2014/12/28

ロースター異動まとめ (2014年12月)

12月のロースターの動きをフォローしておきます。

12/2 年俸調停対象選手に対する契約提示
12/11 Detwilerをレンジャーズにトレード放出
12/15 Harperと2年契約
12/18 パドレス、レイズとの三角トレード成立、Souzaを放出
その他、マイナー契約

2014/12/23

2014 シーズンレビュー 6: 開幕前予想の結果

このシリーズ、最後は、恒例、開幕前のシーズン予想の答え合わせです。当てに行ったはずでしたが、当たったのは最後のポストシーズン進出チーム予想(勝率8割!)くらいでした。

(青地が開幕前の予想。)

1. Strasburgがノーヒッターを記録、サイヤング賞
Stephen Strasburg が5月2日のフィリーズ戦で、14奪三振、与四球2で球団史上初のノーヒッターを達成。Strasburgはこれを含め4完投勝利を飾るなどシーズン通じてひたすら圧倒的なピッチングを展開。34先発、22勝、254奪三振、防御率2.42という別次元の好成績。満票でのサイヤング賞を受賞。
→△ 球団史上初のノーヒッターが達成されたので、ご祝儀としてオマケの△。ただし、マウンドにいたのはJordan Zimmermannでした。Strasburgに関して正解したのは34先発だけでしたが、奪三振数も正解と言っていいでしょう。サイヤング賞は、得票こそしましたが受賞には程遠い結果。

2. Fisterのデビューは5月下旬
開幕をDLで迎えることになったDoug Fister。いったんシャットダウンすることになり、4月下旬になってようやく投球練習を再開。ナショナルズでのデビューは5月下旬。Taylor Jordanが素晴らしい投球を続けていたため、必ずしも悪い成績ではなかったもののTanner RoarkがAAAにオプションされる。ただ、Fisterは7月に再びDL入りし、結局シーズン7勝と期待外れに終わる。
→ × 嬉しい方向に外しました。Fisterのデビューは5月9日。以降は安定したピッチングを最後まで続け、チームトップの16勝。Fisterに代わって外れるのもRoarkではなくてJordanでした。

3. JordanがFisterを補って余りある活躍
ともに開幕ローテーションに入ることになったJordan とRoark。2人とも悪くないスタートを切るが、5月に入ってRoarkがやや減速し、調整が済んだFisterに代わられる。一方のJordanは夏場にやや疲れを見せて減速するものの、9月入ると再び調子を上げ、シーズン14勝。ポストシーズンでも先発を務める。
→ × JordanではなくRoarkとしていたら○を付けられた予想。Jordanは5月にマイナーに送られた後も調子が上がらず、シャットダウンの後、10月にヒジの軟骨除去手術となってしまいました(来季の開幕には間に合う見込み。)

4. 最初の故障離脱はSoriano(Fister を除く)
開幕から不安定な投球を続けたRafael Soriano。5月上旬に脇腹を痛めたという理由でDL入り。代わって、Christian Garciaが昇格。クローザーにはTyler Clippardが就任。
→ × Wilson Ramosが開幕戦でまさかの離脱。「不安定な投球を続けたRafael Soriano」という部分は完ぺきに正解でしたが、DL入りすることはなく、不振のため9月に入ってクローザーをクビになりました。後任はDrew Storen。みんなが応援していたGarciaでしたが、復活はなりませんでした。

5. オールスターにHarper、Ramos、Desmond、Strasburg
ファン投票での選出はHarperのみ。前半戦にMVP級の活躍のRamosと、やはり好調のDesmondが監督推薦で選出され、投手としてStrasburgが選ばれる。
→× ファン投票はゼロ。監督推薦でもZimmermannの1人だけ。Zimmermannの辞退で字際に出場したのがClippardという、ナショナルズファンとしては何とも残念なオールスターでした。夏前に地区首位に立って、チーム状態は悪くなかったのに。

6. Espinosaがまさかの復活
昨季は大不振でマイナー降格まで味わったDanny Espinosa。開幕はベンチでスタートするが、少ない出場機会の中で結果を残し、さらにLaRocheの不振or故障で内野の再編成が行われた結果、セカンドの定位置を取り戻す。最終的には.277/.310/.473、15本塁打という数字で2015年に向けて立場を固める。
→× スプリングトレーニングから開幕直後は逆方向を意識した内容の良い打席が続き、4月末時点では.288/.341/.488、3本塁打とこの予想が当たりそうな勢いでした。しかし、5月に入ると悪い状態に戻ってしまい、結局5月以降は.198/.264/.308しか打てず、Asdrubal Cabrera加入後は出場機会を失いました。なぜ春先の打撃を続けられなかったのでしょうか。

7. Solisが7月にメジャーデビュー
先発投手として育成されることになったSammy Solis。AAで開幕し、まずまずの結果。7月に入ってAAAに昇格し、1試合に登板したところでFisterのDL入りにともないローテーション投手として初昇格。ただし、8月末で投球回数制限のためシャットダウン。この他、(開幕ロースターのAaron Barrettはもちろん)、Steven Souza、Blake Treinenも9月を待たずにメジャーデビューを果たす。
→ × スプリングトレーニング中に背中を痛めて出遅れ。5月になって、本来所属するはずだったAAにようやく合流したものの1試合(しかも4回持たずに9失点)に投げただけで左ヒジの痛みを訴えてそのままシーズン終了となりました。2012年にTJ手術を受けた左ヒジだけになおさら心配です。Souza、Treinenの早いタイミングでのメジャーデビューは当たりました。

8. Zimmermanが首位打者を獲得
開幕から打ちまくり、4月を終えて打率.350、23打点で月間MVPを受賞すると5月も好調を維持。しかし、好事魔多しで6月はじめに走塁中にハムストリングを痛めると、リハビリに手間取り1か月半ほど離脱。何とかオールスター明けに復帰した後しばらくは低調だったものの、シーズン最終盤の9月に打ちまくって、最終打率は.345。ぎりぎりで規定打席に到達して首位打者を獲得。
→ × 数字上は.280/.342/.449と例年に比べてさほど悪くないものでしたが、4月に右手親指、7月には右ハムストリングを痛めてそれぞれ約2か月欠場。メジャー10年目にして最少の61試合の出場という残念なシーズンとなり、もちろん規定打席にも届きませんでした。

9. HarperがリーグMVP投票で2位
チーム野手MVPはHarper。春先はやや出遅れるものの5月に入るとエンジン全開。オールスター前に早くも25本塁打に到達。8月に入ってやや疲れを見せるが、優勝争いの中で再び輝きを見せる。打率.287、37本塁打、123打点、30盗塁。リーグMVP投票では惜しくもYadier Molinaの後塵を拝すが、名実ともにスーパースターの地位を確立。
→ × こちらも故障で期待に応えられず。3年目で最少となる100試合の出場に止まり、特にわずか13本塁打とパワー面で低迷。MVP投票では一票も獲得できませんでした。ただし、NLDSでは大活躍し、来季に向けて希望を持たせてくれました。

10. ワールドシリーズ制覇!
4月だけで貯金を10近く溜め込む。その後はやや伸び悩むものの安全圏のリードを保って余裕のシーズン前半を送るが、オールスター前後に失速。2位との差が3ゲーム差まで縮まり、ひやりとさせられるが、8月後半から再加速。勝利数は97。1度も首位を譲ることなく、最終的には2位に13ゲーム差で独走の地区優勝。ディビジョン・シリーズでドジャーズを、リーグ・チャンピオンシップではカージナルスを破って球団初のリーグ優勝。そして、ワールドシリーズでは4勝1敗でエンゼルスを退ける。
→ × 夏場以降の加速、シーズン勝利数96、2位と17ゲーム差の地区優勝となかなかいい線を突いていましたが、ポストシーズンは大外れ。

