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2014/03/30

STノート⑩ 元ナショナルズの開幕

Doug FisterがDL入りしたことで、Tanner RoarkとTaylor Jordanの2人ともが先発ローテーションに入ることになりましたが、順番は4日の開幕第4戦にRoark、第5戦のStephen Strasburgを挟んで第6戦がJordanと発表になりました。雨で中止となった29日にナショナルズ・パークでのタイガースとのエキシビション戦の先発を予定されていたのがRoarkだったことにも鑑みると、Fisterが間に合っていたらマイナーに落とされたのはJordanだっただろうと推測されます。Jordanにはこの機会を是非ともつかみ取ってもらいたいものです。

ところで、開幕直前のこの時期がロースター入りをかけた争いの最終局面であることはどこのチームも同じ。密かにずっと気にしていたRoger Bernadinaが、マイナー契約からはい上がってレッズの開幕ベンチ入りを果たしたというニュースが入ってきて、思わずガッツポーズ!良かった!

ということで、この機会に、元ナショナルズたちの開幕直前の状況をフォローしておきます。 (漏れに気付いたら教えてください。ほんのわずかの在籍者は除く。)

●MLB契約
Steve Lombardozzi オフにトレードされていったタイガースからさらに(大ベテランのAlex Gonzalezと1-1で)トレードされて、オリオールズで先発2塁手を務める見込み。
Michael Morse 今オフにジャイアンツと1年のFA契約。レフトを守り主軸を打つ予定。昨季は不本意だったが、なんとかもう一度評価を上げてほしい。
Kurt Suzuki 今オフにツインズと1年のFA契約。正捕手を務める。
Dan Haren オフも早々にドジャーズと1年契約。先発4番手。
Ian Krol このオフにトレードされたタイガースのブルペン左腕としてベンチ入り。ただしSTでは打ち込まれていた。
Brad Peacock アストロズでローテーション争いをしたが、敗れてロングマンとして開幕。
Tom Milone A’sで先発5番手を務める。2年連続10勝以上しているのに、なぜか評価が上がらない。
Derek Norris A’sの正捕手になれそうでなり切れない。今年もJohn Jasoと併用される見込み。
Fernando Abad このオフにトレードされて、当然ながらA’sのブルペン。
Jonny Gomes 2年契約の2年目。レッドソックスのベンチプレーヤーとして妙な存在感を発揮している。
Justin Maxwell ロイヤルズの第4の外野手として定着。
Josh Willingham ツインズのライトで4番。3年契約の3年目。
Edwin Jackson カブスの先発2番手。4年契約の2年目。昨季は不振だったが汚名返上なるか。
Tom Gorzelanny ブリューワーズのブルペン投手として2年契約の2年目。
Adam Dunn ホワイトソックスのDHとして4年契約の4年目。低打率でぼろくそ言われているが、ホームランだけは相変わらず量産中(現在440本)。次の契約があるかどうか、正念場。
Sean Burnett エンゼルスに所属するも昨季序盤にヒジを故障して離脱中。

●マイナー契約から復活
Roger Bernadina レッズの最後の野手としてベンチ入り。
John Lannan メッツのロングマンとしてベンチ入り。
Nyjer Morgan 昨季は横浜でプレー。マイナー契約ながらMichael Bournの故障もあってインディアンスの外野手として生き残る。Bournが帰ってきた後も席があるかは微妙。
Xavier Nady マイナー契約から、パドレスの最後のベンチプレーヤーとなる。
Joe Beimel マイナー契約から、マリナーズのブルペン左腕として生き残る。
Chris Young ナショナルズから自由契約となった直後に、マリナーズとメジャー契約して先発5番手を務める。

●ルール5ドラフト
Adrian Nieto ルール5でホワイトソックスが指名。STの数字は.240/.296/.320というものだが、攻撃型捕手として期待され、そのまま開幕ベンチ入りとなっている。応援したい気分。

●開幕はマイナーのプロスペクトたち
Billy Burns STの打率.306で10盗塁。40人ロースターに入ってもいないのに最後の最後までA’sのベンチ入りを争った。AAでの開幕だがシーズン中に呼ばれることはほぼ確実らしい。
Corey Brown オフにナショナルズからA’sとたらい回しにされた挙句にレッドソックスとマイナー契約。STで.267/.371/.467という数字を残し、最終盤まで残った。AAAで開幕。
Nathan Karns 悪くはなかったようだが、投手陣の層の厚いレイズでは、3月14日と早いタイミングでAAAにオプション。
Robbie Ray タイガースで3試合いずれも1イニングを投げて無失点と経験を積んだ。
Alex Meyer ツインズのキャンプで高い評価を受けた。

●引退
Rick Ankiel 3月5日に引退を表明。

テキトーなシーズン予想 !

既に1週間前にドジャーズとDバックスがシドニーで公式戦を終え、日本のプロ野球も金曜日に開幕していますが、米本土でもいよいよメジャーリーグの開幕が迫ってきました。

シーズン開幕前恒例の、「テキトーなシーズン予想」です。昨年はあまりにも大外れだったので、今年はちょっと当てに行こうかなと思っていたりします。ご笑納ください。

1. Strasburgがノーヒッターを記録、サイヤング賞
Stephen Strasburg が5月2日のフィリーズ戦で、14奪三振、与四球2で球団史上初のノーヒッターを達成。Strasburgはこれを含め4完投勝利を飾るなどシーズン通じてひたすら圧倒的なピッチングを展開。34先発、22勝、254奪三振、防御率2.42という別次元の好成績。満票でのサイ・ヤング賞を受賞。

2. Fisterのデビューは5月下旬
開幕をDLで迎えることになったDoug Fister。いったんシャットダウンすることになり、4月下旬になってようやく投球練習を再開。ナショナルズでのデビューは5月下旬。Taylor Jordanが素晴らしい投球を続けていたため、必ずしも悪い成績ではなかったもののTanner RoarkがAAAにオプションされる。ただ、Fisterは7月に再びDL入りし、結局シーズン7勝と期待外れに終わる。

3. JordanがFisterを補って余りある活躍
ともに開幕ローテーションに入ることになったJordan とRoark。2人とも悪くないスタートを切るが、5月に入ってRoarkがやや減速し、調整が済んだFisterに代わられる。一方のJordanは夏場にやや疲れを見せて減速するものの、9月入ると再び調子を上げ、シーズン14勝。ポストシーズンでも先発を務める。

4. 最初の故障離脱はSoriano(Fister を除く)
開幕から不安定な投球を続けたRafael Soriano。5月上旬に脇腹を痛めたという理由でDL入り。代わって、Christian Garciaが昇格。クローザーにはTyler Clippardが就任。

5. オールスターにHarper、Ramos、Desmond、Strasburg
ファン投票での選出はHarperのみ。前半戦にMVP級の活躍のRamosと、やはり好調のDesmondが監督推薦で選出され、投手としてStrasburgが選ばれる。

6. Espinosaがまさかの復活
昨季は大不振でマイナー降格まで味わったDanny Espinosa。開幕はベンチでスタートするが、少ない出場機会の中で結果を残し、さらにLaRocheの不振or故障で内野の再編成が行われた結果、セカンドの定位置を取り戻す。最終的には.277/.310/.473、15本塁打という数字で2015年に向けて立場を固める。

7. Solisが7月にメジャーデビュー
先発投手として育成されることになったSammy Solis。AAで開幕し、まずまずの結果。7月に入ってAAAに昇格し、1試合に登板したところでFisterのDL入りにともないローテーション投手として初昇格。ただし、8月末で投球回数制限のためシャットダウン。この他、(開幕ロースターのAaron Barrettはもちろん)、Steven Souza、Blake Treinenも9月を待たずにメジャーデビューを果たす。

8. Zimmermanが首位打者を獲得
開幕から打ちまくり、4月を終えて打率.350、23打点で月間MVPを受賞すると5月も好調を維持。しかし、好事魔多しで6月はじめに走塁中にハムストリングを痛めると、リハビリに手間取り1か月半ほど離脱。何とかオールスター明けに復帰した後しばらくは低調だったものの、シーズン最終盤の9月に打ちまくって、最終打率は.345。ぎりぎりで規定打席に到達して首位打者を獲得。

9. HarperがリーグMVP投票で2位
チーム野手MVPはHarper。春先はやや出遅れるものの5月に入るとエンジン全開。オールスター前に早くも25本塁打に到達。8月に入ってやや疲れを見せるが、優勝争いの中で再び輝きを見せる。打率.287、37本塁打、123打点、30盗塁。リーグMVP投票では惜しくもYadier Molinaの後塵を拝すが、名実ともにスーパースターの地位を確立。

10. ワールドシリーズ制覇!
4月だけで貯金を10近く溜め込む。その後はやや伸び悩むものの安全圏のリードを保って余裕のシーズン前半を送るが、オールスター前後に失速。2位との差が3ゲーム差まで縮まり、ひやりとさせられるが、8月後半から再加速。勝利数は97。1度も首位を譲ることなく、最終的には2位に13ゲーム差で独走の地区優勝。ディビジョン・シリーズでドジャーズを、リーグ・チャンピオンシップではカージナルスを破って球団初のリーグ優勝。そして、ワールドシリーズでは4勝1敗でエンゼルスを退ける。

