2019/05/30

2019年ドラフトに向けて①指名制度

6月3日から始まるMLBドラフトに向けて、3回に分けて記事を書こうと思います。初回は、指名順位がどのように決まるかという制度の簡単な説明です。この後、ナショナルズの指名順、そしてナショナルズが1順目で指名するかもしれない候補について書いてみようかと思っています。

第1回は、(詳しい方には申し訳ないのですが)今回はMLBドラフトの指名順の説明です。MLBでは基本的に前年の勝率下位から順に指名していきます(いわゆるウェーバー制)。NPBは1順目は抽選制で2順目以降はウェーバー制ですが、MLBかは1順目から全てウェーバー制。ウェーバー制は負ければ負けるほど翌年のドラフト指名順位が上がる結果をもたらすため、シーズン終盤には、いやシーズンが始まる前から、勝つことを放棄したようなチームが出現します(ドラフト上位指名権を使ってプロスペクトをため込むことから、tankingと呼ばれたりします)。もちろん選手個々人は自身の将来がかかっているため精いっぱいプレーします。したがってtankingはむしろチームを編成する誤ったインセンティブといえるかもしれません。長らく疑問は提起されていますが、1965年にドラフト制度が始まってから変わっていないため、変更が真剣に検討された形跡はありません。

そしてtankingといえば、ナショナルズがその代表例と言われることもあります。2008年、2009年と連続して30球団中30位を記録して、それぞれ翌年に全体1位指名権を獲得。そうして指名・獲得した選手(名前は言わずもがなですね)により、2012年からの強豪チームへと生まれ変わったわけです。結局ポストシーズンでは勝てませんでしたが。ご参考がてら、旧ブログの当時の記事をご覧ください(2008年シーズン2009年シーズン。必ずしも時系列に並んでくれないのはご容赦ください)。

話を元に戻します。

MLBドラフトは、基本的にウェーバー制をとっています。その上で、詳細は書きませんが、前年ドラフトで指名したものの契約できなかった選手分の追加指名権、Qualifying Offerを拒否したFA選手が他球団と契約した場合の補償指名権、QOを拒否したFA選手と契約したことによる指名権の喪失、市場規模の小さな球団への追加指名権(この追加指名権だけは球団間でトレード可能)といった修正が加わり、指名順が決定されていきます。

だいぶ長くなりましたので、今回はここまで。次回は今年の指名順について書くことにします。


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5/28 W5-4@ATL Doolittle 10セーブ到達
5/29 W14-4@ATL 打線爆発, Sanchezようやく1勝目
Season 24-32; 4th in Division (9.5 GB PHI)

ブレーブスとの今年最初の2試合を連勝。2戦目では初回、2回で8点を奪うスタートダッシュでILから復帰したばかりのAnibal  Sanchezをしっかり援護。Sanchezも6回1安打無失点の好投で応え、ようやく今季1勝目。スケジュールが楽なのでしばらくは白星が増えるかもしれませんね。

2019/05/29

ロースター異動まとめ(2019年5月)

5/4 Juan SotoがIL入り, Andrew Stevensonが昇格
5/5 Matt AdamsがIL入り, Jake Nollが昇格
5/7 Anthony RendonがILから復帰, Carter KieboomをAAAにオプション, Tony SippがIL入り, Erick Feddeが再昇格
5/9 Gerardo ParraとFA契約, Andrew StevensonがIL入り, Jimmy CorderoをDFA
5/11 Juan Sotoが復帰, Jake NollをAAAにオプション
5/17 Trea Turnerが復帰, Wilmer DifoをAAAにオプション, Anibal SanchezがIL入り, Kyle McGowinが今季初昇格
5/18 Justin MillerがIL入り, Tanner Raineyが昇格
5/20 Tony SippがILから復帰, Dan JenningsをDFA
5/20 Javy Guerraをウェイバークレームで獲得
5/21 Javy Guerraが25人ロースター入り, Jeremy HellicksonがILへ
5/22 Matt Adamsが復帰, Adrian Sanchezをオプション
5/25 James Bourqueがメジャー初昇格, Joe Rossをオプション
5/29 Anibal Sanchezが復帰, James Bourqueをオプション

2019/05/28

プロスペクト近況(2019年5月)その他の投手

プロスペクトの近況シリーズの第4回、とりあえずの最終回はMy Top 10 Prospects以外の投手で好成績を残している投手たちです。残念ながら野手ほどには多くありません。(成績はいずれも5月27日終了時点)。

[AAA: Fresno]
該当者なし。

[AA: Harrisburg]

Jackson Tetreault, RHSP
A+: 4G 22.0IP 1.23/0.909 17K
AA: 5G 25.0IP 4.68/1.680 16K
2017年ドラフト17順目で入団。昨年はHagerstown(A)で開幕して、シーズン途中にPotomac(A+)へ昇格。今季はPotomacで開幕し、4試合に先発して好成績を残したところでHarrisburg(AA)へと順調にステップアップ。昇格後はやや苦しんでいるが、この後に期待したい。

Ben Braymer, LHSP
9G 54.2IP 2.63/0.933 45K
25歳なのでプロスペクトと呼んでいいかどうかぎりぎりのところに差し掛かっていますが、頑張っているので紹介しておきます。2016年ドラフト16順目なので、入団4年目。昨シーズン前半にHagerstown(A)でブルペン投手として好投して頭角を現し、Potomac(A+)へ昇格した後の6月下旬から先発に転向。アリゾナ秋季リーグへの派遣を経て、今季はHarrisburg(AA)で開幕ローテーションに入り、そのまま好投を続けている。

[A+: Potomac]
該当者なし。

[A: Hagerstown]

Joan Adon, RHSP
9G 44.2 3.02/1.276 39K
My Top 10 Prospectsに入れるかどうか迷った選手。ドミニカ出身でLuis Garcia、Israel Pinedaなどと同じ2016年7月に国際FAとして契約した1人。2018年はGCLで開幕して好投し、シーズン途中にAuburn(SS)に昇格したが、そこでは苦しんだ。しかも全てリリーフとして登板。にもかかわらず今季はHagerstown(A)で、しかも先発として起用され、上記の結果を残しており、期待が高まっています。


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ナショナルズの試合結果です。

マーリンズとの4連戦の最初の3つを勝って今季初の3連勝。嬉しいという気持ちもちょっとはありますが、Martinez監督を解任する好機を逃してしまって残念という気持ちのほうが強いかな。新監督の下で3連勝したのなら、さあこれからだ!という気持ちにも慣れたのですが。