【プレーオフ進出チーム予想】
(ナショナル・リーグ)
東:ナショナルズ
中:カージナルス
西:ドジャーズ
ワイルドカード:①Dバックス、②ジャイアンツ
(アメリカン・リーグ)
東:レッドソックス
中:タイガース
西:エンゼルス
ワイルドカード:①ロイヤルズ、②アスレティックス
→ ◎ この予想だけは驚くほど当たりました。ナ・リーグのワイルドカード①のパイレーツ、ア・リーグ東地区のオリオールズという2つを除けば、スロットまで含めて全て正解!10スロットのうち8つですよ。自分でもびっくりです。

2014/12/22

2014 シーズンレビュー 5: 投手MVP Jordan Zimmermann

次は投手編。スタッツ、印象、安定感などそれぞれ高いポイントを得る項目があり、かなり迷っても不思議がないシーズンでしたが、やはり最終戦のインパクトは強過ぎました。

【先発】
W L GS CG IP SO ERA WHIP HR/9 SO/9 SO/BB
Stephen Strasburg 14 11 34 0 215.0 242 3.14 1.12 0.96 10.13 5.63
Jordan Zimmermann 14 5 32 3 199.2 182 2.66 1.07 0.59 8.20 6.28
Tanner Roark 15 10 31 1 198.2 138 2.85 1.09 0.72 6.25 3.54
Gio Gonzalez 10 10 27 0 158.2 162 3.57 1.20 0.57 9.19 2.89
Doug Fister  16 6 25 1 164.0 98 2.41 1.08 0.99 5.38 4.08
Blake Treinen 2 3 7 0 50.2 30 2.49 1.38 0.18 5.33 3.54
Taylor Jordan 0 3 5 0 25.2 17 5.61 1.64 1.05 5.96 2.13
Taylor Hill 0 1 1 0 9.0 5 9.00 2.11 0.00 5.00 1.67


2014年シーズンの先発ローテーションは、Duog Fisterが開幕から約1か月ほど出遅れはしたものの、健康に恵まれ、5人(Stephen StrasburgJordan ZimmermannGio GonzalezTanner Roark、Fister)で全162試合中149試合に先発することができました。5人以外による先発は、わずかにBlake Treinen(7試合)、Taylor Jordan(5試合)、Taylor Hill(1試合)のみ。となれば当然といえば当然ですが、チーム先発投手防御率は3.04で30球団中独走トップの素晴らしい結果を残しました。

3年連続の開幕投手となったStrasburg。5年目となった今季は、初めて開幕からポストシーズンまでフル稼働。自身初の200イニングを突破し、見事、リーグ奪三振王のタイトルを獲得(レッズのJohnny Cuetoとタイ)。ただし、その道のりは容易ではありませんでした。開幕戦は4失点降板で勝ち負けつかず。2戦目は5回持たずに黒星。3戦目でようやく勝ちましたが、その後も内容が良くても大事なところで踏ん張れないという展開が多く、勝ち星はなかなか伸びませんでした。オールスター明けには3連敗を喫し、一時は7勝9敗。ファンをヤキモキさせてくれました。8-9月に盛り返し、特に最後の3登板は計20イニング無失点の3連勝で締めくくりましたが、「もっとできたはず」という印象のシーズンとなりました。NDLSも同じ。初戦の先発を任され、5回2失点(自責点1)でしたが、なんだかなあという感じの失点を重ねて負け投手。もう一皮むけて欲しい。

Strasburgをはるかに凌駕する素晴らしいシーズンを送ったのが、Zimmermann。打線の援護に恵まれず、やはり勝ち星はなかなか伸びませんでしたが、打たれないんだから負け投手にもなりません。オールスター前の成績は6勝5敗でしたが、そこから無傷の8連勝、しかも最終戦では球団史上初のノーヒッター達成という偉業を達成してくれました。NLDSでは第2戦に先発し、ノーヒッターの勢いそのままに9回2死まで3安打無四球、もちろん無失点とジャイアンツ打線を封じ込んでいましたが、四球を出して代えられてしまいました(あとは略)。FA前最終年となる来季。契約延長はほぼあきらめていますので、今年を上回る有終の美を飾ってくれることを期待。

3本柱の1人として開幕したGioでしたが、途中、肩の違和感で自身キャリア初のDL入りとなるなど、不本意なシーズンとなりました。9月の4勝1敗で2ケタ勝利に到達し、シーズン終盤に調子を上げてきたかと思われましたが、後がない状態でマウンドを託されたNLDS第4戦では、1つのきっかけで悪循環に陥る悪いGioの顔を見せてしまいました。肩の違和感が来季に影響しないことを願っています。

開幕時は4,5番手と思われたFisterとRoarkの2人が実はシーズンを通じて、アンカー役を果たしてくれました。まず、Fister。開幕こそ出遅れましたが、5月上旬に復帰してくると、以降はポストシーズンまでフル稼働し、16勝、防御率2.41はいずれもチームトップ。防御率はリーグでも4位の好成績でした。Zimmermannのノーヒッターの前に霞んでしまいましたが、最終登板では見事な完封勝利。NLDSでも2連敗で後がない第3戦に先発し、7回無失点で勝ち投手と頑張りました。こちらもFA前最終年となる来季。しっかり投げて、旅立ってくれればいいです。

昨シーズン終盤に好投していたとはいえ、スプリングトレーニングが始まる時点では確固たる地位を築けていなかったRoark。Fisterの故障でローテーション入りすると、他の先発投手陣が調子を上げきれていなかった4月に安定したピッチング。4月26日には自身初の完封勝利。これでローテーション投手としての地位を完全に確立しました。Roakの立派なのはほとんど波がないこと。物凄い持ち球があるわけではないので過小評価されがちですが、ホンモノです。来季もローテーションの一角として期待しています。

【ブルペン】
SV HD G GF IP SO ERA WHIP HR/9 SO/9 SO/BB
Rafael Soriano 32 0 64 48 62.0 59 3.19 1.13 0.58 8.56 3.11
Tyler Clippard 1 40 75 6 70.1 82 2.18 1.00 0.64 10.49 3.57
Jerry Blevins* 0 9 64 25 57.1 66 4.87 1.24 0.47 10.36 2.87
Drew Storen 11 20 65 18 56.1 46 1.12 0.98 0.32 7.35 4.18
Aaron Barrett 0 8 50 12 40.2 49 2.66 1.30 0.22 10.84 2.45
Craig Stammen 0 7 49 15 72.2 56 3.84 1.27 0.62 6.94 4.00
Ross Detwiler* 1 3 47 15 63.0 39 4.00 1.41 0.71 5.57 1.86
(* は左投手)

今年も年俸1100万ドルのRafael Sorianoが今年もクローザーを務めました。防御率3.19、32セーブという数字はそれなりですが、内容は散々。本当に散々。9月5日に3点リードを守りきれなかったことでようやくクローザーから降格させられ、その後は使い道がないまま終了、FA退団となりました。さようなら。

Sorianoを降格させた後のクローザーを任されたのがDrew Storen。65試合に登板して、自責点が付いたのはわずかに6試合、防御率1.12という圧倒的な数字を残しました。特にクローザーを務めた9月は14試合で自責点0、月間10セーブ。完全に地位を取り戻しました。惜しむらくはNLDS第2戦でのセーブ失敗。2年前に続く悪夢。本人のトラウマになっていないことを願います。ただ、Sorianoとの契約に走った2年前とは異なり、Rizzo GM、Williams監督がそろってクローザーStorenへの信頼を明言。3度目の正直。ポストシーズンで好投するStorenが見たいです。

今年もセットアッパーとして大活躍してくれた、Tyler Clippard。当たり前のように投げてくれていますが、ブルペン投手が安定した成績を残し続けることは難しいはずなのに、5年連続で70試合以上に登板し、この成績。もうひたすら頭が下がります。こちらもFA前最終年を迎え、トレードの噂が上っています。個人的にはどこかの球団でクローザーを務めさせてやりたいと思っていますが、どうなることでしょう。

