試合だけではありません。この4連戦のHarperの成績は次のとおり。

5/5 1/1 3BB R
5/6 0/3 1BB R 2K
5/7 0/0 3BB(1IBB) SF RBI
5/8 0/0 6BB(3IBB) 1HBP

締めて、計19打席、4打数、1安打、13四球(うち4敬遠)、1死球、1犠飛。徹底した回避策です。

こうなると後ろを打つ打者に期待がかかるわけですが、4試合とも4番を打ったRyan Zimmermanの成績は、計19打数2安打で3打点と完全にブレーキとなってしまいました。2度までも、2死1,2塁でHarperを敬遠され、いずれも凡退。これまでチャンスに強い印象の強かったZimmermanがこれほどまでに抑え込まれるとは思ってもいませんでした。

この策が、いずれも3点差以内で終わったこの4連戦の結果を左右したと言っても過言ではないと思います。Harperへの最高の敬意を払ったと見ることもできますし、味方投手を信じていないとも言えます(第4戦で先発したTanner Roarkはこの観点から批判的なコメントを残しています)。ま、こうして議論が巻き起こる采配で勝利をつかむ。これがJoe Maddon監督の真骨頂ということかもしれません。

もっとも、第4戦の後のMaddon監督のコメントは
「彼(Harper)がどれほど素晴らしい選手かは周知のとおり。なぜあえて危険を冒す必要があるのか。他の打者に打たれるなら、それでいい。気にすることはない。彼はあまり調子が良くない状態でこのシリーズを迎えていたが、その彼の調子を上向きにすることはしたくなかった。過去にもこういう経験はある。我々としては、今やらなければならないと思ったことをやったまで。結果としてそれがうまくいった。」
などと嘯いており、全く面白くありません。

一方のDusty Baker監督のコメントは
「ファンは彼が歩くところを見に来たわけではなく、バットを振るところを見に来ているはず。とはいえ、うちのチームでHarperの後ろを打つ打者が打ち始めるまでは仕方あるまい。」
というコメントを残しつつ、当面Zimmermanの打順を変えるといった措置を取るつもりはないと言っています。

さて、カブスとは、この後6月13~15日にナショナルズ・パークでの3連戦が予定されています。そこでどう対応してくるか、そしてポストシーズンで対戦することになった時にどう戦うか、楽しみな点が1つ増えました。シーズンは、まだまだこれからです。

5/8 Arrietaは攻略したのにサヨナラ負けの4連敗で地区2位に後退

L3-4x(13)@CHC (Season 19-12)
Roark(ND) 6.0IP 0ER(1R) 4H 2BB 7K
Perez(HD5) 0.1IP 2ER 1H 1HBP
Petit(BS) 3.2IP 0ER 6H 2K
Treinen(L2-1) 0.1IP 1ER 1H(1HR) 1K
Ramos 3/6 BB R RBI
Espinosa 3/6 HBP
Murphy 2/7 R
Harper 0/0 6BB(3IBB) 1HBP

勝たなければならなかった試合。勝てた試合。でも、負けました。

カブス先発は昨季のサイヤング賞投手、Jake Arrieta。今季も4月21日のレッズ戦でのノーヒッターを含め6戦6勝(4月の月間MVP)。昨季も8月以降、12戦11勝(残り1試合もブルペンが打たれて同点に追いつかれたものの、延長戦チームは勝利)で終えており、目下17連勝中。最後に黒星がついたのは昨年7月25日のことという、間違いなく今のMLBで最も手ごわい投手。

そんなArrietaに対して打線はよく頑張ったと言えるでしょう。3回にはRyan Zimmermanのレフト線への二塁打でBryce Harperが1塁から激走して先制。4回はWilson Ramosの好走塁などでチャンスを作りAnthony Rendonの二ゴロをBen Zobristがジャッグルして併殺崩れとなる間に1点追加。そして5回には1死3塁からRamosが三遊間を破るタイムリー。5回3失点(自責点2ですが、非自責点もArrieta自身のエラーによるもの)。各打者がボールに食らいついていき、とにかく球数を投げさせることに成功。5回表を投げ終えて100球に到達し、5回裏の打席で代打を送られて降板。この時点で、ナショナルズが3-1とリードし、このままいけば、Arrietaに黒星を付けることができるはずでした。

