2016/04/25

4/24 延長16回、最もクレイジーなゲーム

W6x-5 Twins(16) (Season 14-4)
Strasburg(ND) 7.1IP 4ER 7H 10K
Petit 4.2IP 1ER 2H 3BB 6K
O. Perez(W1-0) 1.1IP 0ER H K
den Dekker 2/8 HR(1) R RBI
Taylor 2/3 BB
Harper 1/1 pinch hit HR(9) R RBI
Heisey 2/3 walk off HR(2) R RBI
Werth 2/6 double BB R
Ramos 2/3 double BB 2RBI

日本時間午前2時30分からライブで観戦していましたが、夜が明けて出勤しなければならなくなったのでラジオ中継に切り替え、出勤途中でChris Heiseyのサヨナラホームランを聞きました。いやはや長かった。

いずれも球団最長記録となる、5時間56分延長16回。内容も、選手として19年、監督として21年という長きにわたってMLBに身を置いてきたDusty Baker監督をして「最もクレイジー」と言わしめるゲームとなりました。

さて、どこから書いたらいいものやらという感じですが、こういうときは試合の流れに沿って書いていきます。

先制したのはナショナルズ。1回裏、今季初めての休養日を与えられたBryce Harperに代わってライトに入ったMatt den Dekker先頭打者ホームラン。まず1点。この後、いずれも初めての打順に入った2番Michael Taylorが四球、3番Daniel Murphyがセンター前ヒットで続き、無死1,2塁。この時点では、まさかこの1点しか取れないままで終盤までいくとは思いませんでしたが、ここから拙攻が始まります。まずこの1回のチャンスで後続3人がいずれもフライ・ライナーに倒れると、3回にも二者残塁、5回も無死1,2塁から走者を進められず。7回も先頭のStephen Strasburgがシングルで出塁しながら、結局二者残塁。終始押し気味に試合を進めながら1本が出ない、フラストレーションが溜まる展開でした。

先発のStephen Strasburgは、この少ない援護の中よく投げました。3回表に2安打で1点こそ失いましたが、落ち着いた投球で7回まで1失点。8回も先頭打者のByron Buxtonを空振り三振に仕留め、これで計10奪三振、無四球。ここまでは文句の付けようのない素晴らしいピッチングでした。

しかしこの直後、不運な当たりもあって2連打され、続くBrian Dozierにカウント3-2からファールで2球粘られた後。痛恨の一球となったど真ん中への速球をレフトスタンド中段まで運ばれました。7回裏の攻撃でずっとランナーとして出ていたことも影響したかもしれませんが、明らかに疲れが見えていました。と言っても、同点では代えるに代えられなかったのも確か。1-4と3点ビハインドとなり、さすがに今日は勝てないかなという雰囲気が漂いました。

しかし、ここからナショナルズの反撃が始まります。この8回裏から投入されたTrevor Mayに対して、Anthony Rendonがシングル、Jayson Werthがダブルと続き無死2,3塁と攻めたて、Wilson Ramosが0-2と追い込まれながらも外への変化球にくらいついて左中間へ運ぶダブル。1点差まで追い上げました。しかし、なお、無死2塁、1死3塁のチャンスを活かすことができず。。。

1点差のままで迎えた9回裏、ツインズはクローザーのKevin Jepsenを投入。Baker監督はこの回先頭のTaylorに代えて、代打Bryce Harperをコール。これが見事に当たりました。カウント3-2から、1球ファールにした後の7球目。Jepsenの真ん中低めの速球を真っ向から打ち返した打球は右中間のスタンドへ飛び込む同点弾。Jepsenも力のこもったいい球を投げていましたが、いやはや。役者が違いました。

しかし、この一打もチームに伝播することはなく、試合は延長戦へ。延長に入ってからも、ナショナルズの拙攻は続き、10回裏には代打Joe Ross(右手のマメをつぶしており、予定されていた明後日の先発を回避するようですが打つことは打てる)のシングルで1死1,2塁としながら、Jose Lobatonが併殺。結局この日のナショナルズは、得点圏に走者を置いて16打数1安打(8回裏のRamosの一打)という体たらく。ツインズも負けておらず、12回表には、四球とボークもあって1死3塁としましたが、Buxtonが三振で、14回まで無失点が続きました。

この間、ナショナルズはロングリリーフのYusmeiro Petitが好投していましたが、5イニング目に入ったPetitが力尽きました。2死走者なしからシングル、盗塁、四球で1,2塁とされ、Miguel Sanoのセンター前へのクリーンなシングルで勝ち越しを許してしまいました。このシーンを見て、負けを覚悟しました。Petitはここまでよく投げたと褒めるべきで、仕方あるまい、よく戦ったと。

その裏のナショナルズの攻撃はRendon、Werthが倒れて簡単に2アウト。続くバッターはDanny Espinosaで、その後はPetitの後を受けて投げた投手のOliver Perezがそのまま入るしかない状態。もう負けを確信しました。(このタイミングでラジオ観戦に切り替えて出勤しました。)

しかし、ここからのまさかの展開が「最もクレイジーな」ゲームと言われることになる所以。2死走者なしからEspinosaが四球で歩いて、二盗に成功。2死2塁。とはいえ、打者は最後に打席に立ったのがメッツで先発投手をしていた2010年というPerezですから、期待感はほとんどなし。誰もが諦めていました。ところが、その3球目のことでした。Perezがセーフティバントを敢行。「三塁手の守備位置を見て狙ってやろうと思った」という冷静なPerezのバントは三塁線へ。放置すればファールだった可能性の高い打球でしたが、これを捕手のJohn Ryan Murphyが掴んでファーストへ。悪送球!!! ライトへ転がる間にEspinosaが同点のホームを駆け抜けました。あまりの展開に本当に驚きました(正直に言うと、ラジオのアナウンサーも興奮して喚いていたので訳が分かりませんでした。)。ただ冷静に振り返ると、この一連の流れの中でカギとなったのはツインズの采配ではないかと思われます。ほぼ敬遠に近い形でEspinosaを歩かせところまでは合理的でしたが、続くPerez(左打者)の打席で左投手のRyan O’Rourkeから右のMichael Tonkinにスイッチしたのは不可解としか言いようがありません。Espinosaが二盗をしやすくなり、一塁方向に体の流れる右投手にPerezのバント処理は難しくなりましたから。まあ、それにしてもBaker監督のコメント「Shocked them, shocked me, shocked everybody」のとおり、Perez以外の誰も予想しないスーパープレーでした。

いよいよ終わりが近づいてきました。16回表をPerezが無失点で終え、迎えた16回裏先頭のChris Heiseyがカウント1-1から真ん中へ入ってきたスライダーを振り抜き、左中間スタンドへの文句なしのサヨナラ弾。終止符を打ちました。

苦しみながらもツインズをスウィープ。30球団最高勝率。いい感じです。

MVP: Oliver Perez

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