2019/06/30

6/29 今回のVothはダメでした

L5-7@DET (season 41-41)
Voth 4.1IP 3ER 6H 3BB 2K
Rainey(L1-3) 0.0+IP 3ER H 2BB
Rendon 3/4 HR(18) R 2RBI

今季初先発となった前回の好投でErick Feddeを差し置いて先発機会を得たAustin Vothでしたが、今回はダメでした。3回までは無難に抑えていましたが、4回裏、3本のシングルで満塁とされると、2死から押し出し四球でまず1点。5回裏にも連打され、1死2、3塁としたところで降板となりました。前回は96マイルまで計時した速球がこの日はほとんどが92マイル程度で、全体的にボールが真ん中に集まっていた印象。これではベンチが不安で見ていられない気持ちもわかります。

ただ、それでも4回表に3点を先制していたので、Voth降板時ではまだ3-1とリードしており、Vothが残したランナーをJavy Guerraが還してしまっても同点。7回表にはAdam Eaton、Anthony Rendonが2死から連続タイムリーを放って勝ち越し、勝ちゲームのはずでした。

最大の誤算は7回裏に投入したTanner Rainey。2四球の後、Miguel Cabreraにレフト前にタイムリーを打たれ、1死も取れずに降板(後を受けたTony Sippが打たれて全てのランナーが生還)。5月20日の初登板以来、チームのブルペンの復活に大きく寄与してきたRaineyでしたが、6月16日以降の7試合のうち5試合で失点。その間の防御率は12.71。奪三振率は高いのですが、四球の増加が気になります。例によって酷使されて疲れが来ているという状況のように見えます。

勝てたはずの試合だった、とは思いますが、まあ、ずっと勝ち続けられるわけではありません。Vothにしてもブルペンにしても、今回はダメだったということで切り換えて、また明日から頑張りましょう。


2019/06/29

ロースター異動まとめ(2019年6月)

6/8 Trevor RosenthalがILから復帰,  Kyle McGowinをオプション
6/16 Kyle BarracloughがIL入り, Adrian Sanchezが昇格
6/21 Joe Rossが昇格, Adrian Sanchezをオプション
6/23 Trevor Rosenthalを解雇, Joe Rossをオプション, Austin VothとKyle McGowinが昇格
6/25 Jonny VentersとFernando Rodneyが昇格, Kyle McGowinとErick Feddeをオプション
6/28 Ryan Zimmerman がILから復帰, Michael Taylorをオプション

● Trevor RosenthalがILから復帰,  Kyle McGowinをAAAにオプション
4月26日からIL入りしていたTrevor Rosenthalが復帰してきました。表向きの理由だった胃腸炎は当然ながらすぐに治りましたが、どうしようもなかった制球難を克服するためマイナーでの調整登板を続けてきました。マイナーでも四死球を連発しており決して万全とは言えない状況のようですが、契約上、調整のためにマイナーに置いておけるのは最長でも30日間のため今回の復帰となりました。不安は付きまといますが、本人が健康であると主張する以上(解雇しないのであれば)選択肢はありません。さてさて。

ロースタースポットはKyle McGowinをFresno(AAA)にオプションことで空けました。先発ローテーションは埋まっており、ロングリリーフを務めていましたが、最後の登板は5月29日。ブルペンで座っているよりはマイナーで投げるほうが本人のためでもあるでしょう。

● Kyle BarracloughがIL入り, Adrian Sanchezが昇格
Kyle BarracloughがIL入りという名の降格となりました。いちおう、右腕の神経の痛みという診断ですが、本人が前日にも健康面の問題はないとコメントしていたのであくまで口実というべきで、事実上のマイナー降格処分でしょう。オフのブルペン補強の目玉の1人で(もう1人がTrevor Rosenthal)セットアッパーとして期待されましたが、ここまで32試合に登板し、6.39/1.74という結果。さらに、引き継いだランナーの生還率もかなり高く、全く信頼できない投手となってしまっていました。少し休んだ後、マイナーでの登板でしっかり調整して戻ってきてくれることをとりあえず願います。

ロースターにはAdrian Sanchezが昇格。そもそもここ1カ月以上(Rosenthalが使い物にならなくなってから)、ブルペンが1人多く、ベンチが1人少ない体制で戦ってきましたので、それを通常の7人ブルペン、5人ベンチ体制に戻しただけのこと。Rosenthalについては半信半疑ですが、仕方ありません。

● Joe Rossが昇格, Adrian Sanchezをオプション
19日のダブルヘッダーのため、順当に行った場合の日曜日ブレーブス戦の先発投手が足りなくなること、さらには19日、20日の連戦でブルペンが人手不足になったこともあり、Joe Rossが昇格してきました。5月下旬に降格してから、Fresno(AAA)で先発としての調整を続けており、直近17日に5回無失点と好投しています。もっとも、この日の66球が今季の最多なので、あまり長いイニングを期待することは酷で しょう。それでも、Rossは先発向きだと思うので、長期的にはいい状況だと思います。

Adian SanchezをオプションしてHarrisburg(AA)に送りました。またこれでブルペンが1人多い状態です。

● Trevor Rosenthalを解雇, Joe Rossをオプション, Austin VothとKyle McGowinが昇格
遂にこの日が来ました。開幕以来散々なピッチングを続けてきたTrevor Rosenthalを解雇しました。21日の登板で1点リードを守り今季初ホールドを記録し、復活を期待させましたが、翌22日に4点リードの7回に登板し、対戦した3人を全て歩かせて逆転負けのきっかけを作ったことで遂に見切ることになりました。

12G 6.1IP 8H 15BB 3HBP 5K 22.74/3.63 5WP

これが残った成績。四死球、防御率/WHIP、暴投といずれも非常にひどい数字が並んでいますが、登板試合数に対して取ったアウトの数の少なさがRosenthalがいかに使い物にならなかったかを物語っていると思います。これだけ酷いFA契約もなかなかお目にかかれませんね(ナショナルズ史上ではNate McLouthとの契約と一二を争うでしょう)。年俸700万ドルをどぶに捨てました。いや、数多くのチームの敗戦につながったことを思うと、どぶに捨てるよりひどい使い方か。

また、前日の試合でブルペンで起用された(4失点で敗戦投手となった)Joe RossがFresno(AAA)にオプションされ、再び先発としての調整に戻ります。全くひどい扱いです。腐らずに、頑張りましょう。

空いた2つのスポットに、Austin VothKyle McGowinが昇格してきました。Vothは23日のスポットスターターとして、McGowinはロングリリーフとして起用される見込み。Vothは先日のフィリーズ戦でもダブルヘッダーに際して昇格していましたが、雨もあって登板する必要がなく、即座に降格となっていました。今季はFresno(AAA)でローテーション投手として投げて、機会を待っていました。頑張ってくれることを期待しています。

● Jonny VentersとFernando Rodneyが昇格, Kyle McGowinとErick Feddeをオプション
いずれもシーズン途中に他球団から放出された後ナショナルズとマイナー契約を結び、マイナーで調整していたベテランのブルペン投手、Jonny Venters(左)とFernando Rodney(右)が昇格してきました。2人とも同じような経緯でナショナルズに加わりました。リスクもありますが、実績はある投手で、うまくいけば儲けものという感じですね。