【プレーオフ進出チーム予想】
(ナショナル・リーグ)
東:ナショナルズ
中:カージナルス
西:ドジャーズ
ワイルドカード:①Dバックス、②ジャイアンツ
(アメリカン・リーグ)
東:レッドソックス
中:タイガース
西:エンゼルス
ワイルドカード:①ロイヤルズ、②アスレティックス

2014/03/29

ST ロースター一覧(カット情報)

2014年のナショナルズのスプリングトレーニング参加選手です。全64選手からスタートしました。

[Pitcher] 33
Stephen Strasburg
Gio Gonzalez
Jordan Zimmermann
Taylor Jordan
Tanner Roark
Tyler Clippard
Drew Storen
Rafael Soriano
Craig Stammen
Ross Detwiler
Jerry Blevins
Aaron Barrett
Doug Fister →3/39 15日DL (右わき腹痛)
Xavier Cedeno →3/25 Optioned to AAA
Ryan Mattheus →3/25 Optioned to AAA
Chris Young →3/25 自由契約
Mike Gonzalez →3/25 自由契約
Blake Treinen →3/24 マイナーキャンプ
Ross Ohlendorf →3/20 Optioned to AAA →3/26 60日DL(右肩痛)
Christian Garcia →3/20 Optioned to AAA
Manny Delcarmen →3/20 マイナーキャンプ
Luis Ayala →3/19 自由契約→BAL (minor)
Sammy Solis →3/17 Optioned to AA
Matt Purke →3/13 Optioned to AA
Cray Hensley →3/13 マイナーキャンプ
Danny Rosenbaum →3/13 マイナーキャンプx
Daniel Stange →3/13 マイナーキャンプ
Jash Roenicke →3/13 マイナーキャンプ
Felipe Rivero →3/12 Optioned to AA
A.J. Cole →3/12 マイナーキャンプ
Tyler Roberston →3/9 マイナーキャンプ
Gabriel Alfaro →3/9 マイナーキャンプ
Erik Davis →2/13 60日DL(右ヒジ痛)

[Catcher] 8
Wilson Ramos
Jose Lobaton
Sandy Leon → 3/26 Optioned to AA
Chris Snyder →3/24 自由契約→TEX (minor)
Jhonatan Solano →3/20 Optioned to AAA
Koyie Hill →3/17 マイナーキャンプ→Traded to PHI
Jeff Howell →3/9マイナーキャンプ
Brian Jeroloman →3/9 マイナーキャンプ

[Infielder] 13
Adam LaRoche
Anthony Rendon
Ryan Zimmerman
Ian Desmond
Danny Espinosa
Kevin Frandsen (3/26 メジャー契約)
Tyler Moore →3/25 Optioned to AAA
Jamey Carroll →3/25 自由契約
Zach Walters →3/20 Optioned to AAA
Will Rhymes →3/20 マイナーキャンプ
Brock Peterson →3/20 マイナーキャンプ
Mike Fontenot →3/17 マイナーキャンプ
Matt Skole →3/9 マイナーキャンプ
Josh Johnson →3/9 マイナーキャンプ

[Outfielder] 10
Jason Werth
Bryce Harper
Denard Span
Nate McLouth
Scott Hairston
Jeff Kobernus → 3/26 Optioned to AAA
Eury Perez →3/17 Optioned to AAA
Steven Souza →3/17 Optioned to AAA
Brian Goodwin →3/17 マイナーキャンプ
Michael Taylor →3/13 Optioned to AA

[3/29 追記]
Doug Fisterが15日DL入り。これにより、開幕ロースター25人が確定しました。

[3/27 追記]
Sandy LeonとJeff Kobernusがオプションされ、これにより野手の開幕ロースターは完全にセット。残すは先発5番手争いのみとなりました。

[3/26 追記]
25日に最後の大きなカットがありました。ベテランのChris Young投手、Michael Gonzalez投手、Jamey Carroll内野手の3人が自由契約に。チームのデプスを重視するならマイナーオプションを残している若手を落として彼らを残すという選択肢もあったはずですが、あくまで「ベストの25人」で開幕を迎えるというベンチ・フロントの宣言です。3人ともSyracuse(AAA)には行かず、他球団での機会を探る模様。これでマイナー契約招待選手は全員がキャンプを去りました。そして、驚かされたのはTyler MooreとXavier Cedenoのマイナー行き(Ryan Mattheusは調整が遅れており時間の問題だった)。2人とも悪くない数字を残していましたが、AAAで出番を待つことになりました。Mooreについて、AAAで常時出場機会を得て必要とされた時にいい状態でいてもらうためとWilliams監督は説明していました。確かに、Adam LaRocheの控え一塁手をRyan Zimmermanが努めるとすれば、Mooreの出番は代打以外にありません。シーズン中にLaRocheかZimmermanが故障する可能性は十分にあります。その時に呼ばれるように、しっかりと結果を残してくれることを期待します。Cedenoも決して悪いSTではありませんでしたが、それ以上にAaron Barrettが良かった上、ブルペン左腕にRoss Detwilerが加わったことで弾き出された格好になりました。

さらに、26日にフィリーズから自由契約となったKevin Frandsen内野手とメジャー契約に合意(別記事)。これでキャンプに残るのは28人となっています。

[3/24 追記]
Blake Treinenがマイナーキャンプに送られました。ここまで6試合9.2イニングに登板して、4.66/1.86と一見するとあまり良い数字ではありませんが、初登板で打ち込まれたのを除けば8.2イニングで失点はわずかに1。90マイル台後半の力のあるボールでフロント・ベンチからの評価を急上昇させ、40人ロースターに入っていない若手選手の中では最も遅くまで粘りました。AAAでしっかり投げていれば、今季中に昇格してくることでしょう。

[3/21 追記]
20日に大量7人がカットされました。Zach Walters、Christian Garcia、Ross Ohlendorf、Jhonatan Solanoの4人がAAAにオプションされ、Manny Delcarmen、Brock Peterson、Will Rhymesの3人がマイナーキャンプ送りとなりました。残りは35人。
この中ではなんと言っても、この春(特に序盤の大活躍で)一気に注目度を高めたWalters。終盤に減速してきたこともあってこのタイミングでカットされましたが、それでもここまでの成績は15試合に出場して.379/.455/.621という立派なもの。内野手に故障などがあればいつでも起用できるという印象を残すことに成功しました。まずまず頑張っていたPetersonとRhymesもカットされたことで、ベンチ争いは、Tyler Moore、Jeff Kobernus、それにマイナー契約のJamey Carrollの3人に絞られました。
ブルペン投手では、故障からの再起をかけて頑張っていたGarciaがここでカットされました。Luis Ayalaの自由契約などでまだわずかながらチャンスがあるかな、と思っていましたが残念。次第にいいボールが行くようになっていたので、とにかく健康に機会を待っていてください。ブルペン投手はまだ何人も名前が残っていますが、特にBlake TreinenとAaron Barrettが残っていることに驚かされています。2人とも初のメジャーキャンプ参加ということで早めにカットされるかと思っていましたが、よく粘っています。

[3/19 追記]
Luis Ayalaが自由契約となりました。マイナー契約とはいえ昨季の成績などから開幕ロースター入りの可能性は十分あると思っていましたが、6度の登板のうち2度で4失点、5失点と打ち込まれていたので、予想された結末。チームから開幕ロースター入りがなくなったと通告されたAyala自身が求めての自由契約で、他球団から声がかかるのを待つようです。

[3/18 追記]
17日にさらに6人をカット。一番の驚きは、Steven SouzaがAAAにオプションされたこと。16日の試合で2本塁打1三塁打と大暴れした翌朝のこのタイミングで切られるとは思いませんでした。これ以上活躍されると、調子が上がらないベテランの控え外野手の立場がなくなってしまうからでしょうか(笑)。この春は、35打席で.355/.429/.806、3本塁打という文句なしの好成績。首脳陣へ強烈な印象を残し、いつメジャーに呼ばれても不思議がない状態です。Eury PerezもAAAへオプション。打撃成績はまずまず(.261/.320/.348)でしたが、盗塁を決められず牽制で刺されるなど、自慢の足のアピールには失敗していました。そしてSammy SolisはAAにオプション。16日の試合で久しぶりに登板し、2回を無失点(この春の合計4イニングを無失点)と結果を残しましたが、ローテーション投手として調整させるにはもうマイナーに送らなければならないタイミングなので順当なところ。フロントとしてはもう1回メジャーの打者に投げるところを見たかったんでしょうね。AAは初挑戦となります。いつメジャーに呼ばれてもいいように、しっかり結果を残してください。もう1人、プロスペクトのBrian Goodwinもこのタイミングでマイナー行き。まだちょっと早いような印象も受けましたし、成績(.200/.310/.440)も今一つ。ま、まずはいい経験になったでしょう。

[3/13 追記]
6人をカット。プロスペクトのMatt Purke投手とMichael Taylor外野手の2人をAAにオプション。Purkeは3度目の登板こそなんとか無失点で切り抜けましたが、それまでの2回の登板では打ち込まれ、力不足は明らか。Taylorも攻守に力不足を感じさせていました。2人とも、AAで開幕を迎えるとすれば初挑戦。しっかり頑張ってください。この他、Danny Rosenbaum、Cray Hensley、Daniel Stange、Jash Roenickeの4投手がマイナーキャンプ行き。RosenbaumはAAAのローテーションで開幕を迎えると予想されます。あとの3人のベテラン・ジャーニーマンはAAAのブルペンかな。