ナショナルズの先発Tanner Roark。こちらはもう本当によく頑張りました。失点はエラーで出塁した走者をワイルドピッチで生還させてしまった4回の1点だけ。初回2死満塁、3回2死3塁、5回2死3塁、6回2死1,3塁といずれもピンチを迎えましたが、勝負どころを抑え切り、自責点0。熱投という表現が頭に浮かんだ力のこもった110球。あのまま勝っていれば間違いなくこの試合のMVPとなるはずでした。

が、残念ながら、そうはいきませんでした。

一番の誤算は7回表に投入したOliver Perez。先頭打者の投手Trevor Cahillにカウント0-2と簡単に追い込みながら内野安打(Perez自身に当たったもの)で出塁を許すと、続く打者にはストレートの四球。これの後送りバントで1死2,3塁とされたところで降板(この犠打のアウトのためにホールドが付いたのは皮肉です)。Yusmeiro Petitに代えたところで、3番のKris Bryantを敬遠する策もあったと思いますが、ベンチの判断は勝負。結果的には裏目に出てセンター右への2点タイムリーで同点とされました。

この時点で、Arrietaの黒星も、Roarkの白星も消えてしまいました。

この後、Petitは3回2/3を無失点でつなぎ、Jonathan Papelbonも2イニングを無失点(もっとも、あわやサヨナラ打という二塁打をKris Bryantに打たれましたが、途中からセンターに入っていたMichael Taylor⇒Danny Espinosa⇒Ramosの素晴らしいリレーで本塁タッチアウトにしてもらった結果ですが)とディフェンスでは粘りを見せましたが、13回裏Blake TreinenがJavier Baezに左中間スタンドに運ばれてサヨナラ負け。

その間、ナショナルズはもっと得点できるチャンスがたくさんありましたが、残塁の山。同じことはカブス打線にも言えることがでしたが、ナショナルズは悲惨の領域。得点圏にランナーを置いて19打数1安打(上記のRamosの1本だけ)。チーム残塁21。象徴的なのはボックススコアでとりわけ目立つ、Zimmermanの個人残塁12という数字。この試合、Zimmermanの前を打つHarperは6四球のMLBタイ記録(これについては別記事を書くつもりです)。もう1打席も死球で、実に全7打席、四死球で出塁。上述の通り3回にはタイムリー二塁打を打ちましたが、以降の6打席全て凡退。特に、延長10回と12回はいずれも2死1,2塁からHarperが敬遠されて満塁で打席に立ちましたが、センターフライと緩いサードゴロ。12回はヘッドスライディングまで試みましたが、結果はアウトで、しばしグラウンドに突っ伏していました。まあ、Zimmerman1人だけのことではありませんが、あのシーンがチームのフラストレーションをよく表していました。

これでカブスに4戦スウィープを喫し、開幕以来守ってきた地区首位の地位をメッツに譲渡しました。このロード10連戦は5勝5敗。

さあ、ホームに帰って、やり直しです。

2016/05/08

5/7 ブルペンが踏ん張れず3連敗

L5-8@CHC (Season 19-11)
Gio(ND) 5.2IP 5ER 7H 1BB  2K
Solis(L0-1) 0.2IP 2ER 2H 2BB 1K
Drew 2/4 double RBI
Zimmerman 1/4 2RBI
Revere 2/5 double triple 2R

数字だけ見ると、Gio Gonzalezはかなり打ちこまたれたように見えます。しかし、実際には実によく投げていました。5回を終えて被安打4、2失点。チームは4-2とリード。6回裏も2死1塁、あと1人抑えれば、という場面まで来ていました。ここで2本続けてシングルを打たれ、1点差とされたところで降板となりましたが、それでもこの時点では3失点。2死1,2塁。ブルペンさえ踏ん張ってくれれば勝ち投手になってもよい投球内容でした。