Ventersは34歳のブルペン左腕。2010-2012年にブレーブスのブルペンでの好投の印象が強い投手。その後しばらく見ませんでしたが、3度ものTJ手術を受け、メジャーに復帰できたのは昨シーズンとのこと。苦労したんですね。昨年4月下旬にレイズで6年ぶりとなるメジャーのマウンドに上がると、ブルペン左腕として好投。フラッグディールトレードで古巣のブレーブスに復帰し、中継ぎとしてチームのポストシーズン進出に貢献。ナ・リーグのカムバック賞に選出されました。この活躍でオフにブレーブスと1年のメジャー契約を結び直しましたが、今季は開幕から不調で、9試合に登板して17.36/3.64という惨憺たる成績で5月に解雇されていました。

Fernando Rodneyはメジャー17年目、42歳の大ベテラン。通算登板試合数 913は史上23位。40歳を超えてからも、クローザーとしての仕事を任され、一昨年はDバックスで39セーブ、昨年は8月までにツインズで25セーブ(フラッグディールトレードでアスレティックスに移籍後は中継ぎとして貢献)を記録し、通算325セーブ。しかし、今季は17試合で9.42/2.23と不振で5月下旬にアスレティックスから解雇されていました。

ロースターはErick FeddeとKyle McGowinをマイナーにオプションして空けました。Feddeはローテーション投手として独り立ちできそうなところでしたが、前回登板が悪かったことと、23日に投げたAustin Vothが良過ぎてもう一度機会を与えざるをえないというのが理由。まあ、じきに次の機会は来るでしょう。Kyle McGowinは出場機会がないままメジャーとマイナーを行ったり来たりする羽目になっていますが、与えられたチャンスを生かし切れなかった以上オプション制度の下ではやむを得ません。

● Ryan Zimmerman がILから復帰, Michael Taylor をオプション
4月28日以来約2か月に渡ってIL入りしていたRyan Zimmermanがようやく復帰してきました。もうこのまま引退かとまで内心心配していたのでホッとしました。元気にプレーできればまだ結果は残せるはず。後半戦、来シーズンにつながるような活躍を期待しています。

25人ロースターからはMichael Taylor が外れ、Harrisburg(AA)にオプションされました。守備は未だに一流ですが、とにかく打てない。85打席に立って.211/.277/.276という数字もさることながら、0本塁打、35三振と全くいいところがありません。センターのレギュラーを完全に失い、守備固めという発想がほとんどないMartinez監督のもとでは出場機会が激減していました。外野陣に故障者が出れば真っ先に呼ばれるという意味では依然として戦力です。マイナーで毎日試合に出る中で自分のバッティングを取り戻してくれることを願います。

6/28 貯金1で折り返し

W3-1@DET (Season 41-40)
Sanchez(W4-6) 6.0IP ER 6H 1BB 8K
Rodney(SV1) 1.0IP 0ER 2K
Kendrick 2/4 2double RBI
Soto 1/3 HR(14) BB 2R RBI

30球団中29位の勝率、しかも直近10試合でわずか1勝とマーリンズ以上のどん底にあるタイガースとのシリーズ初戦をきっちり勝ちきりました。

ナショナルズ打線はチーム7安打と、近頃の好調ぶりからするとやや低調でしたが、2回にJuan Sotoのソロで先制すると、5回にはAdam Eatonのライト前で追加点。1点差で迎えた
8回表にはHowie Kendrickのツーベースで貴重なダメ押し点を加えました。EatonとKendrickのタイムリーはいずれも2死からのまさにタイムリーなヒット。いい攻撃でした。

迫力に欠けるタイガース打線を相手に先発のAnibal Sanchezがソロ本塁打のみの1失点と好投。7回はJavy Guerra、8回はTanner Raineyが無失点で繋いで、9回裏はFernando Rodneyがマウンドへ。連投のSean Doolittleが使えなかったためですが、全く危なげなく3人で片付けてセーブを記録。今後のDoolittleの負担軽減という点から言って、大きな意味を持つ登板となったかもしれません。

シーズン折り返しの81試合目を白星で飾り、41勝40敗の貯金1としました。明日は今季最多の貯金2をかけた一戦となります。

2019/06/27

6/27 勝率5割に復帰!

マーリンズをスウィープして、勝率5割に復帰しました(40勝40敗)。4月23日(11勝11敗)以来、2か月にわたる借金生活が終わりました。どん底だったのはメッツにスウィープを喫して借金12となった5月23日(19勝31敗)。そこからの30試合を21勝9敗、勝率に直せば(まあ3で割るだけの簡単な計算ですが).700という驚異的なペースで白星を重ね、ここまで戻しました。

これだけ勝っても首位ブレーブスとはまだ7ゲーム差もあり、地区優勝はかなり遠いと言わざるを得ません。しかし、ワイルドカード争いについて言えば、同率で並んでいるブリューワーズとフィリーズからわずか2.5ゲーム差。十分ポストシーズン争いを応援できるところまできました。当面の目標は地区2位でもあるフィリーズをとらえることでしょう。

今もDave Martinez監督のことは全く信用していません。こんな起用法でSean DoolittleとWander Sueroが最後まで持ったら奇跡ですし、Michael Taylorが全く機能していないし、とかいろいろ言いたいことはあります。が、勝率5割に戻したらブログを再開すると書いてしまったので、約束通り復帰します。というか、奇跡の逆転劇を期待したくなっています。

ということで、皆さん、これからもよろしくお願いします!

さて、今日の試合。

W8-5@MIA (Season 40-40)
Strasburg(W9-4) 7.0IP 4ER 7H 0BB 4K
Soto 1/4 HR(13) R RBI
Adams 1/4 HR(12) R 3RBI
Robles 1/4 HR(12) R 2RBI
Suzuki 2/4 double HR(9) 2R RBI

スウィープとともに5割復帰をかけた一戦の先発は、Stephen Strasburg。2回まではあっさり0点に抑えましたが、3回裏、強い打球は一つもなかったのに、ライトのAdam Eatonの前で打球が変な方向にバウンドするといった不運もあって3失点。5回裏にも2死からの3連打でもう1点取られ、計4失点。打線はマーリンズ先発のSandy Alcantaraの前にJuan Sotoのソロによる1点だけに抑え込まれ、この時点で1-4とリードを許していました。

しかし、今のナショナルズ打線は頼りになります。6回表、1点ビハインドから4点を奪って逆転した前日の見事な再現を演じました。打順が3周目に入ったこの回、先頭のTrea Turnerのシングルを足がかりに1死1,3塁のチャンスを作り、Juan Sotoは内野フライに倒れたものの、Matt Adamsがライトポール際への特大の3ランホームラン。まったくの前日の再現です。違ったのはまだ同点だったことですが、さらにKurt Suzukiの二塁打の後、Victor Roblesが低めの変化球をすくい上げてレフトスタンドへの2ランを放って、これで試合をひっくり返しました。ベンチの盛り上がりも含め、チームの勢いの違いを感じさせるイニングとなりました。

あとはクルーズモードのStrasburgが6、7回を難なく抑え、8回はWander Sueroが三者三振斬り。4点差となっても9回のマウンドに上げられたSean Doolittleが前日に続いて打たれたことが気にはなりますが、最後は締めてゲームセット。

MVP: Matt Adams

MLBオールスター(The Starters投票)

まずはナショナルズの試合結果。

6/25 W6-1@MIA Scherzer 8回1失点10奪三振
6/26 W7-5@MIA Corbin 7回1失点9奪三振
Season 39-40; 3rd in DIV, 8.0GB Atlanta

厳しい相手との戦いを終えて(こう言っては失礼ですが、気持ちに余裕のある)マイアミでのマーリンズ戦。最初の2つをしっかり取って、再び勝率5割復帰に王手をかけましたが、さてさて。

