少し早いですが、年末のごあいさつを申し上げます。拙いブログですが、多くの方にご覧頂き、コメントも頂き、感謝に耐えません。
さて、ナショナルズ。
Bryce Harperに殴りかかった元クローザーの廃棄物処理がまだ終わっていないことが気懸かりですが、それ以外は必要な補強が進みつつあるようです。控えないしはJayson Werthに代わってレギュラー出場できる外野手を加えればとりあえずはOKかな。。
2012年から、地区優勝→がっかり→地区優勝→がっかりと繰り返してきましたので、来年は期待に応えてくれるの番のはず!
よいお年を。来年も、当ブログ、ナショナルズをよろしくお願いします。
2015/12/29
2015/12/25
Daniel Murphyと3年契約
ウィンターミーティング以来静かだなあと思っていたら、12月24日、クリスマスプレゼントが届きました。メッツからFAとなっていたDaniel Murphyと3年契約に合意したとの報(正式発表は身体検査を終えて年末、あるいは年始になってからの模様)。
Daniel Murphy (2015 Season for NYM)
130G 538PA 14 HR 73 RBI 31BB 38K .281/.322/.449 2SB (Regular Season)
14G 64PA 7HR 11RBI 6BB 13K .328/.391/.724 1SB (Post Season)
2006年にドラフトされて以来メッツ一筋。来季開幕前に31歳となります。2008年にメジャーデビューし、膝の靭帯損傷で全休した2010年を除くと、基本的にレギュラー出場してきました。ただし、ポジションはいろいろ。マイナーではもっぱらサード。メジャーデビュー当初はレフトでしたが、その後。セカンド、ファースト、サードと経験してきました。ですが、どこを守らせても平均以下との残念な評価を受けています。となると、売りはバットとなります。左打ち。コンタクトヒッターで三振が少ないことが最大の特徴。四球もそんなに多くないものの、3割前後の打率をコンスタントに残し、出塁率もまずまず。本塁打を量産するほどの長打力はありませんが、ギャップを抜く二塁打は多い。走力は平均より少し上回るようです。打者としてのピークは過ぎたと思われますが、安心して打線に組み込める、計算できる打者と言えるでしょう。
2015年はメッツのセカンド、サードを主に守り、打順は2番、3番あるいは5番を任され、チームのポストシーズン進出に貢献。
そして、[ Daniel Murphy ]の名を全米に知らしめたのがポストシーズンでの大活躍と大失策でした。
まずはドジャーズとのNLDS。第1戦の4回にClayton Kershawから先制ソロを打って勝利につなげると、4戦目、5戦目に2試合連発。特に5戦目の6回にZack Greinkeから打った一発はそのまま勝ち上がりを決める決勝点となりました。カブスとのNLCSになると勢いはさらに加速し、第1戦の1回にJon Lesterから打った先制弾を皮切りに、全4試合でホームラン(NLDSと合わせて6戦連発はメジャー新記録)。4連勝でのリーグ優勝の立役者となり、当然の如くシリーズMVPに選ばれました。
ところが、ロイヤルズとのワールドシリーズになると一気に暗転。5試合、25打席に立ってわずかに3安打。5四球と勝負を避けられた面もありますが、本塁打なし、打点なしと完全に抑え込まれました。そして、守備でやってしまいました。1勝2敗で迎えた第4戦、1点リードの8回表1死1,2塁。緩い打球で併殺は無理だったかもしれませんが、一塁は悠々アウトにできたはずの打球がグラブの下を通過する痛恨のエラー。このシーンは、2015年ワールドシリーズのハイライトとして欠かせないものとなりました(関連動画)。
このようにこのポストシーズンではやたらと目立ったのですが、それはかなりの偶然が重なった結果。元々はあまり目立たない俗にいう「いぶし銀」的な選手という印象です。
報道によると、契約内容は3年3750万ドル。オフが始まった当初(ポストシーズンの余韻が冷めない頃)には4年、5000万ドル超といった大型契約を予想する向きもあったことからするとかなりリーズナブルなものとなりました。とはいえ、MurphyはメッツからのQOを蹴っているためドラフト指名権(1順目17位)という大きな代償を払うことになります。Jordan Zimmermann、Ian Desmond(予定)の補償分があるので、今年(全体58位)ほど待つことにはならないと思いますが、少し残念です。ただ、FA補強をしようとすれば避けられないものであり納得できます。
Bryce HarperとDanny Espinosa(両打ち)しか左打者がいなかった打線にバランスが生まれたというのは高ポイント。また、Yunel Escobarをトレードしたことでデプス・チャート的にはTrea Turnerが開幕ショートという布陣になっていましたが、さすがにその状態は脱却できました(Anthony Rendonとポジションが入れ替わる可能性はありますが、いずれにせよ)。いずれTurnerが上がってきたときにも、Murphyが他のポジションをできることが活きますし、このくらいの年俸ならプラトーン(対左投手はEspinosa)とすることも許容できます。なんといっても、ポストシーズンでの活躍、という実績に期待がかかります。
結論、個人的にはかなり好印象の動きです。頑張ってください。
Daniel Murphy (2015 Season for NYM)
130G 538PA 14 HR 73 RBI 31BB 38K .281/.322/.449 2SB (Regular Season)
14G 64PA 7HR 11RBI 6BB 13K .328/.391/.724 1SB (Post Season)
2006年にドラフトされて以来メッツ一筋。来季開幕前に31歳となります。2008年にメジャーデビューし、膝の靭帯損傷で全休した2010年を除くと、基本的にレギュラー出場してきました。ただし、ポジションはいろいろ。マイナーではもっぱらサード。メジャーデビュー当初はレフトでしたが、その後。セカンド、ファースト、サードと経験してきました。ですが、どこを守らせても平均以下との残念な評価を受けています。となると、売りはバットとなります。左打ち。コンタクトヒッターで三振が少ないことが最大の特徴。四球もそんなに多くないものの、3割前後の打率をコンスタントに残し、出塁率もまずまず。本塁打を量産するほどの長打力はありませんが、ギャップを抜く二塁打は多い。走力は平均より少し上回るようです。打者としてのピークは過ぎたと思われますが、安心して打線に組み込める、計算できる打者と言えるでしょう。
2015年はメッツのセカンド、サードを主に守り、打順は2番、3番あるいは5番を任され、チームのポストシーズン進出に貢献。
