2016/03/31

STノート⑥(3/27-30) 18勝4敗3分

雨に祟られ、28日の試合が中止、29日の試合も4回途中ノーゲーム。3月後半以降、実に4試合が中止。調整が仕上げに入った大事なこのタイミングに勘弁してほしいところですが、天気には勝てません。まあ、試合がなければ故障者はでない、と前向きにとらえておきましょう。

そんなこんなで、30日のメッツ戦をもってフロリダでのスプリングトレーニングは打ち上げとなりました。グレープフルーツリーグの戦績は、18勝4敗3分。勝率.818。見事な勝ちっぷりでした。しょせんはオープン戦の成績であり一喜一憂しても仕方ないのは確かですが、レギュラーシーズンに向けて、いい仕上がりであったことは間違いありません。特に、1試合平均6.8得点を記録した打線が好印象を残しました。

この春を振り返ると、最大の収穫は、主力と期待される選手に大きなけが人がでなかったこと。こんなに健康なチームは私がブログを始めてからの9年間で一度もなかった奇跡です。開幕後もずっと故障者が出ないままなんて思っていませんが、ともかく、これだけでも素晴らしいスプリングトレーニングとなりました。

この後、ナショナルズパークに移動して、1日、2日にツインズと2試合のオープン戦をこなした後、中一日空けて、4日、アトランタでのブレーブス戦で開幕となります。

残るロースター争いは、ブルペンとベンチ。最終判断は2日の試合後になるようです。

● ブルペンはあと1枠?2枠?
マイナー契約招待選手としてスプリングトレーニングに参加し、30日がオプト・アウトの期限だったMatt Belisleをメジャー契約に切り替え、40人ロースターに入れました。開幕ブルペン入りは確定です。この春は、6試合6回1/3に登板し、防御率3.68という成績ですが、失点したのは1試合のみでWHIPは0.95。健康なら十分通用することを証明し、スポットを勝ち取りました。

残るは通常なら1枠。開幕から10日間ほどは先発5番手が不要であることからブルペン8人体制を取るという判断なら、2枠。

これを、Blake Treine、Trevor Gott、それにマイナー契約のSean Burnettの3人が争う構図。TreinenとGottの2人にオプションが残されていることに鑑みると、ここまで9試合未だ無失点で復活に向けて頑張っているBurnettを残してほしいですね。もう1人残せるなら、こちらも未だ無失点のTreinenでしょうか。Gottもフロリダでの最終戦で2イニングを投げて無失点と結果を残していますが、果たして。

● ベンチ争いはさらに熾烈
前回の記事以降、Scott Sizemore、Tony Campanaがマイナー行となったため、最後の1席を次の4人が争う形となっています。

Matt den Dekker, L  .308/.378/.462 2SB
Chris Heisey, R   .238/.333/.452 2HR
Brendan Ryan, R  . 379/.400/.517              
Reed Johnson, R  .323/.421/.355

den Dekkerは左打者でオプションを残しているので、十分に結果は残しているのでかわいそうですが、おそらくマイナースタートでしょう。残る3人の中で誰を残すかは難しい判断。本命は代打で実績がある右のパワーバットという今のベンチに欠けている要素を補えるHeiseyですが春の数字は一番悪い。この春絶好調のRyanの可能性も十分なるでしょう。39歳の大ベテランのJohnsonは、少し苦しい立場かと思われましたが、30日のフロリダでの最終戦で2打数2安打し、踏みとどまっています。

2016/03/29

All Time Nats 2016 年3月 ①Starters

恒例のAll Time Natsシリーズ。2015年シーズン終了までの11年間の数字を集計しました。

第1弾は各ポジションの先発選手の集計。

昨季限りでFA退団となった、Jordan Zimmermann(投手)、Ian Desmond(遊撃手)、Denard Span(中堅手)の3人が、いずれも2位以下に大きな差を付けて去っていきました。一時代の終わりを感じさせますね。