ブルペン左腕1番手として3本柱と同じくらい起用されたのがJerry Blevins。夏場に不安定な時期がありましたが、特にシーズン終盤にかけてよく頑張ってくれました。もう1人、シーズン通じてブルペンに入っていた左腕が、スプリングトレーニング中にブルペン投手に転向させられた(たぶん本人はそういう意識だったはず)Ross Detwiler。最後までベンチの信頼を得ることはできず、あまりプレッシャーのかからないシーンでの登板が多く、NLDSのロースターからも漏れました。オフにレンジャーズへトレード。

ブルペン投手で今季も(3年連続で)最多投球イニングを記録したのがCraig Stammenでした。ロングもショートもこなし、縁の下の力持ちという感じ。シーズン防御率はパっとしない数字ですが、実はただの消化試合だった最後の登板で1死も取れずに5失点という登板があったためで、それまでのシーズン防御率は3.22でした。。。ともかく、本当に重宝する投手です。

Aaron Barrettについては先日の新人王の記事で書いたので省略です。

【投手MVP】 Jordan Zimmermann

Fister、Strasburg、Storen、あるいはClippardも十分にMVPに値する活躍でしたが、さすがにシーズン最終戦での感動のノーヒッターには敵いませんね。

参考まで、当ブログ独自の勝手MVP、投手陣の結果も掲載しておきます。

8W Stephen Strasburg
6W Tanner Roark
5W Doug Fister
4W Drew Storen, Jordan Zimmermann
3W Gio Gonzalez
1W Aaron Barrett, Rafael Soriano, Ross Detwiler, Blake Treinen, Craig Stammen, Tyler Clippard

2014/12/20

BA: Nationals Top 10 Prospects

12月19日にBAのプロスペクトランキングが発表されました(元記事)。リンク先に出ているリストは以下のとおりです。

[オリジナル]
1. Lucas Giolito, RHP
2. Michael Taylor, OF
3. Reynaldo Lopez, RHP
4. Erick Fedde, RHP
5. Steven Souza, OF
6. A.J. Cole, RHP
7. Wilmer Difo, SS/2B
8. Drew Ward, 3B
9. Brian Goodwin, OF
10. Nick Pivetta, RHP

ところが、まさに同じ日にパドレス・レイズとの三角トレードが成立し、Steven Souzaを放出して、Trea TurnerJoe Rossを獲得したことで、リストが次のように更新されることが明らかになっています。

[改訂版]
1. Lucas Giolito, RHP
2. Trea Turner, SS
3. Michael Taylor, OF
4. Reynaldo Lopez, RHP
5. Erick Fedde, RHP
6. Joe Ross, RHP
7. A.J. Cole, RHP
8. Wilmer Difo, SS/2B
9. Drew Ward, 3B
10. Brian Goodwin, OF
11. Nick Pivetta, RHP
12. Austin Voth, RHP

昨年のリストからは、Lucas Giolito(昨年1位)、Michael Taylor(7位)、A.J. Cole(2位)、Brian Goodwin(3位)の4人が引き続き残りました。メジャー昇格による卒業者はなく、Robbie RayNate Karns、そしてSouzaの3人はトレードされていきましたが、Matt SkoleSammy SolisJake Johansenの3人は残念ながら評価を落としての脱落となってしまいました。

驚いたのは、Coleへの評価の低さ。Giolito、Taylorとの3トップは盤石かと思っていましたので、(Turnerに割り込まれるのは仕方ないにせよ)まさかRossよりも下の7位とは。今季はAAとAAAでしっかりと結果を残し、メジャーデビュー間近というところまで来ているので意外でした。層が厚くなっているということでしょうか。

ただし、まだ1球も投げていないErick Feddeへの評価は高すぎる印象。Reynaldo Lopezへの高い評価には慣れました。

2014/12/18

パドレス、レイズとの三角トレード

ナショナルズ、パドレス、レイズの間で、総勢11人が動く大型三角トレードが成立しました。メインピースは、レイズからパドレスに移籍することになるWil Myers外野手ですが、ナショナルズとしては、Steven Souza外野手とTravis Ott投手を放出し、Trea Turner遊撃手とJoe Ross投手を獲得しました。長くなりますが、チームごとに獲得した選手を書くと次の通りとなります。

[WAS]
Trea Turner, SS (from SD)
Joe Ross, RHP (from SD)

[TB]
Steven Souza, OF (from WAS)
Travis Ott, LHP (from WAS)
Rene Rivera, C (from SD)
Burch Smith, RHP (from SD)
Jake Bauers, OF (from SD)

[SD]
Will Myers, OF (from TB)
Gerardo Reyes, RHP (from TB)
Jose Castillo, LHP (from TB)
Ryan Hanigan, C (from TB)

===================
ナショナルズに関連する選手たちについて、それぞれコメントしておきます。

●Trea Turner, SS
69G 321PA 5HR 35BB 67K .323/.406/.448 23SB [SS and A]
21歳のショートストップ。今年のドラフト1順目(全体13位)、ノースカロライナ州立大から入団したばかりのトッププロスペクト。契約後、ショートシーズンでしばらく過ごした後、Low-Aに昇格し、しっかりした数字を残す上々のプロデビュー。打率を残せて四球を選べる打撃のみならず、走力も広い守備範囲も高く評価されている。プロ入り後の69試合でわずか4エラーは立派。ただし、それほど強肩というわけではない模様。(なお、ルール上ドラフト指名後1年以内の選手はトレードできないので、当面はPTBNLとなるそうです。)

●Joe Ross, RHP
23G(22GS) 121.2IP 29BB 106K 3.92/1.26 [A+ and AA]
兄はパドレスのTyson Ross。2011年ドラフト1順目(全体25位)で高卒入団の21歳。比較的順調に育っており、BAによる2014年開幕前のパドレス組織内プロスペクトランキングでは10位。今季もまずまずのピッチングを続けてAAまで昇格してきました。90マイル台前半の速球が主な武器ということで、変化球はまだまだ。上限は先発3番手と言われているが、ブルペンに転向する可能性も。

●Steven Souza, OF
21G 26PA 2HR 3BB 7K .130/.231/.391 0SB [Major]
96G 407PA 18HR 52BB 75K .350/.432/.590 [AAA]
25歳の右打ち外野手。2007年ドラフト3順目で高卒入団。プロ入り後長らく適応に苦労しましたが、2012年にA、A+で計23本塁打を放ってブレイク。三振が少なく四球を多く選べる選球眼も持ち合わせている。2013年にはAA、アリゾナ秋季リーグで結果を残し、プロ入り8年目となる2014年にようやくメジャーデビューを果たした遅咲きの選手。2014年はInternational League(AAA)のリーグMVPを獲得する活躍。メジャーでの実績は少ないものの、ナショナルズのユニフォームを着ての最後のプレーとなったあのプレーのおかげで、ファンには忘れられない選手です。

レイズではライトのレギュラーとして起用される見込み。このチャンスを活かし、一人前のビッグリーガーになってくれることを心から、本当に心から願っています。頑張って!