[3/12追記]
A.J. ColeとFelipe Riveroの両プロスペクト投手をカット。Coleは3試合で計6回2/3を投げ、無失点、無四球、7奪三振と文句の付けようのない結果。Riveroも3試合で計4回を2失点で首脳陣には好印象を与えていました。2人とも開幕はAAのローテーションが想定され、そろそろ先発投手としての調整を始める時期が来たため、予定通りのカットです。シーズン終盤にはメジャーデビューの声がかかるような活躍を期待しています。

[3/9 追記]
3月9日に最初のカットがありました。注目選手の中では、プロスペクトで招待されていたMatt Skoleがマイナーキャンプ行きとなりました。9試合に出場し、16打席に立って二塁打3本、本塁打1本を含む5安打を放ち、.357/.438/.786という立派な数字を残していました。出場機会の問題でカットされたとのことですが、首脳陣の印象が悪いはずはありません。この秋の昇格を目指して、まずは健康に、しっかり頑張ってください。

2014/03/28

STノート⑨ (3/25-27)

フロリダでのSTが終了。最後の3戦は3本柱がきっちり好投。27日の最終戦では打線もしっかり機能して、開幕の相手メッツに4-0で快勝と、いい流れでワシントンに帰ってくることができました。

1人を除いて。

●Fister再び故障
27日に、ヒジの炎症から復帰して2度目のマウンドに上がったDoug Fister。マイナーリーガー相手のこの試合で60球程度投げ、4月1日にもう一度フロリダでマイナーリーガーを相手に80球程度投げて、6日に間に合わせるというシナリオでした。ところが、試合開始前から右わき腹に張りを感じていたとのことで、いちおう先発したものの1回を終えたところで降板。チームとともにワシントンに戻り、チームドクターの診断を踏まえて先のことを考えるとのことで、復帰のめどは立たっていません。開幕をDLで迎えることはほぼ確実。ヒジの痛みの再発でなかったのは不幸中の幸いですが、残念。まずは、しっかり治しましょう。

●ローテ―ション事情
これにより、これまでローテーション入りを争ってきたTanner RoarkとTaylor Jordanの2人ともが開幕をメジャーで迎えることになりました。2人ともそれにふさわしいピッチングを続けてきたので、心からおめでとうと思いますが、ローテーションのデプスという点では大きな不安を抱えることになりました。Ross Detwilerがいるとはいえ、AAAで控えるのは、Danny RosenbaumとBlake Treinenくらい・・・。今更ですが、Chris Youngを手放すのが少し早かったと悔やまれます(ちなみにYoungはマリナーズとメジャー契約を結び先発4番手として投げるそうです)。

2014/03/26

STノート⑧ Barrett 開幕ブルペン入り決定

3月25日、Aaron Barrettに開幕ブルペン入りが伝えられました。初のメジャー昇格となります。まずは、おめでとう!

26歳の右腕。2010年ドラフト9順目入団(同期ではHarperに次ぐ2番目のメジャー昇格)。ミシシッピ大では先発投手でしたが、プロ入り直後は結果を残せず。特にイニング数を上回る四球を記録するなど制球が全く定まらず、一時は野球をやめようかとさえ思ったそうです。ところが2012年に突如覚醒。AとA+で33試合に登板して2.09/0.93という数字を残すと、アリゾナ秋季リーグでもオールスターに選ばれる快投。昨季もその勢いそのままに、Harrisburg(AA)のクローザーとして51試合に登板して26セーブ、2.05/1.09、イニング数を上回る奪三振というピッチングで急速に評価を高め、オフに40人ロースター入りを果たしていました。速球は90マイル台前半とそんなに速くないのですが、非常に評価の高いスライダーを武器にしています(この動画で2人目の打者を打ち取った球ですね)。プロスペクトとしてはあまり高く評価されておらず、直近のでもBA15位。下馬評を覆す活躍を期待したいですね。

また、同じ25日に大規模なカットがあり(Chris Young投手、Michael Gonzalez投手、Jamey Carroll内野手の3人が自由契約。Tyler Moore内野手、Xavier Cedeno投手、Ryan Matteus投手がAAAにオプション)、これで残る選手は27人。開幕25人ロースターのうち23人までが確定し、残るポジション争いは先発5番手と最後のベンチスポットを残すのみとなりました。

先発5番手争いは、Tanner RoarkとTaylor Jordanの一騎打ち。Barrettが入ったことによりブルペンの7人が確定したため、選ばれなかったほうはAAAのローテーションで開幕を迎えることが確実となりました。最終判断は木曜日のDoug Fisterの登板の後に下される模様です。

最後のベンチスポットは、Sandy LeonとJeff Kobernusという予想外の2人が残りました。控え捕手は既にJose Lobatonがいますので、3人目の捕手としてLeonを残す意味はWilson Ramosの代打起用を可能とすること。それはそれで魅力的。Kobernusのセールスポイントはセカンド、レフト、センターと多くのポジションを守れるユーティリティであることと走力。2人ともこの春の数字はまずまずといったところであり、どちらを選ぶかはチーム編成の考え方次第。こうなった以上は個人的にお気に入りのLeonを押したいです。

>という記事を書いていたら、Kevin Frandsenとの契約が報じられましたので、LeonとKobernusの開幕メジャーはほぼなくなりました・・・。

2014/03/25

STノート⑦(3/20-24)

いよいよSTも最終局面。故障者は順調に回復し、熾烈なポジション争いが高い水準で展開される、良い状態。最後まで健康には気を付けて、このまま開幕を迎えましょう。今回はやや長くなりますが、故障者情報に続いて、先発5番手、ブルペン、正二塁手、控え野手の順にポジション争いの状況を確認しておきます。

●故障者情報
Doug Fisterが22日の試合で復帰登板を果たし好投。予定は3イニングでしたが、球数が少なかったため4回2死(45球)まで投げて無失点。球速も問題なし。ひとまず軌道に乗りましたので、4月6日に向けて球数を増やしていくことになります。

ST序盤に肋骨を痛めて出遅れていたRyan Mattheusが20、23日の試合で復帰登板。計1回2/3イニングを無難に無失点。開幕には間に合いませんでしたが、調子は上向き。いつ呼ばれてもいいように準備しておいてください。

●先発5番手争い
Chris Young 2.1P 0ER 1H 0BB 3K 
Tanner Roark 5.2IP 1ER 2H 1BB 5K 
Taylor Jordan 5.2IP 1ER 5H 1BB 2K

候補としてWilliams監督が名前を挙げた3人のうち、まずYoung が22日にFisterの後を受けて2番手で登板。他の投手との兼ね合いで2回1/3だけでしたが、良い内容で無失点。ST終了を前に契約解除できる権利を持っており、本人が同意してくれなければAAAでの開幕はありません。何とか受け入れてくれればと思いますが、難しいかな。トレード放出も最悪OK。せめてブレーブスにだけは行かないで下さい。

そして本命とされる2人もそれぞれST最後の登板。まず23日にRoarkが先発し、6回2死まで1失点としっかり結果を残しました。こちらも他の投手との兼ね合いから、わずか72球で降板。効率的な内容を高く評価されました。続いて24日にはJordan が先発し、こちらも同じく6回2死まで1失点と一歩も引かない好投。ここまでの2人の成績は次の通り(Roarkは雨で1試合流れたため代わりにマイナーの試合で5回無失点)。甲乙付けがたい。

Roark 4G 13.2IP 11K 3BB 3.29/1.02
Jordan 6G 20.2IP 20K 2BB 3.92/1.26

あとは発表を待つだけ。個人的にはRoarkで行ってほしいと思っていますが、いろいろ読んでいても正直なところ分かりません。鍵を握るのは Fisterの状態でしょう。26 日木曜日にもう1度投げさせて、フロント・ベンチがどう判断するか。4月6日に間に合わないとなれば3人のうち2人が先発投手となり(その場合、デプスを維持するためにうち1人はYoungとなる可能性が高いと思います)、間に合うとしてもFisterの後を受けて投げるロングリリーフを用意しておく必要があるとなれば、適性から言ってRoarkが待機することになり、そうなると4日の先発はJordanかYoungが努めることになります。さて、どういう判断となるでしょうか。

●ブルペン争い
Ross Detwilerのブルペン行きにより、6人までが確定し、残りは1席。Fisterの状態とそれを受けての先発5番手争いの結末により、Roarkがブルペンに回った場合はそれで決着ですが、Roarkが先発となった場合は、Xavier Cedeno、Aaron Barrett、そしてSTが始まってからマイナー契約で加わったMike Gonzalezの3人にもチャンスがあります。3人のSTの数字は次の通り。

Cedeno 9G 7.1IP 4K 2BB 3.68/1.23
Barrett 9G 9.2IP 7K 0BB 0.00/0.52
Gonzalez 4G 4.0IP 5K 1BB 9.00/2.00

成績だけ見ればBarrettが圧倒的に素晴らしい数字を残していますが、BarrettはAAAの経験さえありません。Cedenoも打たれたのは実は1試合だけで8試合では無失点と、内容的には評価されています。STの成績は振るいませんが、実績ではGonzalezが圧倒的。Barrettが右でCedenoとGonzalezは左。そして、BarrettとCedenoがマイナーオプションを残しているのに対し、Gonzalezはマイナー契約で参加しており、開幕ロースターに残れなければ契約解除することができます。これらを考慮して、フロントは判断することになります。個人的には、Roarkを先発に使ってCedenoをブルペンに入れることがチームにとって一番いいのではないかと思います(BarrettはAAAのクローザーとして開幕)。

