2015/06/04

2015年5月をふりかえる

苦しかった4月を3連勝で終えたナショナルズ。5月は、そろってリーグ月間MVPに選ばれたMax ScherzerとBryce Harperに引っ張られる形で勢いに乗って大躍進。メッツを抜いて地区首位に立ちました。

[National League EAST End of May 2015]

WLPCTGB
Washington 2822 .560 -
New York2823 .549 0.5
Atlanta2525 .500  3.0
Miami 2031 .392 8.5
Philadelphia  1933 .36510.0

4月とはちょうど真逆の展開。8シリーズ(4月最後のブレーブスとのシリーズを合わせれば9シリーズ)連続の勝ち越しでその間、18勝6敗(勝率.750)という驚異的な成績。最後のレッズとのシリーズでスウィープを喫しましたがそれでも5月の月間成績は18勝9敗(勝率.666)という見事なものでした。

地区2位は今月を借金2としたメッツがキープ。3位には貯金2だったブレーブス。ここまでが勝率5割以上。負けが込んだことでMike Redmond監督を解任したマーリンズと、全体でも下から2番目の成績に沈んでいるフィリーズの2チームは、シーズンをほぼあきらめた状態です。なお、ナ・リーグ中地区はカージナルスが独走し、西地区はドジャーズとジャイアンツが競っています。

[Pitcher of May 2015: Drew Storen]
GSIPWKERAWHIP
Max Scherzer643.05561.670.91
Gio Gonzalez635.23344.541.40
Jordan Zimmermann533.02231.911.18
Stephen Strasburg516.011510.132.00
Doug Fister 315.0176.001.33
Tanner Roark219.01111.891.05
GIPSHDERAWHIP
Drew Storen 1313.11100.000.49
Aaron Barrett 137.00510.291.86
Matt Grace128.2047.272.77
Matt Thornton117.2042.350.78
Blake Treinen  1015.0023.001.07

リーグの月間MVPに選ばれたMax Scherzerについては、別記事をご覧ください。

Jordan Zimmermannが全5試合でクオリティ・スタートを記録する安定ぶりで、Scherzerとともにローテーションを引っ張ってくれました。Gio Gonzalezも安定感とは程遠いものの最低限の仕事はしており、打線の援護もあって黒星はついていません。

開幕ローテーションのうち、残るDoug FisterとStephen Strasburgの2人は残念ながらDL入りとなってしまいました。最初に離脱したのはFister。14日のパドレス戦で2回7失点と滅多打ちに遭った後、右前腕部(肘、肩ではないらしい)の故障でDL入り。キャッチボールくらいは開始しているようですが、先は見えません。とはいえ、代わってローテ入りしたTanner Roarkが、さすが、2試合をいずれも好投してくれましたので、この1枠はなんとかなります。さらに心配なのがStephen Strasburg。スプリングトレーニング以来、不振が続き、小さな故障を繰り返しながらも、ローテーションで投げてきましたが、今月の数字は見るも無残なもの。MLBの投手中でも最悪な部類の数字を残した末、29日のレッズ戦で2回途中交代。遂に、DL入りとなりました。マイナーでしっかり再調整して、復活してくれることを願うばかりです。

私がScherzerを差し置いて5月の月間MVPに選んだのは、クローザーのDrew Storen。4月も安定していましたが、5月はほとんど完璧。月間11セーブはもとより、12回1/3を投げて許した走者はわずかに6人、16奪三振という圧倒的な数字を残しました。目立たないブルペン投手なので、リーグ月間MVPに選ばれるようなことはないでしょうが、シーズン16セーブはリーグトップなのですから、オールスターには是非とも選ばれて欲しいですね。

この他、ブルペン投手陣では、Matt Thorntonも4月に続いて安定したピッチングを続けている一方で、Aaron BarrettとMatt Graceは4月の勢いを失っています。特にBarrettはチーム試合数の半数(50試合中の25試合)に登板しており、登板過多の心配が出てきています。とはいえ、今月になってようやく開幕を迎えたCasey Janssenも頼りになりそうにありません。そこで期待がかかるのが、Blake Treinen。速球、チェンジアップともキレ味が鋭くなっており、大事な場面で起用したくなるピッチングを続けています。

[Hitter of May 2015: Bryce Harper]
PAAVEOBPSLGHRRBI SB
Yunel Escobar 118.318 .373.36418   0   9  1
Ian Desmond115.278 .310.44413 3  10  1
Bryce Harper109.360 .495.8842413 28  2
Ryan Zimmerman109.237 .294.38112 3 18  1
Denard Span103.319 .363.48912 3   9  2
Danny Espinosa  90.344.456.211 16 4   9  0
Wilson Ramos  84.298.405.431  6 2 11  0

こちらも、リーグの月間MVPに選ばれたBryce Harperについては、別記事をご覧ください。 

Harper以外の打撃陣もなかなか好調。Yunel EscobarとDenard Spanは、4月に続いて打率3割超。特に、Spanはホームランを3本も放っており、長打率でもチーム2位という驚きの成績を残しています。さらに、2番に入ってから打撃好調のIan Desmond、なんだかんだと言われながらも復活を遂げているDanny Espinosa、終盤やや失速しましたが4月下旬から19試合連続安打を記録したWilson Ramosも及第点の成績。数字的に物足りないのはRyan Zimmerman、Tyler Moore、Michael Taylorの3人ですが、3人ともそれぞれ印象的なホームランがあったので良しとしたい気分です。

チーム9 盗塁は決して多くはありませんが4月からは3倍増(笑)。チーム12エラーも4月からは半減しています。 こういう戦いをしていければ、ポストシーズンは自然と見えてくるはずです。

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