2016/12/19

2016 シーズンレビュー2: 三度目の正直もならず

第2弾はポストシーズン編。

ナ・リーグ東地区優勝、リーグ2位の勝率でポスシーズンに進んだナショナルズ。相手は西地区優勝、同3位のドジャーズでした。

改めて、全5戦の結果は以下の通り。

Game 1 L 3-4  Kershaw対策はしてきたが
Game 2 W 5-2 Lobaton Lobaton Lobaton!
Game 3 W 8-3 Werthのバットでドジャーズを粉砕
Game 4 L 5-6 野球は2アウトから
Game 5 L 3-4  「3度目の正直」もならず、終戦

第3戦で王手をかけ、第4戦を落としたとはいえ休養十分のエースMax Scherzerを立ててのホームでの第5戦。ドジャーズはエースClayton Kershawを第4戦で使い切っていた(はずだった)こともあり、全く負ける気がしていませんでした。が、それでも勝てず。2012年、2014年に続く3度目となる「NLDS敗退」に終わってしまいました。

戦力的には、打線でも主軸の捕手Wilson Ramosと、先発2番手だったはずのStephen Strasburgを故障で欠いていましたが、Ramosの代わりに出たJose Lobatonは第2戦のヒーローになりましたし、Scherzerが先発した第1戦と第5戦を落としては、この2人の不在が敗因とも言い難いですね。

投手陣はドジャーズより上だったと思います。チーム防御率/WHIPは、ナショナルズの3.89/1.25に対して、ドジャーズは4.91/1.46。Scherzerを除く先発陣(Tanner Roark, Gio Gonzalez, Joe Ross)の3人ともが5回を投げきれませんでしたが、それはKershaw以外のドジャーズ先発陣(Rich Hill, 前田健太)も同じこと。第3戦まで完ぺきだったナショナルズ・ブルペン陣が最後に打たれ、ドジャーズ・ブルペンは勝負所で踏ん張り切ったという、わずかの差で勝負がついたように思います。改めてスタッツを見ると、エースセットアッパーのShawn KelleyとクローザーのMark Melanconはシリーズを通じて無失点でしたから、「そこまでつなげなかった」ということ。だからと言って中継ぎ陣で誰かが試合を壊したかといえばそういう感じもありません。

シリーズを通じてのチーム打撃成績は、.251/.350/.365、4本塁打、24得点。盗塁は8つ成功(1つ失敗)。決して悪い数字ではありません。個々人を見ても、Daniel Murphy, Jayson Werth, Ryan Zimmermanの3人のOPSは.900を超ですから、好調だったと言えます。Trea Turnerも打率.316、出塁率.333でテーブルセッターとしての仕事はしっかりしていました。Anthony Rendon (.150/.190/.300)がブレーキになった印象もありますが、第3戦では前田からカギになるホームランも打ったし、戦犯とは呼べません。Danny Espinosaが打てないのは想定の範囲内。しっかり死球で出塁してくれましたし、守備はもちろん良かった。結局、Bryce Harperを封じられたことが痛かったということでしょう。チーム最多の6つの四球を与えられて出塁率は.458でしたが、本塁打なしで打点も1に終わりました。

改めて振り返ってみると勝負を分けたのは、Dave Roberts監督とDusty Baker監督を中心とするベンチの采配の差だったのではなかろうかと思います。Harper対策をしっかりしてきたドジャーズは素晴らしかったですね。ナショナルズもKershawは研究して臨んだと思いますが、大事なところで暴走でランナーを消してしまったシーンもありました。そして、第5戦。勝負を分けた7回表に、慌てふためいたようにしか見えない継投策を取ることになったBaker監督に対し、Roberts監督が終始先手を取っていたように見えました。この試合、1失点の先発Hillを3回途中でスパっと切って、エースセットアッパーのJoe Blantonを投入し、7回裏無死で早くもクローザーのKenley Jansenにスイッチしてピンチを切り抜け、そして9回にはまさかのKershaw登板。Roberts監督の采配が光る試合になりました。

※なお、レギュラーシーズン編でも書いたように、Baker監督のレギュラーシーズンでの業績は高く評価しています。選手の管理・モチベーション付け、メディア対応を含めいい監督だと思います。来季、コーチ陣を含め留任することに何の異存もありません。ただ、ああいう切羽詰まった場面での采配には疑問が残る監督であることは確かです。

これ以上のチャンスはなかなかないという絶好の展開でしたが、勝てませんでした。またやり直しです。

来年こそ!

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