しかし、ブルペンが踏ん張れず。まず2番手Blake Treinenがストレートの四球を与えて満塁。続く投手の打順で代打として左打者のRyan Kalishが出てきたところで、左腕のSammy Solisにスイッチ。カウント2-2から内より高めの速球でどん詰まりのハーフライナーを打たせましたが、不運にも打球は三遊間深く、ダイビングキャッチを試みたDanny Espinosaのグラブの先をかすめてレフト前に落ちる逆転の2点タイムリー。

粘るナショナルズは7回表にRyan Zimmermanの内野ゴロの間に同点に追い付きましたが、その裏、Solisが1死満塁のピンチを作って降板。出てきたShawn Kelleyが最初の打者をセカンドへの緩いライナーで仕留めて2死まで行きましたが、Addison Russellにライトフェンス際への2点二塁打を打たれ、結局これが決勝点。

6回表までは実にいい形でリードしており、あと1歩のところでしたが、勝てず。明日のカブス先発がJake Arrietaだけに勝っておきたかった試合を落とし、3連敗。うーむ。

2016/05/07

5/6 Scherzer 4被弾

L6-8@CHC (Season 19-10)
Scherzer(L3-2) 5.0IP 7ER 7H(4HR) 3BB 7K
Murphy 4/4 double 2R
Ramos 2/4 HR(3) R 2RBI
Werth 1/4 R double 2RBI
Rendon 1/4 HR(2) R RBI

初回にAnthony Rendonが2号ソロ、2回表にはMax Scherzerが自らタイムリーを打って、2-0とリード。今日はナショナルズのペースで試合が進むかと思われました。

が、今日のScherzerはまさかの4被弾と散々で、試合を作れませんでした。まず、2回裏、先頭打者を歩かせた直後、Tommy La Stellaに初球を叩かれ、あっさりと同点。さらに3回裏2死走者なしでAnthony Rizzoにライトポール際に運ばれた打球は、ファールゾーンでポールに付けられた旗に当たったようにも見えましたが、判定はホームラン。続くBen Zobristにも二者連続の被弾。さらに5回裏2死1,2塁からZobristに今日2本目の3ランを打たれて、都合7失点。Scherzerの問題は制球・組み立てということらしいですが、本当に大丈夫かな。。。さらに2番手のBlake Treinenも1失点し、6回終了時点で2-8とリードされる苦しい展開。

それでも、8回表2死からJayson Werthの2点タイムリー二塁打と、Wilson Ramosの2ランが出て2点差まで追い上げましたが、too little too late。最終回は簡単に三人で終わりゲームセット。

そんな試合でしたが、注目はDaniel Murphyが4打数4安打。シーズン打率は.406まで上がりました。一方で、今日DLから復帰したBen Revereは5打数ノーヒット1三振と全くいいところなし。ふぅむ。

さあ、さあ、切り替えて行きましょう。

ロースター異動まとめ(2016年5月)

5/3 Wilson Ramos復帰、Pedro Severino⇒AAA
5/6 Ben Revere DLから復帰、Matt den Dekker⇒AAA

● Wilson Ramosが忌引から復帰し、Pedro SeverinoがAAAへ
祖父の葬儀のため4月26日からチームを離れていたWilson Ramosが復帰し、代役として昇格していたPedro SeverinoがSyracuse(AAA)に戻されました。

Severinoは丸々一週間チームに帯同しましたが、結局1試合に先発出場しただけでした。もう少し使ってやってもいいのになあ。また機会は巡ってくるでしょう。それまでAAAで頑張っていて下さい。


● Ben RevereがDLから復帰し、Matt den DekkerがAAAへ
開幕戦の第一打席でスイングした際に右脇腹を痛めDL入りしていたBen Revereがようやく復帰してきました。AAAでのリハビリ出場を経て、万全の状態での復帰と話しています。Revereが離脱している間1番センターを任されていたMichael Taylorは、108打席で.186/.222/.304の成績に終わり、みすみすチャンスを逃してしまいました。