以下、ポジションごとのトップ5(プラス主な現役選手)と昨年からの変化、コメントです。

PITCHER
1. Jordan Zimmermann 178
2. John Lannan 134
3. Stephen Strasburg 132
4. Livan Hernandez 129
5. Gio Gonzalez 122

FA前最終年もしっかりとローテーションを守り33試合に先発したZimmermannが、通算トップの座をしっかりと固めました。DL入りもあり、23先発に終わったStrasburg。なんとかLivanは抜いて3位に浮上しましたが、今季限りでFA退団するとなると、Zimmermannには届きません。5位のGioは5位のままですが、2015年にも31先発を加えており、今季中にはLannanまで届きそうです。

CATCHER
1. Wilson Ramos 431
2. Brian Schneider 336
3. Jesus Flores 239
4. Wil Nieves 154
5. Ivan Rodriguez 136
7. Jose Lobaton 96

(思ったような打撃成績は残せませんでしたが)、自己最多の123試合に先発したRamosが、遂にトップに立ちました。2016年がFA前最終年。しっかり結果を残して去っていってくれることを期待しています。

FIRST BASEMAN
1. Adam LaRoche 469
2. Nick Johnson 395
3. Adam Dunn 217
4. Dmitri Young 153
5. Ryan Zimmerman 93
8. Clint Robinson 42

度重なる故障に見舞われ、一塁手としてのZimmermanの1年目は92試合の先発にとどまりましたが、それでも何とか5位にランクイン。今季中にDunnまでとらえて、3位に浮上することを期待しましょう。

SECOND BASEMAN
1. Danny Espinosa 491
2. Jose Vidro 184
3. Ronnie Belliard 176 
4. Anthony Rendon 165
5. Felipe Lopez 111
23. Trea Turner 6

他の選手の故障により、結果的には2015年もEspinosaがチーム最多の74試合に先発。独走です。三塁手に回ったはずのRendonでしたが、故障で出遅れている間にYunel Escobarが定着してしまったため今年も二塁手での出場が中心となりました。故障もあって上積みは59試合でしたが、4位には浮上しました。

THIRD BASEMAN
1. Ryan Zimmerman 1128
2. Anthony Rendon 155
3. Vinny Castilla 135
4. Yunel Escobar 134
5. Jerry Hairston 40 

気が付けばレギュラーとなっていたEscobarが134試合に先発して4位にランクインしましたが、1年限りでオフにトレードされていきました。わずか27試合で5位に入っていたRonnie Belliardが圏外へ。昨季はわずか19試合の上積みに終わったRendonが今年こそ伸ばしてくれることを期待しています。

SHORT STOP 
1. Ian Desmond 889
2. Cristian Guzman 438
3. Felipe Lopez 181
4. Royce Clayton 83
5. Danny Espinosa 50
17. Trea Turner 2

昨季も155試合に先発したDesmondが圧倒的なリードを築いて退団。いつかこの数字にTrea Turnerが追いつくことができるでしょうか。わずか5試合とはいえ上積みしたEspinosaが、Alberto Gonzalezを1試合差で追い抜き、5位にランクイン。Espinosaは今季限りでFA退団の見込み。4位のClaytonはもちろん、Lopezまで届くかどうか、Turnerの起用とも絡んで注目です。

LEFT FIELDER 
1. Josh Willingham 187
2. Bryce Harper 177
3. Alfonso Soriano 158
4. Ryan Church 124
5. Michael Morse 109
9. Jayson Werth 73
15. Michael Taylor 32
18. Clint Robinson 26

トップ5は全く変わらず。2位のHarperも昨季はレフトでの出場がなかったため、本当に全く何の変化もありませんでした。2015年のチーム最多先発出場は、Werthでしたが、故障もあって73試合止まり。さすがに今季中にトップ5に入ってきてもらいたいところですが、むしろ現役では(Werthの欠場日に)Taylorが伸ばしてくれるのではないかと期待しています。

