2012/02/28

Solis が(やはり) TJ手術

先日も少し書いたようにヒジの痛みを訴えていたSammy Solisが、やはりTJ手術ということになりました。

来週火曜日(3月6日)に手術予定。例によって復帰は早くて1年後ですから、来年のスプリングトレーニングに間に合えばという感じです。昨年のアリゾナ秋季リーグの時から違和感を覚えていたというのですから、もっと早くに手術に踏み切っていればと悔やまれます。この冬の間の3か月を無駄にしました。チームドクター、しっかりしろ!

2010年のドラフト2順目(Harperの同期)。フルシーズン1年目の昨季、やや出遅れたもののシーズンが進むにつれて成績を向上し(A+への昇格後10試合に先発して、2.72/1.28、8.5K/9、4.82K/BB)、アリゾナ秋季リーグにも参加。プロスペクトとして期待を高めつつあっただけに残念です。

完全復帰を心から願います。

2012/02/27

The Face of the Franchise に万歳!

Ryan Zimmermanとの契約延長が成立から一夜が明けました。

契約内容をまずおさらい。2013年までの2年2600万ドルを残す現行契約はそのまま。新たに2014~2019年までの6年をカバーする総額1億ドルの契約に合意したので、合わせると8年1億2600万ドルとなります。2020年に1800万ドルの球団オプションが付いており、2012~2020年に最大で1億4200万ドルとなります。

[年俸詳細]
2012: 1200万ドル
2013-18: 各1400万ドル
2019: 1800万ドル
2020: 1800万ドル(球団オプション。行使しない場合は200万ドルの支払い義務)

金額については、CBSのJon Heymanが高すぎると評していますが、後述のように1000万ドルが将来払いであることから年平均では1500万ドル程度。29~34歳という野球選手として一番いい時期をカバーするものであり、むしろZimmerman側が言ったようにチーム・フレンドリーな契約だと思います。FanGraphsのDave Cameronも過去の三塁手と比較して妥当な金額としています。

最後のハードルと言われていたトレード拒否条項ですが、2014年以降の新契約には完全な拒否条項が含まれましたが、2013年までの現行契約には含まれないままとなりました。ただし、仮に現行契約の元でトレードが実行された場合には新契約がカバーする間の年俸が総額で800万ドル増えることが新契約で定められ、トレードが難しくしてあります。さらに、会見においてRizzo GMが「私がGMである限り絶対トレードしない」と明言していますので、この契約により、少なくとも2019年までZimmermanがナショナルズに在籍することはまず保証されたと言えるでしょう。

また、交渉期限を土曜日中まで延期した際にZimmerman側から示した新提案とは、1000万ドルをZimmermanが引退した後5年間球団のために働く(フロント?コーチ?監督!?)ことの対価とし、将来払いとするものだったようです。おそらく金利は付かないと思われ、球団財政の流動性を高めることに貢献します。Zimmerman自身、チームの核となるであろう他の若い選手に今後、高年俸を支払うことが必要になることを念頭に置いていると言っています。明らかに自身がどれだけ稼ぐかよりもチームが強くあり続けることの重要性を意識した発言です。

今回の契約延長に際して、年俸はもちろんこの契約の重要なパラメーターだったと思いますが、Zimmermanにとってそれ以上に重要なことが、このナショナルズに在籍し続けること、そしてナショナルズで優勝できることだったはずです。それが、この1000万ドルの将来払い提案で示されています。昨日の会見では、Rizzo GMが「交渉期間中、Zimmermanが金銭の話をすることはなかった。ナショナルズに在籍し続けることが保証されることを一貫して要求していた。」と発言しています。逆にZimmermanからは「これまで機会を与えてくれたチームに対して今度は恩返しをする番であり、それはワールドシリーズに勝つことだ」と発言していました。苦しい時期にずっと長くチームを支えてきたZimmermanにそう言われると何だか感動的です。

この交渉プロセスを通じ、Zimmermanは球団との一体感を繰り返し強調してきました。Rizzo GMはおろかオーナーシップさえまだ現体制でなかった2005年にナショナルズとしての最初のドラフトで1順目に指名され、その秋にデビュー。以来、常に中心選手であり続け、誰よりも古くからこの球団とともに歩んできたZimmerman。いつの日からかThe Face of The Franchiseと呼ばれるようになりました。昨日の会見でも、Rizzo GMがThe Face of the FranchiseがZimmermanのファースト・ネームかと思っていたという冗談を使うほどに定着しています。Zuckermanはコラムで「StrasburgとHarperはナショナルズのユニフォームを着て偉業を成し遂げるかもしれない。しかし、彼らがZimmermanのこの球団における地位を越えることは決してないだろう。彼は今もそしてこれからもずっとThe Face of the Franchiseであり続ける」と書いています。全く同感です。

The Face of the Franchise に万歳!

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あまり例を見ないことですが、このZimmermanとRizzo GMの会見には、Strasburg、Harperを含む15人ほどのチームメイトが同席していました(MLB.comの動画では顔ぶれが確認できます。Beast ModeのTシャツ姿のMorseがひときわ目立ちます。)。彼らはこのZimmermanへの球団の扱いそしてZimmermanの対応を目にして、感じるものがあったはずです。特に注目は次のStrasburgのコメント(Washington PostのAdam Kilgoreからの抜粋引用)。さすがにまだ気が早いとは思いますが、期待せずにはいられません。

“my college coach, he was a Padre his whole life. It’s really great to see another guy who’s going to be with one team his whole career. When you have a team like this that’s capable of winning, it would appeal to anybody to stay here and win and win and win. I don’t feel any different.” (注: Strasburgのサンディエゴ州立大学での監督はTony Gwynn

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最後に、1年以上前から始まったこの交渉プロセスを成功裡に導いたRizzo GM。ここまでチームを作ってきた手腕は高く評価できます。チームがこういう状態でなければさすがのZimmermanとはいえ残りたいという気持ちにはならなかったかもしれません。上記のStrasburgのコメントもなかったでしょう。改めて拍手を送りたいです。

これで、オフの補強は終わったはず。いよいよプレーボールが近付いてきました。Rizzo GMの言葉を借りれば「And now we’re ready to take off.」(Adam Kilgore)。

大いに飛び立ってもらいましょう!

- MLB.comの動画
- CSNの動画

2012/02/26

Zimmermanと契約延長合意! [速報]

Ryan Zimmermanとの契約延長に合意しました! 

