(なんとか間に合った)最後は、恒例の開幕前のシーズン予想の答え合わせです。ご笑納ください。
(青字が開幕前の予想。)
1. Papelbonが故障離脱し、Riveroがクローザーに
結局ナショナルズのクローザーとして開幕してしまったJohnathan Papelbon。しかし、被弾が多く、試合を壊すこともあり、登板するだけでブーイングの嵐。4月下旬に肩の痛みを発症してDL入り。そのままシーズン終了。当初はShawn KelleyとFelipe Riveroの2人が試されるが、次第にRiveraがクローザーの地位を確立する。Riveroは最終的に32セーブを記録。
△ 不安定なピッチングながらなんだかんだと7月下旬までPapelbonがクローザーを務め、チームトップの19セーブ。Mark Melanconのトレード獲得でようやく解雇。以降、Melanconが17セーブを記録。なお、Riveroはセットアッパーとして活躍し、Melanconとのトレードでパイレーツに移籍して、2チームで計26ホールドを記録。
2. Strasburgがノーヒッターを記録、サイ・ヤング賞受賞
Stephen Strasburg が、4月28日のフィリーズ戦で、17奪三振、与四球2のノーヒッターを達成。これを含め4完投勝利を飾るなどシーズン通じ圧倒的なピッチングを展開。20勝、250奪三振、防御率2.20という好成績でサイ・ヤング賞を受賞。
△ 投手レビューで書いた通り、7月下旬に一瞬だけサイ・ヤング賞候補と言われましたが、残念な形でシーズン終了。ノーヒッターもならず。なお、MLB全体でもノーヒッターは4月のJake Arrietaのみ。打高投低の気配なのでしょうか。
3. Scherzerが完全試合を達成
Max Scherzerが開幕戦白星を飾ると、4月だけで5勝するなど、前半戦はチームを引っ張るピッチング。オールスター空けにしばらく調子を落とすものの、9月に入ると再び調子を上げ、13日のメッツ戦では完全試合を達成。最終的には16勝、210奪三振、防御率3.00。メジャー初本塁打も記録する。ポストシーズンでもエースとしての活躍を見せる。
△ サイ・ヤング賞の記事、投手レビューも参照ください。開幕戦では勝ち負けが付かず(チームは延長戦勝利)、やや出遅れた感じで4月は2勝止まりでしたが、尻上がりに調子を上げて8、9月に各4勝を積み上げ、チーム最終戦でも勝利投手となってシーズン20勝を達成しました。20勝、34先発、228.1投球回数、284奪三振はいずれもリーグトップ。防御率も2.96と私の予想をかすかに下回る好成績を残し、見事にサイ・ヤング賞を受賞。NLDSでもエースとして第1戦と第5戦に先発しましたが、どちらもチームを勝たせることはできなかったので、これは来季の課題。ホームランはありませんでした。
4. Turnerが6月に昇格、新人王
Trea Turnerの昇格は6月7日。しばらくはなかなかヒットがでないものの、ベンチ・フロントは我慢してレギュラー起用。これに応え、7月に3割を超える打率、盗塁や内野安打、三塁打を量産。センセーションを巻き起こし、ナ・リーグ月間最優秀新人を受賞すると、以降は1番ショートで完全に定着。最終成績は、打率.324、6三塁打、5本塁打、45盗塁。ナ・リーグ新人王を受賞。
△ 最初の昇格は6月3日。ま、これは3日間だけで本格昇格は7月8日でした。あっさりとリードオフに定着し、最終的な打撃成績は、打率.342、8三塁打、13本塁打、33盗塁と期待を上回る成績。8月、9-10月にナ・リーグ月間最優秀新人を受賞。惜しくもリーグ新人王はCorey Seager(ドジャーズ)に持って行かれましたが、それでも十分な活躍でした。大きく予想と違う展開となったのはポジション。チーム事情から8月以降はセンターのレギュラーを務めました。
5. Giolitoが6月にメジャーデビュー
さらに、Lucas Giolitoも6月21日のドジャーズ戦でメジャーデビュー。開幕はAA。快投を続け、先発陣に故障が発生したこのタイミングで抜擢される。デビュー戦は5回2失点6奪三振で勝ち投手になる。その後はローテーション投手として投げるが、抑えたり打たれたり。投球回数制限のため8月下旬でシーズン終了。4勝3敗、防御率3.41の成績。
