【先発】(Strasburg以下は規定投球回数に到達せず)
W | L | GS | CG | IP | SO | ERA | WHIP | HR/9 | SO/9 | SO/BB | |
Gio Gonzalez | 21 | 8 | 32 | 2 | 199 | 207 | 2.89 | 1.13 | 0.4 | 9.3 | 2.7 |
Jordan Zimmermann | 12 | 8 | 32 | 0 | 195 | 153 | 2.94 | 1.17 | 0.8 | 7.0 | 3.6 |
Edwin Jackson | 10 | 11 | 31 | 1 | 189 | 168 | 4.03 | 1.22 | 1.1 | 8.0 | 2.9 |
Stephen Strasburg | 15 | 6 | 28 | 0 | 159 | 197 | 3.16 | 1.16 | 0.8 | 11.1 | 4.1 |
Ross Detwiler | 10 | 8 | 27 | 0 | 164 | 105 | 3.40 | 1.22 | 0.8 | 5.8 | 2.0 |
John Lannan | 4 | 1 | 6 | 0 | 32.2 | 17 | 4.13 | 1.44 | 0.0 | 4.7 | 1.2 |
Chien-Ming Wang | 2 | 3 | 5 | 0 | 32.1 | 15 | 6.68 | 2.01 | 1.4 | 4.2 | 1.0 |
スプリングトレーニングでの王建民の故障と開幕直前のLannanの降格により、Strasburg、Gio、Zimmremann、Jackson、Detwilerのローテーションで開幕。この5人が前162試合のうち150試合に先発できたという安定感(健康に恵まれたこと)がチーム躍進の大きな鍵となりました。上記の7人以外にはTom Gorzelannyが10月2日のシーズン最終戦(消化試合)に先発したのみ。
うち、Gio、Zimmermann、Jacksonの3人はポストシーズンまで含めて最後までローテーションを守りきりました。Gioはチームトップの2完投(1完封)をはじめとしてほとんどの記録でチームトップし、文字通りローテーションを引っ張りました。5月に月間5戦全勝で月間MVPに選ばれると、オールスターにも自身2度目の選出。21勝はリーグトップ。奪三振率9.3、被本塁打率0.4もリーグトップ。防御率6位、奪三振4位と軒並み好成績で、サイ・ヤング賞投票でも3位に入りました。成績向上の大きな要因は制球の改善だったと思います。昨季はア・リーグ最多の与四球でしたが、今季はナ・リーグで6位。9イニング当たりの四球数を4.1から3.4に低下させたことは小さな変化のようでかなり重要でした。しかし、ポストシーズンではこの制球力が崩壊。NLDSの2試合10イニングで11与四球。第5戦のチーム敗退の遠因になりましたので、まだまだ伸びる余地はあります。
続いてZimmermann。TJ手術明けの昨季はシーズン終盤でシャットダウンされましたが、今季は(ほぼ)フル稼働。開幕から7月末まで21試合連続で6イニング以上を投げるという安定感。オールスターに選ばれても良かったと思うほどの前半の好調でした。そのオールスターの裏ともなった7月は6試合に先発して4勝、防御率0.97の好投で月間MVPを受賞。8月以降、やや疲れが見えた感もありましたが、それでも最後まで投げきったことで更なる飛躍に向けての土台ができたはず。わずか12勝に終わったためまた過小評価されそうですが、防御率はリーグ7位。無駄な四球を出さないという意味ではGioよりも好内容と言っていいかもしれません。ポストシーズンではこちらも先発した第2戦で滅多打ちに合いましたが、第4戦ではキャリア初となるリリーフで登板で三者三振と快投。
2月に1年契約を結んだJackson。好不調の波が大きく負け星がかさみましたが、FA市場での価値を高めるという目的を果すには十分な結果を残しました。残念だったのが序盤に打たれる悪い癖。あれさえなければもう一段上の投手になれるのに・・・。ポストシーズンでは先発した第3戦でもリリーフ起用された第5戦でも結果を残せませんでした。
そしてStrasburg。TJ手術からの復帰途中とあり、160回イニング程度の投球制限が開幕前から課されての今季。開幕戦を7回1失点で勝利投手になると、4月は5試合でわずか4失点と月間リーグMVPに選ばれる好投。5月にやや調子を崩したものの、6、7月と持ち直し、オールスターに選出。8月はさらに調子を上げて5戦4勝と波に乗りましたが、9月7日のマーリンズ戦で3回5失点と打たれると、チームはシャットダウンを宣言しました。159回1/3。予告どおりとはいえ、200奪三振目前、この登板で防御率が3点台に跳ね上がってしまったこと、何より、いい感じで終えさせたかったことを思うと、もう1登板させても良かったのにと思いました。ともかく、健康にシーズンを終えたことは確か。来季もまだ完全フル稼働ではなく今季のZimmermannのように200イニングがメドになると思いますが、更なる進化が期待できそうです。
開幕直前に先発5番手に指名されたDetwiler。4月10日の初登板を5回無失点で白星スタートと順調な滑り出し。5月半ばから調子を落とし、王建民が復帰した5月末から約1か月間、ブルペンに回りましたが、その王建民が「出れば打たれる」を繰り返したため、6月下旬にローテーションに復帰。以降はポストシーズンまでローテーションを守り切りました。Strasburgのシャットダウンに疑問視する雑音の中で好投したNLDS第4戦での好投(先発した4人の中で最も良かった)は来季に向けての地位を確立する意味でも重要な一戦となりました。期待はずれかと言われた元ドラ1(全体6位)がようやく花開いてきました。