CENTER FIELDER 
1. Denard Span 350
2. Nyjer Morgan 174
3. Lastings Milledge 139
4. Rick Ankiel 121 
5. Roger Bernadina 113
6. Bryce Harper 111
8. Michael Taylor 93

故障もあって昨季は61試合の先発に終わったSpanでしたが、長らく固定できなかったナショナルズのセンターを3シーズン350試合にわたって守った功績は大と言えるでしょう。後継者は、昨季チーム最多の89試合に先発したTaylorで決まりかと思いきや、オフにBen Revereをトレード獲得。さて、どうなることでしょう。Harperも12試合上積みしています。

RIGHT FIELDER 
1. Jayson Werth 462
2. Austin Kearns 333
3. Bryce Harper 203
4. Jose Guillen 199
5. Elijah Dukes 127 

2015年の最多先発はHarperの139試合。前年7位から3位にランクインし、Michael Morseを押し出しました。今季もしっかりとレギュラーで出場を伸ばし、まずは2位に上がってくれることを期待しています。トップのWerthもチーム事情から11試合を加えました。

2016/03/28

Tyler Mooreに事実上の戦力外通告→ブレーブスへトレード

Tyler Mooreに対して、40人ロースターから外し、マイナーに行くことが命じられました。事実上の戦力外通告です。

40人ロースターに入っていて、オプション切れ。ベンチ入り当確の選手を見ると、右のパワーバットが足りていない。最後の控え野手としてMooreが最有力候補と目されて迎えたスプリングトレーニングでしたが、18試合に出場しての結果は、打率.129。「無死、1死で走者を三塁に置いた場面での三振が多過ぎる」とBaker監督が指摘した翌日、1死2,3塁で回ってきて三振してみたりと散々な結果で、自ら今回の事態を招いてしまいました。

今回40人ロースターから外すに当たってウェイバーにかけられましたが、獲得に名乗りを上げる球団は1つもなかったのが現実。ウェイバーを通過したため、支配下選手に置いたままAAAに行かせることができてしまいました。

2010年(A+)、2011年(AA)にそれぞれ31本塁打を放ち、長距離砲として評価を上げ、2012年にメジャーデビュー。その年はポストシーズンを含めて活躍しましたが、その後は代打中心の起用になじむことができず、代打としての通算成績は107打数で打率.121という無残なもの。ここ数年、主力に故障が出た際にそこそこの出場機会を与えられてきましたが、結果を残せずマイナー行き、ということを繰り返してきました。今回のBaker監督の「できる限りのチャンスは与えてみたのだが」とういコメントが全てを物語っています。

29歳という年齢も考えるとキャリアを再構築するのはかなり苦しいと思われますが、結果が全ての野球界。AAAでしっかり結果を残し、(ナショナルズではないかもしれませんが)メジャー復帰を目指してください。

[3月28日 追記]
3月27日にブレーブスにトレードされることが発表されました。Nate Freiman一塁手との1対1のトレード。ともに29歳の右の長距離砲というかなり似通った2人で、違いはFreimanの背が圧倒的に高いことくらいです(Freimanは6フィート8インチ=2メートル!)。2013年にアスレティックスでデビューして80試合に出場しましたが、2014年は36試合、昨季はずっとAAAでプレーしていました。この春は招待選手としてブレーブスのキャンプに参加していましたが、30打席に立って.120/.267/.240という結果で早々にカットされています。

2016/03/26

STノート⑤(3/18-26) Max Scherzerが開幕投手

雨の影響やスケジュールの都合で必ずしも実戦登板が積み上がっている訳ではありませんが、先発投手陣は順調に調整を進めています。ひやりとしたのは、20日の試合でJoe Rossのかかとにライナーが直撃し、途中降板するというアクシデント。もっとも、単なる打撲でブルペンセッションは通常通りこなしているとのことです。