******
さて、オールスターに向けての記事の第2弾(第1弾はこちら)。

6月21日までに行われたファン投票の結果、各リーグで捕手と内野の各ポジションの(ア・リーグはDHも)上位3人と外野の上位9人が決まりました。残念ながらナショナルズからはゼロ。ナショナルズファンとしては三塁手としてAnthony Rendonが選ばれてもいいのにとは思いますが、顔ぶれを見ればしかたないと納得せざるをえないかな。

ちなみに、ナ・リーグの外野手部門にBryce Harperの名前もありません。

現在、米国東部時間6月26日正午から28時間の間(日本時間で言えば28日午前1時まで)、先発出場する野手を決めるファン投票が行われています(The Starters Election)。投票しておきました。まあ適当ですが。

2019/06/24

6/23 負けはしたが Voth は収穫

L3-4(10) Braves (Season)
Voth 6.0IP 2ER 4H 0BB 7K
Rainey(L1-2) 0.2IP 2ER H 2BB K
Soto 1/5 HR(12) R RBI

雨の影響でスポットスターターとして昇格してきたAustin Vothが先発。あれ?こんないい投手だった?というくらいの好投を見せてくれました。とにかく速球が素晴らしかったですね。95マイル前後で伸びがあり、カウントを問わず空振りさせていました。コントロールもよかった。自己最多の7奪三振、無四球で 6回をわずか83球で投げ切る省エネ。先発としてまた使いたいと思わせるピッチングでした。惜しむらくは2本がホームランでしたが、その2本にしてもぎりぎりでフェンスを越えたもので、不運というかなんというか。あとは、ブレーブス先発のMike Sorokaの右腕に死球をぶつけて2イニングで降板させてしまったことも悔やまれます。

個人的な印象ですが、先発投手が死球で退場すると、流れはそのチームに行ってしまうような気がします。この試合でも、Voth降板の後、2番手のJosh Tomlinに4イニングを抑えきられるなどなかなか得点できず、7回裏にSotoのソロ本塁打などで同点に追い付き、Vothの黒星を消すのがやっと。8回裏には連打で無死1,2塁のチャンスを作りましたが、Adam Eatonが送りバント失敗(三塁封殺)もあって無得点。延長10回表にTanner Raineyが決勝2ランを被弾して敗戦。

負けましたが、今日のような負けはダメージは少ないです。昨日のひどい敗戦の後で勝たなければいけない試合ではありましたが、まあ仕方ない。むしろVothのピッチングという収穫があったと言ってもいいかもしれません。

1日空いてマーリンズとの3連戦。気持ちを切り替えて1つずつ勝って、まずは5割を目指しましょう。

2019/06/23

6/22 そこでRossを使うな

L9-13 Braves (Season 37-39)
Sanchez 6.0ER 4ER 6H 1BB 6K
Rosenthal 0.0+IP 3ER 3BB
Ross(BS2, L0-1) 1.0IP 4ER 5H 1BB
Soto 3/4 triple SF 4RBI
Adams 2/4 HR(10) BB R 2RBI

3回を終えて5-1とリード。6回を終えて8-4とリード。勝てる試合、勝たなければいけない試合でした。

7回表の頭からTrevor Rosenthalを起用した采配は必ずしも全力で非難しようとは思いません。結果は三者連続四球で、1つもアウトを取ることができず、後続のTanner Raineyが抑えきれずに4点差を追い付かれてしまうことになりましたが、それでも前日のいい流れからもう1歩進めようとしたこと自体は間違ってなかったと思います。

しかし、その裏にせっかく1点を勝ち越して迎えた8回表にJoe Rossを起用したことは全く認められません。もちろん結果的に抑えて勝っていればここまで言わなかったと思います。しかし、結果論ではなくても、あの場面でRossを使うことは完全な間違いでしょう。せっかく一度マイナーに落として先発投手としての調整に戻し、そこそこ結果を残したところで昇格させ、日曜日のスポットスタートという機会を目前にしていたのに、なぜ待てないのか。Rossという一度は先発としてメジャーで活躍した1人の投手をなんだと思っているのでしょうか。しかも、ヒジの故障からの復帰の大事な時期に。リリーフとして起用することが絶対にダメだというつもりはありませんでした。でも、それは同点での延長戦といったどうしても他に投手がいない最後の切り札としてであって、今日のような起用法は絶対に認められません。これで日曜日のスポットスタートの機会は失われ、マイナーに戻って先発としての調整をすることになるのでしょうが、次にメジャーに上がってきてもまたブルペンに急きょ回されるかもしれないという微妙な立場で、どうしろというのでしょうか。

負けるにしても負け方というものがあります。今日の負けは許されない負け方。明日は、絶対に勝たなければならない試合になりました。

2019/06/22

6/21 Rosenthal初ホールド Suero初セーブ

地区首位を独走中(3位ナショナルズとは7.5差)のブレーブスを迎えての3連戦。ナショナルズにとっては、このシリーズを勝ち切れればシーズンを捨てなくてもいいところに(奇跡的に)戻ってきたと言っていい状況になる大事なシリーズです。

W4-3 Braves (Season 37-38)
Strasburg(W8-4) 6.0IP 3ER 5H 3BB 5K
Rosenthal(HD1) 0.1IP 0ER
Suero(SV1) 1.0IP 0ER 1H 1BB 1K
Robles 1/2 triple R RBI
Gomes 1/4 HR(3) R RBI

1点リードの8回表、2死2塁。打席には今日2ランを打っている右打者のAustin Riley。この大事な場面で、左投手のTony Sippに代えてDave Martinez監督がマウンドに送ったのはTrevor Rosenthalでした。球場のファンも画面を見るファンも、もちろんチームメイトも首脳陣も固唾を飲んで見守った登板。初球のスライダーは低めに外れましたが、ストライクゾーンへの速球を2つ続けて追い込み、最後はインローへの100マイルの速球でどん詰まりのサードゴロ。見守っていたみんなが大きな息を吐く音が聞こえるようでした。

開幕直後を除くと大きく差が開いた試合でしか使えなかったRosenthalを(ダブルヘッダーを含む連戦で選択肢が限られていたとはいえ)ここで起用したのは大きなギャンブルだなと思ってみていましたが、Dave Martinez監督はこのギャンブルに勝利しました。認めるしかありません。はい。良い采配でした。この試合におけるハイライトであったことはもちろんですが、Rosenthalが戦力として活躍してくれるようになるとすれば、大きなターニングポイントとなったと振り返られるであろうシーンでした。

さて、試合前の注目は、今シーズン初のマウンドに上がったブレーブス先発のDallas Keuchelでした。昨オフにFAとなったものの、6月3日のドラフト後に(=QOに絡むドラフト指名権の喪失というペナルティがなくなった後に)ようやくブレーブスと契約を結び、この試合が初先発。元々速球派というわけではありませんが、この日は変化球のキレもあまり感じられず、別に怖くないなというのが正直な感想。3回まではランナーを出しながらとらえきれませんでしたが、4回裏にエラーのランナーを置いて、Victor Roblesの三塁打、Michael Taylorのスクイズバント、そしてYan Gomesのソロ本塁打で同点に追い付くと、4回裏にAnthony Rendonのタイムリーで4-3とリード。

