25日からいよいよ実戦が始まりました。
そして、その初戦、最初の打席でBryce Harperがやってくれました。2回表の先頭打者として打席に入ると、メッツの先発Sean Gilmartinの2球目を右中間へ豪快なホームラン。今年も地区優勝を争うライバルとなりそうなメッツに改めて強烈な印象を与えたことでしょう。
そのHarperに続き、5回にはNeftali Sotoがセンターへ2ラン、さらに6回には途中から出場したAndrew StevensonとMatt Skoleの両プロスペクトが連続ソロホームランを打ち、この時点で7-0とリードしました(特に、Stevensonが好スタートを切ったのは嬉しいですね。この後、どれくらいやってくれるでしょうか。)。
投手陣では、先発したGio Gonzalez以下、Trevor Gott、Joe Nathan、Oliver Perez、、Enny Romeroが各1イニングを無失点。特にRomeroは98マイルを計測したそうです。制球力さえあれば素晴らしいブルペン・ウェポンになりそうですが、今日は1四球。マイナー契約のベテラン投手陣が4人ほど乱れて6点を失いましたが、最終的には8-6でオープン戦初戦を勝利しています。
*************
ところで、ここまでのキャンプの故障者情報をまとめておきます。
まず、右手薬指の故障で出遅れているMax Scherzerですが、ブルペンセッションを開始する予定が組まれるまでになりました。他の投手陣より約2週間遅れだということです。開幕に間に合うかどうかはぎりぎりのところ。
期待の捕手プロスペクトPedro Severinoが右肩痛を発症している模様です。程度はよくわかりませんが、Matt Wietersの入団により余剰感が出ていた捕手でしたが、既定路線と思われたDerek Norris(望ましくはないものの Severino)のトレードにも影響がありそうです。
それ以外は、Tim CollinsがTJ手術からのリハビリ調整中(予想の範囲内)なくらいで、全体的には順調と言っていいと思います。
*************
明日以降は毎日とはいきませんが、スプリングトレーニングの情報をまとめて記事にしていきたいと思います。
2017/02/26
2017/02/24
2017 ST Outlook 6 (Former Nats)
最後は、こちらも恒例の元ナショナルズたちの情報。チーム名のすぐ後は40人ロースター選手。斜体字はマイナー契約招待選手です。
[NL East]
ATL: Kurt Suzuki, Ian Krol
MIA: Destin Hood, Tyler Moore, Matt den Dekker
PHI: Nick Pivetta, Sean Burnett
NYM: Jerry Blevins, Josh Smoker, Asdrubal Cabrera, Tom Gorzelanny
[NL Central]
CIN: Drew Storen, Tony Renda
STL: Zach Duke
CHC: None
MIL: Tommy Milone
PIT: Felipe Rivero, Eury Perez
PIT: Felipe Rivero, Eury Perez
[NL West]
ARI: Robbie Ray, Erik Davis
LAD: None
SDP: Craig Stammen
SFG: Denard Span, Mark Melancon, Michael Morse, Chris Marrero
COL: Ian Desmond
[AL East]
BOS: Fernando Abad, Sandy Leon
BAL: None
NYY: Tyler Clippard
TBR: Wilson Ramos, Steven Souza, Xavier Cedeno
TOR: Marco Estrada
NYY: Tyler Clippard
TBR: Wilson Ramos, Steven Souza, Xavier Cedeno
TOR: Marco Estrada
[AL Central]
CHW: Lucas Giolito, Reynaldo Lopez, Matt Purke
CLE: None
DET: Jordan Zimmermann
KCR: Nathan Karns, Billy Burns
MIN: Matt Belisle
CLE: None
DET: Jordan Zimmermann
KCR: Nathan Karns, Billy Burns
MIN: Matt Belisle
[AL West]
LAA: Danny Espinosa, Yunel Escobar, Ben Revere, Alex Meyer, Yusmeiro Petit, Abel De Los Santos
SEA: Marc Rzepczynski
TEX: None
OAK: Jake Smolinski, Ross Detwiler, Max Schrock
HOU: Brad Peacock
みんな、頑張って!
SEA: Marc Rzepczynski
TEX: None
OAK: Jake Smolinski, Ross Detwiler, Max Schrock
HOU: Brad Peacock
みんな、頑張って!
Matt Wietersと契約合意
[2月24日追記]
正式に発表されました。Derek Norrisのトレードを画策しているといった情報が飛び交っていますが、今のところ実現していません。
[2月22日オリジナル]
FAのMatt Wieters捕手と契約合意に至ったと報じられています(身体検査がまだのため正式発表はありません)。
オフが始まった当初からWietersの行き先としてナショナルズが噂されていましたが、ウィンターミーティングの機会などに下交渉はしたものの条件面で整うことはなく、ナショナルズはDerek Norrisのトレード獲得でWilson Ramosの抜けた穴を埋めていました。一方のWietersは代理人のScott Borasがいつものように強気の交渉を続けたものの希望したような契約提示を受けることはなく、所属先が決まらないままスプリングトレーニングが始まる状況となっていました。こういった経緯を踏まえ、今般、Wieters側が条件面で譲歩し、それならばということでナショナルズが契約に合意したということのようです。
そういう事情ですから、契約条件はオフに入った当初に想定されていた額よりはかなり低めの、1年1050万ドルに選手側オプション1年(2018年)1050万ドルの総額2年2100万ドル。球団としてはうまくやったと言えるでしょう。
Matt Wieters (2016 Season for Orioles)
124G 464PA 17HR 66RBI .243/.302/.409 1SB
ジョージア工科大から2007年ドラフト1順目全体6位でオリオールズに入団。(ちなみに直後の全体7位でナショナルズはRoss Detwilerを指名)。入団直後からマイナーで結果を残し、2009年シーズン前にはBAで全体1位とランクされるなど、スーパーの付くトッププロスペクトでした。その2009年にはさっそくメジャーデビューを果たしてオリオールズの正捕手の座に就き、以降、4度のオールスターに選出されるなど昨シーズンまで、オリオールズの顔として活躍してきました。両打ちで、2011年から3年連続で20本塁打以上を記録するなど攻撃型の捕手。ですが、2度ゴールドグラブ賞を受賞しており(近年低下してきているとはいえ)守備力も悪くありません。問題は健康面。2014年にTJ手術を受け、2015年シーズン途中に復帰したものの、攻守とも以前の状態までは戻っていないと言われています。そういう事情もあり、初めてFA権を取得した昨オフはQualifying Offerを受け入れてオリオールズに残留し、今オフもなかなか契約を得られませんでした。既に30歳という年齢も捕手という重労働のポジションを考えると各球団が長期契約を提示するにはためらった理由でしょう。
とはいえ、Yahoo!のJeff PassanのこのオフのFA選手ランキングで14位、捕手ではトップの評価を得ていた選手。契約条件から言ってもナショナルズでは当然レギュラー待遇となります。そこで問題となるのは、余剰となった捕手をどうするかです。これまで2つの席を争っていたはずのDerek Norris、Jose Lobaton、Pedro Severinoの3人から開幕ロースターに入るのは1人だけとなりました。NorrisとSeverinoはマイナーオプションが残っているので、Lobatonを控えとし、2人をAAAに行かせて開幕を迎えるという手もありますが、誰かをトレードに出すということも考えられます。来季以降を考えると、Severinoは残しておきたいところですが、せっかく戻ってきたNorrisがナショナルズでプレーすることを見ることがないまま手放すことになるのも非常に残念です。かといって、市場価値という点ではLobatonが最も低いのは間違いありません。
ひとまず戦力の補強には間違いありません。が、しかし、この契約の評価は、この後、捕手3人を巡って(ほかのポジションの選手も巻き込んで)どういう動きがあるかによって決定されるものではないかと思います。しばし、様子を見ましょう。
正式に発表されました。Derek Norrisのトレードを画策しているといった情報が飛び交っていますが、今のところ実現していません。
[2月22日オリジナル]
FAのMatt Wieters捕手と契約合意に至ったと報じられています(身体検査がまだのため正式発表はありません)。
オフが始まった当初からWietersの行き先としてナショナルズが噂されていましたが、ウィンターミーティングの機会などに下交渉はしたものの条件面で整うことはなく、ナショナルズはDerek Norrisのトレード獲得でWilson Ramosの抜けた穴を埋めていました。一方のWietersは代理人のScott Borasがいつものように強気の交渉を続けたものの希望したような契約提示を受けることはなく、所属先が決まらないままスプリングトレーニングが始まる状況となっていました。こういった経緯を踏まえ、今般、Wieters側が条件面で譲歩し、それならばということでナショナルズが契約に合意したということのようです。
そういう事情ですから、契約条件はオフに入った当初に想定されていた額よりはかなり低めの、1年1050万ドルに選手側オプション1年(2018年)1050万ドルの総額2年2100万ドル。球団としてはうまくやったと言えるでしょう。
Matt Wieters (2016 Season for Orioles)
124G 464PA 17HR 66RBI .243/.302/.409 1SB
ジョージア工科大から2007年ドラフト1順目全体6位でオリオールズに入団。(ちなみに直後の全体7位でナショナルズはRoss Detwilerを指名)。入団直後からマイナーで結果を残し、2009年シーズン前にはBAで全体1位とランクされるなど、スーパーの付くトッププロスペクトでした。その2009年にはさっそくメジャーデビューを果たしてオリオールズの正捕手の座に就き、以降、4度のオールスターに選出されるなど昨シーズンまで、オリオールズの顔として活躍してきました。両打ちで、2011年から3年連続で20本塁打以上を記録するなど攻撃型の捕手。ですが、2度ゴールドグラブ賞を受賞しており(近年低下してきているとはいえ)守備力も悪くありません。問題は健康面。2014年にTJ手術を受け、2015年シーズン途中に復帰したものの、攻守とも以前の状態までは戻っていないと言われています。そういう事情もあり、初めてFA権を取得した昨オフはQualifying Offerを受け入れてオリオールズに残留し、今オフもなかなか契約を得られませんでした。既に30歳という年齢も捕手という重労働のポジションを考えると各球団が長期契約を提示するにはためらった理由でしょう。