●Travis Ott, LHP
13G(=GS) 55.0IP 26BB 45K 3.93/1.35 [SS and A]
2013年ドラフト25順目で高卒入団の19歳左腕。まだまだ未知数。

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大方の評判は、ナショナルズの一人勝ちというもの。確かに、Bryce HarperJayson Werthがあと3年はナショナルズの両翼を務めることが確実で、故障がない限りは控え外野手でしかない26歳のSouzaと、まだLow-Aでしか投げていないドラフト25順目のOttの2人を、ドラフト1順目のプロスペクト2人に換えたのですから、当然の評価と言えるでしょう。もちろん、Turner、Rossの2人とも即戦力いうわけではなく、どれほど育つかは分かりません。しかし、プレイヤーのバリューという観点からは、文句の付けようがない。いつもながらRizzo GMの手腕には恐れ入ります。

Turnerを獲得したことで、Ian Desmondとの長期契約に向けた交渉に影響が出るという説もありますが、そんなことはないでしょう。Turnerがいずれはショートのレギュラーが務まるような選手に育ってくれることを期待していますが、どんなに早くてもあと2年はかかり、DesmondのFA退団とはタイミングが合いません。そもそも期待通りに育つかどうかも分かりません。攻撃のあるショートというのは貴重です。Desmondと長期契約を結び、Turnerが育ってきたところでショートの守備が苦しくなってきたDesmondがサードかセカンドに移るというのがベストシナリオでしょう。

それにしても、なかなかにインパクトのあるトレードです。

2014/12/17

2014 シーズンレビュー 4: 野手MVP Anthony Rendon

次は野手MVPなのですが、なかなかどうして。簡単な選考ではありませんでした。
G PA 2B 3B HR R RBI BB SO BA OBP SLG SB
Wilson Ramos 88 361 12 0 11 32 47 17 57 .267 .299 .399 0
Jose Lobaton 66 230 9 0 2 18 12 15 61 .234 .287 .304 0
Adam LaRoche 140 586 19 0 26 73 92 82 108 .259 .362 .455 3
Danny Espinosa 114 364 14 3 8 31 27 18 122 .219 .283 .351 8
Asdrubal Cabrera 49 200 9 2 5 20 21 22 29 .229 .312 .389 3
Anthony Rendon 153 683 39 6 21 111 83 58 104 .287 .351 .473 17
Ryan Zimmerman 61 240 19 1 5 26 38 22 37 .280 .342 .449 0
Ian Desmond 154 648 26 3 24 73 91 46 183 .255 .313 .430 24
Bryce Harper 100 395 10 2 13 41 32 38 104 .273 .344 .423 2
Denard Span 147 668 39 8 5 94 37 50 65 .302 .355 .416 31
Jayson Werth 147 629 37 1 16 85 82 83 113 .292 .394 .455 9
Kevin Frandsen 105 236 8 0 1 17 17 6 26 .259 .299 .309 0

シーズンを通じて故障者リストに入らずにプレーしたのは、Anthony RendonIan DesmondDenard SpanJayson Werthの4人。Adam LaRocheも最短の15日だけ。上記の5人が規定打席に到達しました。逆に、Bryce HarperWilson RamosRyan Zimmermanの3人は長期離脱。特にZimmermanはメジャー10年で初めて100試合出場を切る不本意なシーズンとなってしまいました。

【捕手】
4番捕手で開幕を迎えたRamosでしたが、左手の有鉤骨(hamate bone)の骨折でまさかの開幕戦途中退場、DL入り。5月上旬に戻ってきましたが、(hamate bone後にはよくあるようですが)パワー不足。6月にもハムストリングを痛めてDL入り。夏場に少し盛り返しましたが、9月には大失速。ポストシーズンでも活躍できずで、昨季後半に膨らんだ期待には応えられないまま終わってしまいました。

むしろRamos離脱中にがんばったJose Lobatonが評価を上げたシーズンとなりました。大きな故障で離脱することなく、Ramosがいるときは控えとして、いないときはレギュラーとして貢献。特に守備面で大いに投手陣を助けた印象。

【内野手】
ファーストはLaRocheが140試合に先発。2年前の再現とはいきませんでしたが、チームトップの本塁打、打点を記録し、主砲としての仕事をしっかり果たしてくれました。ポストシーズンに入るまでは、でしたが…。

開幕戦のセカンドはRendonでしたが、Zimmermanの離脱によりサードに回ったため、結局Danny Espinosaが最多の出場機会を得ました。守備力は相変わらずでしたが、バットも相変わらず。4月はまさかの復活かと思わせるいいバッティングをしていましたが、次第に大振りが目立つようになり、結局見限られ、フラッグディールトレードでAsdrubal Cabreraを獲得した後は、一気に出場機会を失いました。そのCabreraもEspinosaよりはマシという程度の低調な打撃成績で、守備を加味したらEspinosaとあまり変わらないのではないかという印象のままFA退団となりました。

昨季終盤に安定感を取り戻し、大丈夫かなと思わせたZimmermanのサード守備でしたが、やっぱり無理でした。開幕2戦目に最初の悪送球を記録した後、5戦目では失点につながる悪送球と不安定ぶりを露呈。4月12日のブレーブス戦で2塁ランナーとして牽制で帰塁する際にヘッドスライディングをして右手親指を骨折・・・。これによりサードにコンバートされたRendonが、そのままポジションを奪い取ってしまいました。守備力でも高い能力を見せるとともに、打撃でも大きな飛躍を見せ、リーグトップとなる111得点を記録。オフには、三塁手としてシルバースラッガー賞も受賞しました。

ショートはすっかり不動の地位を築いた感のあるDesmondがほぼフル出場。相変わらず三振は多いものの、これで3年連続となる20本塁打、20盗塁を達成。こちらも3年連続となるシルバースラッガー賞を受賞。守備でも安定した働き。また、チームリーダーとしても貢献。エキスポス時代から残る最後の1人として、FAとなる前に契約延長に応じてくれることが期待されています。

【外野手】
2年連続でほぼフル出場を果たしたSpan。センター守備はGG賞が受賞できなかったのが不思議なほど素晴らしい上に、打撃でも自身初の3割、30盗塁を記録するなど、キャリアイヤーとなりました。格安の来季契約オプションは当然ながら行使されました。誰だよ!こんな素晴らしいセンターを連れてきたGMは!という感じです(笑)。

7年契約の4年目となったWerth。こちらも、まさかのほぼフル出場。出場試合数も加味すれば、移籍後最高の個人成績と言ってもいいかもしれません。数字に表れない勝負強い打撃の印象も強い。7月には、.337/.446/.687、6本塁打、24打点の成績でリーグ月間MVPを受賞するほど打ちまくり、チームの加速を引っ張りました。ライトの守備は少しずつ落ちてきている感じを受けました。不良債権間違いなしと言われた長期契約の折り返し点を過ぎましたが、もう悪く言う人はいないでしょう。これで、ポストシーズンで打ってくれていれば・・・。

残念だったのは、Harper。オフにしっかり休んで体調万全で迎えたはずのシーズンでしたが、今一つ波に乗れないままで来た4月末に三塁打でヘッドスライディングした際に左手親指の腱を断裂し、約2か月の離脱を強いられました。復帰してきてもしばらく調子がでないまま。8,9月には復調し、悪くない感じでレギュラーシーズンを終えましたが、残った数字は13本塁打をはじめ、まったく物足りないものとなりました。救いは、ポストシーズンでの大暴れ。チームメイトが本当に全然打てない中、4試合で3本塁打を放つなど1人で奮闘していました。来季こそは大ブレイクしてくれることを期待しています。

【野手MVP】 Anthony Rendon

迷いました。

スタッツを見ると、Rendon、Werth、LaRoche、Spanの4人はいずれも印象的な数字を残していますが、これだけでは決め手にかける。リーグMVP投票の結果は、5位Rendon、18位Werth、19位タイSpanとなっています。また、御存じ、当ブログ独自の勝手MVP、野手陣の結果を取りまとめたものがこちら。

11W: LaRoche
10W: Werth
9W: Desmond
8W: Rendon 
5W: Span、Ramos、Zimmerman
2W: Espinosa 
1W: Moore、Frandsen、Harper、Taylor、Souza

この結果からは、LaRoche、Werthが2トップでチームの勝利に貢献し、特にLaRocheがレギュラーシーズン終盤の勝負がかかった時期に活躍してくれていたことが分かりました(実感としてもそういう印象です)。しかし、2人のポストシーズンでの惨状を忘れられないファンとして、LaRocheとWerthはどうしても選べませんでした。