>記事をアップした直後(現地25日朝)、Mike Gonzalezが自由契約となりました。

●正二塁手争い
Anthony Rendon 1/1
Danny Espinosa 4/14 double 2HR K SB

Anthony Rendonでもう決まりかと思っていましたが、Williams監督はまだわからないとコメント。その直後、22日の試合に8番セカンドでフル出場したEspinosaが右に左に2本のホームラン、しかも2本目はサヨナラ弾という大活躍。STの打率は2割ちょっとですが、内容はかなり高く評価されています。一方のRendonはひどい風邪を引いたとかで、20日の試合で代打出場したのを最後に休んでいます。まあ、それでもRendonの優位は揺るがないと思いますが。

●控え野手の最後の1席(2席?)争い
キャンプが始まった時点では、Jose Lobaton、Nate McLouth、Scott Hairstonの3人は当確で、残りの2席をめぐる争いと考えられていました。さらに、オープン戦が始まってからEspinosaがしっかりした打撃と守備を見せたことで彼にも当確ランプが点灯。残りの1席をTyler Moore、Jamie Carroll、Jeff Kobernusの3人が争っている状態と見られていました。ところが23日になって、Williams監督が、一向に打撃の調子が上がってこないHairstonについて開幕ベンチ入りが決まっているわけではないとコメント。もしかすると残り2席の争いかなのもしれません。

残り1席だとすれば、守備力のあるEspinosaが既にいるのでもう1人はパワーバットのMooreがバランス上いいと思いますが、代打としての実績があるベテランのCarrollを推す声も強く、ギリギリまで決まらないと思われます。

◎よくできました
Strasburg 20日の試合で5回を無失点5奪三振。
Desmond 20日に2ラン本塁打。
LaRoche 22日の試合で二塁打と本塁打。
Stammen 5試合連続無失点中。

▲がんばりましょう
Gio 21日の試合、自責点こそ1にとどまりましたが、5回途中で84球に達して降板。
Storen ST6試合に登板してうち5試合で失点という不安定ぶり。
Detwiler 22日に登板して、1イニングで2安打2四球の3失点。おいおい。

☆プロスペクト
Treinen 21日の試合で打者2人を打ち取るも、24日にマイナーキャンプ行。
Barrett 23日の試合、1死1塁で出てきて、わずか1球で併殺。

2014/03/20

STノート⑥開幕投手はStrasburg‏

19日、Williams監督がStephen Strasburgを開幕投手に指名しました。3年連続3度目。

昨季19勝(リーグ最多勝)のJordan Zimmermannも候補に挙げられていましたが、エースはやはりStrasburg。昨季の勝ち星はわずか8勝にとどまったとはいえ、防御率はZimmermann (3.25)を下回る3.00。過去2度の開幕戦でも好投しており、順当な指名だと思います。

[Strasburgの過去の開幕戦の成績]
2012 (vs CHC): 7.0IP 1ER 5H 1BB 5K (ND)
2013 (vs FLA): 7.0IP 0ER 4H 0BB 3K (W)

また、第2戦はGio Gonzalez、第3戦はZimmermannが先発することも明らかにされました。

その開幕戦は、3月31日、ニューヨークはCiti Fieldでのメッツ戦。わくわくしてきました。

STノート⑤ (3/14-3/19)‏

スプリングトレーニングも後半戦。ここまでは比較的順調に推移してきたナショナルズ。くれぐれも新たな故障者が出ないように注意してもらいたいところです。

●先発5番手争い
3/14 Taylor Jordan 3.0IP 4ER 7H 0BB 2K
3/19 Taylor Jordan 5.0IP 1ER 3H 1BB 5K 

Ross Detwilerが脱落した先発5番手争い。Williams監督によると、Taylor Jordan、Tanner Roarkに加えて、ベテランのChris Youngが候補として残っています。

このうちRoarkとYoungは17日に投げる予定でしたが雨で流れてしまったため、グレープフルーツリーグの試合に登板したのは14日と19日に2度の先発機会を与えられたJordanのみ。14日はタイガースのレギュラー打線を相手に、2回までは無難に無失点に終えましたが、打線が2周目に入った3回に5本の長短打を浴びて4失点。一歩後退か、と思われましたが、19日には5回1失点と好投。初回は牽制悪送球などでバタバタして内野ゴロの間の1点を失いましたが、その後は落ち着いて5イニングを投げ切り、5番手争いに踏みとどまりました。

一方、雨で17日の登板が流れたRoarkは、翌18日にマイナーリーグの試合に登板。5回21アウト*を2安打無四球7奪三振で無失点。速球も変化球も切れもコントロールも抜群というピッチングでこちらも負けていません。(*あまりに素晴らしい内容で球数が少な過ぎたため、特別ルールでイニングを延長し、最終的に5イニングながら21アウトを記録したそうです。)

なお、19日に試合ではJordanに続いてDetwilerがマウンドに上がり、1イニングを無失点で終えています。

●Zimmermanがファーストで出場
16日の試合。サードで先発したRyan Zimmermanが、6回表からファーストの守備につきました。オフから話があり、スプリングトレーニングでは練習もしていましたが、実戦で守るのは初めて。いきなり飛んできたファーストゴロを弾きながらも落ち着いて処理すると、内野ゴロ補殺も難なくこなしました。

●二塁手争い
Anthony Rendon 3/11 2BB HBP 2K (ST .323/.405/.484) 
Danny Espinosa 2/8 double 3K (ST.188/.297/.250) 
Zach Walters 2/10 4K (ST .379/.455/.621)

14、15、16、19日と出場した4試合全てでRendonが二塁で先発しました。打撃成績を合わせてみても、もう正二塁手争いという意味では勝負あった感じですね。控え野手争いでも、Espinosaの打撃も相変わらず低空飛行ですが、Waltersも16日の試合で5打席凡退うち3三振と減速気味。Espinosaが守備で好プレーを連発しているので、こちらもほぼ決まったような印象です。

●故障者情報
まずはFister情報の更新から。ブルペンセッションに続いて17 日にはマイナーの試合で2イニングを投げ、特に痛みや張りもなかったということで、順調に調整を続けています。土曜日にはメジャーの打者を相手に3イニング程度を投げる予定が組まれています。この分なら、先発5人目が最初に必要となる4月6日には間に合うかもしれません。

調整が遅れていたRoss Ohlendorfも19日に登板し、無難に1回を投げ切りました。Ryan Mattheusもブルペンセッションを続けており、間もなく実戦登板の予定だそうです。その他、小さな故障や風邪に見舞われていたIan Desmond、Ryan Zimmerman、Bryce Harperは問題なく復帰しています。

●その他

◎よくできました
Stephen Strasburg 15日の試合で4回を無失点。2塁を踏ませない内容。
Jordan Zimmermann 16日の試合で初回に内野ゴロの間に1点を失っただけで4回1失点。順調そのもの。
Gio Gonzalez 16日の試合で5回途中まで1失点と順調。
Tyler Moore 14日の試合で2ラン本塁打を含む2打数2安打。ST打率が3割に到達し、ベンチの評価も上昇中。一塁守備でも好プレー。
Nate McLouth 14日の試合でタイムリー二塁打を含む2安打、1盗塁。ようやく調子が上がってきました。
Aaron Barrett 15日の試合でも1イニングを三者凡退、うち2奪三振。ブルペン投手では今最もホットな存在です。

▲がんばりましょう
Luis Ayala 14日の試合、6本の長短打を浴びて1回持たず、5失点と散々。19日に自由契約となりました。
Mike Gonzalez 14日の試合で今季初登板も、抑えるのが仕事のはずの左打者に2安打を許し、1回2失点。16日の2度目の登板でも失点。立場が厳しくなってきました。
Jose Lobaton STの打率.053。相変わらずヒットが出ません。

☆プロスペクト
Blake Treinen 14日の試合でも2回を4安打1失点とまずまず。90マイル台後半を連発し、かなりの好印象を残しています。
Sammy Solis 16日に2日以来の久々登板。2回を1四球だけの無失点。翌日マイナー行。
Steven Souza 16日の試合で2打席連続弾など絶好調。 翌日マイナー行。

2014/03/18

STノート④ Detwilerはブルペンへ

雨でオープン戦が流れた17日。Williams監督から、Ross Detwilerをブルペンに回すという発表がありました。

ここまで先発5番手争いをしてきたDetwiler。これまでの実績とオプションの関係で、故障さえなければローテーション入りの最有力候補と目され、オープン戦でもこれまで3度の登板はいずれも先発。先発投手としての投球の幅を広げるために新たな変化球を試していたためという事情もあって最初の2戦では打たれましたが、球速は90マイル台半ばを連発して健康面の不安を感じさせない投球を見せていました。13日の3度目の登板では4回途中まで1失点とようやく結果を残し、(ライバルたちが打たれたこともあって)ローテーション入りは確実と思われていました。それだけに、この発表には驚かされました。

タイミングから言って、今回のブルペン行きは一時的なものではなさそうです。Williams監督は「Detwilerがブルペンに回ってくれることがチームのためになると考えてのことで、降格ではない」と説明しましたが、通告されたDetwilerは「not happy」だそうです。2007年のドラフト1順目(全体6位)で入団してから大きな期待を受けて育成され、本人も自らを先発投手と自負していたことはこれまでの発言から明らか。今回の通告に失望した気持ちは分かります。