ここから、7回表をJavy Guerraが無失点で切り抜けると、8回表はTony Sippが怖い怖いFreddie Freemanを空振り三振に仕留めるなどして2アウトをとって、上述のRosenthalが3つ目のアウトを記録。そして9回表は、連投で使えなかったクローザーSean Doolittleの代役として、こちらも3連投となる(けど若い)Wander Sueroがマウンドへ。無死1,2塁のピンチを迎えましたが、2死までこぎつけ、最後はDansby Swansonのセカンド後方へのあわや同点タイムリーかという小フライをライトのRoblesがスライディングキャッチしてゲームセット。薄氷ものでしたが勝ちは勝ち。Rosenthalにとっては今季初ホールド、Sueroにとってはメジャー初セーブ。DoolittleもTanner Raineyも使えない中でブルペンはよく頑張りました。

厳しい試合でしたが、見事に勝ち切りました。ナイスゲーム。

MVP: Wander Suero

2019/06/21

6/20 今季初の3戦スウィープ(対フィリーズ)

W7-4 Phillies (Season 36-38)
Fedde 3.2IP 2ER 5H 5BB 1K
Guerra(W1-0) 1.0IP 0ER 2K
Doolittle(SV16) 1.0IP 0ER 1K
Suzuki 1/4 HR(8) R 2RBI
Rendon 2/3 double HR(17) BB 2R RBI 
Robles 2/3 HR(11) BB R 3RBI

ワシントンに梅雨なんて季節あったっけな?という感じですが、この日も雨で試合開始が遅れ、試合中にも雨が強くなる時間がありましたが、何とか試合は行わました。結果は、打撃と、そして守備でも上回ったナショナルズがフィリーズを降し、3戦スウィープとしました。

先発のErick Feddeは不本意な内容。マウンドを降りた時点での失点は1点だけでしたが、とにかくコントロールが悪く、毎回ランナーを出す苦しい内容で球数は増え、4回途中で降ろされてしまいました。ブルペンも、Matt GraceとTanner Raineyがソロ本塁打を打たれるなど、必ずしも完ぺきというわけではありませんでした。

しかし、今日は野手が頑張りました。初回、2回で3点を先制。同点で迎えた6回裏にはAnthony Rendonの勝ち越しソロ、さらに、Victor Roblesには豪快な3ランで点差を広げ、一気に試合の流れをつかみました。守備でも、4回表の生還していれば勝ち越しという2塁ランナーのBryce Harperを本塁で刺したライトAdam Eatonの好返球や、センター前に抜けそうな打球を2度もダイビングキャッチで止めたTrea Turnerの好守が光りました。

勝ちが込んでいるチームの勢いを感じさせてくれました。

スウィープ。いい響きです。2戦はありましたが、3戦スウィープは今季初。しかも相手は直上、地区2位のフィリーズであり、ゲーム差は一気に3まで縮まりました。

いい感じで、いよいよ次は地区首位のブレーブスを迎えての3連戦です。面白くなってきました。

MVP: Victor Robles

2019/06/19

6/19 (G2) Scherzerの新たな伝説

Max Scherzerが新たな伝説を作りました。ナショナルズに加入してからも2度のノーヒッター、1試合20奪三振と記録的な試合を作ってきたScherzerですが、記憶に残るという意味ではおそらくそれらを凌ぐ、伝説的な試合となりました(英語ではBlack Eye Gameとか呼ばれています)。

W2-0 Phillies (Season 35-38)
Scherzer(W6-5) 7.0IP 0ER 4H 2BB 10K
Suero(HD6) 1.0IP 0ER 2K
Doolittle(SV15) 1.0IP 0ER 
Dozier 1/3 HR(12) R RBI
Robles 1/3 HR(10) R RBI

ダブルヘッダー2試合目。先発は、前日のバント練習で顔面に自打球を当てて鼻を骨折し、一時は登板が危ぶまれたMax Scherzer。右目の周りにもひどいあざがありました。が、そんな状況もむしろ燃料にしてしまうのがScherzerなんでしょう。

味方打線の援護は2回裏のBrian Dozierのソロホームランによる1点だけで、3回以降は1-0のリードを守る立場で強いプレッシャーを感じながらのピッチングになったはずですが、これも、ふっと甘い球を投げてホームランされる悪い癖を封じる役割を果たしたのかもしれません。とはいえ、フィリーズ打線を終始圧倒したわけではなく、5回表以外はランナーを出していました。それでも各イニング1人だけに止め、締めるところはしっかり締めるところはさすが。

圧巻は最後のイニングとなった7回表でしょう。先頭打者に右中間を破られ、無死2塁。一打同点のピンチを迎えましたが、なんとここから三者連続三振。100球を超えてなお最速97マイルの速球で次々に空振りさせる力のこもった場面の連続。最後は、117球目のスライダーでJ.T.Realmutoを空振り三振に仕留め、マウンド上で感情を爆発させてガッツポーズ。ベンチでもチームメイトと興奮のハイタッチを交わしていました。

1-0で迎えた8回表をWander Sueroが期待に応えて三人で終えると、その裏、Victor Roblesに貴重な追加点のソロ本塁打が出て2点差。9回はSean Doolttleがあっさり3人で片付けて快勝。

この試合でのScherzerを見て奮い立たなかったら野球選手止めたほうがいいだろうというくらいの姿でした。Scherzerの投球といえばノーヒッターもライブ中継を見ていましたが、いや、この試合のほうが凄かったと思います。表情などからも悲壮感が漂っており、とにかく凄みを感じました。

MVP: Max Scherzer

*********************
ダブルヘッダーでフィリーズに連勝。地区首位のブレーブスは今日も勝っているので差はほとんど縮まっていませんが、ブレーブスに破れたメッツを抜いて3位に浮上しました。フィリーズとは4ゲーム差。今日の2試合は内容も申し分ありません。明日もう1試合勝って21日からのブレーブスとの3連戦を迎えることができれば、面白いことになるかもしれません。そのためにも、まず明日です。

6/19 (G1) フィリーズに先勝

確かにそこそこ白星は重ねていますが、地区首位との差は縮まらないし、戦い方もそう変わっていないし、何よりDave Martinez監督も変わっていないし、ゲームノートを書くほど試合を見る気になれない状態が続いています。

しかし、雨で2日続けて試合が流れた後の19日のダブルヘッダーの2試合目に、前日のバント練習で顔面に自打球を当てて鼻を骨折し、右目の周りにもひどいあざを作りながらも、Max Scherzerが先発すると聞き、これはゲームノートを書かなければと思いましたので、ひとまず復帰します。

W6-2 Phillies (Season 34-38)
Corbin(W6-5) 7.0IP 1ER 4H 3BB 8K
Rainey(HD4) 1.0IP 0ER BB HBP K
Dozier 2/4 double HR(11) R 3RBI
Parra 2/4 double HR(5) R 2RBI
Soto 2/3 BB 2R RBI SB(4)

ダブルヘッダーの1試合目。先発は、一昨日の先発予定だったPatrick Corbinがスライド登板。5月25日に完封した後、3試合続けて不本意なピッチングが続いており、初回2死からScott Kingeryにソロを被弾し、続く打者を歩かせたときは、今日もダメかと思わせましたが、その後は立て直し、4回は三者三振。2-1で迎えた6回に無死1塁からセンター前に緩いゴロのヒットを打たれましたが、センターで先発出場していたGerardo Parraの好送球で一気に三塁を狙ったBryce Harperをタッチアウト。この回もう1本シングルを打たれながらも無失点で切り抜けると、その直後、Brian Dozierの二塁打で貴重な追加点。7回は危なげなく3人で終え、101球で7回1失点。見事な復活登板となりました。

野手陣ではParraとDozierの活躍が目立ちました。Parraは4回裏に勝ち越しのタイムリーツーベースの上、上記の守備での好プレー。そして8回裏にはDozierが2ラン、Parraがソロの二者連続ホームランで、6-1とリードを広げ、試合を決めました。