とはいえ、Yahoo!のJeff PassanのこのオフのFA選手ランキングで14位、捕手ではトップの評価を得ていた選手。契約条件から言ってもナショナルズでは当然レギュラー待遇となります。そこで問題となるのは、余剰となった捕手をどうするかです。これまで2つの席を争っていたはずのDerek Norris、Jose Lobaton、Pedro Severinoの3人から開幕ロースターに入るのは1人だけとなりました。NorrisとSeverinoはマイナーオプションが残っているので、Lobatonを控えとし、2人をAAAに行かせて開幕を迎えるという手もありますが、誰かをトレードに出すということも考えられます。来季以降を考えると、Severinoは残しておきたいところですが、せっかく戻ってきたNorrisがナショナルズでプレーすることを見ることがないまま手放すことになるのも非常に残念です。かといって、市場価値という点ではLobatonが最も低いのは間違いありません。
ひとまず戦力の補強には間違いありません。が、しかし、この契約の評価は、この後、捕手3人を巡って(ほかのポジションの選手も巻き込んで)どういう動きがあるかによって決定されるものではないかと思います。しばし、様子を見ましょう。
2017/02/18
2017 ST Outlook 5 (Outfielders)
17日が野手陣の集合日。特に遅れているとか、故障しているといった情報は入っていません。
========
ポジション別の最終回は外野手編です。
●オフの動き
一度はFA退団したChris Heiseyとすぐに1年で再契約し、ベンチの1枠を確定。FA選手の動きはそれだけでした。
年俸調停対象としてまだ保有することができたBen Revereでしたが、12月初旬にチームは来季の契約を結ばないことを決断(ノンテンダーFAとして退団)。その1週間後、センターのレギュラーを任せられる選手としてホワイトソックスからAdam Eatonをトレードで獲得しました。これにより、昨シーズン後半に急造センターとして頑張っていたTrea Turnerは本職のショートに戻ることになりました。
●スプリングトレーニングの見所
[40 man Roster]
Bryce Harper
Jason Werth
Adam Eaton
Chris Heisey
Michael Taylor
Brian Goodwin
Rafael Bautista
[Non-Roster Invitees]
Brandon Snyder
Andrew Stevenson
左からJayson Werth、Adam Eaton、Bryce Harperがレギュラーの予定。
いよいよ契約最終年となるWerthが有終の美を飾ってくれることをもちろん期待していますが、一方で後継者も気になるところ。Werthの後継者として来季以降のナショナルズの外野を守らせるに十分(つまり、FA選手で穴を埋める必要がない)と評価されるだけの候補者となるには、まずこのスプリングトレーニングでしっかり名乗りを上げることが必要でしょう。経験値ではMichael Taylorが抜きんでていますが、昨シーズン、チャンスを与えられながら生かせなかった印象は悪い。むしろ、昨シーズン終盤にメジャーデビューして一躍評価を上げたBrian Goodwinへの期待が高まっています。また、マイナーから参加のAndrew Stevensonも昨年のアリゾナ秋季リーグなどで高い評価を得ていました。メジャーの投手を相手に打席に入り、首脳陣にどのような印象を残すことができるか楽しみです。
Eatonは新しいチームに移籍しての最初のキャンプ。トレードの代償が大きかっただけにファンやマスコミからの注目を集めることになりますが、あまりプレッシャーに感じずしっかり調整してくれればと思います。
そしてHarper。リーグMVPを受賞した2015年から一転して、2016年はかなり残念なシーズンとなってしまいました。夏場以降は首を痛めていたという情報もシーズンが終わってから流れてきましたが、もしそれが原因だったとすれば、しっかり直してきているかが最初の注目。その上で、どういうプレーを見せてくれるか。やはり一番のスターはHarperですから、この人の活躍なくしてワールドシリーズ制覇はありません。頑張ってください。
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ポジション別の最終回は外野手編です。
●オフの動き
一度はFA退団したChris Heiseyとすぐに1年で再契約し、ベンチの1枠を確定。FA選手の動きはそれだけでした。
年俸調停対象としてまだ保有することができたBen Revereでしたが、12月初旬にチームは来季の契約を結ばないことを決断(ノンテンダーFAとして退団)。その1週間後、センターのレギュラーを任せられる選手としてホワイトソックスからAdam Eatonをトレードで獲得しました。これにより、昨シーズン後半に急造センターとして頑張っていたTrea Turnerは本職のショートに戻ることになりました。
●スプリングトレーニングの見所
[40 man Roster]
Bryce Harper
Jason Werth
Adam Eaton
Chris Heisey
Michael Taylor
Brian Goodwin
Rafael Bautista
[Non-Roster Invitees]
Brandon Snyder
Andrew Stevenson
左からJayson Werth、Adam Eaton、Bryce Harperがレギュラーの予定。
いよいよ契約最終年となるWerthが有終の美を飾ってくれることをもちろん期待していますが、一方で後継者も気になるところ。Werthの後継者として来季以降のナショナルズの外野を守らせるに十分(つまり、FA選手で穴を埋める必要がない)と評価されるだけの候補者となるには、まずこのスプリングトレーニングでしっかり名乗りを上げることが必要でしょう。経験値ではMichael Taylorが抜きんでていますが、昨シーズン、チャンスを与えられながら生かせなかった印象は悪い。むしろ、昨シーズン終盤にメジャーデビューして一躍評価を上げたBrian Goodwinへの期待が高まっています。また、マイナーから参加のAndrew Stevensonも昨年のアリゾナ秋季リーグなどで高い評価を得ていました。メジャーの投手を相手に打席に入り、首脳陣にどのような印象を残すことができるか楽しみです。
Eatonは新しいチームに移籍しての最初のキャンプ。トレードの代償が大きかっただけにファンやマスコミからの注目を集めることになりますが、あまりプレッシャーに感じずしっかり調整してくれればと思います。
そしてHarper。リーグMVPを受賞した2015年から一転して、2016年はかなり残念なシーズンとなってしまいました。夏場以降は首を痛めていたという情報もシーズンが終わってから流れてきましたが、もしそれが原因だったとすれば、しっかり直してきているかが最初の注目。その上で、どういうプレーを見せてくれるか。やはり一番のスターはHarperですから、この人の活躍なくしてワールドシリーズ制覇はありません。頑張ってください。
2017/02/17
2017 ST Outlook 4 (Infielders)
今日から投手陣はブルペンセッションを開始しました。故障からの回復状況が注目された選手のうち、Stephen StrasburgとJoe Rossは問題なく調整を開始した一方、Max ScherzerはWBCを回避する原因となった右手薬指の状態が万全でなく、開幕に間に合うかどうかわからないという情報が入っています。とりあえず、初日はTJ手術からのリハビリ中のTim Collinsとキャッチボールをしていたとのこと。うーむ。本格的に先発ローテーション争いが展開されることになるかもしれません。
=====
さて、ST Outlook シリーズ。今日は内野手編です。スプリングトレーニング開始直前に動きがありました。
●オフの動き
FAからみの動きは、11月にFA退団したStephen Drewと1月になって再契約しただけでしたが、キャンプイン直前になってAdam Lindとも1年契約を結びました。また、ルール5ドラフトを前にMatt SkoleとJose Marmolejosの2人が40人ロースターに追加されています。
レギュラー陣は全員残留だったので昨シーズン終了時点の布陣でも良かったはずですが、ホワイトソックスとのトレードでAdam Eatonをセンターとして獲得し、昨季後半にセンターを守ったTrea Turnerをショートへコンバート(というか本職に戻した)。これで居場所がなくなったDanny Espinosaを、直後に、エンゼルスへトレードしました(そういえば、昨オフもまだ保有期間のあったYunel Escobarをエンゼルスへトレードしたんだった)。
●スプリングトレーニングの見所
[40 man Roster]
Ryan Zimmerman
Daniel Murphy
Anthony Rendon
Trea Turner
Clint Robinson
Stephen Drew
Adam Lind
Wimer Difo
Matt Skole
Jose Marmolejos
[Non-Roster Invitees]
Emmanuel Burriss
Grant Green
Corban Joseph
Neftali Soto
Drew Ward
想定されるレギュラー陣は、ファーストRyan Zimmerman、セカンドDaniel Murphy、サードAnthony Rendon、ショートTrea Turner。中でも注目はTurnerでしょう。いわゆる2年目のジンクスに陥ってしまうのか、それともこのままスター街道を歩むのか。重要な春となりそうです。残る3人は故障なくしっかり調整してくれればいいのですが、MurphyはWBC(米国代表)に参加するのでそちらでもけがをしないように気を付けてください。
ベンチも、ともにオフにFA(再)契約を結んだ左の代打及びファーストの控えとしてのAdam Lindと、セカンド・サード(・ショート)の控えとしてのStephen Drewで開幕を迎えることが想定されます。
これで浮いてしまうのがClint Robinson。2015年にマイナー契約から開幕ベンチ入りを果たして左のパワーバットとして活躍しましたが、昨シーズンはとにかく長打が出ず、代打としてはやや物足りない存在となっていました。それでも最低限の貢献はしていたので今季もベンチ入りは確実かと思われていましたが、キャンプ直前に役割が完全にかぶるLindが入団したことで一気に微妙な立場となりました。なお、オプションが切れてしまっており、マイナーに送るにはウェイバーを通す必要があります。
むしろ故障などにより出遅れが出た場合の一番手はWilmer Difoでしょう。ショート、セカンド、サードを守れることに加え、打撃でも昨年秋に上がってきた際に好印象を残しており、開幕後も含めメジャーでのプレーは多くなると見込まれます。
その後は40人ロースターの2人とマイナー契約のベテラン勢が団子状態ですが、ここから生き残りが出るようでは、心配なチーム状態と言わざるをえないと思います。マイナー契約選手の中での注目はDrew Ward。昨シーズン、Potomac(A+)からHarrisburg(AA)に昇格し、アリゾナ秋季リーグでも好成績を残し、評価を上げた元ドラフト3順目(2013年)の22歳。Rendonが大きな故障に見舞われない限りメジャーデビューはまだしばらく先と思われますが、今後に向けてアピールしてくれることを期待しましょう。