△ AAで開幕から好投し、DL入りしたStephen Strasburgに代わって6月28日のメッツ戦でメジャーデビュー(ここまでの予想は完璧でした)。デビュー戦は4回無失点の好投を続けながら雨のために降板。以降はメジャーでは打たれてばかりで、マイナーと行ったり来たりとなり、9月はブルペンに回りました。0勝1敗、6.75の不本意な結果。思えば、デビュー戦が白星に最も近かった。オフにトレード退団。
6. Ramosが大ブレイク
春先のレーシック手術で回復した視力の効果でWilson Ramosの打撃が大ブレイク。4月の打率はなんと.350、8本塁打を記録。開幕時は下位だった打順を次第に上げ、6月にはHarperのすぐ後ろを打つようになる。夏以降は疲れから調子を落とすが、それでも最後までレギュラーとして活躍。打率.290、24本塁打、100打点を記録。堂々たる成績で、MVP投票でも得票し、QOオファー対象としてFA市場に出る。
△ 野手レビューで書いた通り、大ブレイクのシーズンとなりました。シーズン終了直前の右膝負傷のため、QOは提示されることなくFAとして退団してしまいました(レイズと契約)。
7. オールスターにHarper、Strasburg、Scherzer、Rendon
Harperがファン投票での選出。前半戦にMVP級の活躍のRamosと、やはり好調の投手、StrasburgとScherzerが選ばれる。Strasburgは先発投手の栄誉。ファイナルボートの対象にAnthony Rendonが挙がるものの落選。
○ ファン投票でBryce Harper。それに加えてDaniel Murphy、Wilson Ramos、Stephen Strasburgが当初選出され、出場辞退したStrasburgに代わってMax Scherzerが選ばれました。Anthony Rendonの予想は外しましたが、代わりに2人も入ったので大満足です。
8. フラッグディールトレードでJohn Axfordを獲得
Papelbonの離脱後、弱点となっていたブルペンを補強するため、アスレティックスとの間でトレードを成立させ、John Axfordを獲得。ポストシーズンでもメインセットアッパーとして活躍。
○ ブルペンを補強するという方針の下、7月末にパイレーツからクローザーとしてMark Melanconを獲得。さらに、8月末にはブルペン左腕のMarc Rzepczynskiをアスレティックスから獲得。2人はポストシーズンでも活躍してくれました。
9. Harperが本塁打王、リーグMVP(2年連続)
開幕から打棒爆発のHarper。4月、6月、8月にそれぞれ10本塁打以上を打ち、リーグ月間MVP。最終的には53本塁打、110得点、100打点、341/.549/.739で満場一致の2年連続リーグMVPに輝く。打点でAnthony Rizzoに届かず、三冠王は逃す。ポストシーズンでも大活躍。
× 野手レビューでも書きましたが、4月は素晴らしくリーグ月間MVPを受賞しましたが、以降は惨憺たる結果。ポストシーズンでも貢献できず。
10. ワールドシリーズ制覇!
4月は貯金4の地区2位スタート。5月に入ると大きな連勝があり、早々にメッツから奪首。そのまま独走態勢に。レギュラーシーズンは、95勝67敗で地区優勝。ディビジョン・シリーズでドジャーズを、リーグ・チャンピオンシップではメッツを破って球団初のリーグ優勝(シリーズMVPは4本塁打11打点のHarper)。そして、ワールドシリーズでは 4勝3敗の接戦となるが、アストロズを倒す(シリーズMVPは先発に抑えに大車輪の活躍を見せたScherzer)。
【プレーオフ進出チーム予想】
(ナショナル・リーグ)
東:ナショナルズ
中:カブス
西:ドジャーズ
ワイルドカード:①パイレーツ、②ジャイアンツ
(アメリカン・リーグ)
東:レッドソックス
中:タイガース
西:アストロズ
ワイルドカード:①ブルージェイズ、②ロイヤルズ
△ レギュラーシーズン95勝67敗で地区優勝は完全正解!。ディビジョン・シリーズでドジャーズに当たるところまで正解。以降の結果は改めて書く必要はないでしょう。
【プレーオフ進出チーム予想】のうち、ナ・リーグはワイルドカード①がメッツだった以外の4チームが正解でした(ナショナルズがメッツをNLCSで破る予想になっていたのはなぜでしょうね 笑)。
以上です。皆様、よいお年をお迎えください。来年も当ブログをよろしくお願いします。
Go ! Nats !!