そんな中、Baker監督の口から、Max Scherzerが開幕投手を務めることが明らかにされました。ナショナルズでは2年連続となります。よろしくお願いします。2戦目はGio Gonzalez、そして3戦目のホーム開幕戦にStephen Strasburgが投げるところまで判明しました。Strasburgが2戦目でないことについて、Baker監督は、Gioはあまり長いイニングを稼いでくれないので、ブルペンの負担を考えてScherzer、Strasburgの間に挟んだという説明をしています。

そして、相変わらず目立ちませんが、Tanner Roarkが素晴らしい。26日の試合でもカージナルスのレギュラー陣を相手に5回を無失点。スプリング・トレーニング4試合14イニングでわずか1失点、13奪三振。文句のつけようがありません。

● Michael Taylor打線絶好調
スプリングトレーニングで大活躍した選手が開幕したらさっぱり打てなくなってがっかりするなんてことはよくあるので、今一喜一憂してもとは思いますが、この春のMichael Taylorの活躍ぶりには目を見張るものがあります。ここまで、16試合、43打席に立って、いずれもチームトップの4本塁打15打点、打率はなんと5割ジャスト。3盗塁。9三振は相変わらず多いのですが、とにかく打撃好調。右にも左にも鋭く、大きな打球を飛ばしているということで、Baker監督の評価はこれ以上ないくらい上がっています。

とはいえ、Jayson WerthとBen Revereも健康・順調に調整を進めており、特にRevereは32打席で.375/.375/.531という好結果。簡単にTaylorの出場機会を作れそうにないという嬉しい悲鳴状態です。

● Espinosa 大丈夫かな
前回の報告でようやくヒットが出たと伝えたDanny Espinosa。その翌日にはホームランを打って、ようやくこれで安心かと思いましたが、その後はまたノーヒット。しかも、ホームのSpace Coarst Stadiumではボールが見難いからと出場を回避し、出場予定の試合は雨で流れたりということで、そもそも20日の次の試合が26日になるという状態。大丈夫かな。

Trea Turnerがじわりじわりと打率を上げて、.257まできましたが、開幕AAAはまず間違いないでしょう。

むしろ、ライバルはStephen Drew。26日の試合では3三振を含む4打席凡退。それでも、まだ.300/.382/.500。開幕レギュラーの座を奪われることがあるとすれば、Drewのような気がしてきました。

● ベテラン勢による熾烈なベンチ争い
別記事で書いたようにTyler Mooreが自滅で脱落しましたが、ベンチスポット争いも熾烈です。Jose Lobaton、Michael Taylor、(Espinosaが先発とすれば)Stephen Drew、Clint Robinsonまでが確定しているとすると、残るは1枠。これを、次の選手が争います(順不同)。

Brendan Ryan, R
Scott Sizemore, R
Reed Johnson, R
Chris Heisey, R
Tony Campana, L
Matt den Dekker, L

den Dekkerだけが40人ロースター選手ですが、左右のバランスを考えると右打者が1枚足りていない中、マイナーオプションを残しているden Dekkerの立場はむしろ苦しそうです。Campanaも左ですが、残る4人はいずれも右打者で、しかもHeiseyを除くと3割を超える打率を残して、頑張っています。が、パンチ力ではHeiseyが一番。さてさて。

● ブルペンはもっと強烈な争い
こちらは、クローザー(どうやらこのまま開幕のようです)Jonathan Papelbon以下、Felipe Rivero、Shawn Kelley、Oliver Perez、Yusmeiro Petitの5人までは確定的となっており、残る2席を以下の投手が争います(順不同)。

Trevor Gott, R
Rafael Martin, R
Blake Treinen, R
Matt Belisle, R
Sean Burnett, L
Aaron Laffey, L
Nick Masset, R