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さて、ST Outlook シリーズ。今日は内野手編です。スプリングトレーニング開始直前に動きがありました。
●オフの動き
FAからみの動きは、11月にFA退団したStephen Drewと1月になって再契約しただけでしたが、キャンプイン直前になってAdam Lindとも1年契約を結びました。また、ルール5ドラフトを前にMatt SkoleとJose Marmolejosの2人が40人ロースターに追加されています。
レギュラー陣は全員残留だったので昨シーズン終了時点の布陣でも良かったはずですが、ホワイトソックスとのトレードでAdam Eatonをセンターとして獲得し、昨季後半にセンターを守ったTrea Turnerをショートへコンバート(というか本職に戻した)。これで居場所がなくなったDanny Espinosaを、直後に、エンゼルスへトレードしました(そういえば、昨オフもまだ保有期間のあったYunel Escobarをエンゼルスへトレードしたんだった)。
●スプリングトレーニングの見所
[40 man Roster]
Ryan Zimmerman
Daniel Murphy
Anthony Rendon
Trea Turner
Clint Robinson
Stephen Drew
Adam Lind
Wimer Difo
Matt Skole
Jose Marmolejos
[Non-Roster Invitees]
Emmanuel Burriss
Grant Green
Corban Joseph
Neftali Soto
Drew Ward
想定されるレギュラー陣は、ファーストRyan Zimmerman、セカンドDaniel Murphy、サードAnthony Rendon、ショートTrea Turner。中でも注目はTurnerでしょう。いわゆる2年目のジンクスに陥ってしまうのか、それともこのままスター街道を歩むのか。重要な春となりそうです。残る3人は故障なくしっかり調整してくれればいいのですが、MurphyはWBC(米国代表)に参加するのでそちらでもけがをしないように気を付けてください。
ベンチも、ともにオフにFA(再)契約を結んだ左の代打及びファーストの控えとしてのAdam Lindと、セカンド・サード(・ショート)の控えとしてのStephen Drewで開幕を迎えることが想定されます。
これで浮いてしまうのがClint Robinson。2015年にマイナー契約から開幕ベンチ入りを果たして左のパワーバットとして活躍しましたが、昨シーズンはとにかく長打が出ず、代打としてはやや物足りない存在となっていました。それでも最低限の貢献はしていたので今季もベンチ入りは確実かと思われていましたが、キャンプ直前に役割が完全にかぶるLindが入団したことで一気に微妙な立場となりました。なお、オプションが切れてしまっており、マイナーに送るにはウェイバーを通す必要があります。
むしろ故障などにより出遅れが出た場合の一番手はWilmer Difoでしょう。ショート、セカンド、サードを守れることに加え、打撃でも昨年秋に上がってきた際に好印象を残しており、開幕後も含めメジャーでのプレーは多くなると見込まれます。
その後は40人ロースターの2人とマイナー契約のベテラン勢が団子状態ですが、ここから生き残りが出るようでは、心配なチーム状態と言わざるをえないと思います。マイナー契約選手の中での注目はDrew Ward。昨シーズン、Potomac(A+)からHarrisburg(AA)に昇格し、アリゾナ秋季リーグでも好成績を残し、評価を上げた元ドラフト3順目(2013年)の22歳。Rendonが大きな故障に見舞われない限りメジャーデビューはまだしばらく先と思われますが、今後に向けてアピールしてくれることを期待しましょう。
2017/02/16
2017 ST Outlook 3 (Bullpen Pitchers)
続いて(ちょっと時間がかかりましたが)この春のナショナルズのキャンプの最大の注目であるブルペンにまいりましょう。
●オフの動き
昨シーズン後半からポストシーズンにかけてクローザーを務めたMark MelanconがFA退団。再契約を目指したようですが、ジャイアンツに競り負けました。続いてドジャーズからFAとなったKenley Jansenとも交渉したものの、元々残留志向の強かったJansenはドジャーズと再契約。「クローザー」の補強はできないままにスプリングトレーニングに突入することになりました。
中継ぎ陣についてもYusmeiro Petit, Matt Belisle, Marc RzepczynskiらがFA退団した後、ベテラン勢とFA契約を結ぶことはなく、Austin Adams, Jimmy Cordero, Enny Romeroの若手3人をいずれもトレードで獲得するにとどまっています。
●スプリングトレーニングの見所
[40 man Roster]
Shawn Kelley
Blake Treinen
Sammy Solis(L)
Koda Glover
Oliver Perez(L)
Matt Grace(L)
Rafael Martin
Trevor Gott
Enny Romero(L)
Austin Adams
Jimmy Cordero
[Non-Roster Invitees]
Matt Albers
Dustin Antolin
Mike Broadway
Tim Collins(L)
Neal Cotts(L)
Braulio Lara(L)
Derek Eitel
Joe Nathan
Jacob Turner
Vance Worley
Nick Lee(L)
Wander Suero
完全な空席となっているクローザー。キャンプ初日に記者の囲み取材を受けたBaker監督が、特定のクローザーに固定しないで調子のいい投手に9回を任せるいわゆる「クローザー・バイ・コミッティー」は採用しないと明言しており、ワイドオープンな競争が展開されることになります。
スプリングトレーニングが始まった後でもトレードで「クローザー」を獲得する可能性がないわけではありませんが、現時点で候補者と見られているのは、Shawn Kelley、Blake Treinen、Koda Gloverの3人です。
まず、昨シーズン67試合で2.64/0.897、80奪三振のKelley。メジャー9年目の32歳で豊富な経験があり、成績も最も安定感がありますが、2度のTJ手術を経験しているため無理な起用はけがの元。昨年のNLDS第5戦で腕の痛みを訴えて途中降板したのがいい例です(そのケガの状態もやや心配)。ある程度の予見可能性を持たせながら、エースセットアッパーとして使いたい投手です。
メジャー3年目の昨シーズン、すっかりブルペン投手として地位を確立したTreinen。奪三振率は高くありませんが、シンカーでゴロを打たせる技術は極めて高く評価されています。シンカーボーラーのクローザーと言えば、個人的には2000年レッドソックスのクローザーだったDerek Loweが思い出され、つまり十分クローザーが務まるとは思いますが、一方で、ランナーがたまって併殺が欲しい場面(無死満塁など)で使いたい投手でもあります。
高い奪三振率を誇り、3人のうち最もクローザー適性があると言われているのがGlover。2015年にドラフトされ、プロ2年目の昨シーズン、開幕したPotomac(A+)からあっという間に階段を上って7月にメジャーデビューしました。マイナーではどのレベルでもクローザーとして相手打者を圧倒。股関節の故障で9月中旬以降やや調子を落としましたが、それまではメジャーでも防御率2点台を維持していたので、健康ならメジャーでも通用することは証明済み。故障が完治していれば、この春、あっさりとクローザーの地位に就くかもしれません。
この他、マイナー契約招待選手のリストに通算377セーブのJoe Nathanの名前がありますが、仮にNathanがクローザーとして開幕するようであれば、それは故障や不振が頻発したことの証左であり、かなり不安な船出となることでしょう。
Treinen、Glover、Kelleyの3人に加え、昨シーズン結果を残したSammy SolisとOliver Perez(WBCメキシコ代表)の左腕2人が中継ぎ投手としてほぼ当確でしょう。
また、昨年はPetitが務めたロングリリーフの役割を務める投手も未定ですが、それで1枠。先発枠で調整するであろうA.J. Cole、Taylor Hillあたりが回ってくるか、マイナー契約のVance WorleyやJacob Turnerが奮起して割り込んでくるか。候補はそのあたりでしょう。
そうなると、残るは2枠程度となりますが、Matt Grace、Rafael Martin、Trevor Gott、それに新加入のAustin Adams, Jimmy Cordero, Enny Romeroの40人ロースター勢を見渡すだけでもそれなりにいいボールを投げる投手がそろっています(経験値はほとんどない投手ばかりですが)。これにマイナー契約の選手が加わって競争を繰り広げることになります。このうち、オプションがない(ことがはっきりしている)Romeroは、マイナーに落とすならウェイバーを通す必要があり、そのあたりも判断要因になるかもしれません。なお、Romeroはドミニカ代表としてWBCに参加予定です。
●オフの動き
昨シーズン後半からポストシーズンにかけてクローザーを務めたMark MelanconがFA退団。再契約を目指したようですが、ジャイアンツに競り負けました。続いてドジャーズからFAとなったKenley Jansenとも交渉したものの、元々残留志向の強かったJansenはドジャーズと再契約。「クローザー」の補強はできないままにスプリングトレーニングに突入することになりました。
中継ぎ陣についてもYusmeiro Petit, Matt Belisle, Marc RzepczynskiらがFA退団した後、ベテラン勢とFA契約を結ぶことはなく、Austin Adams, Jimmy Cordero, Enny Romeroの若手3人をいずれもトレードで獲得するにとどまっています。
●スプリングトレーニングの見所
[40 man Roster]
Shawn Kelley
Blake Treinen
Sammy Solis(L)
Koda Glover
Oliver Perez(L)
Matt Grace(L)
Rafael Martin
Trevor Gott
Enny Romero(L)
Austin Adams
Jimmy Cordero
[Non-Roster Invitees]
Matt Albers
Dustin Antolin
Mike Broadway
Tim Collins(L)
Neal Cotts(L)
Braulio Lara(L)
Derek Eitel
Joe Nathan
Jacob Turner
Vance Worley
Nick Lee(L)
Wander Suero
完全な空席となっているクローザー。キャンプ初日に記者の囲み取材を受けたBaker監督が、特定のクローザーに固定しないで調子のいい投手に9回を任せるいわゆる「クローザー・バイ・コミッティー」は採用しないと明言しており、ワイドオープンな競争が展開されることになります。
スプリングトレーニングが始まった後でもトレードで「クローザー」を獲得する可能性がないわけではありませんが、現時点で候補者と見られているのは、Shawn Kelley、Blake Treinen、Koda Gloverの3人です。
まず、昨シーズン67試合で2.64/0.897、80奪三振のKelley。メジャー9年目の32歳で豊富な経験があり、成績も最も安定感がありますが、2度のTJ手術を経験しているため無理な起用はけがの元。昨年のNLDS第5戦で腕の痛みを訴えて途中降板したのがいい例です(そのケガの状態もやや心配)。ある程度の予見可能性を持たせながら、エースセットアッパーとして使いたい投手です。