2016/12/31
2016/12/30
2016 シーズンレビュー 5: 投手MVP: Max Scherzer
【先発】
W | L | GS | CG | IP | SO | ERA | WHIP | HR/9 | K/9 | K/BB | |
Max Scherzer | 20 | 7 | 34 | 1 | 228.1 | 284 | 2.96 | 0.97 | 1.2 | 11.2 | 5.07 |
Tanner Roark | 16 | 10 | 33 | 0 | 210.0 | 172 | 2.83 | 1.17 | 0.7 | 7.4 | 2.36 |
Gio Gonzalez | 11 | 11 | 32 | 0 | 177.1 | 171 | 4.57 | 1.34 | 1.0 | 8.7 | 2.90 |
Stephen Strasburg | 15 | 4 | 24 | 0 | 147.2 | 183 | 3.60 | 1.10 | 0.9 | 11.2 | 4.16 |
Joe Ross | 7 | 5 | 19 | 0 | 105.0 | 93 | 3.43 | 1.31 | 0.8 | 8.0 | 3.21 |
A.J. Cole | 1 | 2 | 8 | 0 | 38.1 | 39 | 5.17 | 1.33 | 1.6 | 9.2 | 2.79 |
Reynaldo Lopez | 5 | 3 | 6 | 0 | 44.0 | 42 | 4.91 | 1.57 | 0.8 | 8.6 | 1.91 |
Lucas Giolito | 0 | 1 | 4 | 0 | 21.1 | 11 | 6.75 | 1.78 | 3.0 | 4.6 | 0.92 |
チーム投手MVPはナ・リーグのサイ・ヤング賞投手、Max Scherzer。当然ですね。先発数、投球イニング、勝ち星、奪三振WHIP(つまり防御率を除くほぼすべてのスタッツ)でチーム先発陣トップですから。玉に瑕と言えば、被本塁打が少し多いくらいでしょうか。大型FA契約で入団して2年目で、しっかり結果を残しました。
そのScherzerを防御率で上回ったのがTanner Roark。2.83はナ・リーグ6位。2015年にはチームの都合に振り回されましたが、今季は、まず4月23日に1試合15奪三振というキレッキレの登板を見せると、その後も安定したシーズンを送り、ポストシーズンに至るまでローテーションを守り切りました。2014年に見せた先発適性は本物であったことを十二分に示し、来季も先発の柱として期待されます。
「山あり谷あり」という印象が残ったStephen Strasburg。FA前最終年として迎えた今季。開幕から好調だったこともあってこのままFA市場で出ることが濃厚と思われた矢先の5月、突如7年の契約延長に合意してくれました。その後も好調は続き、背中の痛みで6月のDL入り(その影響でオールスターも欠場)したものの復帰後も白星を重ね、7月15日を終えた時点でなんと13勝0敗。7月のリーグ月間MVPも受賞し、このままサイ・ヤング賞への道を突き進むかと思われました。が、8月に入って3連敗、その上、肘痛のため再びDL入り。マイナーでの調整登板だけで復帰してきましたが、9月7日の復帰戦、3回表のイニング途中で右腕を抑えながら途中降板し、そのままシーズン終了となりました。ひとまず2度目のTJ手術という事態には至らず、リハビリを続けていますが、来春、どういう状態でキャンプインしてくるか、心配でなりません。
もう1人、けがに泣かされたのがJoe Ross。昨季彗星のように現れ、そのまま今季もローテーション投手として開幕。4月に3連勝で地位を固めると、その後もローテーションで投げ続けましたが、7月に肩を痛めてDL入り。肩だけに心配しましたが、休養とマイナーでのリハビリ登板を続けて9月下旬に復帰。ポストシーズンでも投げましたが、まだ本調子ではなかった。こちらもキャンプでの状態が注目されます。
はっきり残念なシーズンだったのがGio Gonzalez。パパになって初めてのシーズンではりきっていたのか、開幕から5月半ばまでは好投していました。が、5月23日に3被弾で7失点と打ちこまれると、以降シーズン終了までの防御率は5.58という惨憺たるもの。NLDSでも第3戦で先発しましたが、5回裏を投げ切れずに終わりました。オプションが行使され来季もローテーションで投げることはほぼ確実ですが、奮起してもらいたいですね。
Strasburg、Rossが故障離脱したことにより回ってきた先発機会。最初に試されたのは、トッププロスペクトのLucas Giolito、そしてReynaldo Lopezでしたが、2人とも必ずしも期待に応えることはできず。結果的に9月はA.J. Coleが穴を埋めることになりました。3人については、それぞれProspect Profileの記事をご参照ください。(Gioilto、Lopez、Cole)
【ブルペン】
SV | HD | G | GF | IP | SO | ERA | WHIP | HR/9 | K/9 | K/BB | |
Blake Treinen | 1 | 22 | 73 | 17 | 67.0 | 63 | 2.28 | 1.224 | 0.7 | 8.5 | 2.03 |