5/26 W9-6 Marlins Fedde 5回無失点で1勝目
5/27 L2-3 Marlins Scherzer 6回1失点, 勝ち越しタイムリー でも
Season 22-32; 4th in Division (9.5 GB PHI)

そろそろ6月に入りますので、次はドラフトの話題に取り組もうかと思います。

2019/05/25

5/25 Patrick Corbin 完封

W5-0 Marlins (Season 21-31)
Corbin(W5-2) 9.0IP 4H 1BB 5K
Gomes 1/2 double 2BB 3RBI
Soto 2/4 R RBI

たまにはこういう試合もあります、という感じの試合。

前回登板こそ今一つでしたが、今季のローテーションで最も安定していたPatrick Corbin。この日は、どん底のチーム状態の中で久しぶりにファンが嬉しくなる投球をしてくれました。被安打4、与四球1、奪三振こそCorbinにしては少ない5つだけでしたが、それだけ打たせて取るピッチングが出きていたという証左。116球で9イニングを無失点で投げ切りました。初回、2回はランナーを出しましたが、いずれも併殺。3回から7回は全く危なげなし。最大のピンチだった8回表無死1,2塁でも併殺を打たせ、2死3塁を空振り三振で切り抜けると、9回はあっさり三者凡退。最大の武器はやはりカーブ。空振りこそ少なかったもののマーリンズの打者たちは軒並みバランスを崩していました。

Corbin自身にとってナショナルズでは初、通算2度目。ナショナルズのチームにとっては今季初の完封勝利。

バックもよく盛り立てました。守備は、きっちり3つの併殺を決めたのみならず、特にサードのAnthony Rendonは難しいゴロを華麗にさばいていました。打線も、4回に4安打を集中し、Yan Gomesのライト線への走者一掃タイムリー二塁打などで5点を奪いました。

久しぶりに気持ちの良い試合をみました。盗塁なし、選手交代なし、送りバントなし(一度だけサインを出したCorbinの打席はスリーバント失敗)。監督・ベンチが何もしなければいい試合になるということですね。興味深い。

MVP: Patrick Corbin

プロスペクト近況(2019年5月)Top 10 Prospects Pitchers

シリーズ第3回はTop 10 Prospectsの投手陣です。とは言っても、2人は6月に始まるルーキーレベルのチームに参加するようなので、3人だけですが。(成績はいずれも5月22日終了時点)。

Wil Crowe
AA: 9G 50.0IP 3.24/1.180 47K
Harrisburgのローテーションで開幕すると4月の5試合で防御率0.96という好スタートを切りました。5月に入ってからは4試合で防御率6.14と当初の勢いは失われていますが、どこかで立て直してもらいたい。この春にはメジャーのスプリングトレーニングにも呼ばれていたので、今のひどいナショナルズの状況が続けば意外と早くメジャーデビューのチャンスもあるかもしれないのだから。

Malvin Pena
A+: 8G 33.0IP 8.73/1.636 34K
開幕から8試合、ローテーションを任されていますが、なかなか試合を作ることができていません。奪三振数はイニング数とほぼ同じのいいペースですが、打たれています。四球を連発して、という形ではないことはいいことなのか。

Tim Cate
A: 9GS 51.1IP 2.63/0.994 55K
昨年は契約後にルーキーレベルで投げてパッとしませんでしたが、Hagerstown(A)のローテーションで迎えた今シーズンは開幕から好投を続けています。奪三振もイニング数を上回るペースで記録しており、期待感が高まる内容。シーズン後半にはPotomac(A+)への昇格もあるかもしれません。

Reid Schaller
まだ登板機会なし。

Mason Denaburg
まだ登板機会なし。

次回は上記以外の頑張っている投手を紹介していきます。とはいえ、打者ほど数は多くない見込みです。

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ところで、ナショナルズの結果。

メッツには3戦スウィープを喫したのかと思っていたら4戦目もあり、そして当然のようにブルペンが打たれての逆転負け。それでもMartinez監督は代えません。あきれかえります。マーリンズとの初戦には勝ちましたが、実にひどい試合でした。

5/23 L4-6@NYM Strasburg 7回自責点2でもこれだけミスしたら
5/24 W10-12 Marlins ひどい内容の試合でしたが、5連敗でストップ
Season 20-31; 4th in Division (10.0 GB PHI)

2019/05/23

プロスペクト近況(2019年5月)その他の打者

プロスペクトの近況レポートの第2回は、My Top 10 Prospectsに選んだ5人以外で頑張っている打者を紹介していきます。

が、その前に試合結果。

このシリーズ前にマーリンズにスウィープを喫し、監督解任の寸前だったメッツ相手によくこれだけ負けられますね。終盤のブルペン起用法は相変わらず見事です(特に21日のTanner Raineyの使い方)。

5/20 L3-5@NYM 相変わらずミス連発の終盤
5/21 L5-6x@NYM 今季初先発のFedde 5回1失点の好投
5/22 L1-6@NYM Scherzer 6回無失点の好投
Season 19-30; 4th in Division (9.0 GB PHI)

閑話休題。

マイナーリーグのチームごとに目立つ活躍をしているプロスペクトを紹介していきます。(成績は、5月22日終了時点)

[AAA: Fresno]

Jacob Wilson, UT
179PA .329/.407/.684 14HR 42RBI 1SB
28歳のユーティリティなのでプロスペクトと呼ぶにはややとうが立っていますが、これだけ活躍しているのだから紹介せざるをえないでしょう(笑)。2012年ドラフト10順目でカージナルスに入団。もともとはセカンドでしたがサード、ファーストに加えて外野も守っています。パンチ力もそこそこあり、ゆっくりとながらAAAまで昇格したところで、2017年12月のルール5ドラフトを前にプロテクトから漏れ、ナショナルズが指名しました(AAAフェーズのためメジャー帯同は必要なし)。2018年はHarrisburg(AA)とSyracuse(AAA)で可もなく不可もなしという成績でしたが、今年は4月だけ10本塁打といきなり覚醒。Pacific Leagueはホームランが出やすいことで有名ですが、それにしても現時点でリーグ4位の本塁打数は驚き。メジャーデビューのチャンスを与えてあげたい選手です。