Revereの復帰にともない、Taylorがマイナーに送られるのではないかとの観測もありましたが、結果はRevereのDL入りで上がってきていたMatt den DekkerがそのままSyracuse(AAA)に戻されました。こちらも控え野手陣の中では最多の34打席を与えられながら、.194/.265/.323でしたから、結果を残せなかったという意味ではTaylorとほとんど変わりませんでした。

5/5 小さなミスの重なり

L2-5@CHC (Season 19-9)
Ross(L3-1) 6.2IP 2ER 5H 2BB 9K
Harper 1/1 3BB R
Werth 1/4 HR(6) R 2RBI

勝率トップ2チームの対決。初戦の先発は、ナショナルズJoe Ross、カブスKyle Hendricksというローテーションでは下位の2人でしたが、ふたを開ければ立派な投手戦となりました。

両投手被安打1ずつの0-0で迎えた4回裏。先頭のTommy La Stellaのシングルの後、Kris Bryantにセンターオーバーのエンタイトル二塁打を打たれ、Anthony Rizzoを敬遠四球で無死満塁の大ピンチ。ここでBen Zobristにライト前タイムリーを打たれて2点を奪われましたが、一気に三塁を狙ったRizzoをBryce Harperの好返球でタッチアウトとしたことにも助けられ、失点はこれだけ。9奪三振の好投で、以降は7回途中で降板するまで追加点を許さず、味方の反撃を待ちました。

しかし、今日は打線が沈黙(前日に打ち過ぎたか)。死球と四球で無死1,2塁のチャンスをもらった8回表が唯一のチャンスでしたが、1番のMichael Taylorが空振り三振、2番のAnthony Rendonが4-6-3の併殺を打って無得点。中でもTaylorの打席はボール球を2球も振っての空振り三振。ただ立っていれば死球をもらえたはずが、制球に苦しんでいたPedro Stropを助けるひどい打席でした。Ben Revereが明日にも復帰という状況の中で、悪い方向で強烈にアピールしてしまいました。

さらにその裏、2死1塁からLa Stellaを牽制で誘い出し、イニング終了かと思われましたが、Ryan Zimmermanの送球が少し逸れて帰塁を許してしまうと、直後にZobristが2ラン。さらにもう1点追加されて、勝負あり。その裏のJayson Werthの2ランは文字通りの後の祭りとなりました。

記録上はエラーもなければ、残塁も多かったわけでありませんが、小さなミスが重なっての敗戦。Baker監督は「今季最悪の試合」というコメントを残しています。ファンの目にはそこまでとは思えませんでしたが、Baker監督にはもっと多くのミスが見えていたのかもしれません。

2016/05/05

5/4 初回6得点で圧勝し、ロイヤルズに勝ち越し

W13-2@KCR (Season )
Strasburg 6.0IP 2ER 6H 1BB 7K
Murphy 4/5 double HR(4) 4R 3RBI
Harper 2/4 HR(10) 2R 2RBI
Zimmerman 3/5 double 2R RBI
Ramos 3/5 R RBI
Robinson 2/3 BB SF 3RBI

前夜のPapelbonの悪夢を早く払拭したいナショナルズ。またも1回の表に得点しましたが、(今季こここまでナショナルズと並び30球団最少エラー数、8個だった)ロイヤルズに3つのエラーが出るという意外な展開によるものでした。まず先頭のMichael Taylorの打球をサードが弾き、ボールが転がる間にTaylorは二塁へ。続くAnthony Rendonの二遊間への打球も、セカンドが追いつきながら処理しきれず、無死1,3塁。こうなると押せ押せの打線。不調のBryce Harperの打球は幸運にもセンター前にポトリと落ちる先制タイムリー。Ryan Zimmermanが三塁線に二塁打を打つと、Daniel Murphyもライト戦への強烈な二塁打(ライトがもたつく間に三塁へ)。まだまだ続き、Jayson Werthがセンター右へ三者連続となる二塁打。ワイルドピッチでWerthが三塁へ進み、Clint Robinsonがセンターへきっちり犠飛。打者一巡、残塁なしの効率的な攻撃で、6点を奪い、早々に試合の主導権を握りました。