Shawn Kelley | 7 | 13 | 67 | 26 | 58.0 | 80 | 2.64 | 0.897 | 1.4 | 12.4 | 7.27 |
Oliver Perez* | 0 | 15 | 64 | 7 | 40.0 | 46 | 4.95 | 1.450 | 0.9 | 10.4 | 2.30 |
Felipe Rivero* | 1 | 16 | 47 | 8 | 49.2 | 53 | 4.53 | 1.168 | 0.7 | 9.6 | 3.53 |
Matt Belisle | 0 | 4 | 40 | 6 | 46.0 | 32 | 1.76 | 1.087 | 0.4 | 6.3 | 4.57 |
Jonathan Papelbon | 19 | 1 | 37 | 30 | 35.0 | 31 | 4.37 | 1.457 | 0.8 | 8.0 | 2.21 |
Sammy Solis* | 0 | 9 | 37 | 10 | 41.0 | 47 | 2.41 | 1.268 | 0.2 | 10.3 | 2.24 |
Yusmeiro Petit | 1 | 1 | 36 | 16 | 62.0 | 49 | 4.50 | 1.323 | 1.7 | 7.1 | 3.27 |
Mark Melancon | 17 | 0 | 30 | 28 | 29.2 | 27 | 1.82 | 0.809 | 0.3 | 8.2 | 9.00 |
(*は左投手)
7月末のトレードでMark Melanconを迎え、ようやくJonathan Papelbonを首にしました。遅い。ともかく、以降NLDSに至るまで、Melanconが実にいい仕事をしてくれましたが、そのMelanconがFAで退団(ジャイアンツに入団)してしまったため、ナショナルズの来季のクローザーは白紙状態です。
中継ぎ陣は皆それぞれによく頑張ってくれたと思います。前半戦だけならホールド数トップだったFelipe Rivero。将来のクローザー候補の左腕でしたがMelanconとのトレードでパイレーツに放出。73試合登板とシーズン通じて頑張ってくれたBlake Treinenがホールド数ではトップと大車輪の活躍。シーズン終盤はこのTreinenとShawn Kelleyがメインセットアッパーを務めました。
2016 シーズンレビュー 4: 野手MVP: Daniel Murphy
G | PA | R | HR | RBI | BB | SO | BA | OBP | SLG | SB | |
Wilson Ramos | 131 | 523 | 58 | 22 | 80 | 35 | 79 | .307 | .354 | .496 | 0 |
Jose Lobaton | 39 | 114 | 10 | 3 | 8 | 12 | 18 | .232 | .319 | .374 | 0 |
Ryan Zimmerman | 115 | 467 | 60 | 15 | 46 | 29 | 104 | .218 | .272 | .370 | 4 |
Clint Robinson | 104 | 224 | 16 | 5 | 26 | 20 | 38 | .235 | .305 | .332 | 0 |
Daniel Murphy | 142 | 582 | 88 | 25 | 104 | 35 | 57 | .347 | .390 | .595 | 5 |
Anthony Rendon | 156 | 647 | 91 | 20 | 85 | 65 | 117 | .270 | .348 | .450 | 12 |
Danny Espinosa | 157 | 601 | 66 | 24 | 72 | 54 | 174 | .209 | .306 | .378 | 9 |
Bryce Harper | 147 | 627 | 84 | 24 | 86 | 108 | 117 | .243 | .373 | .441 | 21 |
Jayson Werth | 143 | 606 | 84 | 21 | 69 | 71 | 139 | .244 | .335 | .417 | 5 |
Trea Turner | 73 | 324 | 53 | 13 | 40 | 14 | 59 | .342 | .370 | .567 | 33 |
Ben Revere | 103 | 375 | 44 | 2 | 24 | 18 | 34 | .217 | .260 | .300 | 14 |
Michael Taylor | 76 | 237 | 28 | 7 | 16 | 14 | 77 | .231 | .278 | .376 | 14 |
Stephen Drew | 70 | 165 | 24 | 8 | 21 | 16 | 31 | .266 | .339 | .524 | 0 |
Chris Heisey | 83 | 155 | 18 | 9 | 17 | 13 | 44 | .216 | .290 | .446 | 0 |
