2017/03/14

WBC 2017:第1ラウンドまとめ

既に東京では第2ラウンドが始まっています(今日も日本はいい勝ちっぷりでしたね!)が、西半球ではようやく第1ラウンドが終わりましたので、ここまでをまとめておきます。

[プールA(@ソウル)] 
1. イスラエル(3勝) 
2. オランダ(2勝1敗) 
3. 韓国(1勝2敗) 
4. 台湾(3敗) 

開幕戦で延長10回の末に韓国を下したイスラエルが勢いに乗り、まさかの4連勝で1位通過。前回大会でもベスト4に入ったオランダが今大会もいいチームを作ってきて2位通過。ともに2連敗で迎えた韓国と台湾の第3戦は消化試合となってしまい、同じアジア勢としては寂しい思いでした。特に韓国は、もうちょっと頑張れよ。

ナショナルズから出場の選手はいませんでしたが、元ナショナルズでは、(日本戦の際にtwitterで発信したように)2008-2009年にナショナルズで投げたShairon Martisがオランダのブルペン投手として貢献しています(2試合2イニング無失点)。特に、台湾戦では同点に追いついた直後の9回表を無失点で抑え、その裏のサヨナラ勝ちに繋げました。また、イスラエルのエースとしてJason Marquisが韓国戦とオランダ戦に先発し、計4イニングを無失点と好投。また、2016年の春に解雇されるまでナショナルズのマイナー(最後はAA)でプレーしたRandolph Oduberが、オランダの9番レフトとして3試合ともフル出場と頑張りました。

[プールB(@東京)] 
1. 日本(3勝) 
2. キューバ(2勝1敗) 
3. オーストラリア(1勝2敗) 
4. 中国(3敗) 

初戦でキューバとの打ち合いを制した日本が危なげなく3連勝で1位通過。筒香、中田の2人がともに2本塁打ずつ。日本に敗れたものの、主砲Despaigneの満塁弾でオーストラリアを振り切ったキューバが2位通過。中国は3試合で1得点に対して24失点とまだまだ実力不足が露わとなりました。

このプールには元も含めてナショナルズ関係の選手はいませんでした。

[プールC(@マイアミ)] 
1. ドミニカ共和国(3勝) 
2. アメリカ(2勝1敗) 
3. コロンビア(1勝2敗) 
4. カナダ(3敗) 

前回覇者のドミニカ共和国とアメリカが同組となったプールC。結果的にはこの2国が順当に第2ラウンド進出を決めましたが、コロンビアの2敗はいずれも延長戦を戦って力尽きたもので、実は際どいものでした。カナダは3試合とも完敗。

ナショナルズから出場の選手で大注目を集めたのが、ドミニカ共和国のEnny Romero。コロンビアとの試合で同点の10回裏に登板し、2三振を含む三者凡退に抑えて勝利投手となりました。話題となったのはその内容。打者3人に対して投じた14球全て直球(フォーシーム)で、最速100.1マイル、平均98.5マイルと、文字通り力でねじ伏せました。うち10球がストライクとコントロールも悪くない。ナショナルズのキャンプからは離れていますが、開幕ブルペン入りに向けて強烈なアピールとなっています。

コロンビア代表のJhonatan Solanoは、1試合は捕手として、2試合はDHとして先発出場し、3試合で10打数4安打1打点というこちらも好成績を残しました。

一方、アメリカ代表の2人はぴりっとしませんでした。Tanner Roarkはドミニカ共和国戦の5回裏途中から2番手としてマウンドに上がりましたが、5-0とリードして迎えた6回裏にManny Machadoにソロ本塁打、連続四球の後、Carlos Santanaにタイムリーを打たれ計2失点。この回限りで降板したのでその時点ではリードを保っていたものの、ドミニカ打線に反撃の糸口を与えたことは確か。この後の逆転負けの責任者の1人と言わざるを得ないでしょう。Daniel Murphyは初戦のコロンビア戦では7番DHでフル出場したものの4打数ノーヒットの2三振。あとの2試合はベンチを温めていました。