しかし、これまで何度となく機会を与えられながら、ものにできなかったのはDetwiler自身。これまでのキャリアのハイライトと言える2012年NLDS第4戦の快投から昨季序盤にかけては才能を開花させたかと思わせましたが、またも故障で離脱。チーム内での地位を確立できませんでした。プロ入り8年目、既に28歳。そろそろ、決断が下されてもしかたない時期に来ていたのも確かです。

データもブルペン転向を支持するものでした。この春もチェンジアップやカッターを試していたものの、基本的に持ち球は速球(シンカーとフォーシーム)のみ。どれほど質の高いボールでも、メジャーの打者に慣れられれば打たれます。キャリア通算の被打率/被OPSの数字は正直で、1順目の.225/.631に対して、2順目は.300/.787、3順目になると.324/.873と跳ね上がっていました。つまり、同じ打者との対戦が1度で済むブルペンこそが能力が最も発揮される場所であることを示唆するものでした。

先発投手でなくても戦力として大いに期待されていることに変わりはありません。気持ちを切り替えて頑張ってください。応援しています。

2014/03/14

STノート③ (3/9-3/13)

オープン戦の日程もほぼ半分を消化。先発投手のイニング、レギュラー野手の打席が増えてくる頃ですが、ナショナルズの野手陣の間では風邪が流行っているそうです。ま、多少の調整遅れくらいなら構いませんが。

●先発5番手争い

Tanner Roark 3.1IP 3ER 3H 2BB 3K 
Ross Detwiler 3.2IP 1ER 3H 1BB 2K

12日の試合にRoarkが先発。アストロズのJason Castro1人にやられて、タイムリー二塁打と2ラン本塁打で3失点と、結果を残せませんでした。とはいえ、内容はそこまで悪くなかった印象。60球に到達したためイニング途中で降板しましたが、4回の最初の打者を三振に仕留めいい感じで終えました13日にはDetwilerが先発。この日もチェンジアップやカッターを試していたようですが、結果も上々。現時点ではDetwilerが一歩リードしているように見えます。Williams監督は18日には開幕ローテーションを確定したい意向を表明しています(Doug Fisterの状態次第で変わりうるとは思いますが)。

●正二塁手争い

Anthony Rendon 4/7 double HR 2BB SB
Danny Espinosa 2/10 BB 2K HBP SB
Zach Walters 2/9 3BB K 

Ryan Zimmermanが休んでいる関係で、Rendonはサードでの出場が続いています。その結果、セカンドの先発は、Espinosa、Waltersが各2試合となりました。打撃ではRendonが圧倒。9日の試合に1番で起用されると先頭打者弾を放つなど、出場3試合全てで2度以上出塁。Espinosaも状態は悪くないようですが、結果が付いてきません。Waltersは不慣れなセカンドやサードの守備をこなしている影響か、打撃はやや陰りが見えてきました。首脳陣のコメントを見ていても、正二塁手はRendonで確定している模様です。

●故障者関連 

まず、Fister。右ひじの炎症が引いた11日にキャッチボールを再開。13日のキャッチボール後に張りを感じたということで(状態が良ければブルペンセッションを行う予定の)14日に再検査を受けることになりました。うむむむ、暗雲が漂っています。(追記:14日には予定通りブルペンで投げ込んだという朗報が今入ってきました。)

Fister同様3月2日以降登板がないSammy Solisについて情報がありました。背中を痛めて休んでいて、まもなくキャッチボールを始めるそうです。ひじや肩でなくてひとまずほっとしました。遅れているRyan MattheusとRoss Ohlendorfの2人は投球練習を再開していますが、こちらも実戦登板は未定。Ian Desmondがノックを受けていて右手の薬指を軽く負傷し、また、Ryan Zimmermanも右肩に張りが出ていずれも数日欠場の見込みだそうです。

●その他

◎よくできました
Stephen Strasburg 9日の先発で3回を1失点。初回はいきなり連続四球などふらふらだったようですが。
Jordan Zimmermann 11日の登板で4回をパーフェクト。4奪三振、わずか54球と文句なしの投球。 STここまで計9回を無失点。
Denard Span 今週も9打数4安打(2二塁打、1三塁打)。STここまで8試合で.417/.417/.625、3盗塁。
Adam LaRoche 14日の試合で3打数3安打するなど、STここまで9試合で.348/.375/.609、2本塁打と好調。
Christina Garcia 9日の試合で3者連続三振など、2試合で許した走者は四球の1人のみ、5奪三振。
Aaron Barrett STここまで6試合計7イニングを無失点。
Brock Peterson 13日の試合で8回裏に同点3ラン。STここまで.389/.476/.611と招待選手の野手では一番の奮闘。

▲がんばりましょう
Gio Gonzalez 10日の試合で先発。初回から5者連続三振。ところがここから、5者連続出塁を許し、予定の3回を投げきれず。
Rafael Soriano 2度目の登板となった10日の試合で1イニングを投げ切れずに5失点。13日の試合では1イニングを三者凡退でしたが、不安は消えません。
Xavier Cedeno 12日の試合で、2点リードの9回裏に登板し、4安打で3失点の醜態で逆転サヨナラ負け。ここまで好投してきたのに台無し。
Jose Lobaton STここまで8試合で15打数でわずかに1安打と結果が出ません。

☆プロスペクト
Blake Treinen 10日の試合で3回を無失点(走者は4人出しましたが)。内容も高評価。
Eury Perez 地味ですが、ST10試合で.319/.381/.421(2二塁打)と結果は残しています。盗塁が欲しいところ。
Steve Souza だんだん出番が少なくなって結果が出なくなってきましたが、10日の試合ではレフトへ1号ソロ。

2014/03/09

STノート② (3/4-3/8)

先発ローテーションが一回りしたところで続きです。

●Fister がひじ痛で登板回避
7日に2度目の先発を予定していたDoug Fisterが、右ひじの痛みを訴えて登板回避。MRIで異常は発見されず、診断は軽い炎症。本人も、シーズン中なら投げる程度の痛みと言っており、軽傷と見られます。が、しかし。決して良い兆候ではありません。特にナショナルズのメディカルチームは、2012年のDrew Storen、2012、13年のDanny Espinosa、そして2013年のBryce Harperと診断を誤ることが多いという印象(フロントの判断かもしれませんが)。早くマウンドに戻ってきてくれることを願うばかりです。

●先発5番手争い

Taylor Jordan (3/4) 2.0IP 2ER 5H 0BB 3K 
Taylor Jordan (3/8) 3.0IP 1ER 3H 0BB 6K
Tanner Roark 2.2IP 1ER 4H 0BB 3K 
Ross Detwiler 2.0+IP 1ER 6H 0BB 1K 

4日の試合で2番手として投げたJordanでしたが、高めに浮いた球を痛打され、2イニング目に4連打で2失点。しかし、8日は先発のDetwilerの後を受けて2番手として登板し、3イニングを3安打無失点、しかも6奪三振という内容で株を戻しました。Fister が登板回避した7日の試合で先発したのがRoark。3回途中まで投げて追い風によるソロ本塁打による1失点のみ。球数が50球近くなったところで降板となりましたが、評価は上々。そして、8日にローテーション投手の枠で先発したDetwiler。失点こそ1点で終わりましたが、被安打6、三振は1つだけ。予定の3イニングを投げ切るどころか、3回の最初の打者にヒットを打たれたところで投球数制限で降板と、今回も物足りない内容に終わりました。

●正二塁手争い

Anthony Rendon 3/9 double 5K
Danny Espinosa 2/7 double BB K HBP SB

初めて2人が同時に出場した6日の試合ではセカンドRendon、ショートEspinosaの布陣。この試合で2人とも初安打(Rendonは2安打)を記録し、ようやくトンネルを抜けると、まずまずの成績を残しています。Rendonの三振の多さと、逆にEspinosaの少なさが目に付き、数字上は互角といった感じ。

前回のノートで絶好調と紹介したZach Walters。今週は、5日の試合でセカンドとして先発すると発表され、いよいよEspinosaの立場を脅かすかと思われましたが、試合直前になって風邪のため欠場。せっかくのチャンスだったのにもったいない。7日の試合で復帰すると、2死満塁で立った最初の打席で三遊間を抜く2点タイムリー。まだまだ勢いはあります。

●故障者関連 
Fisterについては上記の通り。Jayson Werthが5日の試合にライトで初出場。Harperも問題なく出場しています。Storen、Tyler Clippard、Rafael Sorianoも結果はともかく無事に登板。一方、Ross Ohlendorfは6日に初登板しましたが、3安打1四球で1死も取れずに腰の痛みを訴えて降板してしまいました。また、Ryan Mattheusはようやく投球練習を開始しましたが、実戦にはまだ遠い模様。2人とも開幕メジャーは絶望的です。

●その他
◎よくできました
Stephen Strasburg 初登板となった4日の試合で2回無失点。わずか15球。
Gio Gonzalez 初登板の5日の試合で2回を1安打1三振で無失点。
Jordan Zimmermann 6日に先発し、3回を2安打4奪三振無失点。
Ian Desmond 4日の試合で二塁打、本塁打(1号)を含む3打数3安打。3つ目の盗塁。5日の試合でも右中間へソロ。
Ryan Zimmerman 5試合連続安打中。8日にはセンター右へ2ラン。
Bryce Harper 7日の試合で大きな2ラン。
Wilson Ramos 7日の試合で場外3ラン。
Jerry Blevins 7日の試合で1回2/3を投げたのを含め、この春、3回2/3を投げて被安打0(2四球)。
Xavier Cedeno STここまで内容良く4試合連続無失点。
Aaron Barrett STここまで内容良く4試合連続無失点。