メジャー3年目の昨シーズン、すっかりブルペン投手として地位を確立したTreinen。奪三振率は高くありませんが、シンカーでゴロを打たせる技術は極めて高く評価されています。シンカーボーラーのクローザーと言えば、個人的には2000年レッドソックスのクローザーだったDerek Loweが思い出され、つまり十分クローザーが務まるとは思いますが、一方で、ランナーがたまって併殺が欲しい場面(無死満塁など)で使いたい投手でもあります。
高い奪三振率を誇り、3人のうち最もクローザー適性があると言われているのがGlover。2015年にドラフトされ、プロ2年目の昨シーズン、開幕したPotomac(A+)からあっという間に階段を上って7月にメジャーデビューしました。マイナーではどのレベルでもクローザーとして相手打者を圧倒。股関節の故障で9月中旬以降やや調子を落としましたが、それまではメジャーでも防御率2点台を維持していたので、健康ならメジャーでも通用することは証明済み。故障が完治していれば、この春、あっさりとクローザーの地位に就くかもしれません。
この他、マイナー契約招待選手のリストに通算377セーブのJoe Nathanの名前がありますが、仮にNathanがクローザーとして開幕するようであれば、それは故障や不振が頻発したことの証左であり、かなり不安な船出となることでしょう。
Treinen、Glover、Kelleyの3人に加え、昨シーズン結果を残したSammy SolisとOliver Perez(WBCメキシコ代表)の左腕2人が中継ぎ投手としてほぼ当確でしょう。
また、昨年はPetitが務めたロングリリーフの役割を務める投手も未定ですが、それで1枠。先発枠で調整するであろうA.J. Cole、Taylor Hillあたりが回ってくるか、マイナー契約のVance WorleyやJacob Turnerが奮起して割り込んでくるか。候補はそのあたりでしょう。
そうなると、残るは2枠程度となりますが、Matt Grace、Rafael Martin、Trevor Gott、それに新加入のAustin Adams, Jimmy Cordero, Enny Romeroの40人ロースター勢を見渡すだけでもそれなりにいいボールを投げる投手がそろっています(経験値はほとんどない投手ばかりですが)。これにマイナー契約の選手が加わって競争を繰り広げることになります。このうち、オプションがない(ことがはっきりしている)Romeroは、マイナーに落とすならウェイバーを通す必要があり、そのあたりも判断要因になるかもしれません。なお、Romeroはドミニカ代表としてWBCに参加予定です。
2017/02/15
BA: Top 100 Prospects 2017 (Victor Roblesが13位)
BPより3日ほど早い2月10日には、BAからも全体トップ100が公表されてました(元記事へのリンク)。
1. Andrew Benintendi, OF (BOS)
2. Yoan Moncada, 2B/3B (CHW)
3. Dansby Swanson, SS (ATL)
4. Alex Reyes, RHP (STL)
5. Gleyber Torres, SS (NYY)
6. Austin Meadows, OF (PIT)
7. Cody Bellinger, 1B (LAD)
8. Amed Rosario, SS (NYM)
9. Nick Senzel, 3B (CIN)
10. Willy Adames, SS (TB)
トップ10のうち野手が9人。近年は全体的に投手より野手が上位を占める傾向にはありましたが、投手がわずか1人だけというのは私が知る限り初めてです。しかもその1人がTJ手術で離脱した結果。トップ20に広げても、他にはアストロズのFrancis Martes(15位)しかいません。投手プロスペクトが不作、という理解でいいんでしょうか。。。
さて、ナショナルズからは、Victor Roblesが13位、Erick Feddeが52位にランクイン。昨年の5人、一昨年の7人と比べると見劣りはしますが、消えていった名前はいずれも卒業あるいはトレードの結果なので悪くはありません。来年はRoblesのトップ10入りと新しい名前が出てくることを期待しましょう。
13. Victor Robles, OF
52. Erick Fedde, RHP
元ナショナルズ勢では、Lucas Giolitoが24位、Reynaldo Lopeが31位にランクイン。Giolitoはやや落としましたが、Lopezは上昇。2人とも今年中には卒業でしょう。
1. Andrew Benintendi, OF (BOS)
2. Yoan Moncada, 2B/3B (CHW)
3. Dansby Swanson, SS (ATL)
4. Alex Reyes, RHP (STL)
5. Gleyber Torres, SS (NYY)
6. Austin Meadows, OF (PIT)
7. Cody Bellinger, 1B (LAD)
8. Amed Rosario, SS (NYM)
9. Nick Senzel, 3B (CIN)
10. Willy Adames, SS (TB)
トップ10のうち野手が9人。近年は全体的に投手より野手が上位を占める傾向にはありましたが、投手がわずか1人だけというのは私が知る限り初めてです。しかもその1人がTJ手術で離脱した結果。トップ20に広げても、他にはアストロズのFrancis Martes(15位)しかいません。投手プロスペクトが不作、という理解でいいんでしょうか。。。
さて、ナショナルズからは、Victor Roblesが13位、Erick Feddeが52位にランクイン。昨年の5人、一昨年の7人と比べると見劣りはしますが、消えていった名前はいずれも卒業あるいはトレードの結果なので悪くはありません。来年はRoblesのトップ10入りと新しい名前が出てくることを期待しましょう。
13. Victor Robles, OF
52. Erick Fedde, RHP
元ナショナルズ勢では、Lucas Giolitoが24位、Reynaldo Lopeが31位にランクイン。Giolitoはやや落としましたが、Lopezは上昇。2人とも今年中には卒業でしょう。
BP: Top 101 Prospects 2017 (Victor Roblesが7位! )
BPから全体101が公表されました(元記事へのリンク)。
ところが、今日(2月15日)に全体1位のAlex ReyesがTJ手術が必要なことが判明。いやはや。
1. Alex Reyes, RHP (STL)
2. Dansby Swanson, SS (ATL)
3. Andrew Benintendi, OF (BOS)
4. J.P. Crawford, SS (PHI)
5. Yoan Moncada, 2B/3B (CHW)
6. Austin Meadows, OF (PIT)
7. Victor Robles, OF (WAS)
8. Amed Rosario, SS (NYM)
9. Eloy Jimenez, OF (CHC)
10. Lucas Giolito, RHP (CHW)
ナショナルズのVictor Roblesが全体7位という高い評価を受けました。Lucas Giolito(10位)、Reynaldo Lopez(30位)という2人のトッププロスペクトを放出してマイナー組織の弱体化が懸念されていますが、Roblesだけは手放さなかったRizzo GMの判断は間違っていないと思います。とりあえず今は。
ナショナルズからはRoblesの他に、57位にJuan Soto、62位にErick Feddeの2人がランクイン。まあ、そんなものでしょう。
57. Juan Soto, OF
62. Erick Fedde, RHP
ところが、今日(2月15日)に全体1位のAlex ReyesがTJ手術が必要なことが判明。いやはや。
1. Alex Reyes, RHP (STL)
2. Dansby Swanson, SS (ATL)
3. Andrew Benintendi, OF (BOS)
4. J.P. Crawford, SS (PHI)
5. Yoan Moncada, 2B/3B (CHW)
6. Austin Meadows, OF (PIT)
7. Victor Robles, OF (WAS)
8. Amed Rosario, SS (NYM)
9. Eloy Jimenez, OF (CHC)
10. Lucas Giolito, RHP (CHW)
ナショナルズのVictor Roblesが全体7位という高い評価を受けました。Lucas Giolito(10位)、Reynaldo Lopez(30位)という2人のトッププロスペクトを放出してマイナー組織の弱体化が懸念されていますが、Roblesだけは手放さなかったRizzo GMの判断は間違っていないと思います。とりあえず今は。
ナショナルズからはRoblesの他に、57位にJuan Soto、62位にErick Feddeの2人がランクイン。まあ、そんなものでしょう。
57. Juan Soto, OF
62. Erick Fedde, RHP
2017/02/14
2016-17 Free Agent List
[2017年2月14日更新終了]
1. Yoenis Cespedes, OF* →NYM : 1億1000万ドル/4年
[11月11日オリジナル]
2016年オフのFA選手リストです。ランキングはYahoo!のJeff Passanによるもの。トップ50と主な元ナショナルズを転載しておきます。
1. Yoenis Cespedes, OF* →NYM : 1億1000万ドル/4年
2. Edwin Encarnacion, DH/1B* →CLE: 6500万ドル/3年
3. Aroldis Chapman, RP → NYY: 8600万ドル/5年
4. Kenley Jansen, RP* →LAD: 8000万ドル/5年
5. Justin Turner, IF* →LAD: 6400万ドル/4年
6. Dexter Fowler, CF* →STL: 8250万ドル/5年
7. Rich Hill, SP → LAD : 4800万ドル/3年
8. Ian Desmond, CF/SS* → COL: 7000万ドル/5年
9. Jeremy Hellickson, SP* → PHI: QO(1720万ドル/1年)
10. Jose Bautista, OF* → TOR: 1850万ドル/1年
11. Mark Melancon, RP → SFG: 6200万ドル/4年
12. Mark Trumbo, DH/OF* → BAL: 3750万ドル/3年
13. Neil Walker, 2B* → NYM: QO(1720万ドル/1年)
14. Matt Wieters, C
15. Carlos Beltran, DH/OF → HOU: 1600万ドル/1年
16. Josh Reddick, OF → HOU : 5200万ドル/4年
17. Jason Hammel, SP → KC: 1600万ドル/2年
18. Wilson Ramos, C → TBR: 1250万ドル/2年
18. Wilson Ramos, C → TBR: 1250万ドル/2年
19. Carlos Gomez, OF → TEX: 1150万ドル/1年
20. Ivan Nova, SP →PIT: 2600万ドル/3年
21. Mike Napoli, 1B/DH → TEX: 850万ドル/1年