今朝、Zimmerman本人が明らかにしました(Washington PostのAdam Kilgore)。詳細は今日午後にも会見が開かれて明らかになる予定ですが、とりあえず速報。

Zimmermanが交渉期限を少しだけ延期 (⇒明日にも合意発表!)

(2月26日午前1時追記)

じりじりとした1日を過ごしましたが、23時を過ぎたころになって、球団側、Zimmerman側双方から、細部の詰めは残っているものの契約合意に向けて大きな進展があり、おそらく明日には合意に達することができるだろうという見解が示されました。もう大丈夫でしょう。ほっとしました。よかったー!

Zimmerman自身が代理人を通じてビートライターに送ったステートメント(のおそらく抜粋)(Zuckermanより転載)。Zimmermanバンザイ!

"All along, all I've wanted is to be able to stay with the Nationals, which I consider my hometown team, and help the franchise become a winner while also being compensated fairly," "While nothing is finalized, I am confident that we can reach an agreement that will accomplish all those things. I'm from Virginia, I was drafted by the Nationals and I've seen this organization make great progress since I signed here. I want to see it through to the ultimate goal of winning a World Series."


(写真は今日のZimmerman by Jonathan Newton)


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(2月25日午後3時オリジナル)

野手を合わせた全体練習が始まる今日(2月25日)の午前10時が、当初Zimmermanの設定した期限でした。

昨日、Zimmerman側から示している案が、金銭的にはチーム・フレンドリーなものであること、そしてこのチームにずっといられることが保証されるためにトレード拒否条項を要求していることが明らかになりました。Zimmermanの発言では、「ナショナルズ以外のチームにフレンドリーになっては意味ない」というものでした。チームフレンドリーな契約であればトレード対象としても他球団から魅力的となることは当然で、合理的な要求と言えます(逆にWerthの契約なんてどこも引き取り手がありません…)。

どきどきしながら朝から情報を集めていましたが、なにも発表がないまま午前10時の期限を経過。どうなったかと心配していたところ、午後になってZimmermanが、「新たな案を示して、球団からの回答期限を「今日中」に延期した」とコメント。Rizzo GMも交渉を継続していることを明らかにしました。

同時にZimmermanは、この機会を逸したらもう契約延長はないことを示唆しました。交渉戦術かもしれませんが、球団側の対応に焦れていることは明らか。尾を引くようなことになっては最悪です。球団側、もういいでしょう。合意しましょう。お願いします。

開幕投手はやはりGio !?

3月2日から始まるスプリングトレーニング・ゲームの先発投手をJohnson監督が明らかにしました。

3/2 Purke (Georgetown University)
3/3 Jackson→ Gorzelanny (@HOU)
3/4 Strasburg→ Detwiler (Astros)
3/5 Lannan→ Stammen (@NYM)
3/6 Gonzalez→ Maya (@ATL)
3/7 Zimmermann (Cardinals)

肩への不安から調整を少し遅らせている王建民は、Lannanが登板する5日にシート打撃で登板予定。そして5日後の10日はタイガースとメッツを相手に2試合が予定されているため、2人ともが先発予定です。良くできています(笑)。

気が早いと言われてもあえてカレンダーをめくってみると、このまま皆が中4日で調整を続けた場合、4月3日のナショナルズ・パークでのレッドソックスとのオープン戦はStrasburg、そして4月5日の開幕戦はGioが先発という計算になりますが、果たして。

2012/02/23

Zimmermanとの契約延長交渉

Ryan Zimmermanとの契約延長交渉が(おそらく)佳境に入っています。今日(2月23日)午後、Zimmermanの代理人であるVan Wagenenがナショナルズのキャンプ地を訪れ、Rizzo GMを含む球団首脳と直接交渉しました。

現在の契約はまだ2シーズン(2013年シーズン終了まで)残っているので、急ぐ必要はないようにも見えますが、現在のMLBのビジネスではむしろ遅いくらいです。Zimmermanといえばナショナルズの"Face of Franchise"であることは言うまでもありませんが、MLBではフランチャイズプレーヤーとは契約満了のはるか前に長期契約を固めてしまう球団が増えています。例えば、Zimmermanとは2005年ドラフト同期でもあるRyan BraunTroy Tulowitzkiがそれぞれブリューワーズとロッキーズと結んだ契約は、前の契約が切れる3年以上前に2020年までカバーする10年契約に切り替えたものです。そういう意味では既に出遅れており、さらにZimmerman側がスプリングトレーニングが本格的に始まる今週土曜日をこの春の交渉期限と設定し、それまでに合意できなければシーズンが終わるまで交渉を再開しないと明言。この期限設定にはやや恣意的な印象がありますが、ともかくこの一両日が山場となっています。

今日のところは合意に至りませんでした。

先程テレビで流れていた今日の夕方に収録されたインタビューで、Rizzo GMは、「球団としてはThe Face of The Franchise(3分ほどの間に3回もこのフレーズを使っていました)として是非とも残ってもらいたいと思っているし、Zimmermanの契約延長への意思も明確であり、合意できるものと思っている(hopeful)」と話していました。一方のZimmemanもやはり今日夕方収録されたインタビューで、「引退するまでワシントンでプレーしたい。これまでは弱いナショナルズでプレーしてきたが、これからも、いよいよ強くなるであろうナショナルズと過ごしていきたい」とコメントしていました(Mark Zukermanのブログの動画)。

自分の耳で2人のコメントを聞く限りは、希望を持ちましたが、ビートライターのニュアンスは微妙に分かれています。トレード拒否条項の扱いがネックになっているものの大筋では合意の方向に進んでいるというという明るい見通しを示すものもあれば(ワシントンポストのAdam Kilgore、Zuckerman)、ビジネスの側面を強調した悲観的なトーンのもあり(公式ページのBill Ladson)、予断を許しません。

契約合意に至ることなく木曜日夜にVan Wagnenn代理人は去っていきましたが、もちろん明日も交渉は続けられるでしょう。Zimmermanは「自分の契約がチームの補強戦略に悪影響を及ぼすような契約は望まない」と以前から明言していましたし、各情報を見ていても、金銭面は障害となっていない模様。トレード拒否条項? Zimmermanをトレードだなんて、考えるだけで気分が悪くなります。球団側が譲歩してくれればいいだけのこと。ファンとしては、どんな条件でもいいからとにかくZimmermanが長くいてくれることを願うばかりです。とりあえずの期限まではあと二晩。なんとか、宜しくお願いします。