そして、[ Daniel Murphy ]の名を全米に知らしめたのがポストシーズンでの大活躍と大失策でした。
まずはドジャーズとのNLDS。第1戦の4回にClayton Kershawから先制ソロを打って勝利につなげると、4戦目、5戦目に2試合連発。特に5戦目の6回にZack Greinkeから打った一発はそのまま勝ち上がりを決める決勝点となりました。カブスとのNLCSになると勢いはさらに加速し、第1戦の1回にJon Lesterから打った先制弾を皮切りに、全4試合でホームラン(NLDSと合わせて6戦連発はメジャー新記録)。4連勝でのリーグ優勝の立役者となり、当然の如くシリーズMVPに選ばれました。
ところが、ロイヤルズとのワールドシリーズになると一気に暗転。5試合、25打席に立ってわずかに3安打。5四球と勝負を避けられた面もありますが、本塁打なし、打点なしと完全に抑え込まれました。そして、守備でやってしまいました。1勝2敗で迎えた第4戦、1点リードの8回表1死1,2塁。緩い打球で併殺は無理だったかもしれませんが、一塁は悠々アウトにできたはずの打球がグラブの下を通過する痛恨のエラー。このシーンは、2015年ワールドシリーズのハイライトとして欠かせないものとなりました(関連動画)。
このようにこのポストシーズンではやたらと目立ったのですが、それはかなりの偶然が重なった結果。元々はあまり目立たない俗にいう「いぶし銀」的な選手という印象です。
報道によると、契約内容は3年3750万ドル。オフが始まった当初(ポストシーズンの余韻が冷めない頃)には4年、5000万ドル超といった大型契約を予想する向きもあったことからするとかなりリーズナブルなものとなりました。とはいえ、MurphyはメッツからのQOを蹴っているためドラフト指名権(1順目17位)という大きな代償を払うことになります。Jordan Zimmermann、Ian Desmond(予定)の補償分があるので、今年(全体58位)ほど待つことにはならないと思いますが、少し残念です。ただ、FA補強をしようとすれば避けられないものであり納得できます。
Bryce HarperとDanny Espinosa(両打ち)しか左打者がいなかった打線にバランスが生まれたというのは高ポイント。また、Yunel Escobarをトレードしたことでデプス・チャート的にはTrea Turnerが開幕ショートという布陣になっていましたが、さすがにその状態は脱却できました(Anthony Rendonとポジションが入れ替わる可能性はありますが、いずれにせよ)。いずれTurnerが上がってきたときにも、Murphyが他のポジションをできることが活きますし、このくらいの年俸ならプラトーン(対左投手はEspinosa)とすることも許容できます。なんといっても、ポストシーズンでの活躍、という実績に期待がかかります。
結論、個人的にはかなり好印象の動きです。頑張ってください。
2015/12/17
Prospect Profile #21: Wilmer Difo
[2015年12月最終更新,2015年1月オリジナル]
2015年最初の新規登録、全体第21弾は2014年に彗星のように現れたドミニカ出身の内野手、Wilmer Difoです。
[Player Data]
Name: Wilmer Difo
Position: 2B, SS
Born: April 2, 1992
Birthplace: Santiago, Dominican Republic
School: NA
Height: 6-0
Weight: 175
Bats: Both
Throws: Right
Draft: NA
Acquired: International FA (2010)
BA Organization Rank: 8(2015) ⇒ 6(2016)
BA Overall Rank: NA
[Scouting Report]
打力と走力を兼ね備えた両打ちの内野手。スイングスピードがあり、全方向に強い打球を打てる。パワーについては2014年の数字が出来過ぎで、決して長距離砲ではない。走力については極めて高い評価。2015年には30盗塁で失敗はわずかに2つと高い成功率を誇る。守備は、今のところショートでもセカンドでも合格点を得られているが、そこまで強烈な肩を持っているわけでもないので将来的にはセカンドだろう というのがもっぱらの評。
[Background]
ドミニカ出身で2010年6月に18 歳とドミニカ出身選手としては比較的遅く契約。翌2011年には本土に上陸したものの、ルーキーリーグからPotomac(A+)までチーム事情でたらいまわしにされた2013年の成績は、計61試合に出場して.217/.296/.348、4本塁打、9盗塁とお世辞にもプロスペクトと呼べるようなものではなかった。
ところが、22歳で迎えた2014年に誰も予想していなかった突然の大ブレイク。Hagerstown(A)でフルシーズンを過ごし、136試合で.315/.360/.470、14本塁打、90打点、49盗塁を記録。オールスターはもちろん、South Atlantic LeagueのリーグMVPを受賞。ポストシーズンでも30打数13安打と活躍。12月のルール5ドラフトを前に40人ロースター入りまで実現。一躍トッププロスペクトとなった。
2015年はPotomac(A+)で開幕したものの19試合で.320/.386/.533の好成績を残して早々にHarrisburg(AA)に昇格。さらに好調を続け、5月19日には大抜擢でメジャー昇格、代打で初安打を記録した。その後は、メジャーで故障者が出ると呼ばれ、代打で出場し、故障者が復帰するとAAに戻される日々でやや調子を落としたが、セプテンバーコールアップでもメジャーに合流。10月3日(Max Scherzerが準パーフェクトを達成した試合)には8番セカンドで初先発。ただし、この試合での一塁へのヘッドスライディング(記録は安打)で左手を骨折してしまった。(2016年3月追記:2016年のスプリング・トレーニングには元気に参加。)
[Comment]
まさかのメジャー昇格により、わずか1年でこのリストからの卒業となりました。まだメジャーに定着したというわけではありませんが、足があるので、来季も呼ばれる機会は多いことでしょう。まずはナショナルズで控え内野手として定着し、メジャーリーガーとして花開いて行ってくれることを期待しています。(2015年12月)
2014年に彗星のように現れただけに、すぐに消えてしまうのではないかといぶかる声もありますが、スカウトたちのコメントを読んでいるとホンモノと信じたくなります。まずはスプリングトレーニングでのプレーを楽しみにしましょう(2015年1月)
2015年最初の新規登録、全体第21弾は2014年に彗星のように現れたドミニカ出身の内野手、Wilmer Difoです。
