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2017/09/07

プロスペクト・レポート(MiLB閉幕)

9月第1週をもってマイナーリーグが閉幕しました。一部まだポストシーズンが続いていますが、ナショナルズ傘下でポストシーズンに残ったのはGCLナショナルズ(地区優勝を飾ったもののチャンピオンシップで惜しくも負けた)だけでしたので、全て終了です。

前回7月のレポート以降の状況を中心に、シーズンを振り返っておきます。成績は9月6日まで。

Andrew Stevenson, OF
29G 55PA 0HR 1RBI 5BB 17K .167/.245/.208 1SB [MAJOR]
79G 331PA 2HR 26RBI 19BB 72K .252/.298/.320 10SB [AAA]
20G 91PA 0HR 12RBI 11BB 19K .350/.429/.438 1SB [AA]
前回レポートの直前にデビューした後、7月27日に初安打を記録。しかし、代打や守備固めが中心での起用では結果を残せませんでした。マイナーでも新しいレベルで打ち始めるまでに時間がかかるスロースターターでしたが、それではメジャーでは出場機会がつかめません。8月下旬に故障者が復帰してくるとAAAに降格。AAAでは出場した全6試合で安打を記録し、意地を見せました。セプテンバー・コールアップで再昇格。

Victor Robles, OF
37G 158PA 3HR 14RBI 12BB 22K .324/.394/.489 11SB [AA] 
77G 338PA 7HR 33RBI 25BB 62K .289/.377/.495 16SB [A+]
前回レポートの直前にAAに昇格。最初の16試合は.242/.309/.403とやや苦しみましたが、8月11日以降シーズン終了までは出場した21試合中20試合で安打を記録(安打がなかったのは代打出場の1試合のみ)。その間、実に.390/.460/.558と打ちまくりました。プロスペクトとしての評価はこれ以上上がりようないくらい上がっています。再三トレードの噂が飛び交いましたが、手放さなくて本当によかったです。来季はメジャーデビューでしょう。( →と書いてまさに記事を投稿しようとしていたら、メジャー昇格のニュースが入ってきました!)

Carter Kieboom, SS
48G 210PA 8HR 26RBI 28BB 40K .296/.400/497 2SB [A]
5月からDL入りしていましたが、7月下旬になってようやくGCLでのリハビリ出場を開始。Auburn(SS)での7試合を経てようやく8月15日にHagerstown(A)に復帰すると、以降、シーズン終了までの19試合に出場し、.235/.402/.353の成績。故障さえなければ、と思わずにはいられませんが、高卒2年目でのこの成績は上々です。前半戦の活躍でトッププロスペクトの評価を受けるには至ったはず。来季の飛躍が期待されます。

Juan Soto, OF 
23G 96PA 3HR 14RBI 10BB 8K .360/.427/.523 1SB [A]
9G 27PA 0HR 4RBI 2BB 1K .320/.370/.440 0SB [Rk]
前回レポートで書いた通り、Hamate Boneの骨折で7月8日を最後に再びDL入り。シーズンも最後の最後、8月29日にようやくGCLでリハビリを再開。9月2日の最終戦では5打数5安打とうっぷんを晴らすかのように打ちました。故障により失われたシーズンとなってしまいましたが、出場すれば打てることは示しました。来季は健康に過ごしてくれることを期待しましょう。

Drew Ward, 3B 
121G 480PA 10HR 53RBI 55BB 131K .235/.325/.356 0SB [AA]
6月に短期間のDL入りがあり、その影響もあってか6月の打率が.103だったため全体の数字を引き下げましたが、5月は.296、7月以降は.247とまずまず。22歳で(リーグの平均年齢より2歳若くして)AAに挑戦し、121試合の経験を積んでのこの成績は(トッププロスペクトとして目を引くほどではないにせよ)悪くはありません。サードとしての守備スタッツも着実に向上しており、4歳年上のAnthony Rendonの後継者となる可能性は十分残しています。

Luis Garcia, SS
49G 211PA 1HR 22RBI 9BB 22K .302/.330/.387 11SB [Rk]
プロデビューから21試合経過した時点での前回レポートで「あまり打てていません」と書きましたが、その直後から打ち始め、以降の28試合では.360/.381/.474。シーズン打率も3割を超えて終えました。打率、得点、打点、盗塁はポストシーズンに進出したチームでもトップの数字。17歳に長打を求めても仕方ありませんので、これ以上ない好成績と言っていいでしょう。ポストシーズンの4試合でも全て安打を記録しました(計17打数6安打)。まずはオフの各種プロスペクトランキングでどれほどの評価を受けるか楽しみです。