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その他の話題。故障の話がちらほら。いずれも想定内ですが。

●野手の集合日。全員到着。投手・捕手でただ1人遅れていたHenry Rodriguezも姿を現し、全選手がそろいました。こんなに早い時期に全選手がそろったのは、私がナショナルズをフォローし始めた2008年以降で初めてのこと。めでたい。

●王建民が2度目のブルペンセッションを明日に延期。痛みを訴えているわけではありませんが、慎重に調整させている様子。

●Adam LaRocheはやはり肩の状態が完全ではなく、打撃には影響がないものの全力での送球ができない状況。開幕まで間に合うかどうかについても、本人が懐疑的なコメントをしていたくらいなので、おそらく無理なんでしょう・・・。一方、やはり故障からの回復具合が気になるMark DeRosaは問題なしとコメントしています。

●2010年ドラフト2順目(Harperの次に指名)のSammy Solisについては、アリゾナ秋季リーグ中に痛みを訴えた左ひじへの懸念から調整を遅らせる模様。心配。TJ手術の成功率は上がっているので、必要なら早く受けたほうがいいと思います。

2012/02/22

BA: Top 100 Prospect (Harper 1位)

BAのトップ100プロスペクトが発表されました(元記事)。

Bryce Harperが2年連続で全体1位。ナショナルズからは他にAnthony Rendonだけがランクイン。Gioのトレードで去った中ではPeacockとColeの2人がランクインしました。特にPeacockは高評価。

1. Bryce Harper, OF
19. Anthony Rendon, 3B
36. Brad Peacock, RHP
57. A. J. Cole, RHP

全体のトップ10はこちら。順番はともかくトップ3はどこでも変わりませんね。ダルビッシュが4位って言われても。ちなみに松坂は2007年の1位でした。ジャイロボール(笑)。

1. Bryce Harper, OF, Nationals
2. Matt Moore, LHP, Rays
3. Mike Trout, OF, Angels
4. Yu Darvish, RHP, Rangers
5. Julio Teheran, RHP, Braves
6. Jesus Montero, C, Mariners
7. Jurickson Profar, SS, Rangers
8. Shelby Miller, RHP, Cardinals
9. Trevor Bauer, RHP, Diamondbacks
10.Dylan Bundy, RHP, Orioles

Q&Aという形でいくつか補足がありました。
●Harperのパワーは規格外。
●アリゾナ秋季リーグで肩の状況が良いことを示していればRendonの順位はもっと上だったはず。健康に過ごせば来年の全体1位の有力候補。
●Alex Meyerはぎりぎりのところでランク外。潜在能力は高い。
●Brian Goodwinも伸びシロの大きな選手。
●Matt Purkeは故障の懸念さえなければ簡単にランクインしたはず。

2012/02/21

キャンプ始まる!

いよいよフロリダ州Vierraでのナショナルズの春季キャンプが始まりました。

昨日が身体検査で、今日が投手・捕手の活動開始日。さっそくStephen Strasburgがブルペン入りし、順調な調整ぶりを披露しました。座ったのはWilson Ramos(写真はMark Zuckerman)。Ramosはあんな事件に巻き込まれたのに無事にキャンプインできて本当によかった。

投手・捕手で期限に遅れているのはHenry Rodriguezただ1人。もっとも昨年のようなビザ問題ではなく、個人的事情により数日遅れるということで球団に許可を得ているようです。

野手の集合日は今週木曜日なのですが、既にほとんどの選手が到着。まだ姿を現していないのは、Mark DeRosaとXavier Paulの2人だけだそうです。みんなのやる気が伝わってきます。

Rizzo GMやJohnson監督のコメントを中心にいくつか話題を拾っておきます。

●今季のStrasburgの投球回数制限は150~160イニングとJohnson監督が明らかにしました。Strasburgをシーズン終盤まで投げさせるために6人ローテーションを採用したりStrasburgだけ開幕を遅らせたりするのではないかという噂がありましたが、そういった細工はせずに開幕からローテーションを守って投げさせて制限に到達したらシャットダウンする、とRizzo GMが明言。それでいいと思います。ローテーション投手としてしっかり育成することが最優先。

●Johnson監督が開幕ベンチ入り25人のうち22人までは決まっていると発言。野手の控え2席とブルペンの1席ということかな。同時に、先発投手候補からローテーションの5人とロングリリーフの2人と言っていますので、王建民、Lannan、Detwilerのうち2人は既に監督の頭の中では当確ランプがついているということでしょう。当確でない1人がGorzelanny、Stammenと争うという図式でしょう。ショートリリーフ投手は5人に限られるので、事実上競争はありません(Storen, Clippard, Burnett, Rodriguez, Lidgeで決定)。

●昨年のドラ1のAnthony Rendonが健康にキャンプイン。まずは一安心。Johnson監督から、本来のサードに加えてショートとセカンドも練習してもらうと言われたようです。サードにはZimmermanがいるので、ひとまず当面は仕方ないでしょうね。Rendon本人も前向きに受け入れ、Zimmermanを大先輩として立てる謙虚なコメントをしています。

●これに対してBryce Harperはいつもの調子で「開幕メジャーを目指す!」と第一声。ただし同時に「黙ってしっかりプレーする」とも発言しています(笑)。ツィッター@BHarper3407が悪いとは言いませんが、全ての発言で「!」 を使うのを止めたらどうかと思います・・・。ちょうど今MLB Networkで10分弱の特集を見ましたが、インタビューへの答え方もまだまだ。ウェイトトレーニングの様子を見ると体はしっかり育っていますが。環境が人を育てるという部分もあるので、メジャーリーガーになってから成長する可能性も否定しませんが。あのTom Bradyも最初の頃のインタビューはひどかったから。

●11月にハムストリングを断裂し、早くてもオールスター明けまで復帰はないと言われているChris Marreroもキャンプ地でリハビリ中。キャッチボールやティーバッティングはできるようですが、まだ走ることができません。

2012/02/19

リハビリ中のKimball

公式サイトのBill LadsonがCole Kimballの記事を書いていました(元記事)。

年明け早々の1月10日からキャンプ地のフロリダでリハビリに取り組んできたようで、現状は30メートルほどの距離でのキャッチボールができるくらいまで回復。メジャーのマウンドへの復帰は早くてもオールスター明けとなるようですが、ここまでは順調な様子に安心しました。