Strasburgのシャットダウン後にローテーションを埋めたのがLannan。それ以前にもスポットスタートで2試合投げていましたが、9月に本格復帰した後も、4戦2勝。三振は少なく、そこそこ打たれるものの、最低限の仕事をこなす。いつものLannanがいました。地区優勝決定試合で先発したのはLannanでした(唯一の黒星が付いた試合でもありましたが)。
【ブルペン】(*は左腕)
SV | HD | G | GF | IP | SO | ERA | WHIP | HR/9 | SO/9 | SO/BB | |
Tyler Clippard | 32 | 13 | 74 | 42 | 72.2 | 84 | 3.72 | 1.16 | 0.9 | 10.4 | 2.9 |
Craig Stammen | 1 | 10 | 59 | 15 | 88.1 | 87 | 2.34 | 1.20 | 0.7 | 8.9 | 2.4 |
Ryan Mattheus | 0 | 18 | 66 | 11 | 66.1 | 41 | 2.85 | 1.15 | 1.1 | 5.6 | 2.2 |
Sean Burnett* | 2 | 31 | 70 | 16 | 56.2 | 57 | 2.38 | 1.24 | 0.6 | 9.1 | 4.8 |
Mike Gonzalez* | 0 | 7 | 47 | 13 | 35.2 | 39 | 3.03 | 1.32 | 0.5 | 9.8 | 2.4 |
Tom Gorzelanny* | 1 | 9 | 45 | 11 | 72 | 62 | 2.88 | 1.32 | 0.9 | 7.8 | 2.1 |
Drew Storen | 4 | 10 | 37 | 17 | 30.1 | 24 | 2.37 | 0.99 | 0.0 | 7.1 | 3.0 |
Christian Garcia | 0 | 4 | 13 | 2 | 12.2 | 15 | 2.13 | 0.79 | 1.4 | 10.7 | 7.5 |
Henry Rodriguez | 9 | 2 | 35 | 20 | 29.1 | 31 | 5.83 | 1.40 | 1.2 | 9.5 | 1.4 |
クローザーと期待したStorenがヒジの故障で出遅れ。Brad LidgeとHenry Rogrguezという変則的なクローザー体制で開幕したものの、長続きはしませんでした。Lidgeは早々に離脱(6月に一度復帰しましたが再びDL入りし、そのまま引退)。昨季終盤からスプリングトレーニングにかけて安定感を増し、一皮向けたかと期待されたH-Rodでしたが、やっぱりだめ。単独でクローザーを任されるようになった途端、制球が崩壊。この人の場合は四球が増えるという程度では済まず、バックネットに行ってしまう暴投を連発。これで落とした試合がいくつあったか・・・。6月によく分からないDL入りをしたまま戻ってくることはありませんでした。
5月後半からクローザーの地位についたのがClippard。本人は以前から志願しながら、セットアッパーとして余人をもって代え難しということでなかなか機会を与えられませんでしたが、今回は他に選択肢もなくなり起用されると、見事に結果を残しました。初セーブを記録した5月22日から7月7日まで18試合連続無失点でその間に14セーブを記録。その後もシーズン最終盤にStorenに譲ってセットアップに戻るまで、十分に仕事をしてくれました。シーズン終盤はやや疲れが見えましたが、これで3年連続で70試合以上登板。立派です。
当初は軽い故障と思われたStorenのヒジでしたが、開幕直前に手術を受けることになり、オールスター明けにようやく復帰。復帰後しばらくはやや不安定でしたが、次第に安定感を増し、9月下旬からポストシーズンにかけてはクローザーに復帰しました。NLDSでも4戦目までに3度登板し、いずれも無失点と好投していましたが、第5戦に大きな落とし穴が待っていました。
その他のブルペン投手も軒並み好投。Burnettだけは「数字ほど良くなかった」という印象が拭えませんが、その他は掛け値なしに好投したと思います。特に本格的なブルペン転向1年目となったStammen、Gorzelannyの2人は適性を見せ、評価を大いに上げました。またMattheus、Garciaの故障からの復活組も好投。特にGarciaは、AAAのクローザーとして素晴らしい結果を残しての9月昇格で、内容も素晴らしく、メジャーで十分通用するところをアピールしました。フロント・ベンチにはGarciaを先発に回す案も出ているほどです(せっかくここまで這い上がってきたのにまたAAAに戻して先発として調整させるなんて、個人的にはあまりいい印象を受けませんが)。
【MVP】Gio Gonzalez
これは文句なし。ブルペン投手ではClippard。
勝手MVP Pointでは、GioとStrasburgが並んでチームトップの9W。その後は少し離れてZimmermannが6W、Jacksonが4Wとなりました。
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