こんなに迷ったのは、ブログを始めてから初めてのこと。迷いに迷った末、シーズンを通じて、攻守にわたってオールラウンドに貢献してくれたRendonを今季の野手MVPとしました。

2014/12/15

Harper と2年契約に合意

Bryce Harperがナショナルズと2年750万ドルの契約に合意したことが発表されました。内訳は、2015年が250万ドル、2016年が500万ドル。まずは、ホッと胸をなでおろしました。

いきなりそんなこと言われても、相当深くフォローしている人でないと何のことか分かりませんよね。日本語のニュース記事はなさそうですし。

経緯を説明しておきましょう。

話は2010年8月にさかのぼります。その年の6月のドラフト全体1位で指名されたHarperとナショナルズの交渉は期限直前までもつれこみ、最終的に合意したのは期限の26秒前のことでした。当時、5年総額990万ドルと公表されたこの契約。2015年シーズンがその5年目に当たるのですが、契約に規定された2015年の年俸は、基本給100万ドル+メジャー昇格していれば支払われるボーナス50万ドルの計150万ドルでした。

ところが、例によって話をややこしくしてくれるのが年俸調停制度です。同制度の基本的なルールは次の通り。
・メジャーリーガーの年俸はメジャー登録3年を経過するまでは約50万ドルの最低保証額。
・3年を経過した選手は年俸調停の対象となり働きに応じて(=類似の成績を残した過去の選手並に)年俸が上昇。合意できなければ年俸調停で第三者に決定してもらうことも可能。
・上記の3年経過の選手に加え、2年以上3年未満経過の選手のうちで登録日数が上位の22%の選手は年俸調停となる。(いわゆるスーパー2)
・6年を経過した選手はFAとなる。

ただし、このルールには例外があります。それは、「別途契約が結ばれてない限りは」というもの。

ここで今回のケースに戻ると、2014年シーズン終了時点でのHarperのメジャー登録日数は2年と159日であり、スーパー2に該当し、仮に年俸調停プロセスに乗ったとすれば、年俸は250万ドル程度となるだろうという試算をいろいろな専門家が示しています。しかし、2010年8月に結ばれた契約が存在し、2015年の年俸は150万ドルと定められていますので、こちらが優先するようにも思われます。

これに対し、Harperの代理人であるScott Borasが主張したのは、「年俸調停の権利を得ることができる場合は元の契約を解除することができる(いわゆるオプトアウト)」はずで、Harperはこのオプトアウトを行使し、スーパー2として年俸調停の対象となるべきだというものでした。契約合意が期限ギリギリだったため文字にすることはできなかったが、2010年8月の時点で口頭での合意が存在していたと主張するBorasと、そんな合意はなかったという球団側との、文字通り「言った言わない」の争いとなっていました。

この争いの存在が最初に明らかになったのは昨年11月のワシントン・ポストの記事でした。それから1年間、水面下での交渉が続けられてきましたがこれまでには合意できず、12月16日(火)に異議申立てのヒアリングがセットされるまでに至っていました。異議申立てプロセスは、(いつも年俸調停プロセスで書いているように)選手と球団との間に大きな溝を生じさせる全く不愉快なプロセスとなるものであり、(可能性は極めて低いと思われますが)長期契約の芽を消さないためにも回避することが期待されていました。

今回、そのヒアリングの前に(とはいえまだ1日以上あったわけですが)、合意できたことは、まずは何よりの朗報でした。

2015年の250万ドルというのは、完全にHarper側の主張に沿った(つまり年俸調停対象として得られたであろう)金額ですが、一方、2016年の500万ドルについては、仮に2015年の年俸が250万ドルで2015年にHarperがスーパースター級の活躍をした場合には割安になると言えるもの。また、2017年の年俸調停のベースになるのもこの500万ドルとなるため、それ以降の年俸もある程度コントロールできるようになりました。変な言い方ですが、Harperがスーパースター級の活躍をしてくれることを、年俸高騰の心配をしないで期待できるようになったとも言えます。

なお、この2年契約の後、あと2年、年俸調停対象として球団に保有権があり、2018年シーズン終了後にFAとなるというスケジュールには変更はありません。

以上、総評すると、今回の2年契約は、両者にとってメンツが立って実利も伴うウィンウィンのものと言えるでしょう。Rizzo GMとBoras。さすがです。

2014/12/13

2014 シーズンレビュー3: 新人王: Aaron Barrett

続いてチーム新人王です。2014年シーズンにルーキー資格を持って出場したのは次の9人でした。

Michael Taylor
Steven Souza
Jeff Kobernus 
Sandy Leon 
Zach Walters
Aaron Barrett 
Blake Treinen 
Xavier Cedeno
Taylor Hill

このうち、規定出場機会(130打席、50投球回数)に到達してルーキーから卒業したのはWalters(トレード先のインディアンズで到達)、Treinen(50回2/3でぎりぎりクリア)、Cedeno(足かけ4シーズンかかりました)の3人。その他の6人はまだルーキー資格を有しています。

チーム新人王の候補と呼べるほどの活躍を見せてくれたのはBarrettとTreinenの2人でした。

Aaron Barrett: 50G 40.2IP 49K 20BB 1HR 2.66/1.30
スプリングトレーニングでの好投のよりまさかの開幕ブルペン入り。開幕戦、同点の9回裏にメジャーデビューし、2三振を含む三者凡退で抑え、結果的にメジャー初白星まで記録しました。この後、6月末までの間に計31試合に起用され、失点したのはわずか4試合で、防御率1.93。すっかりベンチの信頼を勝ち取りました。6月30日の試合でボークを取られてから投球フォームを乱し、3試合連続で失点するなど調子を崩したこともありましたが、再調整のために降格したAAAでは打者を圧倒して10試合を無失点。9月にはメジャーに復帰し、10試合で自責点0(2失点)の好投でNLDSのロースター入りを果たしました。昨シーズンまでAAしか経験していなかった右腕にとっては大きな飛躍の1年となりました。NLDS第4戦でワイルドピッチによって決勝点を献上するという苦い経験も、将来の糧としてくれることでしょう。来季以降は(Rafael Soriano、さらにはTyler Clippardに代わる)ブルペンの柱として活躍してくれることを期待しています。

Blake Treinen: 15G(7GS) 50.2IP 30K 13BB 1HR 2.49/1.38
こちらもスプリングトレーニングで評価を上昇させた投手。開幕こそAAAで迎えましたが、早くも4月12日に初のメジャー昇格を果たし、同日、ブルペン投手としてデビュー。このときはモップアップとしての起用でしたが、5月以降はダブルヘッダーなどの事情があるときのスポットスターター1番手となり、(何度もブルペンに勝ち星を消されながら)6月28日にはうれしいメジャー初白星も記録しました。その後もチーム事情からいろいろな形での登板を強いられましたが、90マイル台後半の力のある速球を柱としたピッチングで存在感を増し、NLDSのロースターに入れるべきかどうかという議論もあったほどの活躍。とにかく彼の速球は素晴らしく、見ていて気持ちのいい投手。今後、先発としてどこまでやっていけるかは変化球をどれだけ磨けるかによるでしょうが、来季も主にスポットスターターあるいはロングリリーフ(Craig Stammenの後釜)として貢献してくれることでしょう。

【チーム新人王】 Aaron Barrett  

なかなか甲乙つけがたい2人ですが、シーズンを通じてのチームの勝利への貢献度という観点からは、Barrettを新人王とします。

2人以外ではTaylorとSouzaもマイナーでは素晴らしい数字を残し、メジャーでもキラリと光るものを見せてくれましたが、まだまだ経験不足。もう一皮むけてくれることを期待しています。