[Player Data]
Name: Wilmer Difo
Position: 2B, SS
Born: April 2, 1992
Birthplace: Santiago, Dominican Republic
School: NA
Height: 6-0
Weight: 175
Bats: Both
Throws: Right
Draft: NA
Acquired: International FA (2010)
BA Organization Rank: 8(2015) ⇒ 6(2016)
BA Overall Rank: NA
[Scouting Report]
打力と走力を兼ね備えた両打ちの内野手。スイングスピードがあり、全方向に強い打球を打てる。パワーについては2014年の数字が出来過ぎで、決して長距離砲ではない。走力については極めて高い評価。2015年には30盗塁で失敗はわずかに2つと高い成功率を誇る。守備は、今のところショートでもセカンドでも合格点を得られているが、そこまで強烈な肩を持っているわけでもないので将来的にはセカンドだろう というのがもっぱらの評。
[Background]
ドミニカ出身で2010年6月に18 歳とドミニカ出身選手としては比較的遅く契約。翌2011年には本土に上陸したものの、ルーキーリーグからPotomac(A+)までチーム事情でたらいまわしにされた2013年の成績は、計61試合に出場して.217/.296/.348、4本塁打、9盗塁とお世辞にもプロスペクトと呼べるようなものではなかった。
ところが、22歳で迎えた2014年に誰も予想していなかった突然の大ブレイク。Hagerstown(A)でフルシーズンを過ごし、136試合で.315/.360/.470、14本塁打、90打点、49盗塁を記録。オールスターはもちろん、South Atlantic LeagueのリーグMVPを受賞。ポストシーズンでも30打数13安打と活躍。12月のルール5ドラフトを前に40人ロースター入りまで実現。一躍トッププロスペクトとなった。
2015年はPotomac(A+)で開幕したものの19試合で.320/.386/.533の好成績を残して早々にHarrisburg(AA)に昇格。さらに好調を続け、5月19日には大抜擢でメジャー昇格、代打で初安打を記録した。その後は、メジャーで故障者が出ると呼ばれ、代打で出場し、故障者が復帰するとAAに戻される日々でやや調子を落としたが、セプテンバーコールアップでもメジャーに合流。10月3日(Max Scherzerが準パーフェクトを達成した試合)には8番セカンドで初先発。ただし、この試合での一塁へのヘッドスライディング(記録は安打)で左手を骨折してしまった。(2016年3月追記:2016年のスプリング・トレーニングには元気に参加。)
[Comment]
まさかのメジャー昇格により、わずか1年でこのリストからの卒業となりました。まだメジャーに定着したというわけではありませんが、足があるので、来季も呼ばれる機会は多いことでしょう。まずはナショナルズで控え内野手として定着し、メジャーリーガーとして花開いて行ってくれることを期待しています。(2015年12月)
2014年に彗星のように現れただけに、すぐに消えてしまうのではないかといぶかる声もありますが、スカウトたちのコメントを読んでいるとホンモノと信じたくなります。まずはスプリングトレーニングでのプレーを楽しみにしましょう(2015年1月)
2015/12/13
2015 シーズンレビュー 5: 開幕前予想の結果
最後は恒例の開幕前のシーズン予想の答え合わせです。意外と悪くなかったなあという印象ですが、ポストシーズン進出予想は派手に外しました。
(青字が開幕前の予想。)
1. 最初にデビューするルーキーはFelipe Rivero
開幕ブルペン入りしたXavier Cedenoでしたが、4月中に3度も打ち込まれDFAされることに(ただし、全体で最初にDFAされるのはJayson Werthの復帰にともなうReed Johnson)。代わって呼ばれることになるのがFelipe Rivero。この後、Matt GraceとMatt Skoleも9月を待たずにメジャーデビューを果たす。
↓
△ 最初にDFAされたのは予想通りXavier Cedenoでしたが、呼ばれたのはRafael Martin。40人ロースターに入っていなかったのでかなり意外でした。Felipe Riveroも4月16日に2番目にデビューしました。
2. Desmondがサイクル安打
5月17日のサンディエゴでのパドレス戦でIan Desmondがサイクル安打を記録。これを含めオールスター前は打撃好調でチームを引っ張り15本塁打に到達。後半戦はやや減速するものの、5年連続の20本塁打以上を記録。ただし、盗塁ペースは落ち、20盗塁に届かず。三振もリーグ最多争い。
↓
× サイクルを記録した選手はなし。Ian Desmondは、打率.233、19本塁打、13盗塁と残念な結果に終わりました。三振数だけは、187でリーグ2位と予想が当たりましたが。。。
3. 三塁手としての最多出場はEscobar
開幕から出遅れたAnthony Rendon。5月末にようやく復帰するもやや精彩を欠き、結果的にはDL入りを繰り返す。最終的にはYunel Escobarが86試合、Rendonが60試合に先発出場。残りはSkole。Escobarは二塁手としての出場も含め、(数字はともかくとして)シーズンを通じてチームに貢献。えっ?Danny Espinosa?
↓
◎ Anthony Rendonの今季初出場は6月4日。しかし、それまでにYunel Escobarが三塁手としての地位を固めていたため、以降のRendonの出場は主に二塁手としてになりました。Escobarは三塁手として134試合に先発(他のポジションでの出場なし)。打撃でも、.314/.375/.415と大いにチームに貢献しました。Danny Espinosaもキャリアを再浮上させるだけの結果は残しています。
4. オールスターにStrasburg、Zimmermann、Ramos、Desmond
前半戦の活躍でDesmondがファン投票での選出。やはり前半戦にチームを引っ張ったWilson Ramosが監督推薦で選出され、投手としてStephen StrasburgとJordan Zimmermannが選ばれる。Strasburgは先発投手を務める。
↓
× 大外れ。オールスターに選出されたのは、Bryce HarperとMax Scherzerの2人だけでした。
5. ラッグディールトレードでSteve PearceとTommy Hunterを獲得