Weston Davis, RHP
9G(9GS) 41.1IP 23K 15BB 5.88/1.50 [A] 
2G 9.0IP 8K 0BB 0.00/0.56 (SS)
Tyler WatsonとMcKenzie Millsの2人がトレードで出されてしまい、開幕前に期待した三人衆でただ1人残された形のDavis。前回レポートの後、Hagerstown(A)で5試合に登板し、計24回2/3を投げて防御率3.28と悪くない結果を残しましたが、その後再びDL入り。来シーズンこそはフルシーズンの活躍を期待したいところですが、健康な状態で開幕を迎えられるかどうかすら心配です。

Seth Romero, LHP
6G(6GS) 20.0IP 32K 6BB 5.40/1.25 [SS]
1G(1GS) 2.0IP 3K 2BB 0.00/1.00 [Rk]
契約後しばらくフロリダで調整を続け、8月1日にGCLでプロデビュー。すぐにAuburn(SS)のローテーションに加わり、シーズン終了まで6試合に先発。3試合で無失点かと思えば、3試合では3~5失点と派手に打ち込まれ、評価が難しい結果となりました。内容を見ると、与四球が多くない一方で、極めて高い奪三振率を記録しています。来シーズンの開幕はおそらくHagerstown(A)でしょう。そこでフルシーズン、どういうピッチングを見せられるかが勝負です。

Tyler Watson, LHP 
前回レポートの直後にトレードでツインズに移籍。移籍後もAで先発として投げています。

KcKenzie Mills, LHP
こちらも前回レポートの直後にフィリーズに移籍。移籍後A+に昇格しています。

Jesus Luzardo, LHP
前回レポートの直前にアスレティックスにトレード。移籍後はRkとSSで7試合に登板し、引き続き圧倒的なピッチングを続けたようです。

2017/08/10

Prospect Profile #32: Jesus Luzardo 

[2017年5月オリジナル, 2017年8月最終更新]

さて、全体32回はJesus Luzardo。まだプロでは1試合も投げていないので今の時点で記事にするかどうか迷いましたが、ひとまず。

[Player Data]
Name: Jesus Luzardo
Position: LHP
Born: September 30, 1997
Birthplace: Parkland, FA
School: Douglas HS (FL)
Height: 6-1
Weight: 205
Bats: Left
Throws: Left
Draft: 2016-3
Acquired: Draft
BA organization Rank: 15(2017)
BA Overall Rank: NA

[Scouting Report]
TJ手術前には、90マイル前後の速球を主体に球速の異なる2種類のカーブのオーソドックスな持ち球ながら、速球の動きと制球力で結果を残し、高校生左腕としてはかなり完成度が高いと評価されていた。チェンジアップを習得中だったとの情報も。

[Background]
高校3年になる前の夏に97マイルを記録して有名になったが、ヒジを痛め、2016年3月にTJ手術に踏み切った。マイアミ大への進学が有力視されていた中、ナショナルズが2016年のドラフト3順目で指名し、140万ドル(スロット額の2倍以上)の契約金で入団にこぎつけた。当然、2016年シーズンは一球も投げず。

2017年もDLで開幕し、6月にGCLでプロデビュー。3試合に先発して2失点。15個の三振に対して無四球という結果もさることながら、軽く90マイルを超える速球を投げているというレポートも入って大いに期待を高めていたところで、Sean DoolittleとRyan Madsonとのトレードのピースとしてアスレティックスにトレードされた。 

[Comment]
惜しいと言えば惜しいですが、このような使い方ができたという時点でドラフト指名は大成功だったと言えるでしょう。しかし、ナショナルズはやはり惜しいことをした、と言わせるような投手に是非成長してください。(2017年8月)

早ければGCLの開幕、遅くとも2017年中のプロデビューが予想されます。TJリハビリ中にナショナルズにドラフト指名されてその後復帰を遂げた投手としては、2012年指名のLucas Giolito、2014年指名のErick Feddeという先達がいるので、コーチ陣を信じ、焦らずにしっかり成長してくれることを期待しましょう。(2017年5月)

2017/07/27

プロスペクト・レポート(2017年7月)

前回のレポート(Luzardo, Davis, Garciaはこちら)から1か月あまり。Andrew Stevensonがメジャーデビューしたり、Jesus Luzardoがトレードされたり、なんやかやと動きがありました。アップデートと、開幕時にPTBNLとしていた5人目の投手を登録しておきます。(成績は特記しない限り7月26日終了時)

