MLBのナショナルズのシーズンレビューを書く気力はなかなか湧いてこないのですが、先にMy Top 10 Prospectsのレビューを書いておきます。
前回の8月18日時点での報告は
こちら。
総括すれば、飛躍の年となった選手が3人(Turner、Ross、Voth)、及第点は得たかなという選手が3人(Giolito、Difo、Fedde)、残念ながら足踏みとなってしまった選手が4人(Lopez、Reetz、Ward、Bautista) といった感じです。
●Trea Turner, SS
27G 44PA 1HR 4BB 12K .225/.295/.325 2SB [MAJOR]
48G 205PA 3HR 13BB 41K .314/.353/.431 14SB [AAA]
10G 41PA 0HR 1BB 8K .359/.366/.513 4SB [AA(Harrisburg)]
58G 254PA 5HR 24BB 48K .322/.385/.471 11SB [ AA (Padres)]
前回の記事を書いた直後、8月21日にメジャー昇格し、同日途中出場でデビューを実現しました。その後はベンチを温める日が中心で、8月中は9打席でノーヒットで9月3日の10打席目で初安打とやや苦しみました。その後は、初先発、初本塁打と記録し、そしてチームの地区優勝が正式になくなった後の最後の6試合には全て先発出場しました。打撃成績を見ると、三振が多いことが気になりますが、守備を含め、最低限メジャーでやってけることは示せたのではないでしょうか。
開幕はパドレス傘下で迎え、6月にようやくナショナルズ傘下へ。AAからAAAへ、そしてメジャーデビューへとステップアップを果たし、おそらく達成感に包まれていることでしょう。どういった立場で来春を迎えるかはオフの補強次第でしょうが、数字を見る限り、AAAでやり残したことはないはず。新生ナショナルズの象徴として、思い切って任せて欲しいですね。
●Lucas Giolito, RHP
8G 47.1IP 17BB 45K 3.80/1.37 [AA]
13G 69.2IP 20BB 86K 2.71/1.22 [A+]
前回8月のレポートの後もAAでシーズン終了までまずまずの内容で投げ切りました。30球団全体のトッププロスペクトと呼ばれるにはやや物足りない数字ですが、まだ21歳で、A+でさえ初挑戦だったことと思えば十分過ぎます。
投球イニング数の合計は117イニングと、前年の98イニングから順調に伸びています。来シーズンはAAでの開幕が予想されますが、AAAへの昇格はもちろん、メジャーデビューの可能性も十分。しっかりイニング数を積み上げて(あまり想像したくないですが、Stephen Strasburgが抜けた後の)2017年にしっかりローテーションの柱になれるようなシーズンとなることを期待しましょう。
●Reynaldo Lopez, RHP
19GS 99.0IP 28BB 94K 4.09/1.22 [A+]
前回レポートの前の2ヶ月間で調子を上げていたことから、「このままいい感じでシーズンを終えてもらいたい。」と書きましたが、残念ながら直後に背中の痛みでDL入りし、そのままシーズン終了となりました。ありゃりゃ。
「足踏み」のシーズン。2014年に大きく引き上げた株を壊滅的に落としはしませんでしたが、飛躍につなげることもできず、Giolitoにはやや差を付けられた印象。来季はもう一度A+でしょう。健康にしっかり投げて上がってきてくれることを期待です。
●Joe Ross, RHP
16G 76.2IP 69K 21BB 3.64/1.11 [MAJOR]
5G 24.2IP 15K 7BB 2.19/0.89 [AAA]
9G 51.1IP 54K 12BB 2.81/1.13 [AA]
前回レポートの後、8月下旬の2先発では計13イニングで自責点1と好投したものの、9月に入っての2先発では四球を連発するなどらしくないピッチング。シーズン投球回数が未経験ゾーンとなったこともあり、その後はブルペンに回ってシーズン終盤を過ごしました。
先発投手としてメジャーでやっていけることは十分に証明しました。しかし、今季のTanner Roarkの例もあるので、来シーズンの立場はオフの補強次第でしょう。個人的には、Roarkとともに信頼を示してローテーションでしっかり投げさせるべきだと思います。
●Wilmer Difo, SS
15G 11PA 0HR 0BB 2K .182/.182/.182 0SB [MAJOR]
87G 381PA 2HR 12BB 79K .279/.312/.387 26SB [AA]
19G 83PA 3HR 8BB 13K .320/.386/.533 4SB [A+]
AAのシーズン終了までプレーし、セプテンバーコールアップとしてメジャーに合流。とはいえ、代打、代走、守備固めばかりの日々。そして、ようやく8番セカンドでメジャー初先発の機会を与えられた10月3日のダブルヘッダー第2戦(Max Scherzerが準パーフェクトを達成した試合)、3回の第1打席でファーストへの内野安打を記録しましたが、この時のファーストへのヘッドスライディングで左手を骨折。高い代償となりました。
球団の最優秀マイナーリーガーに選ばれた昨季ほどの成績を残すことはできませんでしたが、A+からAAへと順調に昇格し、メジャーデビューも果たしたということで、実りあるシーズンとなりました。内定していたアリゾナ秋季リーグへの派遣はなくなりましたが、スプリングトレーニングには万全で戻ってくることができる見込み。
●Drew Ward, 3B
111G 426PA 6HR 39BB 110K .249/.327/.358 2SB [A+]
前回レポート時にはDL入りしていましたが、8月末に復帰。復帰後はシーズン終了までの11試合で、.263/.349/.395という成績。今ひとつ物足りなかったシーズンですが、最後にいい感じで終わることができたと言っていいでしょう。アリゾナ秋季リーグへの派遣が決まっています。
こちらも「足踏み」のシーズンとなってしまいました。来季の開幕は、A+をやり直しか、AAへの昇格か微妙なところ。来季開幕時でもまだ21歳なので、もう一度A+でいいようにも思います。
●Austin Voth, RHP
28G 157.1IP 148K 40BB 2.92/1.11 [AA]
シーズン最後の2週間も引き続き好投を続け、特に最後の2登板では計13イニングを無失点、最終週のEastern League週間MVPを受賞。シーズン防御率で3点を切るという文句の付けようのない締めくくりとなりました。148奪三振はリーグトップ。
プロスペクトとしての価値を大いに上げることに成功した1年。スプリングトレーニングには招待選手として呼ばれるでしょうし、来季はメジャーデビューも視野に入ってくると思われます。
●Rafael Bautista, OF
52G 226PA 0HR 11BB 22K .272/.318/.325 23SB [A+]
8月報告の後も、シーズン終了までA+でプレーし、最低限の成績を残したという感じ。今季はケガに泣きました。来季は健康にしっかりプレーできることが第一ですが、年齢的にのんびりはしていられないので、早々にAAへ、そしてさらに上を目指して頑張ってくれることを期待しています。
●Jakson Reetz, C
36G 132PA 0HR 13BB 37K .212/.326/.248 3SB [SS]
8月の報告以降は出場記録なし。故障というニュースも入ってきていないのですが、いずれにせよ、高卒2年目のシーズンはかなり苦いものとなりました。来季が正念場となりそうです。
●Erick Fedde, RHP
6G 29.0IP 23K 8BB 4.34/1.10 [A]
8G 35.0IP 36K 8BB 2.57/1.31 [SS]
前回レポート後の4試合はいずれも5イニングを投げて、0から3失点。特に最終戦は5回無失点7奪三振という好投で締めくくりました。
今季は計64イニング。TJから復帰は順調と言っていいでしょう。大卒なのであんまりのんびりもしていられませんが、かと言って無理しては元も子もありません。この調子で来季もじっくり作り上げていってくれることを期待しています。