Daniel Murphy、Anthony Rendon、Danny Espinosa、Bryce Harper、Jayson Werth、Wilson Ramosの6人。ファーストとセンター以外のポジションは開幕時の選手が故障や大きな不振なくレギュラーを守ったということですから悪くなかったのではないかと思います。
【捕手】
Wilson Ramosが開幕から絶好調。6月終了時点で打率.340、12本塁打の好成績で初のオールスターに選出を果たしました。夏場以降やや調子を落としながら、それでも最終成績は.307/.354/.496、22本塁打、80打点。まさに大ブレイクのシーズンとなりました。ところが、9月26日の守備で右膝に重傷を負ってシーズン終了。NLDSには出場さえできませんでした。オフにはFAとして市場へ。既にレイズと2年契約を結びましたが、あの故障さえなければもっといい契約を得られていたはずなので、実に惜しかったと言わざるを得ません。
控えはもっぱらJose Lobatonが務めましたが、この打撃成績は物足りません。9月に呼ばれて16試合に出場したPedro Severinoが攻守に高い評価を得ており、来季以降の活躍が期待されます。
【内野手】
ファーストはRyan Zimmermanが108試合に先発しましたが、打撃成績は自身キャリアワースト。故障の影響もあるのかなあ。長年のナショナルズファンとしてはやはりZimに活躍してほしい。低迷する姿は寂しい限りです。Zimmermanの離脱中はClint Robinsonがファーストに入ることが多かったのですが、打撃成績は今一つ。特に長打力の低下はRobinsonの価値を大きく下げてしまっています。
セカンドは、オフにFA入団したDaniel Murphyが115試合に先発出場。開幕から打撃好調で、(メッツに在籍してた)昨シーズン後半からポストシーズンでの活躍がまぐれでないことを示しただけでなく、6月前半まで4割前後の打率を維持し、5月と7月にはナ・リーグの月間MVPも受賞するなど、すっかりMLBを代表する打者となりました。もちろんオールスターにも出場。最終的な打率は.347となり、首位打者は惜しくもロッキーズのDJ LeMahieuにさらわれましたが、リーグ2位。シーズンが進むにつれて長打力も発揮し、キャリアハイの25本塁打。47本の二塁打を積み重ねたこともあり、長打率.595はなんとナ・リーグトップでした。シーズン終盤に足の付け根を痛め、先発出場できませんでしたが、地区優勝はほぼ手中にしてのこと。ポストシーズンでは、全5試合に出場して、.438/.545/.438としっかり活躍してくれました。シーズン終了後のリーグMVP投票でもKris Bryantに次ぐ2位。シルバースラッガー賞も受賞。大成功のFA契約でした。
サードはシーズンを通じてAnthony Rendonがしっかり務めました。攻守とも全く文句ありません。欲を言えば霧はありません。来季も健康にしっかり、お願いします。それだけです。
ショートはDanny Espinosaが152試合に出場。Ian Desmondの退団でようやく巡ってきたショートでの出場機会をぎりぎりで何とか手放さなかったという感じですが、打撃成績では惨憺たるもので、先日エンゼルスにトレードされていきました。詳細はトレード時の記事をご覧ください。
【外野手】
前年のナ・リーグMVPとして迎えたBryce Harperの2016年シーズン。4月は、長打率.714、9本塁打、24打点の大活躍でリーグ月間MVPを受賞。このまま黄金期に突入かと思われましたが、5月5-8日のカブスとの4連戦で19打席で13四球(うち4敬遠)と徹底的に敬遠されてからおかしくなりました。長打が出なくなり、それまでの27試合で10本打っていた本塁打が以降は116試合で14本と1/3以下のペースに落ち込みました。スラッシュラインも、以降は.238/.358/.395という(Harperでなくても)ひどいの数字。カブスを107年ぶりのワールドシリーズ制覇に導くことになるJoe Maddon監督に完全にしてやられました。なお、ポストシーズンでも5試合24打席で.235/.458/.294、本塁打なし、1打点と活躍できませんでした。
レフトのJayson Werthは、7年契約の6年目でまさかの復活を遂げました。前年の低迷でもう完全に不良債権かと思っていましたが、まさかの131試合に先発出場。決して主軸を打てる打撃成績ではありませんが、6月に2度のサヨナラ打を打ったり、NLDSでも第3戦でKenley Jansenからホームランを打ったりと、印象的な活躍をしてくれています。不良債権間違いなしと言われた、7年契約もいよいよ最終年。38歳。おそらくそのまま引退でしょう。有終の美を期待しています。
今シーズンの最大のポイントとなったポジションが、センターでした。先日のチーム新人王の記事で書いた通りですが、期待されたBen RevereとMichael Taylorが全くだめで、Trea Turnerの出場機会として活用されることになりました。オフに入ると、RevereをノンテンダーFAにした後、Adam Eatonをトレードで獲得。Turnerは(Espinosaのトレードで空いた)ショートへコンバート、Taylorは完全な控えとなります。
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