40人ロースターに入っているのはGott、Martin、Treinenの3人。3人ともこの春もソリッドな結果を残して、自滅はしていません。ただ、オプションを残しており、ベンチ入りさせないとFAとなってしまうベテラン勢に道をゆずることになるかもしれません。ベテラン4人の中では、この春の成績を見ると、7試合に投げて無失点のSean Burnettが強烈にアピールしています。2012年までの活躍を知るファンとしても復活を願う気持ちから、応援しています。ネックがあるとすれば、左投手はPerez、Riveroと既に2人いること。同じ理由でLaffeyはないように思われますが、BelisleとMassetは残されても不思議はありません。先は十分見通せません。

残すは1週間ほど。目が離せません。

2016/03/23

BA: 2016 Top 100 Prospects

完全に記事にするのを忘れていました。。。

もう1か月以上も前ですが、BAが全体トップ100を発表していました(元記事)。全体1位、2位はBPやMLB.comと同じですが、3位以下はやや異なっており、我らがLucas Giolitoは全体5位、投手陣でも2位とやや低めの評価。一方で、Trea Turnerが全体9位と、トップ10入りの高評価を受けました。

1. Corey Seager, SS, LAD
2. Byron Buxton, OF, MIN 
3. Yoan Moncada, 2B, BOS
4. Julio Urias, LHP, LAD
5. Lucas Giolito, RHP, WAS 
6. J.P. Crawford, SS, PHI
7. Alex Reyes, RHP, STL
8. Orlando Arcia, SS, MIL 
9. Trea Turner, SS, WAS
10. Joey Gallo, 3B, TEX

トップ10に入った2人以外のナショナルズのプロスペクトは次の通り。全部で5人というのはBP、MLB.comの各4人より多く、うれしいですね。

33. Victor Robles, OF 
82. Erick Fedde, RHP 
92. Reynaldo Lopez, RHP

2016/03/17

STノート④(3/13-17) Arroyoが右肩の腱断裂

マイナー契約招待選手として参加していたBronson Arroyo投手が、右肩の回旋筋を断裂していることが判明。開幕ベンチ入りがなくなっただけでなく、このまま引退かという状況となってしまいました(最終判断は検査結果を見てからのようですが、見通しは明るくありません)。前回登板で3回をパーフェクトと結果を残しましたが、その2日後のブルペンセッションで肩の痛みを感じ、16日に予定されていた先発登板を回避。同じ日に検査を受け、今回の故障が発覚しました。39歳になりながら、TJ手術(ヒジ)からの復帰を目指してリハビリに取り組み、ナショナルズとマイナー契約。前回登板の好投で先発ローテーション入りに向けて手ごたえをつかんだ直後だけに、本人が一番悔しいでしょう。

レッドソックス時代から応援していた選手だったので、このような形でキャリアが終わろうとしていることは残念です。

● 先発投手はもう故障できません
このような形でArroyoがいなくなったことで、先発ローテーションはMax Scherzer、Stephen Strasburg、Gio Gonzalez、Tanner Roark、Joe Rossでほぼほぼ確定。この次の投手となると経験不足(Lucas Giolito)か、実績不足(A.J. ColeやTaylor Jordan)。もう誰も故障する余裕はなくなりました。

Joe Rossは、14日に先発し、4回1失点の結果。もっとも、被安打5、与四球2とランナーを背負い続け、守備に助けられた(例.4回無死1塁からライト前シングルで3塁に進もうとした走者をBryce Harperが刺殺)結果でしたので手放しでは喜べません。

● Zimmerman、Belisleも出場
それまで出場機会がなかったRyan ZimmermanとMatt Belisleの2人が13日の試合に出場。Zimmermanは翌14日にも2試合続けてDHとしての出場。そして16日にはいよいよファースト守備にもつき、無難に守備機会をこなし、DHに戻った17日の試合ではセンターに2ラン本塁打。故障さえなければ実力は健在です。