この大量援護をもらったStephen Strasburg。2回裏に2死から連続タイムリーで2点を失いましたが、3回表にさらに4点の援護をもらって10-2となってからは余裕のクルーズモード。13-2という大量リードもあり、6回を終えたところで余力を持っての降板となりました。自身、開幕から負けなしの5連勝。チームは登板した6試合に全て勝利するという、エースの役割を果たしています。

打線では、Harperに久しぶりの10号ソロが出て、Zimmermanも3安打といい感じになってきましたが、なんといってもDaniel Murphy。4回表の4号ソロを含め4安打。最終打席で凡退しためわずかに打率4割を切りましたが、.398は堂々のナ・リーグトップ。安打数39も同じくリーグトップです。

昨年のワールドシリーズチャンピオンを相手に2勝1敗(それも勝ってたはずの試合)で勝ち越し。いい感じで、明日からカブスとの4連戦に突入です。開幕前から下馬評の高かったカブス。期待に違わず、ここまで20勝6敗と30球団最高勝率を誇ります。ナショナルズは勝率2位。つまり、現時点で最も好成績を残している2チームの対戦となります。最終戦には昨年のサイ・ヤング投手Jake Arrietaが登板予定(こちらはTanner Roarkの予定)。楽しみ。

MVP: Daniel Murphy 

2016/05/04

5/3 Papelbonが今季2度目のぶち壊し

L6-7x@KCR (Season 18-8)
Roark 7.1IP 3ER(4R) 6H 2BB 4K
Papelbon(BS2, L0-2) 0.2IP 3ER 5H 1K
Ramos 3/4 2double R RBI
Rendon 1/4 HR(1) R RBI
Werth 2/4 HR(5) 2R RBI
Murphy 1/4 HR(3) R RBI

1回表、ようやく出たAnthony Rendonの1号ソロで先制すると、3回裏に逆転されても、4回表のDaniel Murphyのソロで1点差に迫り、6回表に下位打線で3点を奪って逆転。8回表にはJayson Werthにもソロ本塁打が出て、この時点で3点リード。何故か不調のままのBryce Harperを除く全員が打って、計12安打、6得点。打線は十分に仕事をしました。

投げてはTanner Roarkが、2個の四球から自滅した3回裏に3失点をした後は落ち着いたピッチングで8回途中まで投げて4失点(自責点3)。8回裏1死1,3塁のピンチを作って降板しましたが、今日も仕事としては合格点でした。そのピンチも、出てきたFelipe Riveroが2つの内野ゴロを打たせて最少の1失点で切り抜け、2点のリードで9回を迎えました。

ここまでは(Harperを除く)各選手が、自らの仕事をきっちりとして試合を作ってきました。このまま勝てば、5連勝、このロイヤルズとのシリーズの勝ち越しを決めることになっていました。

そんな他のみんなの努力を完膚なきまでにぶち壊してくれたのがJonathan Papelbon。2点リードの9回裏に登場すると、シングル、シングル、三振、シングル(2点タイムリーで同点)、レフトライナー(2アウト)、シングル、シングル(サヨナラ)と、実に5安打、3失点での逆転サヨナラ負け。内容という点でも、コントロール、切れともになく、アウトになったライナーを含め強烈な打球がほとんど。ひどかった。Papelbonのセーブ失敗はこれで今季2度目。5月中にもう一度失敗することは許されません。もし失敗したら、もう終わりです。

2016/05/03

Bryce Harperがナ・リーグ月間MVPを受賞

Bryce Harperが4月のナ・リーグ月間MVPに選ばれました。

Photo by Nick Wass, AP

昨年5月以来、自身2度目の受賞。昨シーズンのリーグMVPとして堂々のスタートを切りました。

96PA .286/.406/.714 9HR 16R 24RBI 5SB

打点はリーグトップタイ。長打率、本塁打はいずれも2位。盗塁数さえ、リーグ4位タイ。ハイライトは、4月14日の通算100号となる満塁弾(上の写真はこの日のもの)。これを含め今月だけで2本の満塁ホームラン。開幕ダッシュを決めたチームを牽引しました。