▲がんばりましょう
Drew Storen 4日の初登板で連続四球の後、2ランダブルを浴びる。
Rafael Soriano 7日の初登板で、3本の長短打で2失点。
Tyler Moore 攻守に精彩を欠いています。6日には捕手からの牽制球を見ておらず後逸。7日の試合では3打席3三振。

☆プロスペクト
A.J. Cole 4.2IP 0ER 2H 5K 文句なし。8日の試合ではカージナルスの主力にも負けませんでした。
Blake Treinen 2.0IP 0ER 3H BB 2K 最速96マイル。 
Matt Skole 5日の試合で2ラン。
Brian Goodwin 5日の試合で2ラン。
Sandy Leon 5日の試合で3ラン。
Matt Purke 2.0IP 3ER 5H BB 2Kメジャーレベルではないということ。
Sammy Solis 登板機会がなかったことが、ちょっと気になります。

2014/03/04

STノート (2/28-3/3)

オープン戦が始まって4試合。4試合目に遂に負けましたが、3連勝でスタートと、オープン戦とはいえWilliams新体制の船出としては上々。チーム盗塁も6個とWilliams監督の目指す攻撃的な野球が実践されています。

さて、このキャンプの2大見どころである先発5番手争いと正二塁手争いを中心に、4試合の話題をいくつか。

●先発5番手争い

Taylor Jordan 2.0IP 0ER 1H 0BB 2K 
Tanner Roark 2.0IP 0ER 2H 0BB 0K 
Ross Detwiler 1.1IP 3ER 5H 0BB 3K 

先陣を切ったのはJordan。28日の初戦で2回を無失点。21球を投げて16球がストライクという効率的な投球。スライダー、チェンジアップがいいところに決まっていました。続いて投げたのがDetwiler。このまま開幕まで順調に回れば先発5番手にはまる枠で3日に先発。初回は三者凡退に終えましたが、2回は味方のエラーを挟んだとはいえ、1死しか取れずにノックアウト。カーブを多投したり、いくつか試していたそうですが。。。Roarkは(Detwilerが先発した)3日の試合で4回から2イニングを投げて無失点。相変わらず制球力が抜群で昨季がまぐれではなかったことをアピール。

●正二塁手争い

Anthony Rendon 0/4 2K SF RBI  
Danny Espinosa 0/7 HBP RBI 

二塁手としての先発はRendonが1試合、Espinosaが2試合。他のポジションでの出場を合わせて、かなり試合に出してもらっているのですが、2人とも依然ヒットなし。何とも盛り上がりません。

●Waltersが絶好調

Zach Walters 6/7 2double triple HR BB K 

ボールが止まって見えているのではないかと思うほどの絶好調。3日の試合ではバックスクリーンに特大の一発を打ちこみました。非常に落ち着いた打席さばきで、追い込まれてもしっかり振り抜いて長打を放っています。しかも右でも左でも。何といっても打球音が素晴らしい。ショート守備では3日の試合でエラーしましたが、その前には好プレーも見せていました。首脳陣の評価もうなぎ上り。開幕ベンチ入りに向け、派手に名乗りを上げています。

●故障者関連 
Jayson Werthが上腕二頭筋の痛みで当初予定されていた2日の試合を欠場。大したことはないそうですが、やや心配です。Bryce Harperも風邪でダウン。こちらも大したことはなさそうです。出遅れていたTyler Clippardに、Drew StorenとRafael Sorianoを加えたブルペンの柱3人がまだ登板していませんが、特に心配はいらないようです。一方、Ryan Mattheus、Ross Ohlendorfの2人は見通しが立ちません。

●その他
毎年恒例の◎▲☆で紹介しておきます。

◎よくできました
Jordan Zimmermann 1日の試合で2回無失点。20球でゴロ5つと三振1つ。
Doug Fister 2日の試合で初登板。本人は不満げも、2回を不運な当たりでの1失点。
Denard Span 1日の試合で2安打2盗塁
Adam LaRoche 2日の試合でチーム1号となる2ラン。左投手からの一発。
Luis Ayala 1日の試合で8回1死満塁で登場し、併殺で切り抜け、9回も無失点。

▲がんばりましょう
Christian Garcia 28日の試合で初登板も、球が走らず、高めに入ったチェンジアップを叩かれ、Ike Davisに2ランを浴びるなど4失点。
Tyler Moore 8打席に立って1安打1犠飛に対し、2三振2併殺。

☆プロスペクト
Sammy Solis 2.0IP 0ER 3H 被安打3に自らのエラーもあり、幸運の結果の無失点。
A.J. Cole 2.0IP 0ER 3H 2K エンタイトル二塁打で救われた結果の無失点。
Matt Skole 3/7 2double 3RBI BB 3K
Steve Souza 4/8 2double RBI SB
Matt Purke 1.1IP 4ER 4H 2BB K 1日の初登板は散々に終わりました。

2014/02/27

オープン戦開始直前

既に多くの球団はオープン戦を開始していますが、ナショナルズもいよいよ金曜日から実戦が始まります。

キャンプが始まってからここまでの話題をいくつか拾ってみました。

● 故障関連。キャンプイン当初、Tyler ClippardRoss Ohlendorfの2人が軽い故障(ヒジや肩ではない)で出遅れました。Clippardは1週間ほど遅れてブルペンセッションを始めており開幕には十分間に合いそうですが、Ohlendorfは脇腹の痛みでまだ投球を始められていません。キャンプイン後に故障した主力は、Ryan Mattheusただ1人。胸部の筋の炎症でシャットダウン。3月半ばまでの安静が必要とのことで開幕には間に合わないことが確実視されています。野手陣は順調。

● Danny Espinosaは守備練習でセカンドよりもショートに入っていることが多いそうです。つまり、セカンドの定位置争いはAnthony Rendonに水を開けられている模様。ただし、金曜日のオープン戦の初戦はEspinosaがセカンドで先発予定。

● そのEspinosaとベンチ入りを争う選手の中では、Tyler Mooreが高い評価を受けています。打撃はもちろん、ファーストの守備でも光るものを見せているようです。ベンチ入りを確実にするためにも、試合では打ちまくってください。

● 先発5番手争いはRoss Detwilerがリードしている模様。故障がなければ当然といえば当然ですが、評価は上々。新球カットボールを試したりしているようです。ただし、金曜日の初戦の先発はTaylor Jordanです。

● 新加入のDoug Fisterが守備練習でのハッスルプレーなどで存在感。投球練習でも低めに集め、首脳陣に好印象を与えています。

● 年俸調停を前に2年契約に合意したIan Desmondですが、その前に7年90百万ドル前後のオファーを蹴っていたそうです。ワシントンポスト紙のベテラン記者(ちなみに、私は彼のことがあまり好きでないので普段のコラムは読んでいない)が読者とのオンライン・チャットの中で漏らした情報ですが、それを聞いたDesmondは情報が球団側から漏れたことに強い不信感を示していました。金額的に少し物足りない上に、球団とDesmondの関係が悪化するのではないかと恐れましたが、その後、Mark Zuckermanのこの記事が出てちょっとほっとしました。瓢箪から駒ではないですが、7年100百万ドル辺りで手を打ってくれないものかと思います。Jordan Zimmermannとの契約延長については何の動きもありません。

2014/02/21

2014 ST Outlook 5 (外野手)

オリンピックもあと数日になりましたね。昨夜の浅田真央選手のフリーの演技、ジャンプの度に固唾を飲んで成功を願った4分間はとても短く感じました。メダルには届かなかったけれど記憶に残る素晴らしい演技。ありがとう、そして、お疲れさま。

話は変わりますが、2月初めにCole Kimballがヤンキースとマイナー契約を結んでいました(気付くのが遅れました)。スプリングトレーニングには参加していないようですが、それでも契約を結んでくれる球団があって良かった。この際ヤンキースでもOK。メジャーのマウンドに戻って来るのを待っています。頑張れ!