しっかり直して戻ってきてくれることを願っています。焦らないで。

2012 Spring Training Outlook 5 (OF)

(2月19日追記)
Mike Cameronがキャンプ地に来ることもなく引退を表明しました。予想より早かったですね。昨季のStairsのように、本来は敬意を払うべきベテラン選手に対してあまりの不甲斐なさに批判しなくてはならない状況は、本人はもちろんファンにとっても悲しい状況なので、これでよかったと思います。私にとってはイチローの横でセンターを守っていた印象のままです。17年間お疲れさまでした。

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(2月18日オリジナル)
明日が投手と捕手の集合日となりました。キャンプ地からのビートライターによるレポートも続々。既に主要な野手も含め20人以上の選手はキャンプ地でトレーニングしているようです。さあ、いよいよです。

最後は外野手編。

【オフの動き】
(退団) Laynce Nix(FA)、Jonny Gomes(FA)
(入団) なし

オフの始めにフロントが示した課題の1つがセンターの強化でしたが、結局メジャー契約の補強はなし。FAにめぼしい選手がいない中、トレードも探ったようですが成果は得られず。FAとなったRick Ankielとマイナー契約で再契約。

【スプリングトレーニングの見所】
(40人ロースター)
Jason Werth
Roger Bernadina
Michael Morse
Bryce Harper
Eury Perez
Mark DeRosa
(マイナー契約招待選手)
Rich Ankiel
Corey Brown
Mike Cameron (2月19日引退表明)
Brett Carroll
Jason Michaels
Xavier Paul

Harperを開幕ロースターに入れるべきかどうかが論じられていますが、ありえない選択。Johnson監督が期待する発言をしており、Rizzo GMも「Best 25が開幕ロースター」と公式には発言していますが、FAになる年を1年早める決断を下すとはとても信じられません。そんなことをすれば、むしろ長期的には許されないミスです。スプリングトレーニングで打率4割超、出塁率5割超、チーム最多本塁打をダブルスコアでリードするくらいの破壊的な成績を残せば考えるかもしれませんが、さすがにそこまでは打たないでしょう。もっとも、昨春の成績が(わずか19打席とはいえ).389/.450/.556でしたから、ありえないと言い切れないところがこの選手の恐ろしいところですが(笑)。昨春に比べれば先発出場を含め多くの出場機会を得るでしょう。どれだけ通用するか、もちろん大注目です。

Harperがマイナーで開幕することを前提にすると、ライトにWerth、レフトにMorseで両翼のレギュラーは確定。センターを巡ってオープンな競争が展開される見通しです。

候補はBernadinaとマイナー契約のAnkiel、Cameron、それにBrownの4人。この4人のうちCameronを除く3人が左打者で左投手を苦手にしていることから、センターはプラトーン体制を取ることになりそうです。具体的な注目点は、Cameronが健康にそれなりの成績を残してプラトーンの一角を確保するか、左打者3人の争いを勝ち残るのは誰か、そしてまさかのトレードがあるかといったところ。

Cameronは39歳の大ベテラン。2001、03、06年にゴールドグラブ賞を獲得したセンターの守備はいまだ高く評価されていますが、過去2シーズンはとにかく打てませんでした。マーリンズに在籍した昨季後半の数字は.238/.331/.420と意外に良いのですが、わずか45試合での成績なので信じていいものかどうか。ちなみに、フルシーズンでの左投手との対戦成績は.165/.267/.352という無残な数字(対右投手のほうがまし)。

左打者3人の中では、マイナー契約ながらAnkielが有力視されています。昨季、打撃はともかく守備は確かにBernadinaより安定していました。何よりあの強肩。それだけで本塁に突入するランナーが減り、失点を防いでくれます。当ブログをご覧頂いてきた方はご承知かと思いますが、個人的にはBernadinaをずっと押してきました。フロントはセンター守備を評価していないので旗色は悪いですが、対右投手成績では.257/.322/.398とAnkielの.243/.300/.379を上回っています。使い方を間違えなければメジャー選手として十分やっていけるはず。最後のチャンスでしょうからしっかり頑張って。故障もあって昨季は不本意なシーズンとなったBrown。オフに40人ロースターから外されましたが、他球団からクレームされることもありませんでした。26歳ですから、こちらもそろそろラストチャンス。落ちた評価を反転させることができるでしょうか。

40人ロースターにはEury Perezも入っていて、センターが本職、しかも右打者ですが、ルール5ドラフトでプロテクトするために40人ロースターに入っただけで、さすがにまだ早いでしょう。

【開幕予想】Werth, Morse, Ankiel, Bernadina

層が薄い。明らかにもう1人補強しておくべきでした。

決して期待しているわけではないのですが、Cameronは故障離脱あるいは不振で退団してしまい、結果、センターのプラトーンは、対右投手はAnkiel、対左投手はWerth(ライトはBernadinaかDeRosa)となると予想します。Bernadinaは両翼の控え、代走要員としてロースター入り。外野手としての登録は以上4人。通常は5人ですが、DeRosaが両翼を務めるられるのでとりあえず4人で十分でしょう。他のマイナー契約選手は、内野手のRivero、Tracyに(さらにTeahanにも)打ち勝てないと見ます。

上でHarperの開幕ロースターはないと書きましたが、開幕から3週間ほど遅れて、4月末にメジャーデビューという可能性は否定しません。それならFA資格取得は早くなりません。さらに6月中旬まで待てば、年俸調停権を2年目終了時点で得ることができる「スーパー2」となることも回避でき実質的に数百万ドルのコスト節約となりますが、そこまで待つかどうか。Harper自身がスプリングトレーニング・開幕後のマイナーで好成績を残すことに加え、Harperを必要とするチーム状態となっているなど、運も含むいくつかの要因が重ならなければ実現しないと思いますが、ファンとしては、これがベストシナリオです。

2012/02/17

2012 Spring Training Outlook 4 (INF)

ここ数日時間がとれず、ちょっと遅くなりました。続いて内野手編。

【オフの動き】
(退団) Alex Cora(FA), Brian Bixler(Claim off waiver by HOU)
(入団) Mark DeRosa(FA), Carlos Rivero(Claim off waiver from PHI)

大きな変更はありません。DeRosaと1年契約。1塁、2塁、3塁に加え外野の両翼を守れるユーティリティとしてベンチに置いて悪くない選手。Bixlerをクレームされて失いましたが、数日後にRiveroをフィリーズからクレームしました。Bixlerよりはるかに将来性のある選手。全体としてアップグレードと評価できるでしょう。

