今シーズン、ルーキー資格を持って出場したのは次の14人。しかもこのうち赤字の10人が今年メジャーデビューと、異例に数多くのルーキーが起用されました。数多くの故障者に見舞われたというチーム事情の裏返しと言えるでしょう。
Aaron Barrett
A.J. Cole
Abel De Los Santos
Wilmer Difo
Matt Grace
Taylor Hill
Rafael Martin
Felipe Rivero
Clint Robinson
Joe Ross
Pedro Severino
Sammy Solis
Michael Taylor
Trea Turner
このうち、規定出場機会(130打席、50投球回数)に到達してルーキーから卒業したのはMichael Taylor、Clint Robinson、Joe Ross、Aaron Barrettの4人。うち、昨年の当ブログの新人王だったBarrettは故障で8月上旬にシーズン終了となり、29回1/3の登板に終わってしまいましたが、前年との合計で卒業。逆に、Felipe Riveroはブルペン左腕としてインプレッシブな活躍を見せましたが、48回1/3でぎりぎりでルーキー資格を残しています。以下、Taylor、Robinson、Ross, Riveroのシーズンを簡単に振り返っておきます。
Michael Taylor: 138G 511PA 14HR 63RBI 35BB 158K .229/.282/.358 16SB
スプリングトレーニングでしっかりした結果を残し、Denard Spanの故障もあって、1番センターで開幕戦に出場。その後も、Spanが度重なる故障で離脱したためにセンターとしてチーム最多の89試合に先発しました。守備は平均以上の評価。特に守備範囲は目を見張るものがありました。しかし打撃は・・・。4月は.260とまずまずのスタートを切りましたが、次第に下降し、9月に至っては打率.180という数字で、なんとも物悲しいシーズン成績となりました。四球が少なく、三振があまりに多いため、リードオフを任せることはできず、7番や8番に置くしかありません。SpanがFAで退団したため、現時点では来季のセンターのレギュラーと目されていますが、もう一皮むけてくれないと長期的なソリューションとはなりえません。2016年が勝負の年となるでしょう。
Clint Robinson: 126G 352PA 10HR 34RBI 37BB 52K .272/.358/.424 0SB
スプリングトレーニングで、打撃はもちろんのこと、守備でもファーストのみならずライト、レフトもこなして評価を上げて開幕ベンチ入りを勝ち取ると、結局一度もマイナーに行くことなく、30歳にしてようやくルーキー資格を喪失しました。左のパワーバットとして代打起用が中心と見込まれていましたが、シーズン序盤は故障で出遅れたJayson Werthに代わってレフトを守り、終盤はやはり故障で離脱したRyan Zimmermanに代わってファーストを守り、結局77試合に先発出場。打撃成績も申し分なく、すっかりメジャーリーガーとして定着しました。なお、敗戦処理で1イニング無失点の投手成績も残しています(笑)。
Joe Ross: 16G(13GS) 5W 5L 76.2IP 21BB 69K 3.42/1.11
開幕はHarrisburg(AA)でしたが、素晴らしい球威と、イニング数を上回る奪三振と少ない与四球で評価を上げ、6月6日に大抜擢でメジャー昇格、即先発。デビュー戦こそ敗戦投手となりましたが、2戦目では8回2失点の快投でメジャー初白星を記録しました。この後Doug FisterがDLから復帰したため一度はSyracuse(AAA)に降格となりましたが、Stephen Strasburgに代わって7月下旬に再昇格。ここから数試合にわたって安定したピッチングを見せると、Strasburgが復帰した後も、不安定なFisterをブルペンに追いやる形でローテーションに残りました。イニング制限のためにシーズン終盤はブルペンに回りましたが、先発投手としてメジャーでやっていけることは十分に証明しました。来季は開幕ローテーション投手と期待されています。
Felipe Rivero: 49G(17GF) 2SV 48.1IP 11BB 43K 2.64/0.95
昨年までは先発投手として育成されてきましたが、メジャーのスプリングトレーニングでのリリーフとしての登板が首脳陣の目に留まっていたようです。Syracuse(AAA)のブルペンで開幕を迎えたものの、故障離脱したCraig Stammenに代わって4月半ばにメジャー昇格を果たしました。ところが、デビュー戦の直後に胃腸出血(gastrointestinal bleeding)のためDL入り。療養に思ったより長い時間がかかりましたが、6月になってようやく復帰してくると、以降は安定したピッチングを続け、ブルペン左腕として大事な場面を任されるようになりました。さらに、シーズンの最後の最後にJonathan Papelbonが事件を起こしてチームを離れた後の2試合ではなんとクローザーとして起用され、見事に仕事をやってのけました。
【チーム新人王】 Joe Ross
4人ともなかなかの活躍を見せてくれましたが、私が選んだのはRoss。故障者が出たためと言われればそれまでですが、それでもその機会にしっかりと結果を残し、遂にはFisterを追いやって「開幕前の最強ローテーション」に食い込んだことは高く評価できると思います。来季以降も長くナショナルズのローテーションを支えてくれることを期待しています。
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