Yadiel Hernandez, OF
155PA .323/.419/.609 11HR 3SB
キューバ出身の31歳の左打ちの外野手。近年のナショナルズはキューバ出身選手にはほとんど関心を示していませんが、20万ドルと比較的安く済んだこともあり2016年9月にマイナー契約。背は低くパワーはあまりないが、打率・出塁率が高くて小技もできるというタイプ。2014年にはキューバのリーグでゴールドグラブ賞に相当する守備の賞も受賞している。入団時で既に28歳だったこともあり、最初からAAでプレー、その後AAAでもプレーして常に結果を残してきている。年齢も年齢なので一度メジャーに上げてみたらどうかという声が、Juan Sotoが離脱している間にファンの間でかなり上がっていました。機会は訪れるでしょうか。

[AA: Harrisburg]

Rhett Wiseman, OF
157PA .261/.338/.558 11HR 5SB
ヴァンダービルド大から2015年のドラフト3順目で入団した左打ちの外野手。ゆっくりとだが着実にステップアップし、昨季はPotomac(A+)で.253/.361/.484、13本塁打を残し、シーズン終了後のリーグのオールスターに選出されるなど、ブレイクの兆しを見せていた。今季は開幕から打ちまくり、Eastern Leagueで4月第1週の週間MVP、そして4月の月間MVPを受賞。ここまでの11本塁打はリーグ2位とパワーが付いてきているのは頼もしい。高校時代から評価されていた才能がいよいよ開花するか?

Drew Ward, 3B
142PA .315/.373/.622 8HR 0SB
当ブログではドラフト翌年の2014年のMy Top 10 Prospectなどで古くからフィーチャーしてきた選手。経歴などは2017年9月更新のProspect Profileシリーズの記事をご参照ください。昨年はシーズンのほとんどをHarrisbur(AA)で過ごし、.259/.376/.456、13本塁打というしっかりした成績を残しましたが、プロ7年目となる今年も開幕はAA。とはいえ、まだ24歳なのでリーグ平均より若かったりします。ゆっくりながら着実にステップアップしているので、このまま成長していけば秋にはメジャーデビューも現実味を帯びてきそうです。

Tres Barrera, C
123PA .313/.374/.446 2HR 1SB
2016年ドラフト6順目で入団。以来、順調にステップアップし、昨年はPotomac(A+)のレギュラー捕手としてプレーし、夏のオールスターに選出されると、アリゾナ秋季リーグに派遣され、さらにこの春にはメジャーのスプリングトレーニングにも呼ばれるなど、期待されていることが伝わってくる捕手。My Top 10 Prospectにいれるかどうか迷った一人でした。

[A+: Potomac]

KJ Harrison, 1B
A: 66PA .404/.485/.649 2HR 0SB
A+: 96PA .310/.365/.471 2HR 1SB
昨夏のGio Gonzalezのトレードで獲得した右打ちの一塁手(経歴などについてはトレード時の記事をごらんください。リンク先の一番下)。今季はHagerstown(A)で開幕しましたが、16試合で打ちまくって早々に昇格。その後もコンスタントに結果を残しています。元々は捕手でしたが、今季はファースト、レフト、DHとしての出場のみ。打撃一本で勝負するということでしょう。

[A: Hagerstown]

Gilbert Lara, SS
190PA .283/.321/.456 7HR 2SB
こちらもGio Gonzalezのトレードで獲得したもう1人の選手。昨夏の時点ではパワーもスピードも目立たないと書きましたが、今季はここまでチームトップ、リーグでも5位にあたる本塁打数を記録するなど大いに目立っています。ショートを守りながらのこの数字は期待感を抱かせます。

Justin Connell, OF
135PA .286/.383/.366 1HR 0SB
この選手もMy Top 10 Prospectに入れるかどうか最後まで迷った選手。2017年ドラフト11順目で高卒入団(同ドラフトでナショナルズが指名した高卒選手では最も早い指名)。2年目の昨季はAuburn(SS)まで昇格したものの苦労していましたが、それでも20歳の今季はHagerstown(A)で開幕。当初は下位を打っていましたが、結果を残して打順も次第に上がってきました。まだ20歳になったばかり。先が楽しみです。

次回はTop 10 Prospectsの投手を予定しています。

2019/05/20

プロスペクト近況(2019年5月)Top 10 Prospects Hitters

予告通りプロスペクトの近況をレポートしていきますが、まずはMy Top 10 Prospectsに選んだ打者から。この後、その他の打者、Top 10 Prospectsの投手、その他の投手の順で予定しています。

まず最初は、今年のMy Top 10 Prospectsに選んだ打者の近況報告です(成績はいずれも5月19日終了時点)。

が、その前にナショナルズの試合結果を書いておきます。

5/18 W5-2 Cubs Strasburgが8回自責点1の好投で4勝目
5/19 L5-6 Cubs Rendonの3ランなどで追い上げも届かず
Season 19-27; 4th in Division (8.0 GB PHI)

では本題。

Carter Kieboom
MLB: 43PA .128/.209/.282 2HR 0SB
AAA: 122PA .357/.484/.653 6HR 2SB
Fresno(AAA)で開幕。開幕戦こそ5打席凡退でしたが、その後はロケットスタート。19試合を終えた時点で.382/.500/.676という驚異的な数字を残し、Trea Turnerの長期離脱で攻撃力の低下していた打線の起爆剤と期待されてメジャーに昇格。4月26日のデビュー戦でいきなりホームランを放ち期待は膨らみましたが、その後は打撃でも守備でも深刻な不振に陥り、すっかり自信を失ってしまいました(表情から分かるほど)。結局Turnerの復帰を待つこともなく、5月7日に降格を命じられ、AAAに合流。先は長いので、まずは自信を取り戻すこと。まだまだ期待しています。

Luis Garcia
AA: 165PA .217/.259/.257 0HR 3SB
Harrisburg(AA)で主に2番打者を務めていますが、苦戦中。リーグの平均年齢より5歳以上若くしての参加はハードルが高かったか。数字は気にせず、怪我しないで、少しずつAAの投手をマスターしていけばいいです。幸いHarrisburgのチーム状態がいいので、気楽に気楽に。守備はもっぱらショートで、たまにセカンドを守っています。

Jakson Reetz
A+: 125PA .221/.344/.288 0HR 2SB
Potomac(A+)の正捕手としてプレーしています。打撃成績は昨年までとほぼ同じ水準でなかなか伸びてきません。出塁率が高いことは評価できますが、それも昨年までと同じ。どこかでスイッチが入ってくれることを期待しています。

