[2月24日追記]
正式に発表されました。Derek Norrisのトレードを画策しているといった情報が飛び交っていますが、今のところ実現していません。
[2月22日オリジナル]
FAのMatt Wieters捕手と契約合意に至ったと報じられています(身体検査がまだのため正式発表はありません)。
オフが始まった当初からWietersの行き先としてナショナルズが噂されていましたが、ウィンターミーティングの機会などに下交渉はしたものの条件面で整うことはなく、ナショナルズはDerek Norrisのトレード獲得でWilson Ramosの抜けた穴を埋めていました。一方のWietersは代理人のScott Borasがいつものように強気の交渉を続けたものの希望したような契約提示を受けることはなく、所属先が決まらないままスプリングトレーニングが始まる状況となっていました。こういった経緯を踏まえ、今般、Wieters側が条件面で譲歩し、それならばということでナショナルズが契約に合意したということのようです。
そういう事情ですから、契約条件はオフに入った当初に想定されていた額よりはかなり低めの、1年1050万ドルに選手側オプション1年(2018年)1050万ドルの総額2年2100万ドル。球団としてはうまくやったと言えるでしょう。
Matt Wieters (2016 Season for Orioles)
124G 464PA 17HR 66RBI .243/.302/.409 1SB
ジョージア工科大から2007年ドラフト1順目全体6位でオリオールズに入団。(ちなみに直後の全体7位でナショナルズはRoss Detwilerを指名)。入団直後からマイナーで結果を残し、2009年シーズン前にはBAで全体1位とランクされるなど、スーパーの付くトッププロスペクトでした。その2009年にはさっそくメジャーデビューを果たしてオリオールズの正捕手の座に就き、以降、4度のオールスターに選出されるなど昨シーズンまで、オリオールズの顔として活躍してきました。両打ちで、2011年から3年連続で20本塁打以上を記録するなど攻撃型の捕手。ですが、2度ゴールドグラブ賞を受賞しており(近年低下してきているとはいえ)守備力も悪くありません。問題は健康面。2014年にTJ手術を受け、2015年シーズン途中に復帰したものの、攻守とも以前の状態までは戻っていないと言われています。そういう事情もあり、初めてFA権を取得した昨オフはQualifying Offerを受け入れてオリオールズに残留し、今オフもなかなか契約を得られませんでした。既に30歳という年齢も捕手という重労働のポジションを考えると各球団が長期契約を提示するにはためらった理由でしょう。
とはいえ、Yahoo!のJeff PassanのこのオフのFA選手ランキングで14位、捕手ではトップの評価を得ていた選手。契約条件から言ってもナショナルズでは当然レギュラー待遇となります。そこで問題となるのは、余剰となった捕手をどうするかです。これまで2つの席を争っていたはずのDerek Norris、Jose Lobaton、Pedro Severinoの3人から開幕ロースターに入るのは1人だけとなりました。NorrisとSeverinoはマイナーオプションが残っているので、Lobatonを控えとし、2人をAAAに行かせて開幕を迎えるという手もありますが、誰かをトレードに出すということも考えられます。来季以降を考えると、Severinoは残しておきたいところですが、せっかく戻ってきたNorrisがナショナルズでプレーすることを見ることがないまま手放すことになるのも非常に残念です。かといって、市場価値という点ではLobatonが最も低いのは間違いありません。
ひとまず戦力の補強には間違いありません。が、しかし、この契約の評価は、この後、捕手3人を巡って(ほかのポジションの選手も巻き込んで)どういう動きがあるかによって決定されるものではないかと思います。しばし、様子を見ましょう。
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