早々に優勝争いから脱落したオリオールズからSteve Pearce外野手とTommy Hunter投手(あるいはBrian Matusz、いやもしかするとDarren O’Dayかも)をトレード獲得。とにかく、何故かこれまでにトレード・パートナーとなったことのないオリオールズと初のトレードが成立。
↓
× (何度も思い出したくもありませんが)フラッグディールトレードで獲得したのはJonathan Papelbon(フィリーズから)だけでした。オリオールズは終盤までポストシーズン争いをしたためトレード相手とはなり得ず。
6. ホールド王はBlake Treinen
セーブ王はDrew Storenで決定。異論の余地なし。問題はTyler Clippardなき後の8回を誰が投げるか。開幕当初はMatt Thorntonが起用されることもあるが、次第にBlake Treinenが存在感を増し、シーズン30ホールドを記録。2位はThornton。ちなみにClippardはアスレティックスのクローザーとしてシーズン39セーブ。
↓
△ スプリングトレーニングでの快投でセットアッパーとして期待されたBlake Treinenでしたが、開幕後は不安定なピッチングで普通の中継ぎに降格。10ホールドでチーム3位に終わりました。ただし、シーズン終盤に評価を回復し、9月に5ホールドを記録しているので来季に期待。チーム最多はMatt Thorntonの18ホールド。セーブ王は、いろいろあったとはいえ、Drew Storen(29セーブ)。Tyler Clippardはアスレティックスではクローザーを務めましたが、夏にメッツにトレードされてからはセットアップに戻り、19セーブ。
7. Michael Taylorが新人王投票で2位
開幕センターを任されたMichael Taylor。開幕から打ちまくるが、4月末にDenard Spanが復帰したところでいったん控えに下がる。しかしながら外野陣に故障が頻発し、結果的には120試合に出場。打率は低く、三振も多いものの、20本塁打、20盗塁を記録し、新人王投票でも2位に入る。ナ・リーグ新人王はDバックスのArchie Bradley投手。
↓
△ Michael Taylorは、出場試合数こそ138試合と予想を上回り、大きなストーリーとしては正解でしたが、その内容は期待に応えたとは言い難いものでした。新人王投票での得票もなし。
8. Max Scherzerがサイヤング賞
Max Scherzerが巨額FA契約を後悔させない活躍。開幕直後は出遅れ、4月は2勝に終わるが、5月は5戦全勝で月間MVP。6月はまたやや勝ち星が伸び悩むが、それ以降は、勝ち星・奪三振を伸ばす。8月後半からシーズン終了まで負けなしでチームを引っ張り、最終成績は21勝、防御率2.55、255奪三振の活躍で、チームメイトのZimmermann、Strasburgを制してサイヤング賞を受賞。
↓
△ サイヤング賞受賞とまでは行きませんでしたが、2度のノーヒッター、5,6月に連続月間MVPと、Max Scherzerの1年目は大型契約を後悔させないものとなりました。ただ、後半は失速。
9. Ryan ZimmermanがリーグMVP投票で3位
チーム野手MVPはRyan Zimmerman。打率3割、30本塁打、100打点。フルシーズン健康に過ごす。前半は目立たないながらも好成績を残す、という程度。8月に月間10本塁打で月間MVP。9月も打ちまくって強烈な印象を残し、リーグMVP投票でも多く得票。3位に入る。どういう事情かはともかくBryce Harperは今季も潜在能力を十分に発揮できず、MVP投票でも得票するものの下位に沈む。リーグMVPはドジャーズで大暴れのYasiel Puig。
↓
× Ryan Zimmermanはまたも故障に見舞われ、残念な結果に終わりました。Bryce HarperがチームMVPどころかリーグMVPまで受賞という予想を上回る活躍。
10. ワールドシリーズ制覇!
4月だけで貯金を10近く溜め込む。その後はやや伸び悩むものの安全圏のリードを保って余裕のシーズン前半を送るが、オールスター前後に失速。2位との差が3ゲーム差まで縮まり、ひやりとさせられるが、8月後半から再加速。勝利数は97。1度も首位を譲ることなく、最終的には2位に13ゲーム差で独走の地区優勝。ディビジョン・シリーズでドジャーズを、リーグ・チャンピオンシップではカージナルスを破って球団初のリーグ優勝。そして、ワールドシリーズでは4勝1敗でエンゼルスを退ける。(完全に前年の予想と同じです(笑)。違いは、地区2位想定がブレーブスではなくマーリンズという点。)
【プレーオフ進出チーム予想】
(ナショナル・リーグ)
東:ナショナルズ
中:カージナルス
西:ドジャーズ
ワイルドカード:①パイレーツ、②パドレス
(アメリカン・リーグ)
東:レッドソックス
中:タイガース
西:マリナーズ
ワイルドカード:①ホワイトソックス、②アスレティックス
↓
× 弁解の余地もないほどの大外れ。ナショナルズの予想だけでなく、地区優勝は2/6、ポストシーズン進出でも3/10、ア・リーグに至ってはポストシーズン進出の全5チームを外しました。
(青字が開幕前の予想。)
1. 最初にデビューするルーキーはFelipe Rivero
開幕ブルペン入りしたXavier Cedenoでしたが、4月中に3度も打ち込まれDFAされることに(ただし、全体で最初にDFAされるのはJayson Werthの復帰にともなうReed Johnson)。代わって呼ばれることになるのがFelipe Rivero。この後、Matt GraceとMatt Skoleも9月を待たずにメジャーデビューを果たす。
↓
△ 最初にDFAされたのは予想通りXavier Cedenoでしたが、呼ばれたのはRafael Martin。40人ロースターに入っていなかったのでかなり意外でした。Felipe Riveroも4月16日に2番目にデビューしました。
2. Desmondがサイクル安打
5月17日のサンディエゴでのパドレス戦でIan Desmondがサイクル安打を記録。これを含めオールスター前は打撃好調でチームを引っ張り15本塁打に到達。後半戦はやや減速するものの、5年連続の20本塁打以上を記録。ただし、盗塁ペースは落ち、20盗塁に届かず。三振もリーグ最多争い。
↓
× サイクルを記録した選手はなし。Ian Desmondは、打率.233、19本塁打、13盗塁と残念な結果に終わりました。三振数だけは、187でリーグ2位と予想が当たりましたが。。。
3. 三塁手としての最多出場はEscobar
開幕から出遅れたAnthony Rendon。5月末にようやく復帰するもやや精彩を欠き、結果的にはDL入りを繰り返す。最終的にはYunel Escobarが86試合、Rendonが60試合に先発出場。残りはSkole。Escobarは二塁手としての出場も含め、(数字はともかくとして)シーズンを通じてチームに貢献。えっ?Danny Espinosa?