Israel Pineda
A: 129PA  .207/.287/.336 3HR 1SB
Hagerstown(A)で正捕手として出場していますが、バッティングはかなり苦しんでいます。打撃に期待してのプロスペクトだけにこの数字は苦しい。

Yasel Antuna
TJ手術からのリハビリ中のはず。復帰時期などは聞こえてきません。

ということで、メジャー昇格前の短期間のKieboomを除くとあまりパッとしない結果となっています。これではやや寂しいので、次回はマイナーリーグで好成績を残している野手陣を紹介していくことにします。

2019/05/17

シーズン終了ですね(当ブログの当面について)

多くのファンの声(願い?叫び?)もむなしく、Dave Martinez監督は解任されないままメッツとのシリーズへ。球団首脳としてはドジャーズとの4連戦を2勝2敗で終えたことで満足だったそうです。??? シーズンのちょうど1/4を終えたところで16勝24敗。100敗も現実味のあるペースだったわけですが、、それは。

そうそう、昨日面白いTwitterの投稿がありました。
偶然だと思いますか?私はそうは思いません。

その後も試合は続いていますが、もちろん何も変わりません。誠に残念ではありますが、今シーズンは実質的に終わったと思っています。

ナショナルズの試合をちゃんと観る気がすっかり失せてしまったので当ブログをどうしたものかと思いましたが、当面(監督が交代するまで?)は、ロースターの動きはフォローしつつ、気まぐれにプロスペクトや6月のドラフトなんかを中心に記事を書いていこうかなと思っています。

最初はMy Top 10 Prospectsに選んだ選手の近況を準備中。あまり楽しみにせずに時々のぞいてやっていただければ幸いです。

*** 試合結果 ***
5/14 L2-6 Mets 1回表に守備ミスから満塁弾を浴びて早くも終了
5/15 W5-1 Mets  Patrick Corbinが8回1失点の好投で4勝目
5/16 W7-6 Mets せっかくの援護もAnibal Sanchezは故障交代で白星付かず
5/17 L6-14 Cubs Trea Turner復帰 → Victor Roblesが故障交代(Justin Millerも) 
Season 18-26; 4th in Division (7.0 GB PHI)

2019/05/12

5/12 フロントの決断を求めます

L0-6@LAD (Season 16-24)
Strasburg(L3-3) 6.0IP 2ER 4H 2BB 7K

また同じことの繰り返し。前夜のサヨナラ勝ちの勢いを全く引き継げませんでした。6回2失点としっかり試合を作ったStephen Strasburgの好投を横目に、打線はHyun Jin Ryuの前に8回1死でのGerardo Parraの二塁打までノーヒットに抑えられてしまいました。それ以外に出した走者も四球の1人のみの体たらく。8回裏にKyle Barracloughが満塁弾を浴びて実質的には終了。9回はクローザーのKenley Jansenに抑えられ、1安打完封負け。

ロード10連戦を3勝7敗で終えて、5月の2週目にして借金8。首位フィリーズとの差は7.5。明日は移動日でホームに戻ります。今シーズンを捨てるつもりでなければ、最後のタイミングかと思います。もう十分です。フロントの決断を求めます。

5/11 Parraの逆転満塁弾

W5-2@LAD (Season 16-23)
Scherzer(W2-4) 7.0IP 2ER 5H 2BB 7K
Doolittle(SV6) 1.0IP 0ER
Parra 1/4 HR(1) R 4RBI
Soto 1/3 BB R RBI

Gerardo Parraが、まさかの大仕事をしてくれました。9日にFA契約を結び、10日の試合でナショナルズ初スタメン、この日は本職ではないファーストでスタメンに名を連ねていましたが、その打席を迎えるまで7打数ノーヒット。正直なところ凡退してチャンスを逃すという悪いイメージしか浮かんできませんでした。なぜなら、そこに至るまでの流れが決してナショナルズにとって良いものではありませんでしたから。

まず1回表、連打と相手エラーで無死2,3塁のチャンスを作りながら、続くJuan Sotoの四球の際に帰塁が遅れた二塁走者のVictor Roblesが捕手からの牽制でタッチアウトになるボーンヘッドもあり、結局無得点。その後も、いい当たりはするもののことごとく野手の正面だったり、外野のフェンス際で捕球されたりで、7回までドジャーズ先発のWalker Buehlerから得点することはできず。3回裏にJustin Turnerに甘く入ったチェンジアップをセンターへ2ランされたのを除けば素晴らしいピッチングを続けていたMax Scherzerを援護することができませんでした。

ナショナルズにとっては重苦しい展開で0-2のまま終盤へ。迎えた8回表、2番手のPedro Baezに対して先頭のWilmer Difoがシングルで出た後、Scherzerへの代打Howie Kendrickの併殺コースのサードゴロをTurnerがセカンドへ悪送球してくれて無死1,3塁の願ってもないチャンス。Adam Eatonのセーフティスクイズは惜しくも成功しませんでしたが(結果は1塁のみアウトで1死2,3塁)、Roblesが歩いて1死満塁。ピッチャーは左のScott Alexanderに代わりましたが、Sotoが粘って9球目をレフト前に運びまず1点。しかし、続く絶好の好機にAnthony Rendonは空振り三振に倒れ、2死満塁。

ここで打席に入ったのがParraでした。Dylan Floroの速球に押されてカウントは2-2に追い込まれ、ドジャースタジアムの観衆は勝利を信じて総立ちとなっていました。流れはドジャーズだったはずです。しかし、続く5球目。捕手のミットは高めのボールゾーンに構えられていましたが、Floroの投じた速球は吸い寄せられたようにど真ん中へ。振り抜いた一打は高々と舞上がり、観客の悲鳴の中を、右中間スタンドに飛び込んでいきました。決してホームランバッターというわけではないParraだけに、まさかの一言でした。

さすがにこれだけのショックを与えての3点差なら大丈夫。8回裏はWander Suero、9回裏はSean Doolittleがいずれも3人で抑えて勝利。

問題はこのモメンタムを明日につなげることができるかどうか。不思議なくらいこれができないのが、Martinez監督の下でのナショナルズ。もし、明日、もう1つ、いい形で勝つことができれば、先日の約束通り、Martinez監督解任を求めることはやめてもいいと思いますが、果たして。