これにより、TJからの復帰を目指して独自の調整を行っているAaron Barrettを除く、全選手がスプリングトレーニングの試合に出場機会を得ました。

● Espinosaにようやくヒット
打撃不振が続いているEspinosaに16日、ようやくヒットが出ました。そこまで19打席でわずか1四球と凡退を繰り返していましたが、この日の第2打席、左腕のWei-Yin Chenから右打席でようやくの初安打。続く第3打席には今度は左打席からのシングル。これでちょっとは落ち着いてくれるといいのですが。

● Giolitoとほかのプロスペクト
Giolitoは15日の試合に7回から登板。2イニング目の8回に三振、四球、三振、四球、シングル、シングルで2失点で途中降板となりました。結果は1回2/3で3安打2四球2奪三振で2失点。ふむ。

そして、目立って評価を上げているのが、Pedro Severino。元々守備に定評のある捕手ですが、先発マスクをかぶった15日の試合で、試合後にGio Gonzalezが「(ホームランと二塁打を)打たれたのはどちらもSeverinoのサインに首を振った球。自分のボーンヘッドだった。」とコメントするなど、リードへの評価が益々上がっています。打撃も好調で、今後に繋がるスプリングトレーニングを過ごしています。

2016/03/13

STノート③(3/7-12) 先発投手争いが面白い

先発3本柱の後の2席を争う、Tanner Roark、Joe Ross、Bronson Arroyoの3人による争いが面白くなってきました。

最初の登板では2番手として登板したJoe Rossが7日に先発。4安打2失点で予定の3回を投げ切れませんでしたが、内容は悪くなかったとの評価。同じく前回は2番手として登板して打ち込まれていたBronson Arroyoも10日の試合で先発機会を与えられ、なんと3イニングをパーフェクト(3奪三振)という好投。簡単には引き下がりません。さらに、12日には7日にRossの後で登板したTanner Roarkが2度目の先発マウンドに上がり、チームで一番早く4イニングを投げ切り、1失点。こちらも負けていません。

ここまで、2先発を含む3試合計9イニングで1失点、内容としても9奪三振、2四球と文句の付けようのない結果を残しているRoarkが一歩前かとは思いますが、最後の席をめぐってはなかなか先を見通せない楽しみな展開となってきました。最終的には、Arroyoの契約条件やRossに課されるであろう投球回数上限など、いろいろな考慮要因が絡んできそうですが、当面はArroyoの次の登板に注目です。

その他のトピック。

● 出遅れ選手
前回出遅れ選手として紹介したうち、Wilson Ramosは11日の試合に問題なく出場。投手陣では、Oliver Perez、Felipe Rivero、Jonathan Papelbonは各2試合に登板しました。このうち、Papelbonは11日の試合で滅多打ちにあって1イニングさえ投げ切れず。2試合ともマウンドに上がる際にブーイングが起きているようで、11日の試合ではイニング途中で降板させられるときに拍手が起きたとのことです。心情的には同意です。スプリングトレーニングのうちにもっと激しく打ち込まれてリリースされてしまえばいいのに、と本当に思っています。さすがに開幕してしまったら応援せざるを得ないのでしょうから。

ということで、残るは、足底筋膜炎のRyan Zimmermanとふくらはぎを痛めて調整が遅れているMatt Belisle投手の2人。Zimmermanはとりあえず13日の試合にDHとして出場するようですが、その後どういう調整となるか、率直にとても心配です。Belisleも重症ではないとのことですが、マイナー招待選手という立場ですからゆっくりはしていられないはず。

そのほかの選手では、マイナー契約招待選手のBrendan Ryan内野手が9日の試合中にどこかを痛めて途中退場しましたが、詳細は不明です。

● Michael Taylorの評価上昇中
オフにBen Revereが加入したことで4番手外野手に下がることが既定路線となっているMichael Taylorですが、12日の試合で3安打するなど、ここまで19打席に立って.444/.474/.722、1本塁打。2盗塁を記録し、守備でも相変わらず光っています。課題の三振は相変わらず多めですが、打撃が柔らかくなったとBaker監督以下の評価は上昇。