Andrew Stevenson, OF
3G 3PA 0BB 1K .000/.000/.000 0SB (MLB)
73G 306PA 2HR 24RBI 18BB 67K .246/.293/.319 9SB (AAA)
20G 91PA 0HR 12RBI 11BB 19K .350/.429/.438 1SB (AA)
前回レポート時に「当たり始めた」と書いた後も引き続き好調を維持し、負傷欠場したBrandon Snyderの代役という形でしたがAAAのオールスターに選出されました。そして7月23日、相次ぐ外野手のDL入りにより止む無くという感じではありましたが、遂にメジャー初昇格・デビューを果たしました。ここでもやはり適用に時間がかかるのかもしれませんが、出場機会を与えられれば意外とすんなり定着したりして・・・。

Victor Robles, OF 
3G 14PA 0HR 1RBI 1K 0BB .231/.286/.385 0SB (AA) 
77G 338PA 7HR 33RBI 25BB 62K .289/.377/.495 16SB (A+)
A+のオールスターに加え、MLBのオールスターの前座で開催されたFutures Gameにもナショナルズからのただ1人の代表として参加。7月24日、Harrisburg(AA)に昇格し、やはり1番センターで出場を続けています。一方で、Stephen StrasburgのDL入り(とりあえずErick Feddeが先発しますが)に伴い、先発投手の補強を探っておいるナショナルズ。当然ながらトレードの交換相手として要求されている模様。いやいや、ダメ、絶対(Bryce Harperとの長期契約が電撃的に決まるなら別ですが)。

Carter Kieboom, SS
29G 123PA 6HR 20RBI 10BB 25K .333./398/.586 2SB (A)
引き続きDLに入ったままで、復帰に向けた見込みなども聞こえてきません。

Juan Soto, OF
23G 96PA 3HR 14RBI 10BB 8K .360/.427/.523 1SB (A)
5G 13PA 0HR 0RBI 0BB 1K .077/.077/.077 (Rk)
7月3日にGCLでリハビリ出場を開始し、待ってました!という気分で見守っていましたが、わずか5試合出場したところでまた姿を消してしまいました。心配していたところ、7月26日になってHamate Boneの骨折が判明。まあ、Hamate Boneだけなら約1か月の離脱ですから、何とか今シーズン中には復帰できるかもしれません。が、それでも実働はわずか1か月。実質的に失われたシーズンとなることが確定してしまいました。

Drew Ward, 3B
87G 348PA 7H 41RBI 38BB 99K .227/.313/.348
約2週間のDLの後、6月18日に復帰してからはAAでレギュラー出場を続けていますが、復帰後の34試合の成績は.185/.271/.261と惨憺たるもの・・・。まだ22歳。これからこれから。

Luis Garcia, SS/2B
21G 92PA 1HR 8RBI 5BB 13K .224/.264/.271 2SB
Gulf Coast League(Rk)の開幕とともにプロデビュー。セカンドかショートを守りつつ、1番を打っています。あまり打てていませんが、とにかくまだ 17歳。練習あるのみ。少しでも上向きな感じでシーズンを終えられるように願っています。

Tyler Watson, LHP
18G 93.0IP 98K 24BB  4.25/1.25 (A)
7月13日の登板で2回7失点(自責点6)と打ち込まれるなど、この1か月間の6試合は防御率6.60という成績に終わりました。ただし、31奪三振に対して、四球はわずかに4つ。内容は必ずしも最悪という感じではありません。このまま最後までしっかりとイニングと経験を積み重ねていけば、結果も付いてくるはずです。

McKenzie Mills, LHP
18G(12W) 104.2IP 118K 22B 3.01/0.95 (A)
こちらも7月17日の登板で5回途中6失点という日がありましたが、この1か月の防御率は3.65と、Watsonほどは乱れませんでした。7月3日と10日には2試合続けて二けた10奪三振を奪うなど、37イニングで46個の三振を奪っており、内容はいい感じを維持しています。なお、12勝はSouth Atlantic Leagueの単独トップ、118奪三振もトップタイとなっています。

Weston Davis, RHP
4G 16.2IP 8K 4BB 9.72/1.74 (A)
2G 9.0IP 8K 0BB 0.00/0.56 (SS)
開幕直後から長くDL入りしていましたが、6月末にリハビリ登板を開始し、遂に7月14日に先発投手としてHagerstown(A)に戻ってきました。21日の試合では2回途中5失点と打ち込まれましたが、続く14日の試合では6回2失点で今季初白星。WatsonとMillsはかなり順調に先を走っていますが、しっかり前を見て追いかけて行ってもらいたいです。