MVP: Gerardo Parra

2019/05/11

5/10 Sanchezは悪くないと思う

L0-5@LAD (Season 15-23)
Sanchez(L0-6) 4.1IP 3ER 6H 2BB 3K
Difo 2/3

先頭打者ホームランに始まり、5回途中3失点で降板。Anibal Sanchezは確かに試合を作るという仕事をできませんでした。

開幕以来8試合に先発して、勝ち星なしの6敗目。防御率5.27。先発失格という声も無きにしも非ずですが、私はそうは思いません。自身開幕戦は腰に打球を受けて途中降板しましましたが、あれがなければ白星スタートだったはず。続く3試合も6回途中あるいは7回を投げて3失点以内ですから、勝ち投手になっても不思議はなかったのに打線の援護がありませんでした。そして5試合目。今季最多の自責点6が付いていますが、Adam Eatonの凡ミスがなければ少なくとも3点は少なく終わっていたはず。その後は、あの試合の記事で書いた悪い予感が当たってしまったかのうように内容も悪くなってしまっています。

もっとも今日はもしSanchezが好投していても、前田健太以下のドジャーズ投手陣に打線が完封されたので、徒労に終わるところでした。次回以降、打線がそこそこ打ってくれる日に好投すればいいんだから、と前向きに考えましょう。

1つ勝てばきっと変わるはず。どんな形でもいいから白星を付けるべく、バックもベンチも全力サポートすべき、だと思うのですが、ベンチにそんな余裕はないんでしょうね。きっと。

2019/05/10

5/9 Corbinの粘りの投球で連敗ストップ

W6-0@LAD (Season 15-22)
Corbin(W3-1) 7.0IP 0ER 3H 4BB 8K
Kendrick 2/5 HR(6) R 4RBI
Rendon 2/4 double 2R RBI

ブリューワーズにスウィープを喫して4連敗中、ナ・リーグで下から2番目の勝率(下はマーリンズのみ)まで落ちたナショナルズが次に向かったのは、ナ・リーグ最高勝率でホームでは実に10連勝中のドジャーズ。

今日も勝てないんだろうな、という予感満々で迎えた一戦でしたが、Patrick Corbinがプロの仕事をしてくれました。三者凡退は2回裏だけとランナーを出しながらでしたが、粘りのピッチング。最大のピンチだった4回裏1死満塁を併殺で切り抜け、100球を超えた7回裏も、Anthony Rendonの好守もあって併殺でしのぎ、7イニングを無失点。連敗中であることのプレッシャーも感じさせず、淡々と仕事をやり切ってくれました。

打のヒーローは4番のHowie Kendrickでした。初回、1死2、3塁からレフトスタンドへ先制の3ラン。この後しばらく沈黙しましたが、8回表無死2,3塁からKendrickのレフト前シングルで待望の追加点を奪うと、Yan Gomesの併殺崩れの間にもう1点。9回にもRendonのやはり併殺崩れの間に1点。つまり、1アウトでランナーを3塁に置いた場面で、三振ではなく、インプレーにしてなんとか得点につなげる攻撃ができていました。

Martinez監督が繰り返してきたコメント通りの野球ができました。できれば勝てる、当たり前です。問題は、それがチームの意識として定着しているかどうかです。この1戦だけでMartinez監督に続けさせていいとは思いません。そうですね。ロサンゼルスでの残り3戦のうち少なくとも2戦で今日のような内容の戦い方で勝ちを収めることができるなら、ある程度の理解は示してもいいんじゃないでしょうか。

MVP: Patrick Corbin

2019/05/09

5/8 心折れそう

L3-7@MIL (Season 14-22)
Hellickson(L2-1) 4.0IP 3ER(6R) 7H 3BB 4K
Dozier 3/4 R

1回裏が全てを象徴していました。1死からChristian Yelichにソロを打たれたところまでは許せます。しかし、Mike Moustakasの打球をAnthony Rendonが弾くエラー(シフトで本来のショートの位置にいたとはいえ真正面でした)。四球で1,2塁となって、Eric Thamesのレフト線にふらふらと上がった打球をAdam Eatonが見失って落下点を通り抜けてしまう凡ミス(触れることもできなかったので記録は二塁打)。このあとタイムリーを打たれて4点のビハインド。迫力に欠ける今の打線を考えれば、試合の流れは決まってしまいました。(試合後のDave Martinez監督は「相手に30もアウトを与えてはいけない」といういつものコメント(笑。)

打線は淡白な攻撃に終始。6,7回に犠牲フライなどで3点を返しましたが、焼け石に水といった印象。9回表には相手エラーもあって1死満塁と最後のチャンスを迎えましたが、代打Kurt Suzuki、そしてEatonが連続三振で試合終了。チームで27個のアウトのうち、実に15個が三振。(試合後のMartinez監督は「ボールをインプレーにしないといけない」といつものコメント(笑。)

6カード連続の負け越しで、今シーズン初の被スウィープ(スウィープはありません)。この時期での借金8は2009年以来のこと。2009年といえば、6月にStephen Strasburgを全体1位で指名した年。シーズンで100敗を喫し、翌年にはBryce Harperを全体1位で指名することになりました。あの頃は完全な再建期でしたが、今は違います。30球団でもトップクラスの年俸総額で編成し、ライバルが大型補強をしてもなお、シーズン開幕前には地区優勝の最右翼と目された戦力を有するチームです。そのチームをしてこんな成績に低迷させた罪は重いと言わざるを得ません。とにかく早く、Martinez監督を解任してください。そのニュースが流れることを期待してTwitterのリロードを繰り返してしまっています。

2008年からこのブログを始めて以来、「なんでこんなチームのために一生懸命ブログ書いているんだろう」と初めて思っています。心折れそうです。

2019/05/08

5/7 2011年以来の借金7

L0-6@MIL (Season 14-21)
Strasburg(L3-2) 6.2IP 4ER 6H 2BB 11K
Robles 2/4

Anthony Rendonが復帰した打線でしたが、シングル5本のみに抑え込まれ完封負け。立ち上がりから素晴らしいピッチングをしていた先発のStephen Strasburgを援護できませんでした。

Strasburgは6回を終えた時点で被安打3、9奪三振で無失点。球数もわずか85球で余力十分に見えました。しかし、7回裏、先頭打者から10個目の三振を奪った後、四球、シングル、シングルで1死満塁のピンチを迎えます。代打Eric Thamesを11個目の三振に仕留め2アウトとしましたが、これで気が緩んだか、続くLorenzo Cainへの初球はど真ん中への速球。これをライト線に弾き返され走者一掃のツーベース。6回までがあれだけ素晴らしかっただけに悔やまれる一球となりました。

Strasburgの後を受けたDan Jenningsは4人の打者から1死も取れず、押し出し四球などもあり、この回都合6失点。打線は、8,9回は全く覇気もなく6人で終わりました。

昨日がどん底だと信じたかったのですが、まだ下がありました。まだまだ落ちていきそうな気配を感じます。ロード10連戦の前半を終えて1勝4敗(その1勝もまさかの逆転勝利)で、2011年9月以来の借金7。2011年って、Bryce Harperのデビュー前。2012年から始まった「PHASE 2」以前のことです。あの時代に逆戻りってこと?