2014/12/12

Detwiler をトレード放出

12月11日、ウィンターミーティングの最終日の夜になって、レンジャーズとの間でトレードに合意しました。ナショナルズは、Ross Detwiler投手を放出し、見返りにChris Bostick内野手とAbel De Los Santos投手の2人のマイナーリーガーを獲得しました。

Mike Rizzo GMは相変わらず素晴らしいディールをします。本当に敬服します。


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Ross Detwiler
47G (2W-3L-1SV) 63.0IP 21BB 39K 4.00/1.41 [2014 Season for Nationals]
132G(69GS) (20W-32L-1SV) 471.0IP 154BB 285K 3.82/1.37 [Carrier for Nationals]

2007年のドラフト1順目(全体6位)入団ということで、私が2008年初にブログを始めた当時は全体トップ100にも入るトッププロスペクトでした。将来のエースと期待していましたが、結局、それほどには成長できないままにナショナルズを去る日が来てしまいました。ちなみに、同期入団はJordan Zimmermann(2順目)、Steven Souza(3順目)、Derek Norris(4順目)等。

契約時の約束により、ドラフトされた年の9月末に1イニングのメジャーデビューを果たしていましたが、実質的には2009年に昇格し、この年の9月にメジャー初勝利。しかし、期待されて迎えた2010年のスプリングトレーニングで股関節を痛めて半年も離脱し、ローテーション投手に定着するチャンスを逃しました(あの当時の弱小ローテーションなら十分可能性はあった)。

最も輝いたのは、2012年でした。スプリングトレーニングで王健民John Lannanとの三つ巴の争いを制して開幕ローテーション入りを果たすと、レギュラーシーズンで27試合に先発し、10勝を記録。ポストシーズンでも、勝ち負けはつかなかったもののNLDS第4戦(Jayson Werthのサヨナラ弾で勝った試合)に先発して好投しました。

これで一皮むけたかと思われましたが、翌2013年はまたも今一つピリッとしないピッチングを続けた挙句、夏場に背中を痛めてリタイア。そうこうしているうちに、Tanner Roarkの台頭などもあって先発投手としての地位が低下。遂に2014年はブルペン投手としてフルシーズンを過ごすことになった上、ポストシーズンのロースターから外されるなど、チーム内における存在感は下がる一方でした。

基本的に持ち球は速球(シンカーとフォーシーム)のみ。これまでにチェンジアップやカッターの習得も試みてきましたが、どれも実戦で武器となるほどのものにはならず。このレパートリーの少なさが、先発投手として成功できなかった理由と言えるでしょう。

オフに入った当初はノンテンダーという予想もありましたが、契約は提示された上でのトレードとなったことで、球団に見返りを残してくれたという意味でも、望まれての移籍となったという意味でも(しかもレンジャーズは先発投手として考えているらしい)、現状で考えられる限り最も良い結末となったのではないでしょうか。

この7年間ずっとフォローしてきた選手の1人ということで感慨深いものがあります。

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獲得した2選手は、いずれもトッププロスペクトと呼べるほどではありませんが、若くて、将来メジャーに上がってくる可能性は十分ある楽しみな選手。本当に良いトレードです。

Chris Bostick (2014 Season for A+)
130G 556PA 11HR 47BB 116K .251/.322/.412 24SB 
21歳の右打ちの二塁手。ニューヨーク州の高校から2011年のドラフト44順目(全体1336位)という極めて遅い順位での指名ながらアスレティックスに入団。Rk、SS、Aと順調に昇格したところで、昨オフ(2013年12月)、Craig GentryJosh LindblomとのトレードでMichael Choiceとともにレンジャーズに移籍。2014年はA+で上記の成績を残していました。

パワーがある二塁手というのはかなり珍しい素材(ん?Espinosaという名前の似たタイプの選手がいたような気が・・・)。現時点では三振が多いものの、まだ21歳と若く、来季はおそらくA+をもう1年経験するのではないでしょうか(AAの二塁手はアリゾナ秋季リーグに派遣されたTony Rendaが務めるはず)。1年くらい足踏みしても、まだまだ大化けへの期待感を持たせてくれる選手です。守備はよく分かりません。

Abel De Los Stanton (2014 Season for A and A+)
41G (5W-3L-8SV) 56.1IP 18BB 65K 1.92/0.96
ドミニカ出身のブルペン右腕。米本土に上陸したのは2011年。当初は先発でしたが、今一つぱっとせず。2013年に本格的にブルペン投手に転向し、昨季、上記の成績を残して評価を高めている。先発時代から一貫して四球が少ない点は評価ポイント。ブルペン投手に回って、奪三振がイニング数を上回るようになっている。これをAAに上がっても続けられるかどうか。

2014/12/11

2014 シーズンレビュー2: またもNLDS敗退

ウィンター・ミーティング中ですが、ナショナルズ関連ではあまりにも動きがないので、先にシーズンレビューの第2弾、行きます。

第2弾は、順番から言うと、またも残念な結果に終わったポストシーズン編を書かなければならないのですが、10月17日に第4戦の記事の追記として敗因分析をまとめたのでその再掲で代えさせて頂きます。

===========(再掲開始)===========
シリーズを通じて投手陣は良く頑張りました。4試合(延長18回を戦っていますから実質5試合分)で9失点。うち非自責点が3もあって、チーム防御率は驚異の1.23。しかし、負けた試合は全て1点差。Storen、Roark、Barrett、みんなギリギリのところで粘れなかったのは確かでした。いやいや、誰がなんと言おうと投手陣は十分に頑張りました。

敗因は打線。チーム打撃成績 .164/.222/.258って・・・・。全9得点で、そのうち2点は第3戦でのMadison Bumgarnerの悪送球でもらったもの。残る7点のうち、ソロホームランによるものが4点。そしてBryce Harperが1人で4打点。他の打者では、Anthony Rendonだけが気を吐き、打率.368(7安打)と頑張りましたが、全試合にフル出場したにも関わらず、1番Spanは2安打、3番Werthと4番LaRocheはともに1安打ずつ(もちろん打点0)に終わってしまいました。特に3,4番の本来ならチームを引っ張るはずの2人がこの成績に終わったことが最大の敗因でしょう。

そして、忘れもしない第2戦の9回2死での投手交代。ですが、それを言うのは結果論になるのでやめましょう。

ともかく、このようにしてナショナルズのシーズンは終わってしまいました。故障者もRyan Zimmermanくらいという充実した戦力を持ち、シーズン終盤がものすごく好調だっただけに、ものすごい消化不良感があります。えっ?!ほんとに終わりなの?という感じです。でも、終わりは終わり。
===========(再掲終了)===========

今となって思うのは、相手が悪かったということ。結局この後ワールドシリーズを制することになるジャイアンツ、Bruce Bochy監督と当たったことが運の尽きでした。リーグ最優秀監督を受賞したとはいえ、ルーキー監督のMatt Williamsには荷が重かったという印象。この敗戦から多くのことを学び、次に生かしてくれることを願うばかりです。

我らがMichael Morseがワールドシリーズ優勝に貢献してくれたことをせめてもの慰めです。

2014/12/05

2014 シーズンレビュー1: 会心の地区優勝

毎年恒例のシーズンレビュー。例年はもう少し年末になってから書くのですが、今年は年末が忙しそうなので今のうちに…。

まずはレギュラーシーズン編です。

Matt Williamsを新監督に迎えて臨んだ2014年シーズン。序盤はややもたつきブレーブスに先行を許しましたが、中盤以降に地力を発揮して首位に立つと、終盤はさらに勢いを増してゴールイン。終わってみれば96勝66敗、2位に17ゲームという大差をつけての独走地区優勝、ナ・リーグ最高勝率。さらに最終戦でのノーヒッターというオマケ付き。