お、その前に8回表です。3-1とリードの8回表。ブルペン全員が球場十分でしたカッラエースセットアッパーが出てくる場面。起用されたのはTanner Rainey。5月中旬に昇格してきてから当初はやや不安な登板もありましたが、次第に信頼を得て、ホールドの付く場面での登板も増えてきていました。今日も四死球で2人のランナーを出しながらも、98マイルの速球で圧倒して、無失点。今月だけ4つ目のホールドを記録しました。

フィリーズとの3連戦(雨で4連戦のうち1試合は9月に移った)の初戦を快勝。ナショナルズとしてはとてもいい雰囲気で、注目のMax Scherzer先発の2試合目に向かうことになりました。

MVP: Gerardo Parra

2019/06/18

Minor League All Stars (A+, A)

マイナーリーグのオールスター。まずは、いずれも6月18日にオールスターゲームが開催されるPotomac(A+)とHagerstown(A)から。Fresno(AAA)とHarrisburg(AA)については7月に入ってからオールスターゲームが開催されるため、後日記事にします。

● Potomac(A+) 
Carolina Leagueのオールスターに下記の5選手が選ばれています。10チームしかない小さなリーグなので5人は決して多いほうではない(5チームから最多の7人が選ばれている)のですが、野手の4人は全員先発出場が決まっているらしいので、量より質と思うことにします。

Andrew Lee, RHSP
Jakson Reetz, C
Cole Freeman, 2B 
Nick Banks, OF
Aldrem Corredor, DH

● Hagerstown(A)
South Atlantic Leagueのオールスターに下記の2選手が選出されました。2人か。オリオールズ傘下のDelmarvaからは8人も選ばれているのに2人は寂しいですね。

Gilbert Lara, SS
Jacob Rhinesmith, OF

*********
試合結果
6/13 L0-5 D-Backs またGreinkeに抑えられる うざい
6/14 W7-3 D-Backs  Scherzer 7回10奪三振で5勝5敗に
6/15 L3-10 D-Backs Strasburg 4イニングで4ホームラン被弾
6/16 W15-5 D-Backs Adams 3ラン+満塁弾
(Season 33-38, 4th in Div, 8.5GB ATL)

始まる前からビートライターが今シーズンの行方を決めると騒いでいるホーム11連戦の最初のDバックスとのシリーズは2勝2敗。断片だけ録画を見ていますが、勝っても負けても大雑把な試合だなというのが正直な印象です。

2019/06/14

Prospect Profile #36: Yasel Antuna

2019年のMy Top 10 Prospectsの野手の最後は、Yasel Antuna内野手です。(4月に作成したのですが、ILスタートだったこともあり、ドラフトのままで放置していました)

[Player Data]
Name: Yasel Antuna
Position: SS/3B
Born: October 26, 1999
Birthplace: Peravia, Dominican Republic
School: NA
Height: 6-0
Weight: 170
Bats: B
Throws: R
Draft: na
Acquired: International FA (2016)
BA organization Rank: 9(2019)10(2018) ← 25(2017)
BA Overall Rank: NA

[Scouting Report]
右投げ両打ちのショートストップ。ナショナルズと契約した16歳の当時はファイブツール全てで高く評価されていた。どちらかというと右打席のほうが評価が高いが、どちらでも打てる。課題は選球眼だが、こちらは間違いないと言われているパワーとともに成熟が期待される。走力も平均以上。守備では、ショートを務めるだけの肩もレンジもあるが、送球の正確さという点では問題があり、将来的にはサードと言う声もある。

[Background]
Luis Garciaなどとともに2016年7月に契約した1人。当時は同じドミニカ出身で7か月若いGarciaよりも高い評価を受けており、ナショナルズが契約するには球団史上歴代最高額となる385万ドルの契約金を要した。当時16歳。

プロデビューは2017年。GCLで48試合に出場し、.301/.382/.399、1本塁打、5盗塁。23四球に対して29三振という期待通りの結果を残した。ただし、守備ではショートのレギュラーとして起用されながら(Garciaはセカンドを守っていた)、21試合で20エラーと黄信号の灯るものだった。

2018年はSSを飛ばしてHagerstown(A)で開幕を迎え、期待の高さをうかがわせたが、開幕から打率2割前後をさまよう低迷(6月末時点で.204/.282/.288)。7月に入っての16試合で.286/.338/.508と調子を上げてきた矢先、まさかのTJ手術を要するヒジの故障を発症してシーズン終了。

[Comment]
どうしても比較されるLuis Garciaには、現状、かなり差を付けられています。2019年シーズン途中には復帰してくるはず。まずは健康にプレーすることが第一。まだ若い。ハングリー精神を忘れず、這い上がってきてもらいたいです。

2019/06/13

MLBオールスター(The Primary投票)

7月16日にクリーブランドのプログレッシブ・フィールドで開催されるMLBのオールスターゲーム。日本とは異なり1試合だけの開催な点は、まさにオールスターにふさわしいと以前から思っていますが、それはともかく。ファン投票が始まっています。

今年からファン投票による野手の選出ルールが変わり、2段階方式となりました。まず、5月29日から6月21日までの間に全選手を対象とするファン投票が行われ、各リーグで捕手と内野の各ポジションの上位3人と外野の上位9人を決定します(これがThe Primaryと呼ばれています)。次いで、これらの選手のみを対象として、6月26日正午(米国東部時間)から28時間の間に再度ファン投票が行われ、各リーグ、先発出場する8人が決まることになります(The Starters Electionと名付けられています)。控え野手と投手については、例年通り、監督推薦・選手間投票で選ばれるようです。

ファン投票には、日本在住でもオンライで参加可能(リンク先)。The Primaryは各球団が登録した選手が各ポジションにデフォルト表示されていますが、他の選手の名前を検索して投票することも可能となっています。

で、さっそく、ナショナルズの選手に投票してきました。ファーストはデフォルト表示のRyan ZimmermanではなくHowie Kendrick、捕手もYan GomesではなくてKurt Suzukiに投票。他のポジションはデフォルト通り、Brina Dozier、Anthony Rendon、Trea Turner、Juan Soto、Victor Robles、Adam Eatonに投票しておきました。

プロセスを進めていくと郵便番号をいれるところで少し戸惑いますが、日本の郵便番号をそのまま打って問題なく処理してくれました。1日5回まで投票可能で、2回目以降は2回クリックするだけです。

簡単。みなさんも是非どうぞ。


******************
ナショナルズの試合結果です。

6/8 W4-1@SD Scherzer 7回無失点で4勝目
6/9 W5-2@SD Kendrick, Turner, Eaton, Rendon 4者連続ホームラン
6/10 W12-1@CHW Turnerあわやサイクル、Suzuki満塁弾
6/11 L5-7@CHW Rendon2発も Corbinまたも乱調
(Season 31-36, 4th in Div, 7.5GB ATL)

3連勝でいい感じかと思わせて、11日はあっさり敗戦。結構勝っているようでいて、今回のロード6連戦は結局3勝3敗。6連勝でフィリーズを抜いたブレーブスが首位に立ち、結果、首位との差はほとんど縮まっていません。ですが、監督を解任する気配はないし、まあ、借金0まで戻したら応援に復帰しようかなと思います。