Jesus Luzardo, LHP
3G 13.2IP 15K 0BB 1.32/1.02 (Rk)
GCLでの3試合、13.2イニングでわずか2失点、15奪三振、無四球。90マイルを超える速球で圧倒しているとの情報も入り、興奮していた矢先、Sean Doolittle、Ryan Madsonとのトレードでアスレティックスに移籍していきました。移籍後もやはりRkレベルで好投しているようです。いつか大成して、(Alex Meyer、Robbie Rayのように)MLBでナショナルズと対戦する日を楽しみにしています。(A.J. Coleのように)出戻ってもいいんですけどね。

Seth Romero, LHP 
5人目の投手プロスペクトは言わずと知れた2017年ドラフト1巡目指名の左腕。諸事情により実戦から離れていたこともあり、契約後、フロリダでの調整を続けています。プロデビューが待ち遠しい。

2017/07/17

Ryan MadsonとSean Doolittleをトレード獲得

7月末の期限に向け、交渉が加速していたトレード市場。ブルペン投手の補強が至上命題となっていたナショナルズが、アスレティックスとの間でRyan MadsonとSean Doolittleの両投手を獲得することで合意しました。2人ともクローザー経験もあるベテランのブルペン投手。2人とも、奪三振に対してとにかく四球が少ないという点が魅力。精神的な部分も含めてブルペンの安定化に大いに期待したいと思います。

むろん対価は支払います。Blake Treinenと昨年(2016年)のドラフト2順目、3順目指名のSheldon NeuseとJesus Luzardoの計3人。もはや使い道がなくなっていたTreinenはともかく、NeuseとLuzardoは期待のプロスペクトで惜しい気もしますが、プロスペクトランキングでさらに上位に位置しているトッププロスペクトを手放さずに2人の実績あるベテランを獲得できたことは、Rizzo GMの手腕と言っていいと思います。

**********************************
Ryan Madson, RHP (2017 for Oakland)
40G 39.1IP 1SV(3BS) 14HD 39K 6BB 2.06/0.79
36歳、メジャーでも12年目のシーズンの大ベテラン。2003年のメジャーデビューから9シーズンに渡って在籍したフィリーズでの印象が強い投手。その間、Jayson Werthらとともにワールドシリーズを制覇した2008年にはセットアッパーとして活躍しました。しかし、フィリーズからFAとなりレッズと契約した直後の2012年春に右ひじを痛めてTJ手術に踏み切りましたが、経過は思わしくなく、結局2012~2014年の3シーズンはメジャーでの登板なし、マイナーでもわずか1イニングのみとなり、このまま引退かと思われました。ところが2014年春にロイヤルズとマイナー契約を結ぶと、ここからロースター入りを勝ち取り、再びワールドシリーズのリングを手に入れることになりました。その後、アスレティックスとメジャー契約を結び、再び安定した投球を続けてきました。

Sean Doolittle, LHP (2017 for Oakland)
23G 21.1IP 3SV(1BS) 8HD 31K 2BB 3.38/0.66
2007年ドラフト1順目でヴァージニア大学(Ryan Zimmermanの大学の2年後輩になります)からアスレティックスに入団し、メジャーでも6シーズン目を迎える30歳のベテラン左腕。比較的安価な長期契約を結んでおり、2018年シーズンまで確定、2019年、2020年には球団側にオプションがあります。メジャーでは一貫してブルペン投手として活躍し、2014年にはク゚ローザーとして22セーブも記録。2015年以降はやや故障がちで登板数は減っていますが、それでも投げればきちんと結果は出しています。今季も4月末から6月上旬までDL入りしていますが、大きなものではなく、復帰後も安定したピッチングを続けています。特に対左打者には今シーズンまだ一本もヒットを打たれていません。左腕からの速球は素晴らしく、個人的にはクローザーを任せるならDoolittleかなという印象を持っています。

Blake Treinen, RHP (2017 for Nationals)
37G 37.2IP 3SV(2BS) 5HD 13BB 32K 5.73/1.62
元々は2011年ドラフト7巡目でアスレティックスに入団した選手。2012年オフにMichael Morseのトレードで移籍してきました(一緒に来たのはA.J. ColeとIan Krol)。当初は先発として育成され、メジャーデビューした2014年はもっぱら先発として投げていました。転機となったのは2014年オフのMax ScherzerのFA加入でしょう。これでTreinenはブルペンに転向することとなり、ここから2015年、2016年とシンカーを武器に欲しいところで併殺が取れるピッチングで地位を築いていきました。そして、この春、スプリングトレーニングで結果を残し、開幕時には「クローザー」の指名を受けるほどに成長。どれほどの活躍を見せるかと期待させました。が、あえてその後のことは書かないことにしましょう。新天地で気分一新し、頑張ってくれることを願っています。