Revereも好調で、13打席に立っての打率は.538とTaylorを上回っていますが、パンチ力を含めた期待感という意味ではTaylorが上回っています。リードオフという役目を期待するならもちろんRevereに軍配が上がりますが、下位ならTaylorを使ってほしいですね。Jayson Werthを休ませて、レフトにRevereでもいいわけですが・・・。

● Espinosa頑張れ!(ショート争い)
そのWerthはベテランらしく余裕の調整をかましており、今のところ5試合9打席で1安打。まあ、それはいいとして、心配なのはDanny Espinosa。6試合12打席に立ってヒットなしの1四球のみ、5三振といいところがありません。

Espinosaがしっかり成績を残せばショートのレギュラーとして起用されるはずでした。が、控えとしてのベンチ入りが濃厚と思われているStephen Drewが14打席で三振なしの.333/.429/.417という成績を残してアピールしています。さらに、トッププロスペクトのTrea Turnerも、打率こそ2割弱ですが、20打席で4四球を選び、内野安打と記録されてもいいような足で稼いだ相手エラーがあったり、3盗塁を記録するなど自慢の足を披露して評価を高めています。

● ベテラン勢奮闘中
前回も紹介したScott Sizemore。9日の試合で3号を打つなど依然打撃好調で19打席で.471/.526/1.118.という数字を残しています。Tony Campana外野手も、Sizemoreと並ぶチーム最多の9試合出場で.400/.438/.667の好成績。また、Reed Johnsonも長打こそありませんが、打率.357を残しています。

投手陣でも、Sean Burnettが3試合に登板して3イニングを9人で片づける奮闘ぶり。

いずれも開幕ロースター入りは苦しい立場の選手ばかりですが、頑張っています。

● Giolitoとほかのプロスペクト
Lucas Giolitoは9日のタイガース戦で2度目の登板。8回裏にマウンドに登ると、先頭打者のTyler Collins外野手にセンターへ本塁打され、続く打者にも二塁打を打たれましたが、後続は三者三振でした。

他の投手陣では、Nick Leeが3試合3イニングをパーフェクト。ちょっと映像を見ましたが、変則的なフォームで面白いかもしれません。Rafael Martinが4試合4イニングを無失点。また、既にマイナーキャンプ行きとなりましたが、Austin Vothも2試合2回2/3を無失点、5奪三振という結果を残していました。

野手陣では、Turnerのほかに目立つのは二塁手のChris Bostick。13打席に立って.333/.467/.500という数字もさることながら、3四球に対して三振は1つだけです。

2016/03/07

STノート②(3/3-6) Zimmermann vs. Strasburg!

3月6日まででローテーションが一回りし、ほとんどの選手が出場しました。

この間のハイライトは、5日のタイガース戦。タイガースのユニフォームを着ての初の実戦となったJordan Zimmermannと迎え撃つStephen Strasburgのマッチアップとなりました。Strasburgが2ランを被弾した(とはいえ、内容は上々だったとのこと)のに対し、Zimmermannは打者9人に対して1安打。結果はともかく、随分と盛り上がったようです。今年は5月9-11日に交流戦でタイガースがワシントンに来ます。そこでZimmermannが投げると一層盛り上がることでしょう(ファンからは温かく迎えられること間違いなし)。

その他、いくつかのトピックを拾っておきます。

● 出遅れ選手
未だに出場機会がないのは、野手ではWilson Ramosと Ryan Zimmermanの2人。Ramosは4日にレーシック手術を受けたためで、今週中には実戦に復帰見込み。順調にスプリングトレーニングを過ごしていたので、心配なさそうです(オフの間に受けておけよ、とは思いますが)。