試合後のMartinez監督は「三振ではどうにもならない。とにかくバットに当てて前に飛ばさないと」という打てなかった日にこれまでも何度も聞いたコメントを繰り返していました。相変わらず何の工夫もありません。今回のロードの残り5試合を勝ち越すことができず、なおかつMartinez監督がまだ指揮を執っているようなら、今シーズンはもうおしまいでしょうね。フロントには決断を求めたいと思います。

2019/05/07

5/6 どん底(と信じたい)

L3-5@MIL (Season 14-20)
Scherzer 6.0IP 1ER(2R) 6H 1BB 10K
Jennings(L0-2) 0.1IP 1ER(2R) 3H 1K
Kendrick 1/3 HR(5) BB R 2RBI
Eaton 2/4 HR(3) 2R RBI

前夜のうちに移動するはずだったのに、チャーター機のエンジントラブルのために機内で8時間も待たされた挙句ホテルに戻され、当日の昼前になってようやくミルウォーキー入りできたナショナルズ。

それでも、1回表にHowie Kendrickの2ランで先制。Max Scherzerは守備に足を引っ張られながらも6イニングを自責点1、10奪三振。同点で迎えた6回裏には1死満塁を迎えながら渾身のピッチングで切り抜けました。この112球の熱投に応えるように7回表にはAdam Eatonがソロ本塁打を放ち、Scherzerに白星が付く展開でした。

このように流れが変わりそうなパフォーマンスも見られたのですが、全体としては相変わらず。リードした直後の7回裏、2番手で出てきたDan Jenningsがワイルドピッチを挟んで3連打され、あっという間に同点。しかも、うち2本はセカンドのBrian DozierとサードWilmer Difoがアウトにできたはずの打球でした。代わったWander Sueroが犠飛を打たれて勝ち越しを許すと、続く8回裏にも1死2塁で出てきたTony Sippが最初の打者にタイムリーを打たれてもう1点。繰り出す投手がみんな打たれるさすがの采配でした。打線?8,9回はランナーすら出せず元気なく終了。5安打に対して4エラーしていては。。。

また、この試合でも故障者が発生。1回表の打席で左腕に死球を受けたYan Gomesと、2回表に一塁へヘッドスライディングした際に背中を痛めたAndrew Stevensonが途中交代。Stevensonのプレーは気魄を感じるものだっただけに、残念です。

昨シーズンは一度もなかった借金6。ここがどん底と信じたいですね。

2019/05/06

5/5 スプリングトレーニングかよ

L1-7@PHI (Season 14-19)
Sanchez (L0-5) 4.2IP 0ER(2R) 2H 4BB 9K
Suzuki 2/4 HR(5) R RBI

前日の試合途中で負傷交代したMatt Adams(IL入り)とMichael Taylor、それに故障上がりで慎重な起用が求められるベテランのHowie Kendrickが先発を外れ、先発オーダーは下記となりました。

1. Robles, CF
2. Difo, 3B
3. Eaton, RF
4. Suzuki, C
5. Dozier, 2B
6. Stevenson, LF
7. Kieboom, SS
8. Noll, 1B
9. Sanchez, P

スプリングトレーニングのバスで3時間かかるアウェイの試合かよ、と突っ込みたくなります。。。当然ながら攻撃力は微塵もなく、得点はKurt Suzukiのソロ本塁打による1点のみ。守備でも、初回にCarter KieboomとJake Nollの両ルーキーに痛いエラーが出て2失点。それでもAnibal Sanchezの奮投で5回までは1-2と接戦を演じていました。

しかし、今日も2番手のMatt Graceが6回に5失点。さすがに連日の逆転劇とは行かず、あっさり敗戦。選手たちから覇気が感じられません。特に空振り三振で最後の打者となったCarter Kieboomは完全に自身を失った表情をしており、全く戦力になっていません。今すぐにもマイナーに落とすべきです。が、40人ロースターに代わりの選手がいないのでどうしようもありません。

2019/05/05

5/4 満身創痍でも何とか勝利

W10-8@PHI (Season 14-18)
Corbin 6.0IP 3ER 6H 3BB 6K
Sipp(W1-1) 0.2IP 0ER
Doolittle(SV5) 1.0IP 0ER 1H 1BB
Dozier 2/4 HR(5) R RBI
Kieboom 2/4 BB 2R
Suzuki 1/1 HR(4) R 3RBI
Robles 2/2 HR(6) 2R RBI

開幕時の先発オーダーで2番から5番を打っていた4人の野手が故障者リスト入りしていて既にパッチワーク状態のナショナルズ野手陣でしたが、さらに、2回の守備でダイビングキャッチを決めたファーストのMatt Adamsが左肩を痛め、3回の守備ではセンター前へのライナーにダイビングキャッチを試みたMichael Taylorが左腕を痛めてしまい、いずれも途中交代。試合後の検査で骨折などではないとのことでしたが、特にAdamsは左腕が上がらないとのことなのでIL入りの可能性もありそうです。

そんな満身創痍のナショナルズですが、試合は続きます。Patrick CorbinとJake Arrietaの両先発は必ずしも調子が良さそうではありませんでしたが、両者とも6回を投げ切って3失点ずつと仕事をしました。特にCorbinは2回までに50球以上を要しながら、粘りの投球を続け、最終回となった6回裏も1死2,3塁のピンチを連続三振で脱出。実に118球の奮闘でした。

その直後の7回表、フィリーズの2番手Juan Nicasioが無死1,2塁からの送りバントを悪送球してくれたおかげでナショナルズが2点を勝ち越し。このまま勝ち切れば、Corbinに白星も付いて言うことはなかったのですが、7回裏に2番手として送り込まれたJoe Rossが大誤算。1死しか取れない間に4本の二塁打を含む5安打を打たれ、あっという間に5失点。逆に3点のビハインドとしてしまいました。前日のDan Jenningsもそうでしたし、その前にはWander Sueroなんかもですが、調子がいいと思われて大事な場面で起用されると打たれるパターンが続くのは偶然なのでしょうか。