***************

いよいよ全体練習が始まったスプリングトレーニング。当ブログがお送りする見どころシリーズの最終回は外野手編です。

●オフの動き
[OUT]
Corey Brown (DFA)
[IN]
Nate McLouh (FA)

Nate McLouthと2年契約を結び、昨季はチームとして大不振だったベンチをテコ入れ。レギュラー待遇で迎えてくれる球団もあったかもしれないレベルの力を持つMcLouthをベンチに迎えられたことはオフの補強として大成功と言えるでしょう。McLouthのロースター枠を空けるためにCorey BrownをDFA(→レッドソックスとマイナー契約)。

●スプリングトレーニングの見所
[40 man Roster]
Jason Werth
Bryce Harper
Denard Span
Nate McLouth
Scott Hairston
Eury Perez
Jeff Kobernus
Steven Souza
Michael Taylor
[Non-Roster Invitees]
Brian Goodwin

昨年12月のルール5ドラフトを前にSteven Souza とMichael Taylorを追加した結果、オフィシャルサイトの40人ロースターに外野手が10人も名前を連ねています(Tyler Mooreは外野手なのか、という疑問はありますが)。このように層が厚いこともあり、マイナー契約招待選手はプロスペクトのBrian Goodwinだけ。5人ものベテランが名前を連ねている内野手とは対照的です。

レギュラーは、左からBryce HarperDenard SpanJayson Werthで決まっています。オフにヒザの手術をしたHarperの健康状態が懸念されましたが、ひとまず完治した状態でキャンプインした模様。3人ともしっかり調整して開幕を迎えてくれることを願うばかりです。

ベンチもMcLouthとScott Hairstonの両ベテランで確定的。すると、開幕ロースターはこれで埋まってしまいます。

あとのメンバーは(望ましいことではありませんが)故障待ち状態。現実的な候補となるのは、Eury PerezJeff Kobernus、Souzaの3人でしょう。このうちSouzaだけはメジャーデビュー前ですが、登り調子の24歳で昨年秋のアリゾナ秋季リーグでも抜群の打撃成績を残しており、期待感という意味では3人の中で最も大きいでしょう。3人とも順当ならAAAでの開幕となりますが、しっかりアピールして、いつ呼ばれてもいいように十分準備をしておいてください。

楽しみなのは、TaylorとGoodwinの2人。2人とも今季中にメジャーに上がってくる可能性さえほとんどないと思いますが、センターのSpanとの来季契約は球団オプション。比較的安いので行使される可能性が高いですが、今季のSpanの成績によってはポジションが空くかもしれません。そうなったときに2人のうちのどちらかが跡を襲えるほどに成長しているかどうか。それを占う意味でも、この春にどんな成績を残すか、注目されます。

開幕予想
Harper, Span, Werth, McLoth, Hairston
故障もなく順調なスプリングトレーニングを経て、予定通りの5人で決まり。若手ではSouzaが評価を高め、かなり遅い時期までメジャーキャンプに留まる。

2014/02/18

2014 ST Outlook 4 (内野手)

野手陣の集合日は水曜日ですが、火曜日の時点で既に全野手が到着したとの報。よしよし。

さて、スプリングトレーニングの見所シリーズ、続いては内野手編をお送りします。

●オフの動き
[OUT]
Steve Lombardozzi (Trade to DET)
Chris Marrero (DFA)
Chad Tracy (FA)

40人ロースターから3人がいなくなったのに、追加補強はありませんでした。それだけ現有戦力に自信を持っているということでしょう。マイナー契約でも、18日で40歳になった元ナショナルズのJamey Carrollが目立つ程度。

●スプリングトレーニングの見所
[40 man Roster]
Adam LaRoche
Anthony Rendon 
Ryan Zimmerman 
Ian Desmond
Danny Espinosa
Tyler Moore 
Zach Walters
[Non-Roster Invitees]
Jamey Carroll
Mike Fontenot
Will Rhymes 
Matt Skole
Josh Johnson
Brock Peterson

メンバーは昨季の終盤とほとんど変わっていませんが、何かと話題の多い内野陣。

最も注目を集めているのが、セカンドのレギュラー争い。候補は、昨季の大不振でマイナーに降格されたDanny EspinosaとそのEspinosaに代わってしっかり成績を残したAnthony Rendon。Rizzo GMやWilliams監督はEspinosaにも平等にチャンスを与えると明言しており、一騎打ちを展開することになります。とは言っても、昨年の実績、トッププロスペクトとしての期待度、そして将来性から、Rendonが有利なことは明らか。Espinosaは三振を減らすなど内容を向上し、かつ数字も残し、さらにRendonが故障するかかなりの不振に陥るかした場合しか、レギュラーを得ることはないでしょう。健康にキャンプを過ごして控え内野手の地位を確保することが現実的な目標だと思います。トレードの噂もありますが、その抜群の守備力からショートの控えとしても計算されているはずで、価値が下がり切っているこのタイミングで放出することはないでしょう。

もう1つの注目は、Ryan Zimmermanがどの程度ファーストの守備につくことになるかです。2005年のメジャーデビュー以来(健康でいる限りは)ナショナルズのサードを守り、華麗な守備でファンを魅了してきました。2009年にはゴールドグラブ賞も獲得しましたが、2012年に肩を痛めてから送球が不安定化し、昨季前半の送球エラーの連発で一気に評価を落としました。後半で安定した送球を見せて一度は雑音を消しましたが、オフにWilliams監督が、相手先発が左投手の日にAdam LaRocheを休ませて、Zimmermanをファーストで使う構想を披露すると、Zimmermanもそれを受け入れる発言をしました。そして実際、16日にキャンプ地入りしたZimmermanはファーストミットを持参していたそうです。LaRocheとの契約が切れた来季の構想を推し量る意味でも注目。個人的には、LaRocheを休ませるなら、Tyler Mooreを使ってやればいいのにと思っていますが。

そのLaRoche。前回の2年契約のときと同じように、1年目は期待外れでFAを前にした2年目に大活躍してくれることを期待していますが、何より不安なのは健康状態。オフに投げるほうの肩に簡単な手術を受けたということで、その回復具合がまず気になります。いずれにせよ、大ベテランなのでゆっくりの調整だとは思いますが、開幕後もスロースタートということでは許されません。

ショートのIan Desmondについては、ただしっかり調整してくれるだけを期待しています。それよりもむしろ、(おそらく交渉を継続しているであろう)長期契約に合意できるかどうかに期待を込めて注目しています。

上記の5人以外に40人ロースターに入っているのはMooreとZach Walters。Mooreには是非奮起して、もしもLaRocheが間に合わない場合には開幕スタメンを狙うような活躍を見せてもらいたい。Waltersの長打力は魅力ですが、正直なところ、まだ開幕ベンチを狙える位置にはないでしょう。あくまでDesmondが故障したときの備え。

マイナー契約選手では、大ベテランのCarrollの名前が目立ちますが、御年40歳の大ベテランが開幕ロースター入りするようでは、チームとして失敗と評価せざるを得ないでしょう。

プロスペクトでは唯一Matt Skoleが呼ばれました。昨年も呼ばれ24打席で.250/.406/.333という立派な数字を残しながら、AAでの開幕直後に故障でシーズンを棒に振るという不運。故障は完全に癒えている様子。今年こそ、頑張って下さい。

●開幕予想
LaRoche, Rendon, Desmond, Zimmerman, Moore, Espinosa
Espinosaもまずまずの成績を残すもののやはり三振の多さは改善せず、堅実な成績を残したRendonがセカンドのレギュラーとして開幕。Zimmerman、Desmondは順調に調整。LaRocheがやや出遅れ、その間に出場機会を得たMooreのバットが絶好調で早々にベンチ入りを決める。最後の最後にEspinosaが生き残る。

2014/02/16

2014 ST Outlook 3 (ブルペン)

いよいよキャンプが始まりました!

Matt Williams監督は朝5時にクラブハウスに入ったそうです(気合い入ってるなあ)。初日のブルペン入りは、Gio Gonzalez、Doug Fister、Taylor Jordanなど。昨年は初日にリタイヤしたChristian Garciaも無事に投げ込めたそうで、まずは順調な立ち上がり。

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さて、今日はブルペン編。

●オフの動き
[OUT]
Ian Krol (Trade to DET)
Fernando Abad (Trade to OAK)
[IN]
Jerry Blevins (Trade from OAK)

そもそも不足していたブルペン左腕の中で、昨季最も多くのイニングを投げてくれたFernando AbadIan Krolとの2人をそろってトレード放出。昨季が出来過ぎだった感のあるKrolをDoug Fisterのトレードの駒として使ったことには好印象を受けましたが、Abadの放出には(DFA後で見返りが下層のマイナー選手だったこともあり)やや疑問を感じました。ただ、後に同じアスレティックスから、Abadに比べてアップグレードになるJerry Blevinsを獲得したので、最終的には納得できる動き。また、マイナー契約ではLuis Ayalaが出戻っています。

●スプリングトレーニングの見所
[40 man Roster] 
Tyler Clippard (R)
Drew Storen (R)
Rafael Soriano (R)
Craig Stammen (R)
Jerry Blevins (L)
Ryan Mattheus (R)
Christian Garcia (R)
Aaron Barrett (R)
Xavier Cedeno (L)
Erik Davis (R) → 2月13日 60日DL(右ヒジ痛)
[Non-Roster Invitees]
Luis Ayala (R)
Cray Hensley (R)
Tyler Roberston (L)
Manny Delcarmen (R) 
Daniel Stange (R)
Gabriel Alfaro (R)
Jash Roenicke (R)

順当にいけば今年もRafael Sorianoがクローザーとして開幕を迎えるはず。例年調整が遅いSorianoですが、昨シーズンは不安定な投球が目立ち信頼を落としているのですから、早めにしっかり調整してください。

そのSorianoに代わってクローザーを務めるとすればDrew StorenTyler Clippardの2人となるわけですが、2人とも、特にStorenには、ずっとトレードの噂が付いて回っています。山あり谷ありながらもこの数年間のチーム(ブルペンのみならず)を支えくれた2人が安売りされるような形で退団するところは見たくない。他球団でクローザーの地位を約束されるなら送り出してやりたい気持ちもありますが、Sorianoの不安定ぶりを考えると実力者の2人をこのスプリングトレーニング中に手放す余裕はありません。

この3人に加え、すっかりブルペン投手として完成した感のあるCraig Stammenとオフにトレードで獲得した左腕のBlevinsの「学生時代の友達コンビ」までの5人は故障さえなければ確定的。