22. Kendrys Morales, DH/1B → TOR: 3300万ドル/3年
23. Bartolo Colon, SP → ATL: 1250万ドル/1年
24. Daniel Hudson, RP →PIT: 1100万ドル/2年
25. Jae-gyun Hwang, UT → SF: minor
26. Brad Ziegler, RP →MIA: 1600万ドル/2年
27. Jason Castro, C →MIN: 2450万ドル/3年
28. Michael Saunders, OF→ PHI: 900万ドル/1年
29. Matt Holliday, OF → NYY: 1300万ドル/1年
30. Derek Holland, SP →CHW: 600万ドル/1年
31. Luis Valbuena, UT → LAA: 1500万ドル/2年
32. Brandon Moss, OF → KC: 1200万ドル/2年
33. Chase Utley, 2B → LAD: 200万ドル/1年
34. Brett Anderson, SP → CHC: 350万ドル/1年
34. Brett Anderson, SP → CHC: 350万ドル/1年
35. Joe Blanton, RP
36. Colby Rasmus, OF →TB: 500万ドル/1年
37. Brett Cecil, RP → STL : 3000万ドル/4年
38. Travis Wood, SP/RP → KC: 1200万ドル/2年
39. Matt Joyce, OF → OAK: 1100万ドル/2年
40. Steven Pearce, UT → TOR: 1250万ドル/2年
41. Sean Rodriguez, UT → ATL: 1100万ドル/2年
42. Jonathan Papelbon, RP
43. Pedro Alvarez, DH/1B
44. Charlie Morton, SP → HOU: 1400万ドル/2年
45. Andrew Cashner, SP → TEX: 1000万ドル/1年
46. Mitch Moreland, 1B → BOS: 500万ドル/1年
47. Jose Miguel Fernandez, 2B/3B → LAD: minor
48. Edinson Volquez, SP → MIA: 2200万ドル/2年
49. Jon Jay, CF → CHC: 800万ドル/1年
50. Rajai Davis, OF →OAK: 600万ドル/1年
53. Doug Fister, SP
72. Marc Rzepczynski, RP → SEA: 1100万ドル/2年
78. Drew Storen, RP →CIN: 300万ドル/1年
95. Kurt Suzuki, C → ATL: 150万ドル/1年
99. Stephen Drew, IF → WAS: 350万ドル/1年
101. Matt Belisle, RP →MIN: 205万ドル/1年
105. Ross Ohlendorf, RP →ヤクルト・スワローズ: 160万ドル/1年
141. Yusmeiro Petit, SP/RP → LAA: minor
167. Sean Burnett, RP → PHI: minor
169. Craig Stammen, RP → SD: minor
195. Ross Detwiler, SP/RP →OAK: minor
NA. Chris Heisey, OF → WAS: 140万ドル/1年
NA. Michael Morse, 1B → SFG: minor
NA: John Lannan, LHP → KC: minor
NA. Tyler Moore, 1B → MIA: minor
NA. Matt den Dekker, OF →MIA: minor
NA. Chris Heisey, OF → WAS: 140万ドル/1年
NA. Michael Morse, 1B → SFG: minor
NA: John Lannan, LHP → KC: minor
NA. Tyler Moore, 1B → MIA: minor
NA. Matt den Dekker, OF →MIA: minor
NA. Adam Lind, 1B → WAS: 150万ドル/1年
NT: Ben Revere, OF → LAA: 400万ドル/1年[11月11日オリジナル]
2016年オフのFA選手リストです。ランキングはYahoo!のJeff Passanによるもの。トップ50と主な元ナショナルズを転載しておきます。
ナショナルズからFAとなった選手では、Mark Melanconが11位、Wilson Ramosが18位(あのケガさえなければトップ10は確実だったのですが)がトップ50に入っています。そして、Ian Desmondが8位。再びQOを受けていますが、今年こそいい契約を勝ち取れるでしょうか(QOを受けた選手は*を付けています)。
2017 ST Outlook 2 (Starting Pitchers)
続いて先発投手編です。
●オフの動き
オフが始まってすぐにGio Gonzalezの今季契約オプションを行使し、ローテーションを組むと目される5人の残留がひとまず確定。一方、5人に何かあった場合に最初に呼ばれるであろう候補だったLucas GiolitoとReynaldo Lopezの2人をトレードで放出し、他方で特に大きな補強をすることもなく(途中ではChris Saleのトレードをホワイトソックスと話したようですが、Saleはレッドソックスへ)、結果、マイナー上位のデプスがかなり心許なくなりました。
●スプリングトレーニングの見所
[40 man Roster]
Stephen Strasburg
Max Scherzer
Gio Gonzalez(L)
Tanner Roark
Joe Ross
A.J. Cole
Austin Voth
[Non-Roster Invitees]
Jeremy Guthrie
Vance Worley
Erick Fedde
Kyle McGowin
Tayler Hill
先発ローテーションを予定する5人の仕上がりが例年以上に重要です。が、それぞれ心配の種を抱えています。まずキャンプに入って最初に注目すべきは、Stephen Strasburgの右ひじが休養だけで回復しているかどうか。スプリングトレーニングに入ってから「やはり手術が必要でした」では約半年を無為に過ごしたことになってしまいます。Joe Rossも昨シーズンのほぼ半分をDLで過ごすことになった原因の右肩の状態がどうなっているか。肩だけに特に心配です。当初、WBCに参加する意思を表明していたMax Scherzerでしたが、1月10日頃に右手薬指の疲労骨折が判明し、辞退。スプリングトレーニングには間に合うとのことですが、投げてみないとわかりません。そのScherzerに代わってWBCに参加することになったのがTanner Roark。一般的にWBCへの参加が調整に悪影響を及ぼすというデータはありませんが、それでも心配です。そして、Gio Gonzalezはいつもの通りアテになりません(いい時はいいんですよ。笑)。
これだけ不安材料があると、6人目以降の投手に開幕ローテーション入りのチャンスが巡ってくる可能性は十分あります。が、とにかく層が薄い。40人ロースターには、昨シーズンの終盤にローテーションで投げたA.J. Coleと、MLBデビュー前のAustin Vothしか候補がいません。マイナー契約に目を転じても、ベテラン勢で明確に先発と目されるのはJeremy Guthrieくらいです。
私としては、Coleを特に応援しています。昨シーズン、最後にやや調子を崩しましたが、それまではいいピッチングをしていたので自信を付けたはず。この春は最初からエンジン全開で行って、5人のうちの誰かに何かがれば当然に開幕ローテーションに組み込まれるような評価を得るようにしましょう。
期待の若手という点では、トレードやらなんやらでふと気が付けば組織内トッププロスペクトとなっていたErick Feddeに注目です。さすがに開幕ということはないでしょうが、シーズン途中のメジャーデビューを視野にどれだけ経験を積むことができるでしょうか。
とにかく5人が健康に。ただそれだけです。
●オフの動き
オフが始まってすぐにGio Gonzalezの今季契約オプションを行使し、ローテーションを組むと目される5人の残留がひとまず確定。一方、5人に何かあった場合に最初に呼ばれるであろう候補だったLucas GiolitoとReynaldo Lopezの2人をトレードで放出し、他方で特に大きな補強をすることもなく(途中ではChris Saleのトレードをホワイトソックスと話したようですが、Saleはレッドソックスへ)、結果、マイナー上位のデプスがかなり心許なくなりました。
●スプリングトレーニングの見所
[40 man Roster]
Stephen Strasburg
Max Scherzer
Gio Gonzalez(L)
Tanner Roark
Joe Ross
A.J. Cole
Austin Voth
[Non-Roster Invitees]
Jeremy Guthrie
Vance Worley
Erick Fedde
Kyle McGowin
Tayler Hill
先発ローテーションを予定する5人の仕上がりが例年以上に重要です。が、それぞれ心配の種を抱えています。まずキャンプに入って最初に注目すべきは、Stephen Strasburgの右ひじが休養だけで回復しているかどうか。スプリングトレーニングに入ってから「やはり手術が必要でした」では約半年を無為に過ごしたことになってしまいます。Joe Rossも昨シーズンのほぼ半分をDLで過ごすことになった原因の右肩の状態がどうなっているか。肩だけに特に心配です。当初、WBCに参加する意思を表明していたMax Scherzerでしたが、1月10日頃に右手薬指の疲労骨折が判明し、辞退。スプリングトレーニングには間に合うとのことですが、投げてみないとわかりません。そのScherzerに代わってWBCに参加することになったのがTanner Roark。一般的にWBCへの参加が調整に悪影響を及ぼすというデータはありませんが、それでも心配です。そして、Gio Gonzalezはいつもの通りアテになりません(いい時はいいんですよ。笑)。
これだけ不安材料があると、6人目以降の投手に開幕ローテーション入りのチャンスが巡ってくる可能性は十分あります。が、とにかく層が薄い。40人ロースターには、昨シーズンの終盤にローテーションで投げたA.J. Coleと、MLBデビュー前のAustin Vothしか候補がいません。マイナー契約に目を転じても、ベテラン勢で明確に先発と目されるのはJeremy Guthrieくらいです。
私としては、Coleを特に応援しています。昨シーズン、最後にやや調子を崩しましたが、それまではいいピッチングをしていたので自信を付けたはず。この春は最初からエンジン全開で行って、5人のうちの誰かに何かがれば当然に開幕ローテーションに組み込まれるような評価を得るようにしましょう。
期待の若手という点では、トレードやらなんやらでふと気が付けば組織内トッププロスペクトとなっていたErick Feddeに注目です。さすがに開幕ということはないでしょうが、シーズン途中のメジャーデビューを視野にどれだけ経験を積むことができるでしょうか。
とにかく5人が健康に。ただそれだけです。
2017/02/13
2017 ST Outlook 1 (Catchers)
いつになく静かなオフとなったナショナルズ。いろいろと疑問は残ったままですが、いよいよスプリングトレーニングが近づいてきました。