2019/06/11

Prospect Profile #40: Wil Crowe

シリーズ全体40目は、ちょっと時計の針が戻る感じになりますが、2017年ドラフト入団の右腕、Wil Croweです。

[Player Data]
Name: Wil Crowe
Position: RHP
Born: September 9, 1994
Birthplace:  Sevierville(TN)
School: South Carolina
Height: 6-2
Weight: 240
Bats: R
Throws: R
Draft: 2017-2
Acquired: Draft
BA organization Rank: 7(2018) → 5(2019)
BA Overall Rank: NA

[Scouting Report]
最速でも90マイルを少し超える程度であり、変化球にも特に目立つものがあるわけではないが、制球力があり、ツーシーム、カーブ、スライダー、それに決め球のチェンジアップを内外にしっかり投げ分けることで打者のバランスを崩し、打ち取るスタイル。先発向き。

[Background]
2017年ドラフト2順目でサウスカロライナ大から入団。高校卒業時にも31順目(インディアンズ)指名を受け、大学2年時に向けたTJ手術のために評価を大きく下げていた大学3年時のドラフトでもやはりインディアンズから21順目で指名されたものの契約せず、4年生としてサウスカロライナ大学に戻り、エースとして活躍した。

ナショナルズと契約後、GCLで2試合に投げた後、Auburn(SS)で7試合に先発。いずれも3イニング以下の登板ながら、計24回1/3で2.96/1.03と結果を残した。

2018年はPotomac(A+)で開幕すると、16試合で11勝無敗とセンセーショナルな結果を残し、8月にはHarrisburg(AA)に昇格。昇格後は5戦5敗と苦しんだが、それでも大きく評価を上げるシーズンとなった。

2019年は招待選手としてメジャーのスプリングトレーニングに初参加。組織内で最もメジャーに近いプロスペクトの1人となった。開幕はHarrisburg。4月の5試合で防御率0.96という好スタートを切ったが、5月以降は打ちこまれる試合が増えている。

[Comment]
2017年ドラフト組では、1順目のSeth Romeroがまったくのハズレに終わりそうな気配なので、是非頑張ってもらいたい。

2019/06/10

Prospect Profile #39: Tim Cate

Prospect Profileシリーズの残りを書かなきゃです。シリーズ全体39人目は、2018年ドラフト2順目大卒入団で即戦力とまでは言わないものの比較的早くメジャーに到達することが期待される左腕投手のTim Cateです。

[Player Data]
Name: Tim Cate
Position: LHP
Born: September 30, 1997
Birthplace:  Manchester (CT)
School: University of Connecticut
Height: 6-0
Weight: 185
Bats: R
Throws: L
Draft: 2018-2
Acquired: Draft
BA organization Rank: 6(2019)
BA Overall Rank: NA

[Scouting Report]
高い評価を受けているのは大きく割れるカーブ。カウントに関係なく、内にも外にも、ストライクにもボールにも投げ分けるコントロールがあり、速球は90マイルを少し超える程度にもかかわらず、十分に打者のバランスを崩し、三振を奪える。左腕のカーブ投手というとGio Gonzalezのようなイメージか。現状でも左打者は問題なく抑えられるため早いタイミングでブルペン投手としてメジャーに上がってくるという予想もある。第三の球種を身につけることができるかどうかが今後のカギ。

[Background]
コネティカット大でエースを務めていた左腕投手。高校時代にTJ手術を経験し、大学でも3年時はヒジの不調で休んだりしていた。それでもナショナルズは2018年ドラフト2順目で指名。契約後、Auburn(SS)に合流し、9試合に登板したところでHagerstown(A)に昇格。どちらでも同じような感じで、計13試合(12先発)で52イニングを投げ、5.02/1.40、45奪三振とパッとしない結果に終わったが、昇格スピードとしては悪くない。

2019年はHagerstown(A)のローテーションで開幕。好投を続けています。奪三振もイニング数を上回るペースで記録しており、期待感が高まる内容。

[Comment]
健康面の不安がどうしても付きまといますが、しっかり体を作って、おそらくはブルペン投手になると思いますが、メジャーでしっかり活躍してくれることを期待しています。

2019/06/08

2019年5月をふりかえる

今日は先に試合結果から。

6/5 W6x-4 White Sox ブルペン3失点後のTurnerサヨナラ2ラン
6/6 L4-5@SD 初回4点、あと完黙
6/7 L4-5x@SD 9回に勝ち越したのに逆転サヨナラ負け
(Season 28-35, 4th in Div, 8.0GB PHI)

5日にホワイトソックスにサヨナラ勝ちして今季初の4連勝。ナショナルズをフォローするのビートライターからは「波に乗ってきた」「首位との差が縮まってきた」といったお気楽な記事も散見されました(以前から私は全く信用していないワシントンポストのベテランコラムニストの「葬儀は延期」だというコラムは苦笑ものでした)が、多くのファンはもっと冷静でした。勝ったとはいえブルペンが8回に炎上した後に何とか勝ったものだったし、勝っている間は1試合当たりの平均得点が6点を越えていましたが、こんなのが続くはずはなく。

案の定、サンディエゴに移動しての2試合は4点ずつしか取れず、きっちり5点取られて連敗。相変わらずの細かいプレーのミスに、疑問のある采配。何も変わっていません。

ということで、もうシーズンは終了したようなものですが、簡潔に5月の月間レビューを書いておきます。


ナ・リーグ東地区(2019年5月末時点)
WLPCTGB
Philadelphia3324.579-
Atlanta3027.5263.0
New York2829.4915.0
Washington2433.4219.0
Miami1936.34513.0

5月の月間成績は12勝17敗の借金5。打線は全体としてみればそんなに悪くはないし、先発も頑張っていますが、ブルペン、守備、走塁がうまくいきません。あ、もちろんベンチワークも。

Hitter of May 2019: Howie Kendrick
ポジションの関係や年齢からくる故障懸念もあって出場機会は限られていながら、Howie Kendrickがいずれもチーム最多の5本塁打、20打点を記録。逆に言えば、そんなKendrickに頼らざるを得ないチーム状況というわけです。ILから戻ってきたJuan Sotoが19試合で.380/.451/.676という好成績を残しています。6月以降はSotoにしっかりチームを引っ張ってもらいたい。

Pitcher of May 2019: Patrick Corbin
5月最後の登板で3回途中ノックアウトを食らいはしましたが、9日には4連敗をストップする7回無失点、そして25日には今シーズンチーム最初の完封勝利を記録しました。他の先発陣も(Jeremy HellicksonのIL入り後にローテ入りしたErick Feddeを含め)軒並み好投。問題あいかわらずのブルペン。頼みの綱だったSean Doolittleまでもが2試合で激しく打ちこまれる始末(シーズン序盤の酷使がそろそろ響いてきたかな)。月間で6イニング以上投げたブルペン投手で防御率6.00を下回ったのがIL入り中のJustin Millerだけ、と言えば惨状ぶりが伝わるでしょうか。

2019/06/06

2019ドラフト:3日目

ドラフト最終日。

19位まではカレッジとジュニアカレッジの3年生以下を積極的に指名していったと評価できるでしょう。実際に戦力として期待できるのはこのあたりまででしょう。

20位からカレッジシニア(4年生)祭りが始まります。23位で初めて高校生投手を指名。高校生で契約の可能性があるとすれば彼くらいかな。33位以降は35位のBryce Osmondを筆頭に高校生の指名が続きますが、記念指名みたいなもので契約できる可能性はほとんどありません。37位のTrei Cruzも2年生なので難しいでしょう。