【スプリングトレーニングの見所】
(40人ロースター)
Adam LaRoche
Danny Espinosa
Ryan Zimmerman
Ian Desmond
Mark DeRosa
Steve Lombardozzi
Carlos Rivero
Tyler Moore
Anthony Rendon
Chris Marrero [Injured]
(マイナー契約招待選手)
Mark Teahen
Chad Tracy
Andres Blanco
Jarrett Hoffpauir

想定されるレギュラーは、右からLaRoche、Espinosa、Desmond、Zimmerman。しっかり調整してくれればそれでいいのですが、心配なのはLaRocheの肩の状態。昨年6月に手術してリハビリを続けてきましたが、1か月ほど前の時点でまだ完全でないと本人が認めていました。果たしてどんな状態でキャンプインするかがまず注目されます。一昨年以前は、春先はダメでも夏場に調子を上げてシーズン成績では帳尻を合わせる「スロースターター」で有名したが、今季に限ってはそんなことでは許されません。早く仕上げられなければ、居場所がなくなることは自覚しているでしょう。

実績・契約から言ってDeRosaのベンチ入りも確実。懸念は過去2シーズン苦しんだ左腕の故障。昨季終盤に復帰してからは好成績を残していたので大丈夫だと思いますが、こちらも始まってみないと分りません。

以上5人を除くと開幕ベンチ入りはあと1、2人。40人ロースターのLombardozziとRiveroに、マイナー契約の4人を加えた6人が争うことになりそうです。Lombardozziは昨季9月に呼ばれた際には打席での力不足を感じさせたので、スプリングトレーニングでは結果とともに内容も求められます。Riveroも然り。インパクトのある活躍ができるでしょうか。マイナー契約の4人の中ではTeahanとTracy(今はじめて知りましたが、昨季は途中まで広島カープにいたんですね)が実績のある選手。ただ、それぞれ30歳、31歳と下り坂。もう一花咲かせることができるかどうか。BlancoとHoffpauirは28歳と比較的若いのですが、いかんせんパワー不足。

ロースター争いは別として楽しみなのが、昨年のドラ1(全体6位)のRendonと、過去2シーズンAとAAで計62本塁打のMooreの若手2人。ともにメジャー・キャンプ初参加。特にRendonは肩の故障のためアリゾナ秋季リーグもパスしており、プロ入り後初の実戦となります。2人ともマイナー開幕は確実で、スプリングトレーニングでもそう多くの出場機会が与えられるとは思いませんが、メジャーの投手を相手にどれだけ力を出せるでしょうか。

【開幕予想】LaRoche, Espinosa, Desmond, Zimmerman, DeRosa, Rivero, Tracy

レギュラーの4人とDeRosaは健康なら確実。

通常なら残りは1席ですが、DeRosaが外野の両翼も務めることと、外野手の層が薄過ぎることから、内野手であと2席、単純に打ち勝ったRiveroとTracyが残ると予想します。かなり大胆な予想です。両打ちでセカンドとショートをしっかり守れるBlancoは面白い存在ですが、Johnson監督がベンチにパワーバットを置きたがっている方針に合いません。これに対してRiveroは長打力があります。守備には大きな疑問符が付いており、しっかり育成するならAAかAAAでスタートですが、オプションが1つしか残っていないこともあり、昇格を急がせてもいい選手。スプリングトレーニングで本塁打を量産して残ると期待します。Tracyも長打力と出塁率を示して外野手も含めた最後のイス取りゲームを制すると予想。

Lombardozziはそこそこの結果を残すかもしれませんが、昨年9月の様子を見るともう少し育成期間が必要。DesmondかEspinosaが故障あるいは深刻な不振に陥った場合にバックアップとして昇格する可能性に備えて、あるいはトレードバイトとしての価値を維持するために、開幕はAAAでレギュラーとして起用されると見ています。

2012/02/14

2012 Spring Training Outlook 3 (C)

どんどん行きます。続いて捕手。

【オフの動き】
(退団) Ivan Rodriguez(FA), Derek Norris(Trade to OAK)
(入団) なし

Pudgeが2年の契約を満了してFA退団。現役続行の意図を示していますが、まだ所属が決まりません。アリゾナ秋季リーグで結果を残し12月に40人ロースター入りを果たしたNorrisがGioのトレードでアスレティックスへ移籍

異動ではありませんが、大きな事件と言えば11月のWilson Ramos誘拐事件。その後ベネズエラ・リーグでプレーしていたのであまり心配はしていませんが、ショッキングなニュースでした。一方、健康面での不安が懸念されてきたFloresもやはりベネズエラで56試合に出場。200打席以上立って.330/.368/.514という数字を残し、健康にしかも高いレベルでプレーできることを証明しました。

【スプリングトレーニングの見所】
(40人ロースター)
Wilson Ramos
Jesus Flores
Jhonatan Solano
(マイナー契約招待選手)
Sandy Leon
Carlos Maldonado

RamosとFloresの2人は故障なくしっかり調整してくれることを祈るのみ。

12月に40人ロースター入りしたSolanoとマイナー契約のMaldonadoは、RamosかFloresが故障した場合の備えですが、能力的にはせいぜい控え捕手。むしろ楽しみなのは、マイナー契約で呼ばれているLeon(ちなみにやはりベネズエラ出身)。まだ22歳、昨季はA+だったのでメジャーに到達するには時間がかかりますが、盗塁阻止率が50%を超えるなど既に守備面では高い評価を得ており、控え捕手としてならメジャーに到達する可能性は十分と言われています。あとは打撃がどこまで伸びるか。この春はいい経験を積んでくれることでしょう。

【開幕予想】Ramos, Flores

故障さえなければ、Ramosが正捕手、Floresが控えで開幕することは疑いなし。Floresのトレードの噂は何度か浮上していますが、投手との信頼関係の醸成が必要とされる捕手というポジションの性格からいって、またNorrisをトレードに出した今、Ramosが故障した場合にレギュラーを務められる捕手が他にいないことを考えると、たとえ結果を残してもスプリングトレーニング中にトレードされるとは思えません。今季はしっかり控え捕手として働き、巡ってくるチャンスを待ちましょう。

2012/02/13

BP: Top 101 Prospects (Harper 2位)

BPのトップ101プロスペクトが発表されました(元記事)。Bryce Harperが全体2位。ナショナルズからは他に2人。Gioのトレードで去った3人もランクイン。