今年からキャンプ地がフロリダ州のPalm Beachに移転します(安倍総理とトランプ大統領が週末に滞在していたところですね)。昨年までのVierraも同じフロリダ州の東海岸(大西洋岸)でしたが、他球団のキャンプ地が集まっている地域から距離があり、オープン戦のためのバス移動の負担が重かったそうです(4時間くらいかかっていたらしい)。その点、Palm Beach移転後は、新しいファシリティがそもそもアストロズと共同使用となるなど、かなり改善されます。
さて、例年通り、オフの間の動きとスプリングトレーニングの注目点を捕手、先発、ブルペン、内野手、外野手について、まとめてみました。
最初は捕手編です。
****************
●オフの動き
2011年から6シーズンにわたって(故障していない限り)レギュラーを務めたWilson RamosがFA退団。故障で市場価値を落としはしたものの、無事にレイズと2年契約を結びました。
一方のナショナルズは、オリオールズからFAとなったMatt Wietersに関心を示しているとの噂もありましたが噂に止まり(それでよかったと思います)、12月にパドレスからDerek Norrisをトレードで獲得。2011年オフにGio Gonzalezとのトレードで放出した当時のトッププロスペクトの帰還に古くからのファンの気分は大いに盛り上がりました。
●スプリングトレーニングの見所
[40 man Roster]
Derek Norris
Pedro Severino
Jose Lobaton
Spencer Kieboom
Raudy Read
[Non-Roster Invitees]
Jhonatan Solano
ここ数年の「健康ならばRamos-Lobaton」という無風状態から一転、競争が予想されます。契約(ともに年俸調停対象)と実績からすると、Norrisが正捕手でJose Lobatonが控えとして開幕を迎えることになりそうですが、Norrisの昨季の打撃・守備成績は決してレギュラーを保証されるようなものではなく、将来性豊かで、昨秋好印象を残したPedro Severinoが正捕手に名乗りを上げる可能性も十分。その場合に弾き出されるのがLobatonとなるかNorrisとなるかは五分五分でしょう。
他にもSpencer KieboomとRaudy Readの若手2人が40人ロースターに名を連ねています。この2人はとりあえず経験を積み、いろいろ吸収することです。(なお、Kieboomは昨年のドラフト1順目、トッププロスペクトのCater Kieboomの兄)
互いに刺激し合う良い競争が展開されることを期待しています。
今年からキャンプ地がフロリダ州のPalm Beachに移転します(安倍総理とトランプ大統領が週末に滞在していたところですね)。昨年までのVierraも同じフロリダ州の東海岸(大西洋岸)でしたが、他球団のキャンプ地が集まっている地域から距離があり、オープン戦のためのバス移動の負担が重かったそうです(4時間くらいかかっていたらしい)。その点、Palm Beach移転後は、新しいファシリティがそもそもアストロズと共同使用となるなど、かなり改善されます。
さて、例年通り、オフの間の動きとスプリングトレーニングの注目点を捕手、先発、ブルペン、内野手、外野手について、まとめてみました。
最初は捕手編です。
****************
●オフの動き
2011年から6シーズンにわたって(故障していない限り)レギュラーを務めたWilson RamosがFA退団。故障で市場価値を落としはしたものの、無事にレイズと2年契約を結びました。
一方のナショナルズは、オリオールズからFAとなったMatt Wietersに関心を示しているとの噂もありましたが噂に止まり(それでよかったと思います)、12月にパドレスからDerek Norrisをトレードで獲得。2011年オフにGio Gonzalezとのトレードで放出した当時のトッププロスペクトの帰還に古くからのファンの気分は大いに盛り上がりました。
●スプリングトレーニングの見所
[40 man Roster]
Derek Norris
Pedro Severino
Jose Lobaton
Spencer Kieboom
Raudy Read
[Non-Roster Invitees]
Jhonatan Solano
ここ数年の「健康ならばRamos-Lobaton」という無風状態から一転、競争が予想されます。契約(ともに年俸調停対象)と実績からすると、Norrisが正捕手でJose Lobatonが控えとして開幕を迎えることになりそうですが、Norrisの昨季の打撃・守備成績は決してレギュラーを保証されるようなものではなく、将来性豊かで、昨秋好印象を残したPedro Severinoが正捕手に名乗りを上げる可能性も十分。その場合に弾き出されるのがLobatonとなるかNorrisとなるかは五分五分でしょう。
他にもSpencer KieboomとRaudy Readの若手2人が40人ロースターに名を連ねています。この2人はとりあえず経験を積み、いろいろ吸収することです。(なお、Kieboomは昨年のドラフト1順目、トッププロスペクトのCater Kieboomの兄)
互いに刺激し合う良い競争が展開されることを期待しています。
2017/02/03
ナショナルズのクローザーの歴史
2月に突入し、スプリングトレーニングまで約2週間となりました。例年どおり、オフの動きとスプリングトレーニングの見どころを整理した記事を準備中ですが、その作業と並行して開幕前恒例のAll Time Natsシリーズの準備を進めているところで、ふと、この記事を書こうと思いました。
All Time Natsシリーズでは、「Starters」として各ポジションでの先発試合数を集計していますが、2016年シーズン終了時点での各ポジションのトップは以下の通り。
P. Jordan Zimmermann
CA. Wilson Ramos
1B. Adam LaRoche
2B. Danny Espinosa
3B. Ryan Zimmerman
SS. Ian Desmond
LF. Jayson Werth
CF. Denard Span
RF. Jayson Werth
レフトとライトの両方がJayson Werthなことが気にはなりますが、いずれにしても、ナショナルズがポストシーズンに初めて進出した2012年より後に活躍した選手がトップを占めるに至っています。
ところが、「投手編」のSAVESの項目を見ると、球団移転時のクローザーだったChad Corderoが未だにトップのまま。つまり、球団がワシントンに移転してきて以来、どのポジションよりも固定できてきていないポジション、それがクローザーなのです。
(2016年シーズン終了時点)
1. Chad Cordero 113
2. Drew Storen 95
3. Rafael Soriano 75
4. Tyler Clippard 34
5. Matt Capps 26
5. Jonathan Papelbon 26
7. Jon Rauch 23
8. Mike MacDougal 20
9. Mark Melancon 17
10. Joel Hanrahan 14
昨シーズンの後半にクローザーを務めたMark MelanconがFAとしてジャイアンツに入団することとなり、このリストに名前のある投手で現時点でナショナルズに在籍している選手はいません。つまり、今年もまた新しい名前がリストに加わることになりそうな状況です。しかも、それが誰になるかさえ分かりません。
こういう状況を踏まえて、この記事では、ALL Time Natsシリーズがカバーしているとの同じ2005年以降の12年間のナショナルズのクローザーの歴史を振り返ってみることにしました。(2007年以前は当ブログを始める前なので、実感はこもっていません)
==================
2005年
新生ワシントン・ナショナルズの初代クローザーを務めたのは当時23歳のChad Corderoでした。大学時代からクローザーとして活躍し、2003年ドラフト1順目(全体13位)でナショナルズに指名されると、同年8月には早くもメジャーデビュー。9月には初セーブも記録。翌2004年の開幕をセットアッパーで迎え、6月にはクローザーに昇格。順調すぎるくらいのキャリアで迎えたこの2015年は、74試合に登板してナ・リーグ最多の47セーブを記録。6月には月間15セーブのMLBタイ記録を達成し、オールスターに選出されました。シーズン終了後にはサイ・ヤング賞、リーグMVP投票でも得票。まさに絶対的な守護神だったと言っていいでしょう。
2006年
この年もChad Corderoがシーズンを通じてクローザーを務めました。チームの低迷のためセーブ数こそ29に減りましたが、セーブ成功率はむしろ前年より上昇しています。
2007年
シーズン序盤はセーブ失敗が目立ったChad Corderoでしたが、5月半ば以降は安定し、最終的に37セーブを記録。
2008年
今年も当然クローザーを務めるものと見込まれていたChad Corderoがスプリングトレーニング中に右肩の痛みを発症。4月中に6試合に登板したところでDL入りすると、そのままシーズン終了となりました。【Chad Cordero 在任3年】
これによって突如空いたクローザーの席。まず2008年の前半戦はJon Rauchが引き継いで、17セーブを記録。2006年、2007年のセットアッパーからの自然な昇格でした。よく投げたと思いますが、弱小チームのクローザーらしく、フラッグディールトレードでDバックスに放出されていきました。【Jon Rauch 在任0.5年】
Rauchの放出後は、Joel Hanrahanが9セーブを記録。元々は先発でしたが、2007年終盤に見限られ、この年の春にブルペン転向。開幕当初のモップアップから、結果を残してセットアッパーへ、そして8月以降はクローザーとしてしっかり仕事をしました。制球力は甘いものの、球威で三振が取れるピッチングスタイルはブルペン向きだったのでしょう。
なお、Corderoはオフに入って示されたマイナー契約を拒否してFA退団。この2008年は私がブログを始めた年なのですが、少なくとも数年は、「クローザーChad Cordero」を応援することになると思っていたのに、まさかたった6試合だけとは予想だにしませんでした。Corderoは2017年の今日現在でも実はまだ34歳ですが、ナショナルズを去った後のMLBでのキャリアは2010年にマリナーズで敗戦処理として10試合に投げただけで、クローザーとしての復帰は果たせず。肩の故障とはそれほど恐ろしいものだということを示す例となってしまいました。
2009年
Joel Hanrahanがクローザーとして開幕を迎えたものの、10度のセーブ機会のうち5度で失敗し、防御率も7点台というひどい成績で、追われるようにしてパイレーツへトレードされていきました。【Joel Hanrahan在任1年】
ちなみにHanrahanは、2011年、2012年の2年間で計76セーブを記録するなどクローザーとして花開きました。ナショナルズとしては、惜しいことをしたなという印象も残りますが、トレード相手として獲得したのが2012年の初の地区優勝に大きく貢献したブルペン左腕のSean Burnettですから、このトレードは見事なWin-Winだったと言っていいでしょう。
Hanrahanの後は、開幕後にマイナー契約を結んでいた当時32歳のベテランMike McDougalが昇格し、安定感があるとは言えない内容ながら20セーブを記録。しかし、オフに入ると球団は年俸調停対象だったMcDougalに契約を提示せず、いわゆるノンテンダーFAとして退団。(翌年のスプリングトレーニング中に再度マイナー契約を結びましたが、昇格することはありませんでした。)【Mike McDougal 在任0.5年】