ともかく3点ビハインドで8回表。このままこの試合は、あるいはシーズンも終わってしまうのかという気分でしたが、2死1,2塁から代打Kurt Suzukiが起死回生の同点3ランをレフトスタンド最前列へ放り込むと、続くVictor Robles(Taylorの負傷退場で途中からセンターに入っていた)がライトのBryce Harperの頭上を越え、ぎりぎりでフェンスを越えるホームラン。9-8。こちらもあっという間の逆転劇でした。

そして、この試合で一番大きかったのは8回裏をKyle Barraclougが零で抑えたことだと思います。1点リードで、当たっているJean Segura、そしてHarper、Rhys Hoskinsという中軸を迎えましたが、Seguraを中飛、HarperとHoskinsはいずれも高め速球で空振り三振という完ぺきな内容。力のこもったピッチングは見ていて勇気を感じるものでした。記録は1ホールドが付いただけですが、それ以上に価値のある登板だったと思います。

9回表にも1点を追加すると最後はSean Doolittleが締めくくりました。さあ、この勝ちを明日につなげることができるか、が重要です。

MVP: Kyle Barraclough

2019/05/04

5/3 継投失敗で逆転負け

L2-4@PHI (Season 13-18)
Hellickson 5.1IP 2ER 4H 0BB 9K
Jennings(L0-1) 0.2IP 2ER H BB K
Suzuki 2/4 double HR(3) R RBI
Eaton 2/3 triple BB

要するに持ってないんだと思います。Dave Martinez監督は。前日は投手陣の踏ん張りで何とか白星を手にし、今日からまた新しいシリーズが始まるというこの試合。2-1とリードして迎えた6回裏。またしても継投が裏目に出て逆転負け。問題は投手コーチではありません。いい加減にしろと言いたくなります。

1-1で迎えた6回表にKurt Suzukiのソロ本塁打で勝ち越した直後の6回裏。1死からJean Seguraが当たり損ねの三塁線への内野安打で出塁し、打者はBryce Harperという場面でした。先発のJeremy Hellicksonは(まあ主審のやたらと広いストライクゾーンのお陰もありますが)ここまで9奪三振。Seguraのソロ本塁打で1失点はしたもののそれも含めて被安打は4本、無四球。球数はわずか79球と余力は十分のはずでした。確かに、打順は3周目に入り、Hellicksonには合っている感じのHarperでしたが、交代の判断は疑問が残るものでした。

送り出したのは左腕のDan Jennings。しかし、あっさりとHarperを歩かせてしまい、1死1,2塁。次は右打者のRhys Hoskins。当然右投手に代えるかと思われましたが、続投。で、カウント1-1からの3球目、低めへの、しかし外から真ん中に入ってきたスライダーをすくい上げられ、打球はレフトスタンドへの逆転3ラン。あまりにも予想通りで驚きもないという感じのコメントがツィッター上でたくさん流れていました。

なぜHellicksonを代えたのか、Jenningsを続投させたのか、結果が出なければ采配が批判されるのは当然のこと。試合後にMartinez監督にから説明がありました。要するにマッチアップだそうです。左打者のHarperに対しては左投手をというのはセオリー通り。そしてHoskinsについても、左投手のスライダーを振った打球は今シーズン18本あり、全てアウトだったというデータに基き、Jennings続投の判断を下したそうです。はいはい、分かりました。他球団(監督)では通用するデータでも、使う球団(監督)が違えば結果は違ってくるんですね。

5/2 辛うじてスウィープを免れる/ 投手コーチ解任

W2-1 Cardinals (Season 13-17)
Strasburg(W3-1) 6.2IP 1ER 6H 2BB 9K
Doolittle(SV4) 1.1IP 0ER 1H 1BB 2K
Kendrick 2/4 R

引き続きJuan Sotoが欠場中の打線は迫力に欠け、ヒットはシングルが5本だけ。そのうち3本を4回裏に集中し、相手エラーのおかげもあって2点を奪いましたが、他のイニングは三塁さえ踏めませんでした。

そんな打線を横目に投手陣が踏ん張りました。先発のStephen Strasburgは3回表に3本のシングルで1点こそ失いましたが、他のイニングは危なげなくゼロを並べ、7回途中1失点。5回表のDakota Hudsonからの三振が通算1500奪三振。1,272回1/3での1500奪三振到達は、投球イニングベースでは史上最速とのことです。これからもどんどん記録を、できればナショナルズのユニフォームを着て、達成していってくれると嬉しいです。

ブルペンも頑張りました。7回表2死1,2塁でStrasburgの後を受けたTony Sippはきっちり後続を断ち、8回表の冒頭からマウンドに上がったKyle Barracloughも2本のヒットを打たれましたが、2つの三振も奪い、リードを守ったままでSean Doolittleにつなぎました。Doolittleは最初の打者を歩かせ満塁にしてしまいましたが、代打Paul Goldschmidtを渾身の内角速球でチェックスイングの空振り三振に仕留めてピンチ脱出。9回表も先頭打者を出しましたが、後は抑えて試合終了。

もうちょっと楽に勝てないものか、とは思いますが、ホームでの4戦スウィープをなんとか回避しただけでもよしとしましょう。

************
この試合の後、Derek Lilliquist投手コーチが解任されました。昨シーズン、Dave Martinez監督の就任に合わせて入団しましたが、昨シーズンも今シーズンも投手陣の成績は振るわず、ここでその責任を取らさせる形での解任となりました。

後任は、マイナーリーグの投手コーディネーターを務めたきたPaul Menhartが初のユニフォームコーチとなります。手腕は未知数ですが、少なくともマイナーから上がってきた投手とは気心が知れているものと思われます。

Lilliquist投手コーチの責任だけだとは思いませんが。

2019/05/02

5/1 守備の乱れから5月も黒星スタート

L1-5 Cardinals (Season 12-17)
Scherzer(L1-4) 7.0IP 3ER 8H 2BB 8K
Kendrick 3/4
Robles 2/4 R