シーズン序盤は期待外れに終わった昨季の再現のようでした。メッツ相手に開幕3連勝するなど他チームには強さを見せ、最終的に4月は貯金4で終えましたが、ブレーブスにだけは直接対決1勝5敗と勝てませんでした。そのブレーブスから2ゲーム差の3位で4月を終了。さらに苦戦したのが5月で4つも負け越してしまいました(この時点でちょうど5割)。苦戦の原因は攻撃力不足。開幕戦でのWilson Ramosを皮切りにRyan Zimmerman、Bryce Harper、Adam LaRocheと主力が続々と離脱。4月は頑張っていたAnthony Rendonの減速とともに得点力が失われていきました。

昨季と違ったのは、ナショナルズだけでなくブレーブスももたついたこと(地区首位は変わりませんが、昨季が10だった5月末時点の貯金が今季は5)。ブレーブスはこの後、6月こそ貯金2でしたが、7-8月は勝率5割と減速し、9月にはなんと8勝19敗と大きく負け越し。ポストシーズン進出さえも逃すことになりました。

そんなブレーブスを尻目に、6月以降、ナショナルズは快進撃を開始。6-7月で貯金10と勝率を上げてブレーブスをとらえると、8月12日から21日にかけての怒涛の10連勝(しかも、うち5試合はサヨナラ勝ち)。8月だけで貯金9を荒稼ぎして地区首位を固めました。さらに9月に入っても白星を重ねて独走態勢。全く危なげないままに順調にマジックを減らして、9月16日、敵地アトランタでブレーブスを破って地区優勝を決めました。この1戦を含め9月に6試合組まれたブレーブスとの直接対決は4勝2敗。苦手意識もすっかり克服しました。

その後もペースを緩めることなく9月の月間成績は19勝8敗。残り2戦を残した時点でナ・リーグ最高勝率を決め、そして迎えた9月28日のレギュラーシーズン最終戦。詳細は当日の記事を読んでいただければと思いますが、まさに有終の美を飾る1戦で締めくくりました。この後のポストシーズンの展開を知っている人が振り返ってみると、ピークがちょっと早く来過ぎたということになってしまいますが、レギュラーシーズンとしてはこれ以上ない終わり方でした。

いつものようにチーム・スタッツも振り返っておきます。

打撃成績は「中の上」といったところ。総得点は9位、本塁打は10位、チーム打率12位、出塁率8位、長打率10位、三振率は21位、盗塁は12位。悪くはないけれども、チームを引っ張ったという感じの数字でもありません。

チームを引っ張ったのは何といっても投手陣。防御率3.03は独走でのトップ。奪三振率は13位と平均的な水準でしたが、与四球率、被本塁打率ともやはり悠々の1位。先発投手に限れば、奪三振率も5位の高水準。先日の記事でも書きましたが、先発ローテーションをほぼ固定できたということが何よりの勝因ということでしょう。

以上、98勝した2012年シーズンをも上回る会心のレギュラーシーズンだったのですが・・・・・・。

2014/11/20

ロースター異動まとめ (2014年11月)

11月のロースターの動きをフォローしておきます。

11/4 Eric Fornataro投手をウェイバー獲得
11/14 Matt Purke投手を解雇 ⇒ 11/17 マイナー契約
11/15 Kevin Frandsen内野手と年俸調停回避の1年契約
11/18 Jhonatan Solano捕手を解雇
11/19 ルール5ドラフトに向けて、A.J. Cole投手、Wilmer Difo内野手、Brian Goodwin外野手、Matt Grace投手を40人ロースターに追加。Pedro Florimon内野手をウェイバー喪失、Ryan Mattheus投手を解雇。
その他、マイナー契約

詳細は以下。

2014/11/19

BP: Nationals Top 10 Prospects

オフの恒例行事、トッププロスペクトランキングの発表です。ナショナルズについては、まずBaseball Prospectus (BP) のトップ10が発表されました(元記事)。

1. Lucas Giolito, RHP 
2. A.J. Cole, RHP
3. Michael Taylor, CF
4. Reynaldo Lopez, RHP
5. Erick Fedde, RHP
6. Steven Souza, OF
7. Jakson Reetz, C
8. Jake Johansen, RHP
9. Rafael Bautista, CF
10. Wilmer Difo, SS/2B

全体でもトップ10に入るのでは、と言われているLucas Giolitoに、A. J. ColeMichael Taylorを加えた3人は各種プロスペクトランキングで共通することになりそうで、ノーサプライズ。

Reynaldo Lopezへの高い評価が印象的なランキングとなりました。ドミニカ出身の20歳の先発右腕。米本土では5回1/3(ドミニカ夏季リーグを合わせてもプロ通算16イニング)しか投げておらず実質ルーキーイヤーとなった今季、100マイル近い速球を武器にHagerstown(A)で活躍して、一躍評価を上げました。

Jake Johansenが8位というのもやはり高い評価で驚きましたが、意味合いは異なります。2013年ドラフト最上位(2順目)入団とはいえ、2年目の今季、Hagerstownで全く結果が残せずブルペンに降格されていました。同じ2013年ドラフトでも、高卒入団し、Hagerstownでソリッドな成績を残したDrew Ward三塁手のほうが個人的期待感は上回っています。

今年(2014年)ドラフト組は、5位のErick Fedde投手と7位のJakson Reetz捕手の2人。特にReetzは高い出塁率を誇りDerek Norris二世との呼び声が高まっています。

9位のRafael Bautistaと10位のWilmer Difoの2人はドミニカ出身の快足コンビ。Lopezも含めてドミニカ出身選手がマイナーの階段を順調に上がれるかどうかは分かりませんが、楽しみであることは確か。期待して見守っていきましょう。

2014/11/16

リーグMVP投票でRendonが5位入賞

オフの各賞発表の最後は、両リーグのMVP。

ナ・リーグのMVPはサイ・ヤング賞投手のドジャーズのClayton Kershawが、マーリンズのGiancarlo Stanton外野手、パイレーツのAndrew McCutchen外野手などを抑えてのダブル受賞となりました。

ナショナルズからは、5位にAnthony Rendon、18位にJayson Werth、19位タイにDenard Spanが入りました。Rendonの5位は、ワシントンへの球団移転後の最高順位です。よくできました。

ア・リーグは、エンゼルスのMike Troutが満票で初受賞。一昨季、昨季も十分に値する成績を残していましたが、チームがポストシーズンを逃していたことと、Miguel Cabreraに打撃三冠王を記録されてしまっていたために受賞なりませんでしたが、今年は両方をクリアしたことで(数字だけ見ると3年間で最低なのに!)、念願の受賞となりました。

Bryce Harperはデビュー以来何かとTroutと比較されてきましたが、少し差をつけられた感じですね。追いついて、というのはなかなか酷な要求ですが、少しでも差を詰めてほしいですね。

サイ・ヤング賞に3投手が入賞

サイ・ヤング賞の投票結果が公表され、ナ・リーグは、ドジャーズのClayton Kershawが満票で2年連続3度目の受賞。21勝3敗、防御率1.77、WHIP 0.86、6完投はいずれもリーグトップですから、まったく順当な結果となりました。

ナショナルズの投手陣からは3人が入賞しました! Jordan Zimmermannが5位、Doug Fisterが8位、Stephen Strasburgが9位タイという結果。 FisterとStrasburgにとっては初めての得票となりました。特にStrasburgには、来季こそは受賞を争えるようなシーズンを送ってくれることを期待しています。

ア・リーグは大接戦。今季彗星のように現れたインディアンズのCorey Kluberが、防御率、WHIP1位のFelix Hernandezを僅差で振り切り初受賞となりました。

2014/11/12

Williams監督がリーグ最優秀監督受賞

ナショナルズのMatt Williams監督がナ・リーグ最優秀監督賞を受賞しました。30人の投票のうち、1位票を18集めて、パイレーツのClint Hurdle監督などを振り切りました。監督として1年目の受賞は史上4人目。昨季ポストシーズンを逃したチームをリーグ最高勝率に導いた功績が評価されました。ずっとフォローしてきたファンの目にはところどころ不満の残る采配もありましたが、トータルで結果を残したことは紛れもない事実。素直におめでとうと思います。