2010年
前年はパイレーツでクローザーを務めながらノンテンダーFAとして市場に出ていたMatt Cappsと1年350万ドルで契約。開幕から7月末までの47試合に登板して26セーブ、防御率2.74の好成績でオールスターにも選出される活躍でしたが、あっさりとツインズにトレードされていきました。3年連続でのフラッグディールトレードでのその時点でのクローザーの放出。当時のチーム状態をよく表していると思います。なお、このトレードでナショナルズに来たのがWilson Ramosですから、そういう意味でもCappsの貢献には感謝しています。【Matt Capps在任 0.5年】
8月以降の2か月間で最も多いセーブを記録したのがこの年の5月にメジャーデビューしたDrew Storenでした。ただし、低迷するチームの中でそもそもセーブ機会が少なく、わずかに5セーブ。Storen自身の投球内容も、デビューした5月から7月までは2.61だった防御率が、8月以降の2か月間は4点台後半と低迷するなど不安定なものでした。
2011年
Drew Storenのスプリングトレーニングでの大不振により開幕から10試合ほどはSean Burnettがクローザーを務めましたが、4月半ばには早くもStorenが立場を取り戻しました。以降、シーズンを通じて安定した内容でクローザーとして投げ続け、終わってみれば73試合で防御率2.75の43セーブ(リーグ4位)。この時点でメジャー2年目の23歳。クローザーとしての地位を完全に確立し、今後数年間のクローザーを心配する必要はないかと思わせました。
2012年
当然クローザーと期待されたDrew Storenでしたが、スプリングトレーニング中に右ひじの痛みを発症して骨片除去手術を受けることになってしまい離脱。【第一次 Drew Storen 在任1.5年】
開幕当初は100マイル投手のHenry Rodriguezがクローザーを務めましたが、5月になると大乱調で早々に失格。あのノーコンっぷりはジョークかと思うほどでした。【Henry Rodriguez 在任0.25年】
以降は、9月に入るまでTyler Clippardがしっかりと役目を果たして32セーブを記録しました。この年の前後6年間にわたってナショナルズ・ブルペンの中心にあり、通算ホールド数でトップに立つClippardですが、この年は緊急事態の中クローザーとして貢献してくれました。が、9月になるとClippardが調子を落とし、リハビリを経て7月に復帰していたStorenにスイッチ。【Tyler Clippard 在任0.5年】
このStorenがレギュラーシーズン終盤で安定感のある投球を見せ、再びクローザーの地位を取り戻し、ポストシーズンに突入しました。
ナショナルズにとって初のポストシーズンとなった、カージナルスとのNLDS。Storenは第1戦でセーブを記録すると、4戦では同点の9回表を気魄のこもったピッチングで無失点に抑え、その裏のJayson Werthの逆転2ランで勝利投手となりました。が、、、第5戦、2点リードの9回表、あと1死、あと1ストライクまで行きながら、いまだ語り継がれる逆転負けの主役となってしまいました。【第二次 Drew Storen 在任 0.25年】
2013年
NLDSの逆転負けがあったとはいえ、9月の活躍からすればDrew Storenにクローザーを任せてもよかったはずですが、フロントの判断はRafael Sorianoの補強でした。前年までヤンキースでクローザーを務め、FAとなっていたSorianoと1月に2年2800万ドルで契約。68試合で43セーブ、防御率3.11は見た目は立派な数字ですが、内容は良くなかったというのが率直な感想でした。
この間、Storenが不振のためオールスター明けにAAAに降格させられ、この措置についてTyler Clippardが公然と球団批判を展開するという騒動がありました。その後、8月に再昇格したStorenは好投したものの、この頃からClippardとともにトレード放出の噂が飛び交うようになりました。
2014年
この年もRafael Sorianoがクローザーを務め、防御率3.19、32セーブというそれなりの数字を残しましたが、内容は散々で、地区優勝を争っていた9月上旬の試合で3点のリードを守りきれなかったことで遂に失格となりました。オフにはFA退団。【Rafael Soriano 在任1.75年】
Sorianoを降格させた後は、Drew Storenが三度目のクローザー就任。開幕から8月までセットアッパーとして防御率1点台の圧倒的な安定感を示していたこの年のStoren。クローザーを務めた9月も、14試合で10セーブ、自責点0という完ぺきな仕事をしました。
しかし、ジャイアンツとのNLDS第2戦にまたも悪夢が待っていました。1点リードの9回表2死1塁でマウンドに送られ、連打であっという間に同点にされてしまいました。延長18回の末にこの試合を落とし、当然シリーズを落とすことになりました。2012年に続く大事な試合でのセーブ失敗。これにより、Storenではポストシーズンは戦えない、という論調が生まれたのも確かでした。
2015年
NLDSでのセーブ失敗についてはMatt Williams監督の采配ミスとする声が多数であり(私もこれに与します)、Mike Rizzo GMもDrew Storenへの信頼を明言し、特にブルペンを補強することもなく、開幕を迎えました。Storenも期待に応え、7月下旬まで31回のセーブ機会のうち29回で成功。防御率1.73、相手打者を.212/.271/.250に抑え込む素晴らしいピッチングを続けました。チームは地区首位を争っており、Storenがクローザーとして三度NLDSのマウンドに立つことが期待されていました。
ところが、7月28日、この年のチームの運命を変えたJonathan Papelbonのトレード獲得が発表されました。以降、中継ぎに降格したStorenは20試合に登板して防御率6.75。翌年1月にブルージェイズにトレードされ、5シーズンに渡ったStorenのナショナルズでのキャリアは終わりました。いい時期もあれば悪い時期もありましたが、とにかく記憶に残る投手でした。【第三次 Drew Storen 在任0.75年】
Papelbon?8-9月に7セーブを記録しましたが、いろんな意味でチームをぶち壊してくれました。笑
2016年
放出待望論がありながら、(当然ですが)引き取るチームも現れず、Jonathan Papelbonがクローザーのまま開幕。序盤は曲がりなりにも仕事をしていましたが、次第に打たれる試合が多くなり、7月末にMark Melanconをトレードで獲得したことでようやく解雇することができました。37試合で19セーブ、防御率4.39。優勝争いするチームのクローザーの成績ではないですね。【Jonathan Papelbon 在任1年】
フラッグディールトレードで来たMelanconが、30試合で17セーブ、防御率1.82というびしっとした結果でレギュラーシーズンを締めくくると、ドジャーズとのNLDSでも1,2,3,5戦で登板し、計4回1/3を無失点と好投しました。惜しむらくは、Melanconをセーブシチュエーションで送り出せたのが1試合だけだったことでした。【Mark Melancon 在任0.5年】
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以上見てきた通り、2008年以降の9年間にクローザーの地位に就いたと言っていい投手が10人。2年以上クローザーの地位にとどまった投手はいません。Drew Storenが3度務めていますので、「クローザー交代」の回数で言えば実に12回にも及んでいました。強いチームでこれだけくるくるとクローザーが変わるチームはなかなかないでしょう(他球団のことは詳細には調べていませんので当てずっぽうですが)。
ナショナルズが、常勝軍団としてあり続けるために、そしてポストシーズンで勝ち進んでいくためには、やはりクローザーの安定は必要です。
そして、いつの日か、Chad Coderoの記録を破るような大クローザーが生まれてくることを期待して、それが誰になるのか、見守っていきたいと思います。
All Time Natsシリーズでは、「Starters」として各ポジションでの先発試合数を集計していますが、2016年シーズン終了時点での各ポジションのトップは以下の通り。
P. Jordan Zimmermann
CA. Wilson Ramos
1B. Adam LaRoche
2B. Danny Espinosa
3B. Ryan Zimmerman
SS. Ian Desmond
LF. Jayson Werth
CF. Denard Span
RF. Jayson Werth
レフトとライトの両方がJayson Werthなことが気にはなりますが、いずれにしても、ナショナルズがポストシーズンに初めて進出した2012年より後に活躍した選手がトップを占めるに至っています。
ところが、「投手編」のSAVESの項目を見ると、球団移転時のクローザーだったChad Corderoが未だにトップのまま。つまり、球団がワシントンに移転してきて以来、どのポジションよりも固定できてきていないポジション、それがクローザーなのです。
(2016年シーズン終了時点)
1. Chad Cordero 113
2. Drew Storen 95
3. Rafael Soriano 75
4. Tyler Clippard 34
5. Matt Capps 26
5. Jonathan Papelbon 26
7. Jon Rauch 23
8. Mike MacDougal 20
9. Mark Melancon 17
10. Joel Hanrahan 14
昨シーズンの後半にクローザーを務めたMark MelanconがFAとしてジャイアンツに入団することとなり、このリストに名前のある投手で現時点でナショナルズに在籍している選手はいません。つまり、今年もまた新しい名前がリストに加わることになりそうな状況です。しかも、それが誰になるかさえ分かりません。
こういう状況を踏まえて、この記事では、ALL Time Natsシリーズがカバーしているとの同じ2005年以降の12年間のナショナルズのクローザーの歴史を振り返ってみることにしました。(2007年以前は当ブログを始める前なので、実感はこもっていません)
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2005年
新生ワシントン・ナショナルズの初代クローザーを務めたのは当時23歳のChad Corderoでした。大学時代からクローザーとして活躍し、2003年ドラフト1順目(全体13位)でナショナルズに指名されると、同年8月には早くもメジャーデビュー。9月には初セーブも記録。翌2004年の開幕をセットアッパーで迎え、6月にはクローザーに昇格。順調すぎるくらいのキャリアで迎えたこの2015年は、74試合に登板してナ・リーグ最多の47セーブを記録。6月には月間15セーブのMLBタイ記録を達成し、オールスターに選出されました。シーズン終了後にはサイ・ヤング賞、リーグMVP投票でも得票。まさに絶対的な守護神だったと言っていいでしょう。
2006年
この年もChad Corderoがシーズンを通じてクローザーを務めました。チームの低迷のためセーブ数こそ29に減りましたが、セーブ成功率はむしろ前年より上昇しています。
2007年
シーズン序盤はセーブ失敗が目立ったChad Corderoでしたが、5月半ば以降は安定し、最終的に37セーブを記録。
2008年
今年も当然クローザーを務めるものと見込まれていたChad Corderoがスプリングトレーニング中に右肩の痛みを発症。4月中に6試合に登板したところでDL入りすると、そのままシーズン終了となりました。【Chad Cordero 在任3年】