↓
◎ Anthony Rendonの今季初出場は6月4日。しかし、それまでにYunel Escobarが三塁手としての地位を固めていたため、以降のRendonの出場は主に二塁手としてになりました。Escobarは三塁手として134試合に先発(他のポジションでの出場なし)。打撃でも、.314/.375/.415と大いにチームに貢献しました。Danny Espinosaもキャリアを再浮上させるだけの結果は残しています。
4. オールスターにStrasburg、Zimmermann、Ramos、Desmond
前半戦の活躍でDesmondがファン投票での選出。やはり前半戦にチームを引っ張ったWilson Ramosが監督推薦で選出され、投手としてStephen StrasburgとJordan Zimmermannが選ばれる。Strasburgは先発投手を務める。
↓
× 大外れ。オールスターに選出されたのは、Bryce HarperとMax Scherzerの2人だけでした。
5. ラッグディールトレードでSteve PearceとTommy Hunterを獲得
早々に優勝争いから脱落したオリオールズからSteve Pearce外野手とTommy Hunter投手(あるいはBrian Matusz、いやもしかするとDarren O’Dayかも)をトレード獲得。とにかく、何故かこれまでにトレード・パートナーとなったことのないオリオールズと初のトレードが成立。
↓
× (何度も思い出したくもありませんが)フラッグディールトレードで獲得したのはJonathan Papelbon(フィリーズから)だけでした。オリオールズは終盤までポストシーズン争いをしたためトレード相手とはなり得ず。
6. ホールド王はBlake Treinen
セーブ王はDrew Storenで決定。異論の余地なし。問題はTyler Clippardなき後の8回を誰が投げるか。開幕当初はMatt Thorntonが起用されることもあるが、次第にBlake Treinenが存在感を増し、シーズン30ホールドを記録。2位はThornton。ちなみにClippardはアスレティックスのクローザーとしてシーズン39セーブ。
↓
△ スプリングトレーニングでの快投でセットアッパーとして期待されたBlake Treinenでしたが、開幕後は不安定なピッチングで普通の中継ぎに降格。10ホールドでチーム3位に終わりました。ただし、シーズン終盤に評価を回復し、9月に5ホールドを記録しているので来季に期待。チーム最多はMatt Thorntonの18ホールド。セーブ王は、いろいろあったとはいえ、Drew Storen(29セーブ)。Tyler Clippardはアスレティックスではクローザーを務めましたが、夏にメッツにトレードされてからはセットアップに戻り、19セーブ。
7. Michael Taylorが新人王投票で2位
開幕センターを任されたMichael Taylor。開幕から打ちまくるが、4月末にDenard Spanが復帰したところでいったん控えに下がる。しかしながら外野陣に故障が頻発し、結果的には120試合に出場。打率は低く、三振も多いものの、20本塁打、20盗塁を記録し、新人王投票でも2位に入る。ナ・リーグ新人王はDバックスのArchie Bradley投手。
↓
△ Michael Taylorは、出場試合数こそ138試合と予想を上回り、大きなストーリーとしては正解でしたが、その内容は期待に応えたとは言い難いものでした。新人王投票での得票もなし。
8. Max Scherzerがサイヤング賞
Max Scherzerが巨額FA契約を後悔させない活躍。開幕直後は出遅れ、4月は2勝に終わるが、5月は5戦全勝で月間MVP。6月はまたやや勝ち星が伸び悩むが、それ以降は、勝ち星・奪三振を伸ばす。8月後半からシーズン終了まで負けなしでチームを引っ張り、最終成績は21勝、防御率2.55、255奪三振の活躍で、チームメイトのZimmermann、Strasburgを制してサイヤング賞を受賞。
↓
△ サイヤング賞受賞とまでは行きませんでしたが、2度のノーヒッター、5,6月に連続月間MVPと、Max Scherzerの1年目は大型契約を後悔させないものとなりました。ただ、後半は失速。
9. Ryan ZimmermanがリーグMVP投票で3位
チーム野手MVPはRyan Zimmerman。打率3割、30本塁打、100打点。フルシーズン健康に過ごす。前半は目立たないながらも好成績を残す、という程度。8月に月間10本塁打で月間MVP。9月も打ちまくって強烈な印象を残し、リーグMVP投票でも多く得票。3位に入る。どういう事情かはともかくBryce Harperは今季も潜在能力を十分に発揮できず、MVP投票でも得票するものの下位に沈む。リーグMVPはドジャーズで大暴れのYasiel Puig。
↓
× Ryan Zimmermanはまたも故障に見舞われ、残念な結果に終わりました。Bryce HarperがチームMVPどころかリーグMVPまで受賞という予想を上回る活躍。
10. ワールドシリーズ制覇!
4月だけで貯金を10近く溜め込む。その後はやや伸び悩むものの安全圏のリードを保って余裕のシーズン前半を送るが、オールスター前後に失速。2位との差が3ゲーム差まで縮まり、ひやりとさせられるが、8月後半から再加速。勝利数は97。1度も首位を譲ることなく、最終的には2位に13ゲーム差で独走の地区優勝。ディビジョン・シリーズでドジャーズを、リーグ・チャンピオンシップではカージナルスを破って球団初のリーグ優勝。そして、ワールドシリーズでは4勝1敗でエンゼルスを退ける。(完全に前年の予想と同じです(笑)。違いは、地区2位想定がブレーブスではなくマーリンズという点。)
【プレーオフ進出チーム予想】
(ナショナル・リーグ)
東:ナショナルズ
中:カージナルス
西:ドジャーズ
ワイルドカード:①パイレーツ、②パドレス
(アメリカン・リーグ)
東:レッドソックス
中:タイガース
西:マリナーズ
ワイルドカード:①ホワイトソックス、②アスレティックス
↓
× 弁解の余地もないほどの大外れ。ナショナルズの予想だけでなく、地区優勝は2/6、ポストシーズン進出でも3/10、ア・リーグに至ってはポストシーズン進出の全5チームを外しました。
2015/12/11
Yunel EscobarとTrevor Gottのトレード
12月10日、ウィンターミーティングの最終日にエンゼルスとの間でトレードが成立しました。Yunel Escobarと150 万ドル(ちなみに、Escobarの来季年俸は700万ドル)をエンゼルスに送り、Trevor Gottとマイナーのベテラン右腕Michael Bradyを受け取りました。
Yunel Escobar (2015 Season for Nationals)
139G 591PA 9HR 56RBI 45BB 70K .314/.375/.415 2SB
33歳の内野手。昨オフ、Tyler Clippardとのトレードでやってきた際には素行面での不安を言われていましたが結果的に大きな問題はなく、上位打線を中心に、時には4番に入って高い打率・出塁率、低い三振率を記録。リーグMVPを獲得したBryce Harperに次ぐ頼りになる打者として貢献してくれました。打撃面ではキャリアベストのシーズンと言っていいでしょう。問題は守備。2014年まではショートでしたが、守備範囲を中心に限界。今春はセカンドへのコンバートが画策されましたが、Anthony Rendonの故障もあって結局はサードでシーズンのほとんどを過ごしました。ただ、サード守備の評価も低く、どうしたものかという感じでした。その点、DHもあるエンゼルスでは活躍のチャンスは広がる思われます(とりあえずセカンドとして使われる見込みのようですが)。比較的安値での保有期間がまだ2年(おそらく行使されるであろう球団有利な内容のオプションを含め)残っていたので惜しい気もしますが、守備の低下から使いにくくなる可能性もあった選手を高値で売り抜けたとも評価できます。