2. Bryce Harper, OF
26. Anthony Rendon, 3B
91. Matt Purke, LHP
60. A.J. Cole, RHP
64. Brad Peacock, RHP
96. Derek Norris C

全体のトップ10はこちら。最多はパドレスの10人。Gioのほかにも多くのトレードでプロスペクトをかき集めたアスレテイックスが7人の2位でした。

1. Matt Moore, LHP, Rays
2. Bryce Harper, OF, Nationals
3. Mike Trout, OF, Angels
4. Jurickson Profar, SS, Rangers
5. Julio Teheran, RHP, Braves
6. Dylan Bundy, RHP, Orioles
7. Jesus Montero, C, Mariners
8. Manny Machado, SS, Orioles
9. Gerrit Cole, RHP, Pirates
10. Shelby Miller, RHP, Cardinals

MLB.com: Prospect Ranking

MLB.comでも(Jonathan Mayoによる)プロスペクトランキングが公表されていました。

Nationals Top 20
Taylor(5位)とPerez(7位)への高評価が目立ちます。ツール系の若い選手を高く評価する傾向があるのかな。

1. Bryce Harper, OF
2. Anthony Rendon, 3B
3. Alex Meyer, RHP
4. Sammy Solis, LHP
5. Michael Taylor, OF
6. Matt Purke, LHP
7. Eury Perez, OF
8. Destin Hood, OF
9. Brian Goodwin, OF
10. Steve Lombardozzi, 2B
11. Chris Marrero, 1B
12. Robbie Ray, LHP
13. Jeff Kobernus, 2B
14. Tyler Moore, 1B
15. Zach Walters, SS
16. Rick Hague, SS
17. Kylin Turnbull, LHP
18. David Frietas, C
19. Paul Demny, RHP
20. Taylor Jordan, RHP

全体トップ100
Harperは2位。ナショナルズからはほかに3人。2011年ドラフト全体1位のGerrit Cole (RHP, PIT)は11位。

1. Matt Moore, LHP, TB
2. Bryce Harper, OF, WAS
3. Mike Trout, OF, LAA
4. Julio Teheran, RHP, ATL
5. Shelby Miller, RHP, STL
6. Manny Machado, SS, BAL
7. Jurickson Profar, SS, TEX
8. Jameson Taillon, RHP, PIT
9. Trevor Bauer, RHP, ARI
10. Dylan Bundy, RHP, BAL

27. Anthony Rendon, 3B, WAS
75. Brad Peacock, RHP, OAK
83. Alex Meyer, RHP, WAS
86. Sammy Solis, LHP, WAS
88. A. J. Cole, RHP, OAK

【ポジション別トップ10】
一塁手: 8. Chris Marrero, WAS
三塁手: 3. Anthony Rendon, WAS
外野手: 1. Bryce Harper, WAS

2012/02/11

2012 Spring Training Outlook 2 (RP)

続いてブルペン。先発陣ほど大きな変化はありません。


【オフの動き】
(退団) Todd Coffey (FA), Doug Slaten(non-tender FA), Collin Balester(Trade to DET)
(入団) Brad Lidge (FA), Ryan Perry(Trade from DET)

Todd CoffeyがFA退団。再契約を期待しましたが、ドジャーズに行ってしまいました。年俸調停対象だったDoug Slatenはnon-tender。昨季の成績では仕方ない。かつてのトッププロスペクトBalesterをPerryとトレード。オフも後半になってBrad LidgeとFA契約。必要な調整を行いつつアップグレードにも成功したいいオフと評価できるでしょう。

【スプリングトレーニングの見所】
Drew Storen (R)
Tyler Clippard (R)
Sean Burnett (L)
Henry Rodriguez (R)
Brad Lidge (R)
Tom Gorzelanny (L)
Craig Stammen (R)
Yunieski Maya (R)
Ryan Mattheus (R)
Ryan Perry (R)
Atahualpa Severino (L)
Chen-Ming Wang (R)
Ross Detwiler (L)
John Lannan (L)
Cole Kimball (R) [Injured]
(マイナー契約招待選手)
Jeff Fulchino (R)
Waldis Joaquin (R)
Rafael Martin (R)
Chad Durbin (R)

ブルペン投手は7人が一般的。クローザーの地位を完全に確立したStoren、セットアッパーのClippard、さらにBurnett、Rodriguez、Lidgeまでの5人は確定。さらに先発投手争いから漏れた王建民、Detwiler、Lannanのうち少なくとも1人がロングリリーフとして入るでしょうから、これで既に6人。

残るは1席。40人ロースターの投手だけで、Gorzelanny、Stammen、Mattheus、Perry、Severino、Mayaと6人が争う状況にあり、事実上マイナー契約招待選手にチャンスはないでしょう。さらにこの6人のうち、Matthues、Perry、Severino、Mayaの4人はマイナー・オプションを残しているので、生き残るには文句を言わせない好成績を残す必要があり、可能性は低いと思います。昨季の実績では一番のMattheusは、一時離脱の原因となった肩の痛みが再発しないかがまずは気になります。新加入のPerryは結果とともに課題とされている制球力に注目。Mayaは・・・失った信頼を取り戻すところからやり直し。密かに期待しているのがSeverino。昨季のメジャーデビューでイニング数を上回る三振を奪い好印象を残し、ドミニカ冬季リーグでも21試合に投げて無失点と快投。冬季リーグの成績はあまりあてにはなりません(Anderson Hernandezの高打率、Mayaのリーグ最優秀投手)が、期待くらいしてもいいでしょう。

現実的には、最後の1席は残る2人のロングリリーフ候補の競争。Gorzelannyは年俸調停を回避して300万ドルの1年契約。はっきり言ってロングリリーフに300万ドルは高い。開幕前に解雇すれば1/6しか払わなくていいので、そうしたほうがいいようにも思いますが、獲得時にそれなりの対価を支払ったこと、昨季ブルペンに回ってからは15試合で2.42/1.08と好投したことから、簡単には手放さないと見られます。一方のStammenはまだ年俸調停権取得前であと4年雇え、契約条件としてはかなり球団に有利。メジャーでそれなりに通用することは2009、2010年に証明済み。昨季も少ない登板機会ながらしっかり結果を残しています。球団の評価はなぜか高くありませんが、文句を付けさせない結果を残せば道は開けてくるでしょう。

マイナー契約選手の中では、昨季AAで防御率1点台と好投し、アリゾナ秋季リーグでも評価を上げたRafael Martinが楽しみな存在。開幕は当然マイナーでしょうが、シーズン中の昇格に向けて弾みを付けてくれることを期待します。