これによって突如空いたクローザーの席。まず2008年の前半戦はJon Rauchが引き継いで、17セーブを記録。2006年、2007年のセットアッパーからの自然な昇格でした。よく投げたと思いますが、弱小チームのクローザーらしく、フラッグディールトレードでDバックスに放出されていきました。【Jon Rauch 在任0.5年】
Rauchの放出後は、Joel Hanrahanが9セーブを記録。元々は先発でしたが、2007年終盤に見限られ、この年の春にブルペン転向。開幕当初のモップアップから、結果を残してセットアッパーへ、そして8月以降はクローザーとしてしっかり仕事をしました。制球力は甘いものの、球威で三振が取れるピッチングスタイルはブルペン向きだったのでしょう。
なお、Corderoはオフに入って示されたマイナー契約を拒否してFA退団。この2008年は私がブログを始めた年なのですが、少なくとも数年は、「クローザーChad Cordero」を応援することになると思っていたのに、まさかたった6試合だけとは予想だにしませんでした。Corderoは2017年の今日現在でも実はまだ34歳ですが、ナショナルズを去った後のMLBでのキャリアは2010年にマリナーズで敗戦処理として10試合に投げただけで、クローザーとしての復帰は果たせず。肩の故障とはそれほど恐ろしいものだということを示す例となってしまいました。
2009年
Joel Hanrahanがクローザーとして開幕を迎えたものの、10度のセーブ機会のうち5度で失敗し、防御率も7点台というひどい成績で、追われるようにしてパイレーツへトレードされていきました。【Joel Hanrahan在任1年】
ちなみにHanrahanは、2011年、2012年の2年間で計76セーブを記録するなどクローザーとして花開きました。ナショナルズとしては、惜しいことをしたなという印象も残りますが、トレード相手として獲得したのが2012年の初の地区優勝に大きく貢献したブルペン左腕のSean Burnettですから、このトレードは見事なWin-Winだったと言っていいでしょう。
Hanrahanの後は、開幕後にマイナー契約を結んでいた当時32歳のベテランMike McDougalが昇格し、安定感があるとは言えない内容ながら20セーブを記録。しかし、オフに入ると球団は年俸調停対象だったMcDougalに契約を提示せず、いわゆるノンテンダーFAとして退団。(翌年のスプリングトレーニング中に再度マイナー契約を結びましたが、昇格することはありませんでした。)【Mike McDougal 在任0.5年】
2010年
前年はパイレーツでクローザーを務めながらノンテンダーFAとして市場に出ていたMatt Cappsと1年350万ドルで契約。開幕から7月末までの47試合に登板して26セーブ、防御率2.74の好成績でオールスターにも選出される活躍でしたが、あっさりとツインズにトレードされていきました。3年連続でのフラッグディールトレードでのその時点でのクローザーの放出。当時のチーム状態をよく表していると思います。なお、このトレードでナショナルズに来たのがWilson Ramosですから、そういう意味でもCappsの貢献には感謝しています。【Matt Capps在任 0.5年】
8月以降の2か月間で最も多いセーブを記録したのがこの年の5月にメジャーデビューしたDrew Storenでした。ただし、低迷するチームの中でそもそもセーブ機会が少なく、わずかに5セーブ。Storen自身の投球内容も、デビューした5月から7月までは2.61だった防御率が、8月以降の2か月間は4点台後半と低迷するなど不安定なものでした。
2011年
Drew Storenのスプリングトレーニングでの大不振により開幕から10試合ほどはSean Burnettがクローザーを務めましたが、4月半ばには早くもStorenが立場を取り戻しました。以降、シーズンを通じて安定した内容でクローザーとして投げ続け、終わってみれば73試合で防御率2.75の43セーブ(リーグ4位)。この時点でメジャー2年目の23歳。クローザーとしての地位を完全に確立し、今後数年間のクローザーを心配する必要はないかと思わせました。
2012年
当然クローザーと期待されたDrew Storenでしたが、スプリングトレーニング中に右ひじの痛みを発症して骨片除去手術を受けることになってしまい離脱。【第一次 Drew Storen 在任1.5年】
開幕当初は100マイル投手のHenry Rodriguezがクローザーを務めましたが、5月になると大乱調で早々に失格。あのノーコンっぷりはジョークかと思うほどでした。【Henry Rodriguez 在任0.25年】
以降は、9月に入るまでTyler Clippardがしっかりと役目を果たして32セーブを記録しました。この年の前後6年間にわたってナショナルズ・ブルペンの中心にあり、通算ホールド数でトップに立つClippardですが、この年は緊急事態の中クローザーとして貢献してくれました。が、9月になるとClippardが調子を落とし、リハビリを経て7月に復帰していたStorenにスイッチ。【Tyler Clippard 在任0.5年】
このStorenがレギュラーシーズン終盤で安定感のある投球を見せ、再びクローザーの地位を取り戻し、ポストシーズンに突入しました。
ナショナルズにとって初のポストシーズンとなった、カージナルスとのNLDS。Storenは第1戦でセーブを記録すると、4戦では同点の9回表を気魄のこもったピッチングで無失点に抑え、その裏のJayson Werthの逆転2ランで勝利投手となりました。が、、、第5戦、2点リードの9回表、あと1死、あと1ストライクまで行きながら、いまだ語り継がれる逆転負けの主役となってしまいました。【第二次 Drew Storen 在任 0.25年】
2013年
NLDSの逆転負けがあったとはいえ、9月の活躍からすればDrew Storenにクローザーを任せてもよかったはずですが、フロントの判断はRafael Sorianoの補強でした。前年までヤンキースでクローザーを務め、FAとなっていたSorianoと1月に2年2800万ドルで契約。68試合で43セーブ、防御率3.11は見た目は立派な数字ですが、内容は良くなかったというのが率直な感想でした。
この間、Storenが不振のためオールスター明けにAAAに降格させられ、この措置についてTyler Clippardが公然と球団批判を展開するという騒動がありました。その後、8月に再昇格したStorenは好投したものの、この頃からClippardとともにトレード放出の噂が飛び交うようになりました。
2014年
この年もRafael Sorianoがクローザーを務め、防御率3.19、32セーブというそれなりの数字を残しましたが、内容は散々で、地区優勝を争っていた9月上旬の試合で3点のリードを守りきれなかったことで遂に失格となりました。オフにはFA退団。【Rafael Soriano 在任1.75年】
Sorianoを降格させた後は、Drew Storenが三度目のクローザー就任。開幕から8月までセットアッパーとして防御率1点台の圧倒的な安定感を示していたこの年のStoren。クローザーを務めた9月も、14試合で10セーブ、自責点0という完ぺきな仕事をしました。
しかし、ジャイアンツとのNLDS第2戦にまたも悪夢が待っていました。1点リードの9回表2死1塁でマウンドに送られ、連打であっという間に同点にされてしまいました。延長18回の末にこの試合を落とし、当然シリーズを落とすことになりました。2012年に続く大事な試合でのセーブ失敗。これにより、Storenではポストシーズンは戦えない、という論調が生まれたのも確かでした。
2015年
NLDSでのセーブ失敗についてはMatt Williams監督の采配ミスとする声が多数であり(私もこれに与します)、Mike Rizzo GMもDrew Storenへの信頼を明言し、特にブルペンを補強することもなく、開幕を迎えました。Storenも期待に応え、7月下旬まで31回のセーブ機会のうち29回で成功。防御率1.73、相手打者を.212/.271/.250に抑え込む素晴らしいピッチングを続けました。チームは地区首位を争っており、Storenがクローザーとして三度NLDSのマウンドに立つことが期待されていました。
ところが、7月28日、この年のチームの運命を変えたJonathan Papelbonのトレード獲得が発表されました。以降、中継ぎに降格したStorenは20試合に登板して防御率6.75。翌年1月にブルージェイズにトレードされ、5シーズンに渡ったStorenのナショナルズでのキャリアは終わりました。いい時期もあれば悪い時期もありましたが、とにかく記憶に残る投手でした。【第三次 Drew Storen 在任0.75年】
Papelbon?8-9月に7セーブを記録しましたが、いろんな意味でチームをぶち壊してくれました。笑
2016年
放出待望論がありながら、(当然ですが)引き取るチームも現れず、Jonathan Papelbonがクローザーのまま開幕。序盤は曲がりなりにも仕事をしていましたが、次第に打たれる試合が多くなり、7月末にMark Melanconをトレードで獲得したことでようやく解雇することができました。37試合で19セーブ、防御率4.39。優勝争いするチームのクローザーの成績ではないですね。【Jonathan Papelbon 在任1年】
フラッグディールトレードで来たMelanconが、30試合で17セーブ、防御率1.82というびしっとした結果でレギュラーシーズンを締めくくると、ドジャーズとのNLDSでも1,2,3,5戦で登板し、計4回1/3を無失点と好投しました。惜しむらくは、Melanconをセーブシチュエーションで送り出せたのが1試合だけだったことでした。【Mark Melancon 在任0.5年】
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以上見てきた通り、2008年以降の9年間にクローザーの地位に就いたと言っていい投手が10人。2年以上クローザーの地位にとどまった投手はいません。Drew Storenが3度務めていますので、「クローザー交代」の回数で言えば実に12回にも及んでいました。強いチームでこれだけくるくるとクローザーが変わるチームはなかなかないでしょう(他球団のことは詳細には調べていませんので当てずっぽうですが)。
ナショナルズが、常勝軍団としてあり続けるために、そしてポストシーズンで勝ち進んでいくためには、やはりクローザーの安定は必要です。
そして、いつの日か、Chad Coderoの記録を破るような大クローザーが生まれてくることを期待して、それが誰になるのか、見守っていきたいと思います。
2017/02/01
ロースター異動まとめ(2017年1月)
1/13 Neal Cottsとマイナー契約
1/13 Bryce Harper、Tanner Roark、Anthony Rendon、Derek Norrisと年俸調停を回避して1年契約
1/26 Stephen Drewと1年契約、Grant Greenとマイナー契約
1/28 Vance Worleyとマイナー契約
1/31 Joe Nathan, Matt Albersとマイナー契約
1/13 Bryce Harper、Tanner Roark、Anthony Rendon、Derek Norrisと年俸調停を回避して1年契約
1/26 Stephen Drewと1年契約、Grant Greenとマイナー契約
1/28 Vance Worleyとマイナー契約
1/31 Joe Nathan, Matt Albersとマイナー契約
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