さて、これにより、現時点の布陣は、セカンドDanny Espinosa、サードRendon、ショートTrea Turner、控えWimer Difo、Chris Bostickとなってしまいました。さすがにこのまま開幕を迎えるとは思えません。が、FAで残っている二遊間を守れる選手としては、Ian Desmondを除くと、Howie Kendrick、Daniel Murphy(左)、Alexei Ramirez、Jimmy Rollins(両)くらい。このうちRollinsについては少し噂が出ていましたね。セカンドかショートかは別として、いずれにせよ、Espinosaの存在感が高まりそうです。
そのEscobarを一部のサラリー負担までして放出して獲得したのが次の2投手。
Trevor Gott (2015 Season for Angels)
48G 47.2IP 16BB 27K 3.02/1.24
23歳のブルペン右腕。パドレスの2013年ドラフト6順目。2年目の2014年には早々にAAまで昇格し、その夏にHuston Streetのおまけという感じでエンゼルスにトレード移籍。今季もAAで開幕しましたが、5月にはAAAに昇格。そして6月19日にメジャーデビュー。以降、マイナーに落とされることなく過ごし、次第に重要な場面で起用されることが増え、最終的には14ホールドを記録しました。
大学時代からブルペン一筋。平均96マイルを超える速球を主体としたピッチング。今季のスタッツを見ると、奪三振はそんなに多くなく、ゴロを打たせていますが、マイナーでの奪三振率はかなり高いので、今後、大事な場面で三振が取れる投手に育つことを期待。そうなれば、セットアッパーやクローザーを務められるだけのボールは投げています。四球が少し多いのは気になりますが。保有期間があと6年もある点は魅力ですね。
結果的には、Clippardの残り1年を、Escobarの1年とGottの6年に交換したことになります(とりあえず)。やはり大したGMです。
Michael Brady (2015 Season for AA)
32G(19GS) 119.1IP 12BB 113K 3.77/1.14
2009年ドラフト24順目でマーリンズに入団。大学時代はショートでしたが、プロ2年目の2010年にブルペン投手に転向。AAまでは成績を残しながら順調に昇格し、2013年のルール5ドラフトを前には40人ロースター入りも果たしましたが、翌春のスプリングトレーニング中にウェイバーにかけられたところをエンゼルスがクレームし、移籍となりました。ところがエンゼルスでの1年目となった2014年もAAでは好投したのですが、AAAに上がった途端に激しく打ち込まれ、28歳となった今季はAAでなんと先発に初挑戦していました。基本的にはブルペン投手だと思います。
Yunel Escobar (2015 Season for Nationals)
139G 591PA 9HR 56RBI 45BB 70K .314/.375/.415 2SB
33歳の内野手。昨オフ、Tyler Clippardとのトレードでやってきた際には素行面での不安を言われていましたが結果的に大きな問題はなく、上位打線を中心に、時には4番に入って高い打率・出塁率、低い三振率を記録。リーグMVPを獲得したBryce Harperに次ぐ頼りになる打者として貢献してくれました。打撃面ではキャリアベストのシーズンと言っていいでしょう。問題は守備。2014年まではショートでしたが、守備範囲を中心に限界。今春はセカンドへのコンバートが画策されましたが、Anthony Rendonの故障もあって結局はサードでシーズンのほとんどを過ごしました。ただ、サード守備の評価も低く、どうしたものかという感じでした。その点、DHもあるエンゼルスでは活躍のチャンスは広がる思われます(とりあえずセカンドとして使われる見込みのようですが)。比較的安値での保有期間がまだ2年(おそらく行使されるであろう球団有利な内容のオプションを含め)残っていたので惜しい気もしますが、守備の低下から使いにくくなる可能性もあった選手を高値で売り抜けたとも評価できます。
さて、これにより、現時点の布陣は、セカンドDanny Espinosa、サードRendon、ショートTrea Turner、控えWimer Difo、Chris Bostickとなってしまいました。さすがにこのまま開幕を迎えるとは思えません。が、FAで残っている二遊間を守れる選手としては、Ian Desmondを除くと、Howie Kendrick、Daniel Murphy(左)、Alexei Ramirez、Jimmy Rollins(両)くらい。このうちRollinsについては少し噂が出ていましたね。セカンドかショートかは別として、いずれにせよ、Espinosaの存在感が高まりそうです。
そのEscobarを一部のサラリー負担までして放出して獲得したのが次の2投手。
Trevor Gott (2015 Season for Angels)
48G 47.2IP 16BB 27K 3.02/1.24
23歳のブルペン右腕。パドレスの2013年ドラフト6順目。2年目の2014年には早々にAAまで昇格し、その夏にHuston Streetのおまけという感じでエンゼルスにトレード移籍。今季もAAで開幕しましたが、5月にはAAAに昇格。そして6月19日にメジャーデビュー。以降、マイナーに落とされることなく過ごし、次第に重要な場面で起用されることが増え、最終的には14ホールドを記録しました。
大学時代からブルペン一筋。平均96マイルを超える速球を主体としたピッチング。今季のスタッツを見ると、奪三振はそんなに多くなく、ゴロを打たせていますが、マイナーでの奪三振率はかなり高いので、今後、大事な場面で三振が取れる投手に育つことを期待。そうなれば、セットアッパーやクローザーを務められるだけのボールは投げています。四球が少し多いのは気になりますが。保有期間があと6年もある点は魅力ですね。
結果的には、Clippardの残り1年を、Escobarの1年とGottの6年に交換したことになります(とりあえず)。やはり大したGMです。
Michael Brady (2015 Season for AA)
32G(19GS) 119.1IP 12BB 113K 3.77/1.14
2009年ドラフト24順目でマーリンズに入団。大学時代はショートでしたが、プロ2年目の2010年にブルペン投手に転向。AAまでは成績を残しながら順調に昇格し、2013年のルール5ドラフトを前には40人ロースター入りも果たしましたが、翌春のスプリングトレーニング中にウェイバーにかけられたところをエンゼルスがクレームし、移籍となりました。ところがエンゼルスでの1年目となった2014年もAAでは好投したのですが、AAAに上がった途端に激しく打ち込まれ、28歳となった今季はAAでなんと先発に初挑戦していました。基本的にはブルペン投手だと思います。
2015 シーズンレビュー 4: 野手MVP: Bryce Harper
G
|
PA
|
R
|
HR
|
RBI
|
BB
|
SO
|
BA
|
OBP
|
SLG
|
SB
|
|
Wilson Ramos
|
128
|
504
|
41
|
15
|
68
|
21
|
101
|
.229
|
.258
|
.358
|
0
|
Jose Lobaton
|
44
|
155
|
11
|
3
|
20
|
15
|
40
|