【開幕予想】Storen, Clippard, Burnett, Rodriguez, Lidge, Detwiler, Stammen

Lidgeまでの5人は文句なし。先発争いでLannanに敗れたDetwilerがブルペンへ。Detwilerと(Lannanでも)左のロングリリーフとして重複するGorzelannyは結果を残せず開幕前`にカットされると予想、もっとはっきり言えば「期待」します。

2012/02/09

2012 Spring Training Outlook 1 (SP)

投手と捕手の集合(2月19日)まであと10日となりました。今年も、先発、ブルペン、捕手、内野手、外野手に分けて、昨季終了後の動きと、スプリングトレーニングの見所を紹介するシリーズをお送りします。まずは先発投手編。

【オフの動き】
(退団) Livan Hernandez(FA), Brad Peacock(Trade to OAK), Tom Milone(Trade to OAK)
(入団) Gio Gonzalez(Trade from OAK), Edwin Jackson(FA)

オフの始めにMike Rizzo GMが掲げた最重要課題の1つが先発投手の獲得でした(もう1つはセンターの補強)。当初のターゲットだったMark Buehrleは札束攻勢のマーリンズにさらわれましたが、Gio Gonzalezをトレード獲得、さらに2月になってFAのEdwin Jacksonとの1年契約に成功。また、一度FA退団した王建民と再契約しています。

【スプリングトレーニングの見所】
(40人ロースター)
Jordan Zimmermann
Stephen Strasburg
Gio Gonzalez
Edwin Jackson
Chien-Ming Wang
John Lannan
Ross Detwiler
Yunesky Maya
Matt Purke
Tom Gorzelanny
Craig Stammen
(マイナー契約招待選手)
なし

まず驚いたのは、マイナー契約招待選手に先発投手候補が1人もいないこと。40人枠が充実していることの証左として喜ぶべきことだと思います。

Zimmermann、Strasburg、Gio、Jacksonまでの4人は故障さえなければ確定。この4人については順調に仕上げてくれることを祈るばかりです。

注目は残る1枠(5人ローテーションと仮定)。王建民、Lannan、Detwilerが争うことになります。スプリングトレーニングでの競争が行われるのは当然ですが、様々な制約がかかっていることも事実です。まず、契約関係を確認しておくと次の通り。

2012年年俸
FA
Minor Option
Wang
400万ドル
2012年オフ
Lannan
500万ドル
2013年オフ
Detwiler
50万ドル
2015年オフ

マイナーオプションがなく他球団にウェイバークレームされることが確実な王とDetwilerをマイナーに送ることは事実上不可能。Lannanだけはオプションが残っていますが、これだけの実績を残してきた投手を簡単にマイナー送りにすることはないでしょう。よって、健康である限り3人ともマイナーで開幕を迎えることはないと思われます。誰かがブルペンに回る可能性はありますが、王とLannanはブルペン未経験で、Detwilerもこれまで適性を示したかと言われると微妙ですし、せっかく先発投手として芽が出てきたところでもったいない。そもそも1人ならともかく、2人をブルペンというのは現実的ではありません。

ということで、現実的な選択肢としてトレードが浮上することになります。ただしFA契約の王のトレードは6月まで不可。開幕前の時点でトレードの可能性があるのはLannanとDetwilerとなります。ナショナルズは年俸が高いLannanを出したがっているとの噂がありますが、500万ドルはトレード先にとっても大きな負担。加えて、残り保有可能年数でもLannanの2年に対してDetwilerは4年残っており、またDetwilerはまだ潜在能力を発揮していないと見られていることから、トレードバイトとしての価値はDetwilerのほうが高いと言われています。Lannanの魅力は何と言っても実績。よって優勝争いをしようというチームが先発下位をしっかり任せられる投手を望む場合はLannan、再建中で若手中心のチームを作ろうとしている場合はDetwilerが対象となるはずです。トレード相手となる選手については、センターの獲得を目指しているとの情報もありますが、この時期になってレギュラークラスのセンターを獲得できるとはとても信じられません。マイナーリーガーとの交換が現実的。メジャーにある程度近いA+からAAクラスの投手プロスペクトが得られれば理想的です。

上記は、3投手がスプリングトレーニングでそれなりの結果を残すことを含め、全てが上手くいった場合の想定。上位4人を含め誰かが故障した場合には話は大きく違ってきます。7人の後は、過去2シーズンでほぼ先発失格とされたMayaと、マイナー登板さえないPurke、それにロングリリーフとしてキャンプ参加が予定されているGorzelannyとStammenくらいしかおらず、はっきり言って層は薄い。LannanもDetwilerもトレードされないまま開幕する可能性も十分あり、トレードが行われるとしても3月も後半のぎりぎりのタイミングになるのではないかと見ています。

【開幕予想】Gio, Zimmermann, Strasburg, Jackson, Lannan

開幕投手はGio、以下Zimmermann、Strasburg、Jacksonの順と予想します。開幕戦は比較的経験豊富なGioに任せ、Zimmermannはプレッシャーがかからない2戦目で登板。Jacksonにはそこまで期待していないので4番手。Strasburgの3番手というのは、5日前の最終調整登板が4月3日のNationals Parkでのレッドソックス戦となること(興行的観点)と、ローテーション通り進めば4月23日の故郷サンディエゴでのパドレス3連戦の初戦の登板に当ることが理由です。イニング制限とシカゴの寒さを考慮して、4番手(ニューヨーク)に回す可能性も否定できません。

王建民は故障というか調整遅れでDL入り、Lannanが先発5番手に入り、Detwilerはブルペンで開幕を迎えることになると予想します。実際のところ、7人がそろって健康で開幕を迎えられるというのはかなり楽観的で、1人くらいは出遅れると想定しておくべきでしょう。

2012/02/06

BA: Nationals Top 10 Prospect (REVISED)

昨年11月14日に旧サイトでオリジナルの記事を掲載しましたが、その後Gio Gonzalezのトレードに伴い3位(Peacock)、4位(Cole)、9位(Norris)の3人(とTom Milone)を放出。BAのホームページでこのトレードを踏まえた新しいランキングが公表されていました(チームのページは更新されていません)。