なお、昨季限りでナショナルズをFA退団し、タイガースに加入したJordan Zimmermannが5戦5勝、防御率0.55でア・リーグの月間MVP投手を受賞しています。ナショナルズ時代の2012年7月以来、2度めの受賞。これからもがんばって下さい。

2016年4月をふりかえる

4月が終わりましたので、戦いぶりを振り返っておきます。

[National League EAST End of April 2016]

WLPCTGB
Washington 16  7 .696  -
New York 15  7 .682 0.5
Philadelphia1410 .583 2.5
Miami 1211 .522 4.0
Atlanta    518 .21711.0

昨シーズンの勝率5割以上だったチームとの対戦がツインズとの3試合のみ、しかもそのツインズも今季は開幕から9連敗とかなり悪いチーム状態(ナショナルズとのシリーズが始まる時点で5勝11敗だった)とあって、非常に恵まれたスケジュールとなった4月のナショナルズ。きっちりと勝っておかなければならないというプレシャーもあったはずですが、しっかり勝ち越しました。

開幕カードはブレーブスとの2連戦。決して楽な試合ではなかったものの2連勝。マーリンズを迎えてのホーム開幕戦こそ落としましたが、雨で試合を流した後に7連勝で、9勝1敗という強烈なスタートダッシュを決めました。その後は勝ったり負けたりでしたが、24日のツインズ戦で延長16回サヨナラ勝ちを収めたところで貯金10。ホームでのフィリーズ3連戦でスウィープを喫するということもありましたが、4月最後はアウェイでのカージナルス戦に2連勝して締めくくり、なんとか地区首位をキープしました。

2位はメッツ。開幕からしばらくはもたもたしましたが、22日以降、破竹の8連勝で一気にナショナルズとの差を詰めてきました。投手陣は予想通り活躍しています。3位はフィリーズが健闘中。こちらも投手陣が好調です。4位のマイアミは打線がチームを引っ張っています。ここまでが勝率5割超。そんな中、ブレーブスだけは予定通り負けまくっています。ナショナルズに6つ負けたのを含め開幕9連敗。4連勝した後、また8連敗。まあ、頑張ってください。

[Pitcher of April 2016: Stephen Strasburg]
GSIPWKERAWHIP
Stephen Strasburg536.04402.251.00
Tanner Roark531.02302.031.19
Max Scherzer531.02304.351.32
Gio Gonzalez 425.11251.420.99
Joe Ross422.23140.790.97
GIPSVHLDERAWHIP
Jonathan Papelbon1110.1802.611.16
Blake Treinen109.0053.001.22
Felipe Rivero1212.2123.550.87
Shawn Kelley 108.0010.000.88
Yusmeiro Petit 513.0002.770.92

先発、ブルペン合わせたチーム防御率2.36は、30球団中の堂々トップ!!WHIPや被本塁打率、奪三振率、与四球率といった個々の数字を見ると1位はないのですが、総合すると見事な1位。このスタートダッシュの立役者は投手陣と言って過言ではないしょう。

まず、先発ローテーション。昨シーズンは開幕前にメジャー最強と呼ばれていたナショナルズの先発陣。今季、その称号はメッツに行ったわけですが、蓋を開けてみれば今季のナショナルズ先発陣は(僅差でカブスの後塵を拝しましたが)メジャー2位の先発投手防御率(2.28)。素晴らしい。中でも、Stephen Strasburgは、5戦4勝。残りの1試合も7回まで1失点の好投の後、8回に3ランを打たれたもの(結果は延長16回サヨナラ勝ち)。40奪三振はClayton Kershaw(ドジャーズ)、Jose Fernandez(マーリンズ)とピッタリ並んでナ・リーグトップタイ。昨年の開幕直後とはえらい違いです。1試合のパフォーマンスということで言えば、23日のTanner Roarkの15奪三振は「凄み」すら覚えました。マーリンズとの2試合だけは打ち込まれましたが、他の3試合は合格点以上の内容です。チーム事情で出遅れることになったGio Gonzalezも好投を続けていています。また、Joe Rossも右手指のマメのため4試合目に途中降板シましたが、それまでは3連勝と好調でしたし、たかがマメですから心配はありません。心配なのは、むしろMax Scherzer。序盤に崩れることが多く、ピリッとしません。