.199
|
.279
|
.294
|
0
|
Ryan Zimmerman
|
95
|
390
|
43
|
16
|
73
|
33
|
79
|
.249
|
.308
|
.465
|
1
|
Danny Espinosa
|
118
|
412
|
59
|
13
|
37
|
33
|
106
|
.240
|
.311
|
.409
|
5
|
Ian Desmond
|
156
|
641
|
69
|
19
|
62
|
45
|
187
|
.233
|
.290
|
.384
|
13
|
Yunel Escobar
|
139
|
591
|
75
|
9
|
56
|
45
|
70
|
.314
|
.375
|
.415
|
2
|
Jayson Werth
|
88
|
378
|
51
|
12
|
42
|
38
|
84
|
.221
|
.302
|
.384
|
0
|
Michael Taylor
|
138
|
511
|
49
|
14
|
63
|
35
|
158
|
.229
|
.282
|
.358
|
16
|
Bryce Harper
|
153
|
654
|
118
|
42
|
99
|
124
|
131
|
.330
|
.460
|
.649
|
6
|
Anthony Rendon
|
80
|
355
|
43
|
5
|
25
|
36
|
70
|
.264
|
.344
|
.363
|
1
|
Clint Robinson
|
126
|
352
|
44
|
10
|
34
|
37
|
52
|
.272
|
.358
|
.424
|
0
|
Denard Span
|
61
|
275
|
38
|
5
|
22
|
25
|
26
|
.301
|
.365
|
.431
|
11
|
Tyler Moore
|
97
|
200
|
14
|
6
|
27
|
11
|
45
|
.203
|
.250
|
.364
|
0
|
Matt den Dekker
|
55
|
110
|
12
|
5
|
12
|
9
|
20
|
.253
|
.315
|
.485
|
0
|
規定打席に到達したのは、Bryce Harper、Ian Desmond、Yunel Escobar、Michael Taylor、Wilson Ramosの5人でした。人数だけ見ると例年並みですが、達したうちの3人が打率.230前後でしたから、内容としてはかなり寂しい。。。
【捕手】
メジャー6年目で初めて大きな故障なくシーズンを過ごし、自己最多の128試合に出場したRamosでしたが、残った成績は残念。5月20日までは打率3割を上回っていたものの、次第に調子を落とし、後半戦の打率は2割にさえ届かず。疲れですかね。ある種の限界が見えたシーズンとなってしまいました。バックアップのJose Lobatonも惨憺たる打撃成績。
【内野手】
今季から本格的にファーストにコンバートされたRyan Zimmermanが92試合に先発出場しましたが、またも故障で100試合に達しませんでした。守備も平均以下という評価で、打撃に至ってはキャリア最低の成績。9月に通算200号(もちろんナショナルズの球団記録)に達したのが唯一の明るい話題でした。そのZimmermanが離脱していた間に最も出場機会を得たClint Robinsonについては新人王の記事をご覧ください。
「今年も」セカンドとしての最多先発は74試合のDanny Espinosaでした。開幕前はEscobarが守る構想でしたが、Anthony Rendonが故障で出遅れた間にEscobarがサードに定着し、Rendonは復帰した後もセカンドに入り、54試合に先発しました。Espinosaの守備は相変わらず素晴らしく、Fangraphsではゴールドグラブに値するとの記事も出ていました。打撃でも三振を減らしつつ打率・出塁率・長打力をかなり戻し、控え内野手としては十分な結果を残しました。Rendonはまたも故障に泣くことになりました。
三塁手はシーズンを通じてEscobarが務め、リーグ6位の打率などキャリア・ベストと言っていい打撃成績を残し、いい意味で期待を裏切ってくれました。もっとも、三塁守備はかなり評価が低く、来季チームに残るとしても三塁手のポジションはRendonに譲ることになると言われています。
ショートはFA前最終年となったDesmondがほぼフル出場。ただ、結果は微妙。開幕からしばらくの間は今年も守備が乱れに乱れ、開幕戦を含め何試合かは彼のエラーで落としました。さらに、打撃もシーズンを通じて調子が上がらず、3年続けていた20本塁打、20盗塁にいずれも届きませんでした。
【外野手】
2013年からセンターのレギュラーとして活躍してきたDenard Span。2年連続でほぼフル出場を果たしていたのに、よりによって大事なFA前の最終年に相次ぐ故障に見舞われて61試合の出場に終わり、大きく株を下げて市場に出ることになってしまいました。打率3割をクリア、盗塁もしっかり稼ぎ、センター守備はゴールドグラブ級。出場することさえできれば結果は残せるのに・・・。Spanの穴を埋め、89試合に先発したのがTaylorでしたが、完全にレギュラーを奪ったというには遠い内容でした(新人王の記事をどうぞ)。
スプリングトレーニングの1つの話題が、Jayson WerthとHarperのポジションチェンジでした。昨季後半にライトの守備に明らかな衰えが見えたWerthがレフトに移りましたが、レフトでも平均をかなり下回る守備力と評価される始末。そもそも故障もあって88試合にしか出場できず、この打撃成績。7年契約の5年目にしていよいよ不良債権化が現実のものとなってきました。織り込み済みですから、非難するつもりはありません。ただ、来季のレギュラーとして期待するのは止めまましょう。Werthの不在により、Taylor(32試合)、Robinson(26試合)、Matt den Dekker(15試合)、Tyler Moore(13試合)が先発。代打陣ではden Dekkerの頑張りが目立ちました。特に意外なパンチ力は魅力です。
締めくくりはBryce Harper。これまで、小さな故障も重なり、期待に応えられてきませんでしたが(期待が大き過ぎただけで、年齢を考えれば十二分な成績だったとも言えますが)、メジャー4年目の今季は自身最多の153試合に出場し、大ブレイクしました。数字を振り返ってみると、118得点、42本塁打はリーグトップ。打率こそ最終戦でDee Gordonに抜かれましたが、出塁率、長打率もリーグトップ。出塁率と長打率を足したOPSの1.109は、2位Paul Goldschmidtの1.005に圧倒的な差を付けての独走で、一時期のBarry Bondsにも匹敵するような図抜けた存在になっています。最も打率が低かった月でも4月の.286で、5月以降は毎月3割以上を記録していたことが示すように、シーズンを通じて大きなスランプの時期がなかったという点も特筆すべきかと思います。そんな中、5月は月間13本塁打と大爆発して月間MVPを受賞。逆に、8月だけは月間2本塁打と長打は影を潜めましたが、四球数が急増し、出塁率は.460と高い数字を残しました。守備面でも大きく成長し、ライトとしてゴールドグラブ賞の最終3人の候補にノミネートされました(Fangraphsなどのアドバンス指標では必ずしも評価されていませんが)。シーズン終了後には、シルバースラッガー賞、そして、ナ・リーグMVPを受賞。名実ともにスーパースターとなりました。
【チーム野手MVP】 Bryce Harper
当然。
2015/12/08
2015 シーズンレビュー 3: 投手MVP: Max Scherzer
【先発】
(*は左投手)
W