1. Bryce Harper, of
2. Anthony Rendon, 3b
3. Brian Goodwin, of
4. Alex Meyer, rhp
5. Matt Purke, lhp
6. Sammy Solis, lhp
7. Steve Lombardozzi, 2b/ss
8. Destin Hood, of
9. Chris Marrero, 1b
10. Michael Taylor, of
  
新たにランクインした3人はいずれも野手。Robbie Rayなどそれなりに評価されていい投手プロスペクトもいると思うのですが入りませんでした。

ちなみに、アスレティックスのランキングでは、2位(Peacock)、4位(Cole)、7位(Norris)、10位(Milone)と4人そろってランクイン。

Rick Ankielと再契約 (マイナー契約)

Nationals.comのBill LadsonのNYジャイアンツ応援ツィッターにうんざりのNFLスーパーボウルが終わりました。なぜレッドスキンズの地区ライバルのジャイアンツを応援してるんだ!? 気分悪い。

ともかく、いよいよ野球の季節が近付いてきました。

+++++++++++++++++
FAとなっていたRick Ankielとマイナー契約で再契約。昨季の打撃成績は確かに振るいませんでしたが、守備(特に肩)は一流と認められており、メジャー契約でなかったことは意外でした。

Rick Ankiel (2011 for Nationals)
122G 415PA 9HR 29BB 96K .239/.296/.363 10SB

昨季、開幕戦を含めチームの全試合の半分以上の84試合に先発したのがAnkielでした。そのAnkielがFAとなり、チーム内に有力な若手候補もいないため、センターの補強がオフの重要課題の1つでしたが、アップグレードを目指してFA、トレードの可能性を探ったもののこれまでのところ成果は得られず。Ankielとの再契約に至りました。

引き続き、Lannan(あるいはDetwiler)を交換要因としてのトレードの可能性は残っていますが、このまま補強がなければ、Ankielが開幕センターを務めることも十分ありそうです。ライバルは40人ロースター選手ながらどうもフロントの受けが良くないRoger Bernadinaとやはりマイナー契約のMike Cameron。個人的にはBernadinaを応援していますが、Ankielもロースターに残って欲しい選手。2人とも左という点は気になりますが。右打ちのCameronとのプラトーンとも言われていますが39歳に期待すべきではないでしょう。無理にロースターに入れて切るに切れなくなるという昨季のStairsの二の舞はごめんです。

2012/02/02

Edwin Jackson と1年契約

わお。Edwin Jacksonと1年契約で合意しました。金額は分っていませんが1000万ドル前後との情報。→1100万ドル+インセンティブと判明。

Edwin Jackson (2011 for CHW and STL)
32G (12W7L) 199.2IP 62BB 148K 3.79/1.44

28歳の先発右腕。2001年ドラフト6順目でドジャーズに入団し、マイナーで好成績を残して2003年に若干19歳で20歳の誕生日にメジャーデビュー。しかし、才能の片鱗を見せながらもなかなか大成できないままに2005年オフにレイズへトレード。2008年に初の2ケタ勝利を記録しながらも、翌年タイガースへ、さらにDバックス、ホワイトソックス、そして昨季のフラッグディールでカージナルスへと、実に5度のトレードを経験。この間Dバックス時代の2010年6月にはノーヒッターを記録。昨季はカージナルスのワールドシリーズ制覇にも貢献しました(ワールドシリーズでは第4戦に先発して敗戦投手)。

潜在能力は衆目の認めるところ。95マイルに達する速球と90マイル近い高速スライダーが武器。課題は制球力(上記のノーヒッター時にも8四球を記録)と言われますが、与四球はそんなに多くありません。被本塁打も少なく、5年連続して30先発以上を記録。数字を見る限りは安心して先発ローテーションを任せられる投手です。本当のところがよく分らないのは、なぜこんなにトレードされてきたのかという点。数字では見えない何か欠点があるのではないかと、この点はやや不安を感じます。

初めてFAとなったこのオフ。FA投手の中ではかなり高く評価され、3年3600万ドル(SI(当時)のJon Heyman)を得るとの予測もありましたが、結局マーケットが育ちませんでした。3年契約の提示もあったようですが比較的単価の高い1年契約を選び、来年改めてFA市場に打って出ようという作戦を取ることになりました。それでも当初の予測を下回りましたので、ナショナルズとしてはいい買い物をしたというべきでしょう。Fielderではいい仕事をしたBorasでしたが、Jacksonについては失敗。Borasは最近このパターンが多いですね(Ryan Madson、Francisco Rodriguez、それにCarlos Penaなんて2年連続)。この作戦では選手のモチベーションは当然高くなりますので、大いに期待していいでしょう。

さて、これでナショナルズの先発ローテーションはZimmermann、Strasburg、Gio、それにJacksonまでの4人は確定的で、残る1席を王建民、Lannan、Detwilerが争う構図となりました。Gioの追加だけでもかなりインパクトがありましたが、これでメジャー30球団でも有数の先発ローテーションと言っていいでしょう。純粋に楽しみです。

Lannanのトレードを積極的に模索しているという情報が流れる一方で、Rizzo GMがそれを否定するコメントを出したりと喧しくなっています。Strasburgは投球回数制限がかかり、王建民はまだ故障から完全に復活したと信じきることはできません。またGioのトレードによりマイナー(AAA)の層はかなり薄くなっており、Lannanを放出すべきでないとの意見もそれなりの説得力を持っていますが、現実的にはトレードされる可能性が高いのではないかと思います。少なくとも、このままスプリングトレーニングに突入するというGMのコメントを額面通りとることはできないでしょう。Lannanがいなくなっちゃったら寂しいな。でもオプションの都合とかそんな理由で開幕をマイナーで迎えるくらいなら、移籍させてあげたいようにも思います。

Lannanとの年俸調停

年俸調停対象選手の中でただ1人契約合意に至っていなかったJohn Lannanとの間での調停ヒアリングが2月1日に開かれました。

結果は、球団側の勝利で、Lannanの今季年俸は500万ドルと決しました。

Lannan側の提示も570万ドルと大きな差がなかった(庶民に70万ドルは大金ですが)ことから、ヒアリングは回避するのではという観測もありましたが、全球団の選手の中でも最初にプロセスを進めてしまいました。第三者の前で選手と球団とが敵味方に分かれて論争するという図式は決して好ましいものではなく残念です。スプリングトレーニングで先発枠を争うという微妙な立場に立たされているLannan。しこりが残らないことを願っています。

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という記事を書いていたら、Edwin Jacksonと契約、Lannanトレードといった噂が流れてきました。うーーーむ。