試合開始直前になって背中の痛みのためJuan Sotoが先発を外れ、レフトAdam Eaton、センターMichael Taylor、ライトVictor Roblesの布陣となったナショナルズ外野陣。初回いきなりこれが裏目に出ました。1死1,2塁からのMarcell Osunaの打球は詰まったライト線へのライナー。捕れるはずの打球でしたが、目測を誤ったRoblesが慌ててダイビングした横を抜けるタイムリー二塁打。さらに、続くJose Martinezの二遊間へのゴロも捕れるはずの打球でしたが、ランナーを気にして妙な動きになったショートCarter Kieboomの横を抜けてセンター前へ。いずれも結果はヒットで、Max Scherzerの自責点となりましたが、まともな守備なら無失点のはずのイニングでした。

Scherzerはこの後7回までゼロを並べましたが、今のナショナルズ打線は1点を返すのが精いっぱい。象徴的だったのは一打同点のチャンスでの二度のMichael Taylorの打席。一度目は右中間へのライナーをセンターのいいポジショニングに遮られ、二度目はレフトフェンス際へのフライを打ちましたが、そこだけ膨らんでいたブルペンへの扉部分で捕球されてしまいました。

8回にはKieboomの今度は正真正銘のエラーもあり、さらに2失点で実質的に試合終了。Scherzerはまたも黒星。驚いたことに、昨年7月のオールスター戦で先発した後、Scherzer先発試合でのチーム成績は何と1勝12敗。しかも、ア・リーグ先発だったChris Sale先発試合でのレッドソックスも同じ1勝12敗と言われるとなんだか不思議な気持ちになります。

5月も同じ、ではもう終わってしまいます。

2019年3-4月をふりかえる

昨シーズンの4月の月間レビューへのリンク。Dave Martinez監督は、1年経っても何も成長していないというか、むしろ悪化しているように思うのは私だけでしょうか。

ナ・リーグ東地区(2019年4月末時点)

WLPCTGB
Philadelphia1613.552-
New York1514.5171.0
Atlanta1415.4832.0
Washington1216.4293.5
Miami821.2768.0
メッツを迎えての開幕シリーズで2連敗スタート。その後、3連勝以上もないものの、3連敗以上もなく、勝率5割前後を行き来していましたが、4月20日の試合でAnthony Rendonが死球退場してからは負けが込み始め、4月24日から27日にかけて3連敗。借金4、地区4位で4月を終了。救いは同地区内の他球団ももたついており、首位フィリーズとの差もわずか3.5であること。なので、まだ諦めるには早いとは思いますが、今のままではあまり見通しは明るくないと言わざるを得ないでしょう。オーナー、フロントの決断が待たれます。

Hitter of March/April 2019: Anthony Rendon


PAAVEOBPSLGRHRRBISB
Adam Eaton 126.296.357.40018294
Juan Soto125.248.368.467166223
Victor Robles 114.255.301.481205127
Brian Dozier 101.184.297.33310461
Ryan Zimmerman86.213.302.37373110
Anthony Rendon86.356.442.740216180

開幕から4試合目にTrea Turnerが死球で退場、そのまま復帰の目途は立っていません。3試合で2本塁打、4盗塁と好スタートを切っていただけに痛過ぎる離脱となりました。その後打線を引っ張ったのが、Anthony Rendon。FA前最終年の大ブレイクでナショナルズとの再契約は難しくなってしまうのではないかとやきもきさせるほどの活躍でしたが、こちらも4月20日に四球を受けて退場。回復が思わしくないまま29日になってDL入りとなってしまいました。

フルにプレーした選手では、Adam Eatonが数字を残していますが、チャンスに弱い、という印象が強いのはなぜでしょうか。昨シーズン大ブレイクしたJuan Sotoは、各球団が変化球攻めを徹底した結果、やはり2年目のジンクスというかスランプに陥っています。まあそれでもこれだけの結果を残しているところは本物。今度はSotoが適応する番。今後に期待しています。Michael Taylorの開幕DLもあり、センターのレギュラーを務めたトッププロスペクトのVictor Robles。開幕直後は守備・走塁でのミスもありましたが、よくやっていると思います。もう1人のトッププロスペクトCarter Kieboomも4月26日の試合でメジャーデビューを果たすと、いきなりホームラン。これから壁にぶつかったりもすると思いますが、まずはいいスタートを切りました。問題はベテラン陣。Ryan Zimmermanは通算1000打点を目前に足踏みをし、右足裏を痛めてDL入り。さらにひどいのがBrian Dozier。この不調ぶりでも使い続けざるを得ないところが、チーム事情を表しています。

とはいえ、チーム打率、総得点はリーグ平均を上回っており、打線が足を引っ張っているわけではありません。

Pitcher of March/April 2019: Sean Doolittle

GSIPWKERAWHIP
Max Scherzer639.11544.121.119
Stephen Strasburg637.22483.821.009
Patrick Corbin637.22443.581.062
Anibal Sanchez 632.00275.911.719
Jeremy Hellickson421.22135.821.662
GIPSVHDERAWHIP
Sean Doolittle1313.1301.351.125
Wander Suero 1513.0026.921.231
Matt Grace 1612.2024.971.421
Kyle Barraclough 1511.0021.641.545
Tony Sipp147.1057.361.364

問題は投手陣。チーム防御率は23位。特にブルペン防御率5.95は29位です。4月の最後の3試合で16イニング連続無失点を記録して、ようやくその数字。その前はもちろん最下位でした。とにかくよく打たれます。

先発投手陣では、Patrick Corbinこそ、4月最後の29日の試合で打ち込まれた以外の5試合では全てQSを記録しており、それまでの防御率は2.48というもので、期待に応えるピッチンでしたが、その他の4人は・・・。エースMax Scherzerは、通算2500奪三振に到達するなどリーグ奪三振王ではありますが、先発試合でチームが1勝5敗では期待に応えたとは言えません。後の3人は、最低限の仕事をしているという感じ。

そして最大の問題となっているブルペン。Sean Doolittleだけは素晴らしいピッチングを続けてなんとかチームを支えていますが、そのDoolittleにセーブシチュエーションで投げさせる展開に持っていけないのが現状。むしろ登板機会がないため同点の展開でつぎ込むしかなく、結果的にDoolittleに白星が付いたりしています(4月の勝ち頭となる3勝)。原因はTrevor Rosenthalをはじめとする中継ぎ投手陣ですが、あまりにひどく、詳しくは書きたくありません。そしてもう一言だけ。こんな使い方していたらDoolittleはシーズン半ばで壊れます。