ブルペンはブルペンで頑張っています。クローザのJonathan Papelbonはファン心理としては依然複雑ですが、1試合で失敗した以外はセーブを記録し、内容も決して悪くありません。いつの間にかBlake Treinenがメインセットアッパーの地位を掴んでいますが、実はShawn Kelleyが防御率0.00を継続したりして驚いています。ロングリリーフのYusmeiro Petitも、Rossがマメで降板した試合で4イニング、延長16回まで行った試合で4回2/3を投げていずれも自責点1でチームの勝利に貢献と、期待通りの活躍をしています。

[Hitter of April 2016: Bryce Harper]
PAAVEOBPSLGHRRBI SB
Anthony Rendon100   .242.310.28615   0   1  1
Bryce Harper  96.286 .406.71416 9 24  5
Daniel Murphy  90.370.433.58012 2 11  1
Michael Taylor  87.183 .218.317  8 3   4  3
Ryan Zimmerman  83.219 .301.30113 1   7  0
Jayson Werth  82.211.293.437   9 4 13  0
Danny Espinosa  80.185.316.246  5 1   8  1
Wilson Ramos  58.316.328.491  4 2   8  0

チーム打率.230は26位。。。ふむ。

野手は明暗がはっきり分かれています。好調だったのは、Bryce Harper、Daniel Murphy、それにWilson Ramos(ただし、最後の数日間は身内の不幸のために忌引)の3人だけ。中でも、新加入のMurphyは本当によくやってくれています。彼がいなければ、Harper 1人だけのチームになってしまうところでしたから、貢献度はかなり高いです。Ramosも、レーシックの効果なんでしょうか、スプリングトレーニングの好調を持続しています。

一方、Anthony Rendonは、長打が出ない、チャンスで打てないという印象がありましたが、それが本塁打なし、わずか1打点という結果に現れています。Michael Taylor、Danny Espinosaの2人はせっかく与えられたチャンスをみすみすフイにしてしまっている印象。特にTaylorはスプリングトレーニングが好調だっただけに残念です。Zimmerman、Werthの2人はいいところで打ってくれている印象がありますが、2人とも、この打率、出塁率は頂けません。

そんなナショナルズ打線にあって、ひたすら別次元の活躍を続けているのが、Harperです。長打率、本塁打はいずれもリーグ2位。打点はトップタイ。盗塁数さえ、リーグでは4位タイ。2本の満塁本塁打もあり、チームの勝利に大きく貢献。当然のように、ナ・リーグ月間MVPに選ばれました。リーグMVPとなった昨シーズンをも上回るペースで打ちまくっています。23歳。まだまだ伸び盛りです。

最後に1つ。チームエラー数は、8個で30球団最少です。エラー数だけで守備力は評価できないことは確かですが、それにしても少ないに越したことはない。以上より、4月のナショナルズは守備も含めたディフェンス力に優れていたとまとめることができるのではないでしょうか。

5/2 Gio がまたも好投し、ロイヤルズに先勝

W2-0@KCR (Season 18-7)
Gio(W2-1) 6.0IP 0ER 4H 2BB 1K
Papelbon(SV9) 1.0IP 0ER 1K
Murphy 3/4 double RBI
Zimmerman 2/4 2double RBI

得点も失点も初回にやたら多いという印象のナショナルズ。この試合の前までの数字を確認したところ、得点、失点とも、初回が他のイニングを圧倒的に上回り、得点は全体の30.3%、失点でも27.9%を占めていました。

この日もナショナルズ打線は初回に得点。無死1,2塁から、この遠征に入ってから不振に陥っているBryce Harperは(前日から5打席連続となる)三振に倒れたものの、Michael Taylorが三盗を決めて1,3塁とした後、Ryan Zimmermanがライトの頭上を破る二塁打を打ってまず1点。さらにDaniel Murphyが緩いファーストゴロを打ってもう1点。プロダクティブな攻撃で2点を先制しました。