Sheldon Neuse, 3B/SS (2017 for Hagerstown(A))
77G 321PA 9HR 51HR 25BB 66K .291/.349/.469 12SB 
2016年ドラフト2順目でオクラホマ大から入団。昨季はAuburnであまり打てず、BAではトップ10外でしたが、BPなど他のランキングでは軒並みトップ10にランクインしていました。今季は開幕からHagerstownで主軸を打ち、打率も残しつつ、長打あり、意外にも足もあり、また守備でもサードだけでなくショートも守れるところを見せ、大いに評価を上げていました。オールスターにも選出。

Jesus Luzardo, LHP (2017 for GCL Nationals(Rk))
3G(3GS) 13.2IP 0BB 15K 1.32/1.02 
2016年ドラフト3順目。元々はドラフト1順目指名候補でしたが、ドラフト前にTJ手術を受けたため、ナショナルズが3順目で指名。リハビリを経て、この6月にようやくプロデビューを果たしたばかり。GCLで3試合に先発して2失点。15個の三振に対して無四球という結果もさることながら、軽く90マイルを超える速球を投げているというレポートも入っていて大いに期待を高めていたところでした。惜しい、けれどもリスクも高く、トレードバイトとして使われる可能性はかなり高いと見ていました。

2017/06/29

プロスペクト・レポート(GCL開幕)

ルーキーレベルのGulf Coast Leagueが開幕しました。今後、今年のドラフト指名選手たちも順次参加することになると思われますが、開幕ロースターと開幕後の2試合で、My Top 10 Prospectsの選手たちのニュースがありましたので、取り急ぎ記事にすることにしました。

Weston Davis, RHP
開幕をHagerstown(A)のローテーションで迎えながら4月中旬にDL入りしていたDavis。なんと6月27日のGCL Nationalsの開幕投手を務めました(ステータスはDL入り選手のリハビリ登板)。結果は4回4失点(自責点3)というものでしたが、まずは投げられる状態になったようでほっとしています。

Jesus Luzardo, LHP
TJ手術からのリハビリを続けてきたLuzardo。GCL Nationalsの開幕2戦目に先発し、これがプロ初登板。しかも4回1失点。4安打無四球7奪三振と内容も申し分ないものでした。

Luis Garcia, SS 
期待通り、米本土のGulf Coast Leagueでデビューしました。開幕戦は1番セカンド、2戦目は1番DHで出場。開幕戦で1安打を記録しています。

なお、Garciaの本来のポジションとされているショートは、2試合ともYasel Antunaが守りました。AntunaもGarcia同様昨年のInternational FAでナショナルズが思い切って契約したドミニカ出身の17歳。期待のプロスペクトです。

2017/06/17

プロスペクト・レポート(2017年6月)

前回報告から1か月が経過し、ドラフトも終わりました。プロスペクトたちの動向を報告しておきます。期待通りに活躍している選手もいます、故障者が目立ちます。(成績は6月16日終了時点のもの)

Andrew Stevenson, OF
20G 91PA 0HR 12RBI 11BB 19K .350/.429/.438 1SB (AA)
40G 160PA 0HR 10RBI 8BB 33K .213/.258/.267 3SB (AAA)  
AAAへの適応に思ったより長くかかっています。当初は1, 2番を打たせてもらっていましたが、次第に打順を下げ最近は6, 7番が多く、先発を外れることもあります。結果が出ない以上は仕方ありません。ただし、6月8日以降の直近9試合に限れば.375/.429/.594と当たり始めました。適応完了を期待して見守りましょう。

Victor Robles, OF
51G 220PA 6HR 21RBI 16BB 38K .285/.384/.495 11SB (A+)
前回5月の報告以降の33試合では.316/.420/.521としっかり実力を発揮し、Carolina Leagueのオールスターにも選出されました。この調子を維持し、シーズン中にHarrisburg(AA)に昇格してもらいたい。

Carter Kieboom, SS
29G 123PA 6HR 20RBI 10BB 25K .333./398/.586 2SB (A)
前回報告の直後に走塁中に右ハムストリングを痛めDL入り。それまでに数字を重ねていたことでSouth Atlantic Leagueのオールスターに選出されましたが、当然欠場予定。復帰の目途は聞こえてきません。

Juan Soto, OF 
23G 96PA 3HR 14RBI 10BB 8K .360/.427/.523 1SB (A)
前回報告したDL入りからまだ復帰しておらず、やはり復帰の目途は聞こえてきません。