一方、Zimmermanは心配です。昨年から苦しんでいる足底筋膜炎が未だに完治しておらず、様子を見ながらとなっているようですが、少なくともあと2週間程度は試合に出られないということで、黄信号が灯っています。この機会に、足底筋膜炎について調べてみましたが、野球選手でなくても発症している人はいて、なかなか治らず苦労している人が多いようですね。

投手陣でまだ投げていないのは、Oliver Perez、Felipe Rivero、Matt Belisle、それにJonathan Papelbonの4人。うち、Papelbonは家庭の事情ということでしたが、他の3人については状況不明。特に故障でなければよいのですが。

● 先発
上述のStrasburgを含め、3本柱は各2イニング。順調に調整中。

その他の投手はかなり明暗が分かれています。先に残念だったほうから紹介すると、Bronson Arroyoが2回を投げて4安打2四球2失点。球速も80マイル台前半で、強烈な打球が野手の正面を付きアウトになったという幸運にも助けられてこの結果だったようです。A.J. Coleは1イニングで4安打2失点。Taylor Jordanも1イニングで3安打3失点。

良かったほうで目立つのは、6日に先発を任されたBlake Treinen。完全にブルペン転向でもいいと思うんですが、とりあえず先発として調整されられています。この試合では、2イニングを1安打無失点。スプリングトレーニングでMike Madduxコーチから指導を受けたチェンジアップに自信を持ったようです。

● ベテラン勢奮闘中
序盤戦、野手で特に目立つ数字を残してるのが、Scott Sizemore。2日の初戦に続き、5日の試合でも決勝ソロ本塁打。チーム最多の5試合(つまり全試合)に登場して、わずか9打席とはいえ、.571/.667/1.571という抜群の数字。この他にも、Blendan Ryanが9打席で.444/.444/.667、Reed Johnsonもやはり9打席で.429/.556/.429と、マイナー契約のベテラン勢が奮闘しています。一方、40人ロースターに入っているものの後が無い立場となっているTyler Mooreが8打席で1安打のみ。がんばれ。

● プロスペクト
最も注目されるトッププロスペクト、Lucas Giolitoが4日の試合で初登板。球速は既に95マイルを計測し、カーブも高い評価。2イニングを1安打3奪三振の無失点と文句の付けようのない結果を残しました。

Trea Turnerは4試合に出場。ヒットは3日の試合でのホームランの1本だけですが、俊足では何度も目立っており、評価は上がっています。Wilmer Difoも3ラン本塁打を記録(ただし、エラーも3つ記録)と目立っています。

2016/03/03

STノート①(3/2) オープン戦開幕

3月2日からいよいよSTの試合が始まりました!春本番です。

これまでに入っているキャンプ情報の一番のポイントは、けが人がいないことでしょう。TJ手術からの復帰に向けたリハビリ調整中のAaron Barrettを除くと、調整が遅れているのはRyan Zimmermanだけのようです。そのZimmermanも特に故障しているわけではなく、単に慎重にゆっくり調整しているとのこと。このまま順調にいくことを願っています。

さて、ST初戦。先発マウンドを任されたTanner Roarkが2イニングを無失点。制球、ボールのキレともよかったようで、アウトはゴロ3つと三振3つと内容も十分。ローテーション投手としての地位を固める好スタート。2番手で投げたのはJoe Ross。こちらは2失点(記録上はいずれも非自責ですが)、3安打を打たれ内容はいまいちだったようです。残るイニングは、Rafael Martin、Sammy Solis、Matt Grace、 Austin Voth、Matt Grace、Erik Davisで無失点。各投手にとっても上々の滑り出しとなりました。

野手陣では、ベテランのScott Sizemoreが3ランを含む2安打。マルチ安打は彼だけでした。Wilmer Difoが1安打を記録しましたが、2つのエラーと他にも守備でミスがあったようです。1番ショートで起用されたTrea Turnerは2打数ノーヒットでした。

(明日からはここまで細かく報告はせず、何日分かまとめる予定です。)