元ナショナルズでは、アメリカ代表のTyler Clippardがコロンビア戦で延長10回表を無失点で終えて勝ち投手になったのを含め2試合計3イニングを投げて許した走者は四球の1人だけ、4奪三振と好投中。また2013年ドラフト4順目で入団し、AAで投げていた2015年夏にJonathan Papelbonとのトレードでフィリーズに移籍したNick Pivetta(昨年はAAAに昇格し、この春はメジャーのスプリングトレーニングに参加し先発機会ももらっている)が、カナダ代表としてコロンビア戦に先発し、4回を1失点と好投しました。

[プールD(@ハリスコ・メキシコ)] 
1. プエルトリコ(3勝) 
2. ベネズエラ(1勝2敗) 
3. イタリア(1勝2敗) 
4. メキシコ(1勝2敗)

4つの第1ラウンドのうち最も激しい闘いとなったのがこのプールDでした。前回大会準優勝のプエルトリコはベネズエラをコールドで降すなど、力のあるところを見せて3連勝で1位通過しましたが、2位争いは熾烈でした。まず9日の初戦、イタリアが4点差を追いかける9回裏に一挙に5点を奪うまさかの大逆転でメキシコに勝利(イタリア○10-9●メキシコ)。続くイタリア対ベネズエラ戦は、4回までに0-5とリードされたベネズエラが一時は8-5と逆転。粘るイタリアに8回裏に追いつかれ、9回表に2点を勝ち越しながら、その裏に再び追いつかれました。しかし、そのイタリアの同点打の際に、一気にサヨナラを狙ったランナーを本塁でタッチアウトにし(ただし、このプレーで捕手のSalvador Perezが負傷)、延長10回表のMartin Pradoのタイムリーで勝ち切りました(ベネズエラ○11-10●イタリア)。2連敗で後がなかったメキシコが、最終戦でベネズエラに打ち勝ち(メキシコ○11-9●ベネズエラ)、これで3チームが2勝1敗で並びましたが、2位通過できるのは1チームのみ。「失点率」で最下位となったメキシコ(得失点差なら+1でトップなのに、ということで揉めました)が脱落し、残るベネズエラとイタリアがタイブレークの一発勝負。この試合も1-2でリードされていたベネズエラが9回表にMiguel Cabreraのホームランで追いついた後、さらに2点を追加して逆転。しかも、2点目はスクイズによるもので、9回裏に粘るイタリアが1点を反したため結局これが決勝点になりました(ベネズエラ○4-3●イタリア)。いやはや、書いていて疲れました。。。

ナショナルズの選手では、メキシコのOliver Perezが2試合、1回1/3を投げて無失点、被安打2という記録を残していますが、実は、初戦のイタリア戦、2点リードの9回裏無死満塁で火消し役を託されながら対戦した2人の打者に連打を許し、逆転サヨナラを喫したときにマウンドに立っていたのがPerezでした。

元ナショナルズの選手では、2009年ドラフト4順目入団(Stephen Strasburgの同期)で2011年の1月にTom Gorzelannyのトレードパッケージの1人としてカブスに放出したA.J. Morris(その後パイレーツ、レッズと渡り歩き、29歳となった昨季レッズのブルペン投手としてメジャーデビュー)がイタリア代表に参加。メキシコ戦、ベネズエラ戦ではいずれも中継ぎとして登板して打たれましたが、タイブレークのベネズエラ戦で先発起用されると、5回を投げて許した走者は四球の1人だけというほとんど完璧なピッチング(5奪三振)。あのまま勝っていればヒーローでしたが、チームが負けては…。

またベネズエラ代表にはYusmeiro Petitが参加し、勝てば第2ラウンド進出が決まったはずのメキシコ戦に先発起用されましたが、2回5失点と期待に応えられず敗戦投手となりました。

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