Drew Ward, 3B 
51G 208PA 5HR 32RBI 23BB 60K .250/.337/.398 0SB (AA)
前回報告以後も引き続きまずまずのシーズンを過ごしていましたが、6月4日の試合を最後にDL入り。詳細は不明です。

Tyler Watson, LHP
12G (12GS) 63.0IP 20BB 67K 3.29/1.16 (A)
前回報告以降に先発した6試合の防御率2.37と好調。South Atlantic Leagueのオールスターに選ばれました。四球/奪三振の数字も引き続き良好で、理想的なシーズンを送っています。しかし、6月11日の登板がわずか2イニングで、その後「一時的非戦力リスト(temporary inactive list)」に載せられ、登板していないことが気になります。大事なければいいのですが。

McKenzie Mills, LHP
11G (11GS) 60.2IP 11BB 63K 2.52/0.91 (A)
前回報告以降の4試合で防御率1.82とWatsonを上回る素晴らしい投球をした後、DL入りとなりヒヤッとしましたが、6月12日に復帰し、6回2失点、被安打3の好投。まあ、大丈夫でしょう。前回気になると報告したワイルドピッチは、1つもありませんでした。こちらもSouth Atlantic Leagueのオールスターに選出。

Weston Davis, RHP
2G (2GS) 9.0IP 2BB 3K 11.00/1.67 (A)
前回報告以降、故障の内容などについても特に情報はありません。

Jesus Luzardo, LHP
引き続きリハビリ中。復帰のメドはまだ聞こえてきませんが、昨オフ、ホワイトソックスとの間でトレードバイトとして議論の俎上にあがったとの情報が漏れていました。

Luis Garcia, SS 
既に開幕したドミニカ・サマー・リーグのロースターに名前はありませんでした。これは、いきなり米本土のGulf Coast Leagueでデビューさせるということなんでしょうか?!間もなく判明します。

2017/05/12

プロスペクト・レポート(2017年5月)

マイナーリーグも開幕から1か月を経過しましたので、My Top 10 Prospectsの選手たちを中心にプロスペクトの動向をフォローしておきます。(成績は5月11日終了時点のもの)


Andrew Stevenson, OF
20G 91PA 0HR 12RBI 11BB 19K .350/.429/.438 1SB (AA)
8G 36PA 0HR 0RBI 1BB 10K .147/.171/.147 0SB (AAA)  
昨季後半に昇格したHarrisburg(AA)で開幕。1番センターとして20試合に出場してしっかり打ち込み、5月を待たず早々とSyracuse(AAA)へ昇格。昇格後は結果が出ていませんが、昇格直後に適応に苦しんだのは昨季AAに上がった時にも経験したこと。シーズンはまだまだこれからです。メジャーのAdam Eatonがシーズン終了となっているので、今季中のメジャーデビューも十分可能性があるはず、頑張れ。

Victor Robles, OF
19G 82PA 3HR 6RBI 6BB 17K .229/.316/.443 7SB (A+)
Potomac(A+)の1番センターとして開幕。7試合で.357/419/.643、1本塁打と素晴らしいスタートを切りましたが、4月18日に守備でハムストリングを痛めてしまいDL入り。5月1日に復帰してきましたが、その後は不調が続き、シーズン成績も低下。実力的には問題ないはずなので、まだケガが完治していないのではないかと心配です。

Carter Kieboom, SS
28G 121PA 6HR 20RBI 10BB 25K .339./405/.596 2SB (A)
高卒2年目にとってHagerstown(A)での開幕はチャレンジングだったはずですが、開幕から素晴らしいバッティングを持続。4月30日(偶然にもAnthony Rendonが3本塁打を記録した同じ日)に1試合3本塁打を記録するなど意外な長打力を見せています。かといって大振りになって三振が増えているわけでもありません。期待の大型新人が出てきました。

Juan Soto, OF 
23G 96PA 3HR 14RBI 10BB 8K .360/.427/.523 1SB (A)
KieboomとともにHagerstown打線を引っ張っていたSoto。高打率に加え、四球数が三振数を上回る選球眼を備え、うなぎ登りに評価を上げていましたが、5月2日に本塁に突入した際に右足首を負傷して退場、即DL入りとなりました。残念。特に軽いとも重いとも情報がないので、ただ復帰を待ち望むだけです。

Drew Ward, 3B 
29G 121PA 4HR 15RBI 10BB 37K .248/.314/.419 0SB (AA)
サードのレギュラーとしてHarrisburg(AA)で順調にシーズンを過ごしていると言っていいでしょう。長打は出ていますが、三振が多過ぎることが気になります。