残りの2枠のうち1枠はロングリリーフ。先発5番手争いで脱落した中から、Ross OhlendorfTanner RoarkRoss Detwilerの誰かが残ることになると思われます。Taylor Jordanはあくまで先発投手として育成されており、ローテーションに残れなければAAAで開幕でしょう。このうちDetwilerはオプションが切れているので(意外にもOhlendorfはまだオプションが1回残っているそうです)、Detwilerがローテーション争いに敗れて、かつ故障していなければ、ほぼ自動的にDetwilerに決まりでしょう。

順当なら残り1席をめぐって残りの10人ほどが争うことになります。実績ではRyan Mattheusが最有力ですが、昨季後半の不安定なピッチングで評価は下がっており、競争に勝ち残ることが求められる立場となっています。

その他、40人ロースターの投手のうち、面白い存在なのはXavier CedenoChristian Garciaの2人。Cedenoは昨シーズン、限られた機会ながらいい投球を見せており、対左打者用としてブルペン入りする可能性も十分あります。そして、この記事の冒頭にも書いたGarcia。2012年終盤にメジャーデビューして高く評価され、先発投手に(再)転向させられるほどの期待を集めて迎えた昨年でしたが、スプリングトレーニングの初日に腕の痛みを訴えてシャットダウン。その後ハムストリングも痛めてシーズンを棒に振りました。再起に向けての春になります。

この記事をドラフトしていた時点では、もう1人Erik Davisも注目株としようと思っていましたが、キャンプ初日に右ひじ痛のために60日DL入り。当然、開幕ロースター入りはなくなりました。

マイナー契約では、何といってもAyalaの存在が目立ちます。昨季は故障39試合の登板にとどまったとはいえ、防御率は3.27。ブレーブスの一員としてNLDSでも3試合に登板しました。健康に過ごせば、開幕ロースター入りの有力候補でしょう。

●開幕予想
Storen, Clippard, Stammen, Blevins, Cedeno, Ohlendorf, Ayala
Sorianoは調整遅れのためDLで開幕。開幕時のクローザーはStorenが努めることになる。Clippard、Stammen、Blevinsは順調に調整。ロングリリーフはOhlendorf (DetwilerはDL)。左腕のCedenoが安定したピッチングを続けて生き残り、最後の1枠はマイナー契約からのAyalaが滑り込む。

2014/02/14

2014 ST Outlook 2 (先発)

Derek Jeterが今季限りでの引退を表明しました。アンチ・ヤンキースの私としては常に憎い存在でしたが、記憶にも記録にも残る選手であったことは間違いありません。個人的に一番印象的なシーンは2001年ALDS(対アスレティックス)第3戦でのあのプレー。友人たち(もちろん全員アンチ・ヤンキース)とビール瓶を手にテレビで観ていたのですが、あまりのプレーに絶句させられたことを昨日のことのように覚えています。ともかくお疲れ様でした。敵ながら天晴を送ります。

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さて、スプリングトレーニングの見どころシリーズを続けます。今日は先発投手編。

●オフの動き
[OUT]
Dan Haren (FA)
Nate Karns (Trade to TB)
[IN]
Doug Fister(Trade from DET)
Felipe Rivero (Trade from TB)

曲がりなりにも30試合、169回2/3を投げたDan HarenがFA退団(→ドジャーズと1年契約)。昨季後半にTaylor JordanTanner Roarkのルーキー2人がメジャーで結果を残し、Ross Detwilerも故障からの復帰が見込まれるとはいえ、一昨年のEdwin Jackson、昨年のHarenのようにベテランを補強するだろうと見られていました。しかし、まさかDoug Fisterほどの大物を獲得するとは予想外。しかも大きな対価を支払わずに済ませたことで、Rizzo GMの株がまたも上がることになりました。

そしてスプリングトレーニング直前に入ってきたのが、Nate KarnsJose Lobatonのトレード。Lobatonとともに2人のマイナーリーガーを獲得しましたが、うち1人がFelipe Rivero投手。まだAAでさえ投げたことがありませんが、昨年12月のルール5ドラフトでプロテクトするために40人ロースター入りしており、自動的にスプリングトレーニングに参加することになりました。

●スプリングトレーニングの見所
[40 man Roster]
Stephen Strasburg
Gio Gonzalez
Jordan Zimmermann
Doug Fister
Ross Detwiler
Taylor Jordan
Tanner Roark
Ross Ohlendorf
Sammy Solis
Felipe Rivero
Matt Purke
[Non-Roster Invitees]
Chris Young
A.J. Cole
Blake Treinen
Danny Rosenbaum

Stephen StrasburgJordan ZimmermannGio Gonzalez、Fisterの4人は故障さえなければ確定。唯一気になるのは、オフに肘の手術を受けたStrasburgの状態です。心配ないというコメントが1月に本人から出ていましたが、実際にブルペンで投げてくれないと安心できません。2年後にFAとなるZimmermannとの契約延長交渉が一応は続いているようです。といっても期待薄。むしろその資金を使ってのStrasburgとの長期契約を結んでほしいと思い始めました。

先発5番手争いが派手に展開される見通しです。候補者は、Detwiler、Jordan、Roark、それにベテランのRoss Ohlendorfの4人。ここから1人だけ選べばいいという状況は先発陣の層の厚さを感じさせ顔が緩みます。最有力はもちろんDetwilerでしょう。健康にしっかり過ごせば、オプション切れという点を考慮しなくてもローテーション入りの実力は証明済みです。Jordan、Roarkの2人には、Detwilerまで含めた5人に何かあった時に備えて充実したキャンプを過ごしてくれれば十分です。くれぐれもアピールしようとして飛ばしすぎないように。Ohlendorfはスタミナ面からもロングリリーフが適任でしょう。

メジャーキャンプ初参加となるA.J. Cole、それにMatt Purkeのプロスペクト2人にも注目です。2人とも、今季中のメジャー昇格は考えにくく、経験を積ませるだけのはずですが、メジャーの打者を相手にどんな投球をするか楽しみです。一方、Blake TreinenDanny Rosenbaumはあまり注目されませんが、2人ともAAAのローテーションで開幕することが予想され、シーズン中の昇格も十分見込まれます。特に左腕のRosenbaumはブルペン投手としての昇格もあるでしょうから、大事なスプリングトレーニングになります。

そして最後にもう1人。このスプリングトレーニングの密かな注目株が、Sammy Solis。TJ手術で遅れたこともあってまだAAでさえ投げたことはありませんが、昨年のアリゾナ秋季リーグで好投して評価はうなぎのぼり。12月にはRizzo GMがメジャーのブルペン左腕候補として名を挙げたほど。すでに40人ロースターに入っているので、内容次第では今季中の昇格も夢ではありません。まずは、スプリングトレーニングでしっかりアピールしてほしいところです。

●開幕予想
Strasburg, Gio, Zimmermann, Fister, Roark
残念ながらDetwilerは故障してしまいDLで開幕。センセーショナルな投球を見せたRoarkがローテーションに食い込む。Jordanも好投するがRoarkには及ばず、AAAのローテーションで開幕。

2014 ST Outlook 1 (捕手)

せっかく記事をアップしたと思ったら、直後にNate KarnsJose Lobaton等のトレードが発表されましたので差し替えします。

なお、13日の時点で投手・捕手は全員がキャンプ地に集合しました。ただし、Erik Davis投手が右ひじ痛のためにシャットダウン。手術はせず様子を見るようですが、心配です(いっそ早く手術したほうがいいような・・・)。

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スポーツニュースはソチ冬季オリンピックで盛り上がっていますが、日本のプロ野球はとっくにキャンプインし、メジャーリーグでも3月22日にシドニー(オーストラリア)で開幕戦を実施するドジャーズとDバックスが他球団に先駆けてキャンプイン。野球の季節はすぐそこまで来ています。

我らがナショナルズの投手・捕手は2月15日、野手は20日が最初の練習日となっています。

さて、当ブログでは、例年通り、捕手、先発、ブルペン、内野手、外野手に分けて、オフの動きと、スプリングトレーニングの見所を紹介しておきます。

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まずは捕手から。

●オフの動き
[IN]
Jose Lobaton (Trade from TB)

昨シーズン終盤にKurt Suzukiをトレードで放出した後、長い間40人ロースターに動きはなく、このままスプリングトレーニング突入かと思われた2月13日にレイズからJose Lobatonをトレードで獲得。他にChris SnyderKoyie Hillとマイナー契約しています。

●スプリングトレーニングの見所
[40 man Roster]
Wilson Ramos
Jhonatan Solano 
Sandy Leon
Jose Lobaton
[Non-Roster Invitees]
Chris Snyder
Koyie Hill
Brian Jeroloman
Jeff Howell 

故障さえなければ正捕手はWilson Ramosで確定。控え捕手もわざわざトレードで獲得したことからするとLobatonでほぼ決まりでしょう。昨シーズン終盤はJhonatan Solanoが控えを務めていましたが、結果を残せていなかったので、かなりの活躍を見せないと開幕ベンチ入りは難しいでしょう。Sandy Leonに至っては、昨季AAでさえ打率2割を切る打撃不振にあえぎ、9月になっても呼ばれませんでした。2012年のデビュー直後に負傷したという経緯もあって応援している選手ですが、まずはマイナーで打撃結果を残すことが求められます。完全に守備オンリーのSnyderやHillは故障が重なった際の保険でしょう。

●開幕予想
Ramos, Lobaton
Ramos、Lobatonが順調な仕上がりを見せる。打撃好調で首脳陣の評価を上げたLeonはAAAで開幕となる。