|
L
|
GS
|
CG
|
IP
|
SO
|
ERA
|
WHIP
|
HR/9
|
K/9
|
K/BB
|
|
Max Scherzer
|
14
|
12
|
33
|
4
|
228.2
|
276
|
2.79
|
0.92
|
1.06
|
10.86
|
8.12
|
Jordan Zimmermann
|
13
|
10
|
33
|
0
|
201.2
|
164
|
3.66
|
1.20
|
1.07
|
7.32
|
4.21
|
Gio Gonzalez
|
11
|
8
|
31
|
0
|
175.2
|
169
|
3.79
|
1.42
|
0.41
|
8.66
|
2.45
|
Stephen Strasburg
|
11
|
7
|
23
|
0
|
127.1
|
155
|
3.46
|
1.11
|
0.99
|
10.96
|
5.96
|
Doug Fister
|
5
|
7
|
15
|
0
|
103.0
|
63
|
4.19
|
1.40
|
1.22
|
5.50
|
2.63
|
Joe Ross
|
5
|
5
|
13
|
0
|
76.2
|
69
|
3.64
|
1.11
|
0.82
|
8.10
|
3.29
|
Tanner Roark
|
4
|
7
|
12
|
0
|
111.0
|
70
|
4.38
|
1.31
|
1.38
|
5.68
|
2.69
|
開幕前には30球団最強と評されたローテーションでしたが、期待されたほどの結果は残せませんでした。
何と言っても痛かったのは、Stephen Strasburgの前半戦の不振。5月を終えた時点で10試合に先発して、3勝5敗、防御率6.55は規定投球回数に達している投手でワースト1,2を争う数字でした。2度のDL入りの後8月に復帰してからシーズン終了までの10試合は6勝2敗、防御率1.90。奪三振率も高いので、来季に向けて不安はありませんが、今季もチームMVPを得ることはできませんでした。FA前最終年となる来季こそは有終の美を飾ってほしい(もちろん、もっと長くナショナルズのユニフォームを着て欲しいのは山々ですが)。
Strasburgよりもっと残念だったのがDoug Fister。開幕から大不振で、途中DL入りもあり、結局8月上旬にブルペンに降格となりました。それでも、2014年の活躍があったのであのトレードは成功だったと評価しています。
StrasburgとFisterのDL入りに伴い、最初にA.J. Cole(4月28日)、次いでTaylor Jordan(6月3日)に機会が与えられましたが、いずれも打ち込まれ、6月6日にはAAからJoe Rossが呼ばれることになりました(Rossについては、先日の新人王の記事を参照ください。)。
チーム事情から5月後半から6月にかけてと9月にTanner Roarkが先発を務めましたが、ブルペンと行ったり来たりで調整に苦しみました。2014年に先発投手としてあれだけの好成績を残した投手。来季は先発として開幕から使えば結果を残すはず。
結局、シーズンを通じてローテーションを守ったのは3人でしたが、うち、Jordan ZimmermannとGio Gonzalezの2人は前年を下回る結果となりました。2009年のデビュー以来在籍7年のZimmermannはFA退団(既にタイガースと契約済み)。先発登板、投球イニング、勝利、完投、完封、奪三振(903。901のStrasburgと僅差ですが)と多くの積み上げ系の投手成績で球団記録を打ち立てての退団となりました。Gioは良かったり悪かったりと波のあるいつものGioでした(笑)。
そして、Max Scherzer。ナショナルズのユニフォームを着てのデビュー戦となった開幕戦では味方守備に足を引っ張られて自責点0で敗戦投手となりましたが、これで調子を崩すことはなく、5月は、6戦全てで7回以上を投げて5勝し、リーグ月間MVPを受賞。6月も、1安打16奪三振での完封勝利と準完全試合を続けて記録する圧倒的なピッチングでまたも月間MVP。前半終了時点では、サイヤング賞争いでトップに立っていたと言ってもいいでしょう。後半戦はやや勢いを失い、チームの優勝争いからの脱落を止めることはできませんでした、10月3日の自身最終戦で今季2度のノーヒッター(17奪三振)を記録して締めくくりました。シーズン終了後のサイヤング賞投票でも5位。超大型契約でFA加入した1年目でプレッシャーも大きかったはずですが、期待に十分に応えてくれました。
【ブルペン】
SV
|
HD
|
G
|
GF
|
IP
|
SO
|
ERA
|
WHIP
|
HR/9
|
K/9
|
K/BB
|
|
Drew Storen
|
29
|
5
|
58
|
35
|
55.0
|
67
|
3.44
|
1.11
|
0.65
|
10.96
|
4.19
|
Matt Thornton*
|
0
|
18
|
60
|
12
|
41.1
|
23
|
2.18
|
1.06
|
0.44
|
5.01
|
2.09
|
Casey Janssen
|
0
|
13
|
48
|
12
|
40.0
|
27
|
4.95
|
1.15
|
1.13
|
6.08
|
3.39
|
Blake Treinen
|
0
|
10
|
60
|
17
|
67.2
|
65
|
3.86
|
1.39
|
0.53
|
8.65
|
2.03
|
Aaron Barrett
|
0
|
10
|
40
|
8
|
29.1
|
35
|
4.60
|
1.19
|
0.31
|
10.74
|
5.00
|
Felipe Rivero*
|
2
|
6
|
49
|
17
|
48.1
|
43
|
2.79
|
0.95
|
0.37
|
8.01
|
3.91
|
Jonathan Papelbon
|
7
|
0
|
22
|
17
|
23.2
|
16
|
3.04
|
1.10
|
1.52
|
6.08
|
4.00
|
開幕からクローザーとして起用されたDrew Storen。昨年のNLDS第2戦でのセーブ失敗を引きずることなく、「あの日」までの31回のセーブ機会のうち29回で成功。防御率1.73、相手打者を.212/.271/.250に抑え込む素晴らしいピッチングを続け、オールスターに選出されなかったことを疑問視する論争さえありました。「あの日」、7月28日までは。以降は20試合に登板して、防御率6.75。最後は、打ち込まれた後のロッカーで荒れて負傷してシーズン終了。絶対にStorenは悪くない。
その、Storenに代わるクローザーとして迎えられたJonathan Papelbonについては、もう多くを語りたくありません。一日も早くチームを去ってくれることを願います。
チーム最多登板はともに60試合のMatt ThorntonとBlake Treinenの2人。Thorntonは対左打者を中心に好投し、ブルペン投手陣で最も低い防御率を記録。Treinenはブルペン投手で最多のイニングを投げてくれました。開幕時に期待されたセットアッパーとして一度は失敗しましたが、マイナーでの再調整後、シーズン終盤には再びホールドの付く場面で起用され、結果を残しました。Aaron Barrettは今季も重宝しましたが、TJ手術で8月にシーズン終了。来季も全休する可能性大ですが、能力はある投手。復活が待たれます。
Feilpe Riveroについては先日の新人王の記事で書いたので省略。
【チーム投手MVP】 Max Scherzer
心情的にはStorenを推したいくらいですが、まあ、異論の余地はないでしょう。
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