2012/02/09

2012 Spring Training Outlook 1 (SP)

投手と捕手の集合(2月19日)まであと10日となりました。今年も、先発、ブルペン、捕手、内野手、外野手に分けて、昨季終了後の動きと、スプリングトレーニングの見所を紹介するシリーズをお送りします。まずは先発投手編。

【オフの動き】
(退団) Livan Hernandez(FA), Brad Peacock(Trade to OAK), Tom Milone(Trade to OAK)
(入団) Gio Gonzalez(Trade from OAK), Edwin Jackson(FA)

オフの始めにMike Rizzo GMが掲げた最重要課題の1つが先発投手の獲得でした(もう1つはセンターの補強)。当初のターゲットだったMark Buehrleは札束攻勢のマーリンズにさらわれましたが、Gio Gonzalezをトレード獲得、さらに2月になってFAのEdwin Jacksonとの1年契約に成功。また、一度FA退団した王建民と再契約しています。

【スプリングトレーニングの見所】
(40人ロースター)
Jordan Zimmermann
Stephen Strasburg
Gio Gonzalez
Edwin Jackson
Chien-Ming Wang
John Lannan
Ross Detwiler
Yunesky Maya
Matt Purke
Tom Gorzelanny
Craig Stammen
(マイナー契約招待選手)
なし

まず驚いたのは、マイナー契約招待選手に先発投手候補が1人もいないこと。40人枠が充実していることの証左として喜ぶべきことだと思います。

Zimmermann、Strasburg、Gio、Jacksonまでの4人は故障さえなければ確定。この4人については順調に仕上げてくれることを祈るばかりです。

注目は残る1枠(5人ローテーションと仮定)。王建民、Lannan、Detwilerが争うことになります。スプリングトレーニングでの競争が行われるのは当然ですが、様々な制約がかかっていることも事実です。まず、契約関係を確認しておくと次の通り。

2012年年俸
FA
Minor Option
Wang
400万ドル
2012年オフ
Lannan
500万ドル
2013年オフ
Detwiler
50万ドル
2015年オフ

マイナーオプションがなく他球団にウェイバークレームされることが確実な王とDetwilerをマイナーに送ることは事実上不可能。Lannanだけはオプションが残っていますが、これだけの実績を残してきた投手を簡単にマイナー送りにすることはないでしょう。よって、健康である限り3人ともマイナーで開幕を迎えることはないと思われます。誰かがブルペンに回る可能性はありますが、王とLannanはブルペン未経験で、Detwilerもこれまで適性を示したかと言われると微妙ですし、せっかく先発投手として芽が出てきたところでもったいない。そもそも1人ならともかく、2人をブルペンというのは現実的ではありません。

ということで、現実的な選択肢としてトレードが浮上することになります。ただしFA契約の王のトレードは6月まで不可。開幕前の時点でトレードの可能性があるのはLannanとDetwilerとなります。ナショナルズは年俸が高いLannanを出したがっているとの噂がありますが、500万ドルはトレード先にとっても大きな負担。加えて、残り保有可能年数でもLannanの2年に対してDetwilerは4年残っており、またDetwilerはまだ潜在能力を発揮していないと見られていることから、トレードバイトとしての価値はDetwilerのほうが高いと言われています。Lannanの魅力は何と言っても実績。よって優勝争いをしようというチームが先発下位をしっかり任せられる投手を望む場合はLannan、再建中で若手中心のチームを作ろうとしている場合はDetwilerが対象となるはずです。トレード相手となる選手については、センターの獲得を目指しているとの情報もありますが、この時期になってレギュラークラスのセンターを獲得できるとはとても信じられません。マイナーリーガーとの交換が現実的。メジャーにある程度近いA+からAAクラスの投手プロスペクトが得られれば理想的です。

上記は、3投手がスプリングトレーニングでそれなりの結果を残すことを含め、全てが上手くいった場合の想定。上位4人を含め誰かが故障した場合には話は大きく違ってきます。7人の後は、過去2シーズンでほぼ先発失格とされたMayaと、マイナー登板さえないPurke、それにロングリリーフとしてキャンプ参加が予定されているGorzelannyとStammenくらいしかおらず、はっきり言って層は薄い。LannanもDetwilerもトレードされないまま開幕する可能性も十分あり、トレードが行われるとしても3月も後半のぎりぎりのタイミングになるのではないかと見ています。

【開幕予想】Gio, Zimmermann, Strasburg, Jackson, Lannan

開幕投手はGio、以下Zimmermann、Strasburg、Jacksonの順と予想します。開幕戦は比較的経験豊富なGioに任せ、Zimmermannはプレッシャーがかからない2戦目で登板。Jacksonにはそこまで期待していないので4番手。Strasburgの3番手というのは、5日前の最終調整登板が4月3日のNationals Parkでのレッドソックス戦となること(興行的観点)と、ローテーション通り進めば4月23日の故郷サンディエゴでのパドレス3連戦の初戦の登板に当ることが理由です。イニング制限とシカゴの寒さを考慮して、4番手(ニューヨーク)に回す可能性も否定できません。

王建民は故障というか調整遅れでDL入り、Lannanが先発5番手に入り、Detwilerはブルペンで開幕を迎えることになると予想します。実際のところ、7人がそろって健康で開幕を迎えられるというのはかなり楽観的で、1人くらいは出遅れると想定しておくべきでしょう。

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