2016/05/03

2016年4月をふりかえる

4月が終わりましたので、戦いぶりを振り返っておきます。

[National League EAST End of April 2016]

WLPCTGB
Washington 16  7 .696  -
New York 15  7 .682 0.5
Philadelphia1410 .583 2.5
Miami 1211 .522 4.0
Atlanta    518 .21711.0

昨シーズンの勝率5割以上だったチームとの対戦がツインズとの3試合のみ、しかもそのツインズも今季は開幕から9連敗とかなり悪いチーム状態(ナショナルズとのシリーズが始まる時点で5勝11敗だった)とあって、非常に恵まれたスケジュールとなった4月のナショナルズ。きっちりと勝っておかなければならないというプレシャーもあったはずですが、しっかり勝ち越しました。

開幕カードはブレーブスとの2連戦。決して楽な試合ではなかったものの2連勝。マーリンズを迎えてのホーム開幕戦こそ落としましたが、雨で試合を流した後に7連勝で、9勝1敗という強烈なスタートダッシュを決めました。その後は勝ったり負けたりでしたが、24日のツインズ戦で延長16回サヨナラ勝ちを収めたところで貯金10。ホームでのフィリーズ3連戦でスウィープを喫するということもありましたが、4月最後はアウェイでのカージナルス戦に2連勝して締めくくり、なんとか地区首位をキープしました。

2位はメッツ。開幕からしばらくはもたもたしましたが、22日以降、破竹の8連勝で一気にナショナルズとの差を詰めてきました。投手陣は予想通り活躍しています。3位はフィリーズが健闘中。こちらも投手陣が好調です。4位のマイアミは打線がチームを引っ張っています。ここまでが勝率5割超。そんな中、ブレーブスだけは予定通り負けまくっています。ナショナルズに6つ負けたのを含め開幕9連敗。4連勝した後、また8連敗。まあ、頑張ってください。

[Pitcher of April 2016: Stephen Strasburg]
GSIPWKERAWHIP
Stephen Strasburg536.04402.251.00
Tanner Roark531.02302.031.19
Max Scherzer531.02304.351.32
Gio Gonzalez 425.11251.420.99
Joe Ross422.23140.790.97
GIPSVHLDERAWHIP
Jonathan Papelbon1110.1802.611.16
Blake Treinen109.0053.001.22
Felipe Rivero1212.2123.550.87
Shawn Kelley 108.0010.000.88
Yusmeiro Petit 513.0002.770.92

先発、ブルペン合わせたチーム防御率2.36は、30球団中の堂々トップ!!WHIPや被本塁打率、奪三振率、与四球率といった個々の数字を見ると1位はないのですが、総合すると見事な1位。このスタートダッシュの立役者は投手陣と言って過言ではないしょう。

まず、先発ローテーション。昨シーズンは開幕前にメジャー最強と呼ばれていたナショナルズの先発陣。今季、その称号はメッツに行ったわけですが、蓋を開けてみれば今季のナショナルズ先発陣は(僅差でカブスの後塵を拝しましたが)メジャー2位の先発投手防御率(2.28)。素晴らしい。中でも、Stephen Strasburgは、5戦4勝。残りの1試合も7回まで1失点の好投の後、8回に3ランを打たれたもの(結果は延長16回サヨナラ勝ち)。40奪三振はClayton Kershaw(ドジャーズ)、Jose Fernandez(マーリンズ)とピッタリ並んでナ・リーグトップタイ。昨年の開幕直後とはえらい違いです。1試合のパフォーマンスということで言えば、23日のTanner Roarkの15奪三振は「凄み」すら覚えました。マーリンズとの2試合だけは打ち込まれましたが、他の3試合は合格点以上の内容です。チーム事情で出遅れることになったGio Gonzalezも好投を続けていています。また、Joe Rossも右手指のマメのため4試合目に途中降板シましたが、それまでは3連勝と好調でしたし、たかがマメですから心配はありません。心配なのは、むしろMax Scherzer。序盤に崩れることが多く、ピリッとしません。

ブルペンはブルペンで頑張っています。クローザのJonathan Papelbonはファン心理としては依然複雑ですが、1試合で失敗した以外はセーブを記録し、内容も決して悪くありません。いつの間にかBlake Treinenがメインセットアッパーの地位を掴んでいますが、実はShawn Kelleyが防御率0.00を継続したりして驚いています。ロングリリーフのYusmeiro Petitも、Rossがマメで降板した試合で4イニング、延長16回まで行った試合で4回2/3を投げていずれも自責点1でチームの勝利に貢献と、期待通りの活躍をしています。

[Hitter of April 2016: Bryce Harper]
PAAVEOBPSLGHRRBI SB
Anthony Rendon100   .242.310.28615   0   1  1
Bryce Harper  96.286 .406.71416 9 24  5
Daniel Murphy  90.370.433.58012 2 11  1
Michael Taylor  87.183 .218.317  8 3   4  3
Ryan Zimmerman  83.219 .301.30113 1   7  0
Jayson Werth  82.211.293.437   9 4 13  0
Danny Espinosa  80.185.316.246  5 1   8  1
Wilson Ramos  58.316.328.491  4 2   8  0

チーム打率.230は26位。。。ふむ。

野手は明暗がはっきり分かれています。好調だったのは、Bryce Harper、Daniel Murphy、それにWilson Ramos(ただし、最後の数日間は身内の不幸のために忌引)の3人だけ。中でも、新加入のMurphyは本当によくやってくれています。彼がいなければ、Harper 1人だけのチームになってしまうところでしたから、貢献度はかなり高いです。Ramosも、レーシックの効果なんでしょうか、スプリングトレーニングの好調を持続しています。

一方、Anthony Rendonは、長打が出ない、チャンスで打てないという印象がありましたが、それが本塁打なし、わずか1打点という結果に現れています。Michael Taylor、Danny Espinosaの2人はせっかく与えられたチャンスをみすみすフイにしてしまっている印象。特にTaylorはスプリングトレーニングが好調だっただけに残念です。Zimmerman、Werthの2人はいいところで打ってくれている印象がありますが、2人とも、この打率、出塁率は頂けません。

そんなナショナルズ打線にあって、ひたすら別次元の活躍を続けているのが、Harperです。長打率、本塁打はいずれもリーグ2位。打点はトップタイ。盗塁数さえ、リーグでは4位タイ。2本の満塁本塁打もあり、チームの勝利に大きく貢献。当然のように、ナ・リーグ月間MVPに選ばれました。リーグMVPとなった昨シーズンをも上回るペースで打ちまくっています。23歳。まだまだ伸び盛りです。

最後に1つ。チームエラー数は、8個で30球団最少です。エラー数だけで守備力は評価できないことは確かですが、それにしても少ないに越したことはない。以上より、4月のナショナルズは守備も含めたディフェンス力に優れていたとまとめることができるのではないでしょうか。

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