注意しなければならない1回裏。マウンドには今季ここまで絶好調のGio Gonzalez。4人の打者にいずれも6球以上粘られ計28球を要するなど、決して楽な内容ではありませんでしたが、それでも無失点。以降は落ち着いたピッチングを展開し、二塁さえ踏ませずに6イニングを投げきりました。勝ち星こそようやく2勝目ですが、今季の5先発全てで自責点2以下のクオリティスタートを記録。ランナーを出すとカリカリして乱れる昨季までの悪い癖が全く見られません。防御率はここまで1.15。実に素晴らしい。

2回以降、ナショナルルズ打線は沈黙してしまいましたが、Gioの後を受けたブルペンも好投し、ロイヤルズも無得点。7回はSammy Solis、8回はShawn KelleyとOliver Perezがつなぎ、そして9回裏は(表にナショナルズが無死1,3塁のチャンスを潰して嫌な流れになりそうでしたが)Jonathan Papelbonがきっちり3人で抑えて9セーブ目を記録しました。

貯金11。早くも昨シーズンの最多貯金10を上回りました。さあ、どんどん行きましょう。

MVP: Gio Gonzalez

2016/05/02

5/1 Scherzer 久々好投でカージナルスをスウィープ

W6-1@STL (Season )
Scherzer(W3-1) 7.0IP 0ER 4H 0BB 9K; 2/2 Sac
Robinson 1/4 HR(1) R 2RBI
Espinosa 1/4 HR(2) R RBI
Heisey 1/1 HR(3) R RBI

前々回、前回と心配な投球内容が続いたMax Scherzerが久し振りに支配的なピッチングを見せました。無四球、散発4安打で二塁ベースさえ踏ませずに、105球で7イニングを無失点。結果的には、今季ベストの登板となりました。

とはいえ、実は初回は危なかった。。。先頭打者にライナーでライト前にシングルを打たれ、2番打者にも三遊間を抜けようかというヒット性の打球を打たれました。が、これをサードAnthony Rendonがダイビングキャッチで好捕し、セカンドへ送球してフォースアウト。今季、初回にはやたらと失点してきたScherzer。もし、あれが抜けて無死1,2塁となっていたら、試合展開は違うものになっていた可能性は大きいでよしょう。あのプレーが勝負を分けたと、したがって、この試合の真の殊勲者はRendonではなかろうかと思います。

ともかく結果としては無失点でカージナルス打線を封じてきたScherzerでしたが、カージナルス先発のCarlos MartinezもScherzerに優るとも劣らないピッチングを展開し、こちらは、5回を終えて被安打1(Scherzerのセンター前シングル)。

均衡を破ったのはナショナルズ。6回表、先頭のJose Lobatonが詰まりながらもレフト前にフライを落とすシングルで出塁。Scherzerがバントで送り、1死2塁としたところで、今日1番に起用されていたMatt den Dekkerがセンター前にゴロではじき返す先制タイムリー!しぶといいい攻撃でした。

さらに7回表には、1死1塁からClint Robinsonが豪快にライトスタンドまで運ぶ2ラン本塁打。本人にとっては非常に嬉しい、今季1号弾。さらに、続くDanny Espinosaが初球を振りぬくとセンター右に弾丸ライナーで飛び込む2者連続弾。この時点で4-0となり、カージナルスには諦めムードさえ漂ったように見えました。

実は、今日のBryce Harperは4打席4三振。というかこの3連戦、Harperは11打数ノーヒット、2四球、5三振と完全に抑えこまれていたのですが、今日は、Robinson、Espinosa、den Dekker、
Lobatonといった脇役たちが大いに活躍し、結果は大勝。

誰かがダメなら、誰かががんばる。いいチームになってきました。

さあ、明日からはワールドシリーズチャンピオンとの対戦です。気持ちを切り替えて、しっかり勝っていきましょう。

MVP: Anthony Rendon