Tyler Watson, LHP
6G (6GS) 32.2IP 12BB 38K 4.13/1.32 (A)
Hagerstownのローテーションを守って6試合に先発。5月7日の試合で6回6失点と乱れたため防御率は4点台になってしまいましたが、それまでの5試合は全て3失点以下に抑えていました(それまでの防御率は3.04)。四球/奪三振の数字も良好で、順調なシーズンを送っています。

McKenzie Mills, LHP
6G (6GS) 31.0IP 7BB 40K 2.90/0.97 6WP (A)
WatsonとともにHagerstownのローテーション投手として活躍中で、成績ではWatsonをも上回っています。やはり直近の5月8日の登板で4失点してしまいましたが、それでもなおこの数字は素晴らしい。ちょっと気になるとすればワイルドピッチを6つ記録していることくらい。今後の活躍が楽しみです。

Weston Davis, RHP
2G (2GS) 9.0IP 2BB 3K 11.00/1.67 (A)
3人衆の中でただ1人、残念なシーズンとなっているのがDavis。Hagerstownのローテーション投手として開幕しましたが、初戦に4回5失点、2戦目は6失点と打ち込まれ、挙句に4月17日にDL入りしてしまいました。故障個所などは明らかになっていません。

Jesus Luzardo, LHP
引き続きリハビリ中。復帰のメドはまだ聞こえてきません。

Luis Garcia, SS 
6月に開幕するドミニカ・サマー・リーグのロースターに名前を見つけるのを楽しみにしましょう。

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その他の選手たちについては、チームごとにピックアップしていきます。

[Syracuse(AAA)]
Austin Adams, RHP
11G 16.2IP 15BB 26K 1.62/1.44
Danny Espinosaのトレードでオフにエンゼルスから加入。奪三振も多いものの与四球の多さが気になりますが、それでも抑えてはいます。40人ロースターに入っているので、もしかすると早いうちにメジャーデビューするかもしれません。

Pedro Severino, C
22G 84PA 1HR 5BB 19K .203/.250/.253 0SB
バットではかなり苦労しています。Jose Lobatonが打率1割を切る状態が続いているので、もうちょっとだけでも打てば、控えの座を奪い取る日も遠くないと思うのですが。

[Harrisburg (AA)]
Erick Fedde, RHP
7G(7GS) 42.2IP 14BB 35K 3.16/1.13
順調。1試合だけ4回途中でKOされた試合がありましたが、そのほかの試合は好投を続けています。うち4試合で7回を投げ切っており、ワークロードとしてどうかなという感じはありますが、しっかり投げていることは確かです。さあ、メジャーデビューはいつになるでしょうか。

[Potomac (A+)]
Taylor Guchue, C
24G 99PA 8BB 22K 10HR 30RBI .326/.374/.733
全くノーマークだった23歳の捕手。元々は2014年ドラフト4順目でパイレーツにフロリダ大から入団。守備力は定評があったものの打撃成績は伸び悩み、プロスペクトとしての評価は上がっていなかった。ナショナルズには、昨年9月、ナショナルズがDFAしたChris Bostickとのトレードで移ってきた(ちなみに、Bostickは5月8日にめでたくメジャーデビュー!)。本塁打数と長打率はリーグのトップを独走する数字。さてさて、どこまで本物なのか、注目です。

Jefry Rodriguez, RHP
6G(6GS) 37.0IP 9BB 37K 3.16/0.97
初挑戦となったA+で開幕からローテーション投手として頑張っており、5月第1週にはリーグの週間MVPも受賞。まだ23歳。期待は残っています。

[Hagerstown (A)]
Carter KieboomとJuan Soto(現状DLですが)を擁するHagerstown打線には、他にも素晴らしい結果を残している選手が他にもいます。

Sheldon Neuse, 3B 
32G 139PA 4HR 13BB 29K .276/.353/.423 9SB
昨年のドラフト2順目が期待に違わぬ結果を残しています。長打あり、意外にも足もあり、評価が上がってきています。

Blake Perkins, CF
31G 143PA 1HR 15BB 29K .280/.364/.352 9SB
さらに1年前、2015年ドラフト2順目の高卒入団。入団以来取り組んできた両打ちがようやく身についてきたのか、1番センターとしてレギュラー出場中。ちょっと三振は多いものの期待を抱かせる選手です。

Daniel Johnson, OF
29G 120PA 6HR 8BB 19K .297/.350/.541 4SB 
Kieboomと並ぶチーム本塁打王。

Jakson Reetz, C
4G 17PA 1BB 6K .333/.412/.400
フロリダのキャンプ地にしばらく止め置かれて出遅れましたが、5月になってチームに加わってからは4試合連続安打。