総じて良いドラフトだったのではないでしょうか。

11. J.T. Arruda, SS, Fresno State 
12. Orlando Ribalta, RHP, Miami Dade CC
13. Jake Randa, OF, Northwest Florida State
14. Lucas Knowles, LHP, Central Arizona College
15. Davis Moore, RHP, Fresno State
16. Junior Martina, SS, Western Oklahoma State
17. Amos Willingham, RHP, Georgia Tech
18. Mason Doolittle, C, Palm Beach CC
19. Tyler Yankosky, RHP, Millersville University 
20. Jack Dunn, SS, Northwestern (SR)
21. Kevin Strohschein, 1B, Tennessee Tech (SR)
22. Allan Berrios, C. Western Oklahoma State
23. Michael Cuevas, RHP, William J Brennan HS (TX)
24. Jake Alu, 3B, Boston College (SR)
25. Parker Quinn, 1B, Hofstra (SR)
26. Dupree Hart, 2B, College of Charleston (SR)
27. Jaylen Hubbard, 3B, Texas State (SR)
28. Jordan Bocko, RHP UC Irvine (SR)
29. Brandon Gonzales, SS, James Madison HS (TX)
30. Troy Stainbrook, LHP, Biola University (SR)
31. Brady Stover, LHP, South Dakota State 
32. Dylan Beasley, RHP, Berry College 
33. Cutter Clawson, LHP, Laguna Beach HS (CA)
34. Anthony Gomez, 2B University of Texas Rio Grande Valley (SR)
35. Bryce Osmond, RHP, Jenks HS (OK)
36. Sam Wibbels, RHP, Hastings HS (NE)
37. Trei Cruz, SS, Rice
38. Tyler LaRue, C, Blanco HS (TX)
39. Jake Bennett, LHP, Bixby HS (OK)
40. Jaden Brown, SS, St Marcellinus SS (ON)

2019/06/05

6/4 Strasburg 通算100勝 達成

W9-5 White Sox (Season 27-33)
Strasburg(W6-3) 5.0IP 5ER 5H 3BB 6K
Rendon 2/4 double HR(11) BB R 5RBI
Kendrick 2/3 double HR(10) 2R 2RBI
Robles 2/4 double HR(9) R 2RBI

先発したStephen Strasburgが通算100勝を達成しました。2005年にナショナルズがワシントンに誕生してからは初のマイルストン到達です。ドラフト指名から10年目、デビューからは9年目での到達。長かったのか短かったのか。ドラフト全体1位指名のプレッシャーも故障などいろいろありながらもここまでナショナルズ一筋で頑張ってきてくれたことにありがとうと言いたいです。今シーズン終了後(と来シーズン終了後)にFAとなる権利を持っていますが、是非残留して、球団史にそしてさらにもう一皮むけてMLBの歴史にナショナルズのStephen Strasburgとして名を残してくれることを願ってやみませんん。

もっともこの試合は簡単ではありませんでした。初回に、審判の微妙な判定で調子を崩し、あれよあれよという間に4失点。2回にもソロを被弾し、2回を終えて0-5という大差をつけられる展開。3回以降は0を並べましたが、球数を要し、5回表を終えたところで105球。この回限りで降板、このまま行けば負けというという展開でした。

が、5回裏に打線が大爆発。Anthony Rendonの3ラン、Victor Roblesのとどめの2ランなどで一気に6点を奪って逆転に成功。これでStrasburgに白星の権利が発生。その後は、ここしばらく安定しているブルペン陣がきっちり抑えて勝ち切りました。

これで今季2度目の3連勝。ここ10試合を8勝2敗とし、もたもたしている首位フィリーズとの差は6.5、もっともたもたしているメッツとの差は1ゲーム差まで詰まってきました。

ここしばらくの好調の原因は好調の打線とブルペンがそこそこ頑張っていること。特に打線はこの10試合で平均得点6.7。それだけ打てば勝ち続けられます。

さてさて。

2019/06/04

2019ドラフト:2日目

ドラフト2日目。3順目から10順目までの指名。スリップしてきた選手をどれだけ攻めて指名するかが注目でした。

結果は以下の通り。3位、4位の2人はMLB.comでトップ100に入る選手をしっかり指名し、5~8位で指名した選手はまさに故障などで評価を下げたものの上限は高いはずの選手が並びました。カレッジシニアは1人だけという点も期待を持たせます。概ね満足です。

3(94). Drew Mendoza, 3B, Florida State
左打ちのパワーヒッター。四球も多いが、三振も多いというタイプ。今はサードを守っているが、将来的にはファーストかと言われる。いずれにせよどれだけ打てるかが将来を決めることになりそう。高校卒業時にはショートとして2順目あたりでの指名も予想されるほど評価されていたが、フロリダ州立大に進学した。MLB.comでは55位。

4(123). Matt Cronin, LHP, Arkansas
95マイル前後の伸びのある速球と70マイル台のカーブの2つが持ち球で、アーカンソー大のクローザーとして活躍。ん?アーカンソー大?1順目指名のJackson Rutledgeの1年先輩でチームメイトだったことになるのか。なんか微妙な関係。MLB.comのランクでは73位。ブルペン左腕としてかなり早い時期の昇格が期待される。

5(152). Tyler Dyson, RHP, Florida
最速97マイルを計時するフロリダ大の右腕。MLB.comでは142位。昨年秋の段階ではもっと高い評価を受けていたが、不調と故障でローテからも外れていた。いいコーチについて修正できれば大化けする可能性もある。

6. Jackson Cluff, SS, Brigham Young
大学2,3年生にあたる2年間をモルモン教の伝道活動に費やしたため、2年生だが年齢は4年生相当の22歳。今シーズン復帰し、左打ちのショートとして走攻守でいいプレーを見せていた。父も1998年にドラフト指名を受けた選手だったがメジャーには到達していない。

7. Todd Peterson, RHP, Louisiana State
ルイジアナ州立大のクローザー。90マイル台前半のツーシームと大きなカーブを武器とするが、最速97マイルまで出すこともできる。制球力は悪くない。高校時代はナショナルチームの一員に選ばれたこともあり、長らく高い評価を得ていたが、この春は不振だった。

8. Jeremy Ydens, OF, UCLA
高卒時にはカージナルスから40順目で、大学1,2年で続けて打率3割を超えて迎えた昨年もDバックスから33順目で指名されたが入団せず。今年はシーズン序盤に手に四球を受けて骨折し、不本意な結果しか残せなかった。センターも十分守れる。

9. Hunter McMahon, RHP, Texas State
2年生の右腕投手。高校時代にTJ手術を受けている。90マイル台前半の速球とチェンジアップ、カーブを持ち球とし、先発を務めていた。

10. Andrew Rraff, C, Lubbock Christian (SR)
ここにきて最初のカレッジシニア(4年生)。今季はとにかくよく打って、よく出塁した。

2019ドラフト:Jackson Rutledge

いよいよ始まった今年のMLBドラフト。初日のナショナルズは、1順目全体17位でジュニアカレッジの先発右腕、Jackson Rutledgeを指名しました。

クリックすると新しいウィンドウで開きます1(17). Jackson Rutledge, RHP, San Jacinto JC


ミズーリ州セントルイス出身の20歳。2017年の高校卒業時にも5順目まででの指名が有力視されるほどに評価されていたが、大学進学を強く表明したため指名されず。予定通りアーカンソー大に進学したものの1年時は股関節を軽く傷めたこともあって結果が出せず、2年生となる今シーズン、テキサス州San Jacintoのジュニアカレッジに転籍してドラフト対象となる道を選んだ。

6フィート8インチ(203センチ)、250ポンド(113キロ)という巨体から投げる常時90マイル台後半の力のあるフォーシームはこのドラフトクラスで最高レベルの評価を受けている。スリークォーター気味の投球フォームのためスライダーの曲がりも鋭く、こちらも極めて高い評価を受けている。80マイル台前半のカーブもそれなりに武器となっている。課題は、本人も習得中と認めるチェンジアップと制球力。逆に言えばまだ伸びしろのある投手ともいえる。

今シーズンはジュニアカレッジレベルの打者を全く相手にせず、1イニングあたり2個近い奪三振の山を築き、ドラフトに向けて評価を上げることに成功。MLB.comの直前ランキングでは12位。直前のモックドラフトではブレーブス(9位)やフィリーズ(14位)での指名が予想されていた。

ドラフト当日は、ブレーブスがShea Langeliers捕手、フィリーズがBryson Stott遊撃手を指名するなど多くの野手が序盤で指名され、ナショナルズの指名順が回ってくるまでの16人中、投手はNick Lodolo(7位・レッズ)とAlek Manoah(11位・ブルージェイズ)の2人だけ。昨日の記事で書いたMatthew Allan、Quinn Priester、Zack Thompson、George Kirby、全員が残っているという状況だったが、彼らより高い評価で一致していたRutledgeが残ってたため当然の選択となった。(結果的には、Allanは契約できるかどうか微妙なため敬遠されて指名されず、Priester、Thompson、Kirbyはナショナルズの直後の18,19,20位で順に指名された)。

昨日の記事を書いた状況ではまさかRutledgeが残っているとは思ってもいませんでしたので、指名が分かった時は興奮し、思わず顔がほころびました。

指名直後のインタビューでは、同郷のMax Scherzerとチームメイトになれるように頑張りたいとコメントしていました。Scherzerの現在の契約は2011年までなので、その秋というのはチャレンジングですがいい目標タイムではないかと思います。そのためにも早く契約してプレーしてほしいですね。

2019/06/03

2019年ドラフトに向けて③ナショナルズ指名候補

いよいよ、ドラフトが明日に迫りました。シリーズ最終回は、全体17位でナショナルズが指名するかもと取りざたされている選手を何人か紹介してみようと思います。

● Shea Langeliers, C, Baylor 
全体1位でオリオールズが指名することが確実と言われているAdley Rutschmanに次ぐ捕手プロスペクト。強肩による盗塁阻止率が高く、守備力だけならRutschmanより上との声もある。今シーズンは左手の有鈎骨の骨折でやや調子を落としたとされる打撃も、パワー、コンタクトともにプロでやっていける力はあるとされる。MLB.comでは10位。

● Matthew Allen, RHP, Seminole HS(FL)
昨年後半から今年にかけて評価を上げた高校生投手。97マイルをしっかりコースに投げ分けて高校生の打者をねじ伏せてきた。カーブで空振りを取ることもできる。チェンジアップを身に着けることができれば、ローテーション投手どころかエースともなれる素材。フロリダ大へのコミットはあるが、契約に難はない見込み。MLB.comでは13位。

● Quinn Preister, RHP, Cary Grove HS(IL)
昨夏の時点では高校生投手1,2を争う評価を受けていた。その後、上腕の故障でやや評価を下げたが、最速97マイルのフォーシームと90マイル台前半で変化に富むツーシームは極めて高い評価を受けている。80マイル台のカーブも武器。フットボールでもWR、DBを務める運動能力の持ち主。MLB.comでは19位。

● Josh Jung, 3B, Texas Tech 
右打ちの三塁手。バットコントロールに定評があり、三振は少なく、右にも左にも強い打球を打てる。パワーヒッターというタイプではないが、スイングスピードが速く、将来的にはメジャーで25本塁打程度は記録できると見込まれる。足は速くない。サードとしてやっていけるだけの肩があるが、守備はあまり評価されていない。MLB.comでは16位。

● Kameron Misner, OF, Missouri 
左打ちのパワーヒッター。全体的な運動能力が高く、肩も走力もあることからセンターを含む外野の3ポジションに加え、ファーストも平均以上の能力で守ってきた。昨年春に自打球で骨折してから成績を落としたが、ポテンシャルは高く評価されている。MLB.comでは30位。

以上、見てのとおりですが大学生の投手がいません。ナショナルズの現状からするとマイナー上位の投手プロスペクトが手薄なので大学生の先発投手を指名してもらいたいところですが、いかんせん今年の大学生投手は不作と言われており、17位くらいだと適当な候補がいないようです。Nick LodoloやAlek Monoahは無理でしょうが、George KirbyかZach Thompsonが残っていたら迷わず行ってほしいですね。


*************
試合結果です。
6/2 W4-1@CIN Scherzer 15奪三振の快投
Season 26-33 (4th in Div. 7.0GB PHI)
8回裏のMax ScherzerとDave Martinezのやりとりと直後のScherzerのパフォーマンスはテレビ越しでもなかなかの見物でした。

2019/06/02

2019年ドラフトに向けて②今年の指名順

さて、前回に続きドラフト準備記事です。

今回は今年の指名順についてまとめておきます。まず、トップ10指名権は次の通りです。

1. オリオールズ
2. ロイヤルズ
3. ホワイトソックス
4. マーリンズ
5. タイガース
6. パドレス
7. レッズ
8. レンジャーズ
9. ブレーブス
10. ジャイアンツ

全体1位は、昨シーズン115敗という記録的な黒星を記録したオリオールズ。これだけ負けるのはなかなか大変だったはずです。以下8位までは昨年の勝率順です。全体9位のブレーブスは、昨年の全体8位で指名したCarter Stewartと契約できなかったことに伴う追加指名権です。Stewartは先日NPBのソフトバンクと契約したことで日本でも有名になりましたね(このStewartの動きが単発的な事件に終わるのか、何かの契機になるのか、はまた別の話)。10位以下は再び勝率順に戻り、ナショナルズは全体17位での指名となります。

次に、全体17位以下のナショナルズの指名順をまとめておくと次の通りとなります。

1順目 全体17位
2順目 なし
3順目 全体94位
4順目 全体123位
5順目 全体152位
以下、全体182位、212位、と30位ごとに指名

2順目の指名権がないのは、DバックスからのQOを拒否してFAとなったPatrick Corbinと契約を結んだことにより、全体57位となるはずだった指名権を喪失したため。

3順目、4順目はFA契約の影響を受けず、順当に指名権を持っています。4順目が終わった後の全体138位がBryce HarperをFAで失った補償指名権として得られたはずだったのですが、この指名権もCorbinとのFA契約を理由に失っています。

同じようにQOを拒否したFA選手なのに、Patrick Corbinと契約した代償として2番目と5番目に当たる指名権を失ってしまうのに対し、Bryce Harperを失った代わりに得た指名権が4順目の後の1つだけというのはひどい話だと思いましたが、この差はナショナルズが贅沢税の対象となる年俸総額の水準を超えてしまっていたためです。(そんなに高い年俸総額であるにもかかわらず、今シーズンのこの成績で許されると思っているのでしょうか。まったく)

全体5順目以降は単純なウェーバー制となり、ナショナルズの指名権は、152位、182位、212位と40順目まで続いていきます。

とまあ、そういうことです。だいたいお分かり頂けたでしょうか。

次回は、ナショナルズが1順目で指名するかもしれない選手を紹介してみます。まあ、当たらないと思いますが。

********************
5/31 WL3-9@CIN Corbin 3回途中ノックアウト
6/1 W5-2@CIN Parra, Adams, Dozierの3発で快勝
Season 25-33; 4th in Division (8.0GB PHI)

レッズを相手に勝ったり負けたり、まあその程度のチームです。