2017/04/06

My Top 10 Prospects 2017

マイナーリーグもいよいよ4月6日に開幕。プロスペクトたちの所属先が明らかになってきたことから、My Top 10 Prospectsも更新します。(2016版はこちら)

いつもと同じように、2017年開幕時点で以下の2つの要件を満たすプロスペクトの中から、野手、投手それぞれ5人ずつ選びました。
① AAA以上を未経験
② 24歳未満

選び終えた感想を先に書くと、今年はいつになく難しかった・・・です。3月にMLB.comのトッププロスペクトの記事を書いた際にも言及したように、ナショナルズ組織内のトッププロスペクトには圧倒的に野手が多く、投手は数えるほどしかいません。したがって、野手は泣く泣く外した選手がいた一方で、投手は5人の枠を埋めるのに苦労させられました(というか、後述の通りまだ埋まっていません・・・)。

ともかくも今年のリストの発表です。

HITTERS 
Andrew Stevenson, OF (22, AA)
Victor Robles, OF (19, A+)
Carter Kieboom, SS (19, A)
Juan Soto, OF (18, A)
Drew Ward, 3B (22, AA)
Luis Garcia, SS (16, DSL?)

各種プロスペクトランキングでトップ10に入るAndrew Stevenson、Victor Robles、Carter Kieboom、Juan Sotoの4人までは議論の余地なし。

問題は、5人目を誰にするか。かなり悩みました。候補となったのは6人(笑)。まず、2016年の5人のうちStevensonとRoblesを除く3人(Jackson Reetz、Drew Ward、Anderson Franco)もここで候補になるには十分な期待感を維持しています。昨年のドラフト2順目のSheldon Neuseも一部で高く評価されており、フォローしたい選手です。また、もう1年前、2015年のドラフト2順目高卒入団でスイッチヒッター挑戦中のBlake Perkinsも評価を上げている面白い存在。そして、昨年夏に16歳でFA契約し、潜在能力では一番高いとも言われるドミニカ出身の遊撃手Luis Garcia。

以上6人の中から、悩みに悩んだ末に選んだのがDrew Ward。将来メジャーに到達できるかどうかの正念場となる今シーズンを精いっぱい応援する気持ちから選んでみました。

最後まで迷ったのがLuis Garciaの扱い。未だ実戦デビュー前で、どうやら今年はドミニカ共和国で育成される見込みとのことでいったんは外しましたが、(下記のとおり、とりあえず投手の5人目が決まらなかったこともあり)特別に6人目の野手として加えました。

PITCHERS
Tyler Watson, LHP (19, A)
Weston Davis, RHP (20, A)
McKenzie Mills, LHP (21, A)
Jesus Luzardo, LHP (19, Rehab)
PTBNL

昨年の5人のうち、Lucas Giolito、Reynaldo Lopez、Austin Voth、Erick Feddeの4人が卒業(GiolitoとLopezはトレードがなくてもメジャーデビューで卒業。VothはAAA昇格。Feddeは年齢)。残るTyler Watsonはもちろん今年も選ぶとして、あとは野手とは全く異なる意味で悩みました。

とにかく候補がいない。まず、BAのトップ30で上記の条件に合致するのは、Watsonを除けば15位のJesus Luzardoと29位のJoan Baezのみ。Luzardoは昨年のドラフト4順目ですが、プロ入り後はTJからのリハビリしかしていません。まあ、それでも期待感と、おそらく今季中に実戦デビューを果たすとみられることから、入れましょう。ただし、もう1人のBaezはドミニカ出身の先発右腕で90マイル台後半の速球が武器と言われていますが、既に22歳で、昨シーズンのHagerstownでの防御率が3.94、四球もかなり多いということで有力候補とは思えません。

こういう状況で目を付けたのは、昨シーズンWatsonとAuburn(SS)でローテーションを組み、今シーズンもそろってHagerstown(A)の先発投手として開幕するWeston DavisとMcKenzie Millsの2人。2人とも2014年ドラフトで高卒入団のまだ若い投手であり、期待していいのではないかと思います。

Watson、Luzardoにこの2人を加えて4人まで来ましたが、あと1人が決まりません。ドミニカ出身者から探そうとHagerstown以上の開幕ロースターを見ても候補者らしい候補者がいません。仕方ありません。ひとまず投手は4人で開幕し、後日、Auburn(SS)とGCL(Rk)のシーズンが開幕する時点で追加指名することでご容赦いただきたいと思います。