ア・リーグはオリオールズのBuck Showalter監督が受賞。1994年(ヤンキース)、2004年(レンジャーズ)に続き、ちょうど10年おきとなる自身3度目の受賞となりました。別チームでの3度の受賞はTony La Russaと2人だけだそうです。

2014/11/11

新人王は得票なし

ナ・リーグ新人王はメッツのJacob deGrom投手でした。開幕前はそこまで高く評価されていませんでした(BAで)が、25歳で迎えた今季、AAAで好投し、5月にメジャーデビュー。そのままシーズン終了までローテーションを守り、9勝。特に、9月15日のマーリンズ戦では初回から8者連続三振の快投を演じ、一躍評価を高めました。来季はMatt HarveyもTJ手術から復帰してくるし、メッツ投手陣は手強そうです(ちなみにdeGromは今季ナショナルズ戦では1試合に先発し6回3失点勝ち負けつかず)。

ナショナルズの選手には1票も入りませんでした。6月くらいまではAaron Barrettの名前もちらほら聞かれましたが、夏場に失速してマイナー降格となった時点で脱落しました。むしろ惜しかったのはTanner Roark。2013年シーズンの投球回数があと4イニング少なければ、内容的にはdeGromを凌駕しており受賞確実でした。

ア・リーグはホワイトソックスのJose Abreuが満票で受賞。キューバ出身のスラッガーはリーグ3位の36本塁打を打ち、堂々の受賞。田中将大は5位でした。2か月以上休んだにしては高く評価されたと思います。

2014/11/07

DesmondとRendonがシルバースラッガー受賞

ポジションごとに打撃の第一人者を表彰するシルバースラッガー賞の発表がありました。ナショナルズからは、Ian Desmond遊撃手が3年連続で、Anthony Rendon三塁手が初めて受賞。ショート部門での3年連続は、過去Cal Ripken Jr.Barry LarkinAlex RodriguezDerek Jeterの4人しか達成していない偉業です(連続でなければ3度受賞が他に2人)。素晴らしい。

受賞者は下記の通り。Desmond、Rendonの2人には来年も取ってもらいたいですね。

NATIONAL LEAGUE
C Buster Posey (SF) 2年ぶり2度目
1B Adrian Gonzalez (LAD) 3年ぶり2度目
2B Neil Walker (PIT) 初
3B Anthony Rendon (WAS) 初
SS Ian Desmond (WAS) 3年連続3度目
OF Andrew McCutchen (PIT) 3年連続3度目
OF Giancarlo Stanton (MIA) 初
OF Justin Upton (ATL) 3年ぶり2度目
P Madison Bumgarner (SF) 初

AMERICAN LEAGUE
C Yan Gomez (CLE) 初
1B Jose Abreu (CHW) 初
2B Jose Altuve (HOU) 初
3B Adrian Beltre (TEX) 3年ぶり4度目
SS Alexei Ramirez (CHW) 4年ぶり2度目
OF Jose Bautista (TOR) 3年ぶり3度目
OF Michael Brantley (CLE) 初
OF Mike Trout (LAA) 2年連続2度目
DH Victor Martinez (DET) 9年ぶり2度目 

2014/11/05

ゴールドグラブ賞は受賞なし

今日からFA選手との契約が解禁となるなど、オフシーズンが本格化。恒例の各賞の発表です。最初に発表されたのは守備のゴールドグラブ賞。

ナショナルズの選手では一塁手のAdam LaRocheとセンターのDenard Spanが事前に公表されていた上位3人に入っていましたが、いずれも受賞はなりませんでした。Spanは受賞させてあげたかったと思いますのですが、受賞したメッツのJuan Lagaresも確かに素晴らしい守備力を誇る選手でしたから仕方ないですね。

受賞者は下記のとおり。来年は三塁手に定着するであろうAnthony RendonとSpanが今度こそ受賞することを期待したいです。

NATIONAL LEAGUE
C Yadier Molina (STL) 7年連続7度目
1B Adrian Gonzalez (LAD) 3年ぶり4度目
2B DJ LeMahieu (COL) 初
3B Nolan Arenado (COL) 2年連続2度目
SS Andrelton Simmons (ATL) 2年連続2度目
LF Christian Yelich (MIA) 初
CF Juan Lagares (NYM) 初
RF Jason Heyward (ATL) 2年ぶり2度目
P Zack Greinke (LAD) 初

AMERICAN LEAGUE
C Salvador Perez (KC) 2年連続2度目
1B Eric Hosmer (KC) 2年連続2度目
2B Dustin Pedroia (BOS) 2年連続4度目
3B Kyle Seager (SEA) 初
SS JJ Hardy (BAL) 3年連続3度目
LF Alex Gordon (KC) 4年連続4度目
CF Adam Jones (BAL) 3年連続4度目
RF Nick Markakis (BAL) 3年ぶり2度目
P Dallas Keuchel (HOU) 初 

2014/11/01

Hot Stove Outlook 6 (Bench)

オフシーズンの見どころシリーズの最後はベンチプレーヤー編。

2013年にチームの弱点と言われたベンチ。オフに2年1075万ドルという控え選手としてはかなりの高額でNate McLouthを迎え入れましたが、そのMcLouthは惨憺たる成績(162打席で.173/.280/ .237)の後、8月1日を最後に右肩痛でDL入りし、手術でシーズンを終えてしまう完全な期待はずれ。開幕直前に契約したKevin Frandsenこそシーズンを通じて頑張ってくれました(236打席で.259/.299/.309)が、Tyler Moore(.231/300/.385)、Scott Hairston(.208/.253/.299)、シーズン終盤に契約した Nate Schierholtz(.225/.262/.375)は頼りになりませんでした。

このうち、オフとともにFAとなったのがHairstonとSchierholtzの2人。戻ってくることが確実なのは、2年契約の2年目となるMcLouthのみ。Frandsenも、年俸調停の対象ですが、今季の頑張りからすると契約を提示されて戻ってくると予想されます。

球団側に保有権はあるもののいろいろと噂の対象となりそうなのがMoore。まだ年俸調停前で安く雇えるのですが、来季は、いわゆるオプション切れとなるためマイナーに落とすにはウェイバーを通さなければならなくなります。事実上守れるのがファーストとレフトのみであり、ナショナルズでレギュラーとして起用される見込みは(故障が発声しない限り)ほとんどありません。ところが、今季のスタッツを見ると、先発出場時の .243/.312/.429に対して、代打起用時の成績は .071/.188/.143(16打席でわずか1安打)。年間通じてベンチに置いておくにはあまりにもコストパフォーマンスが悪いと言わざるを得ません。そこで、ファースト又はDHのレギュラーとしての起用を試してみようと思う球団へのトレードが画策されるのではないかと予想されます。具体的には、すっかり仲良し感のあるアスレティックスなんてどうでしょうか?個人的には、特にRyan Zimmermanの健康面に全幅の信頼が置けない以上、少なくともスプリングトレーニング中盤までは置いておいていいと思います。

若手にも、今季メジャーデビューを果たした Steven Souza (レギュラーシーズン最終戦の最後のアウトを覚えていますか!?) とMichael Taylorがいるので、外野手の控えはそこそこ充実しています。ベテラン外野手とマイナー契約する程度の補強に終わると見ています。

一方の内野、特に二塁手・遊撃手の控えは、内野手編でも書いたようにJeff Kobernusくらいしかおらず手薄。Danny Espinosaをレギュラーとして使うのかどうかにもよりますが、少なくとも1人はメジャー契約を結ぶものと予想されます。とはいえ、現時点のFA選手のリストを見ても、レギュラーとして使えそうなのは、Rickie WeeksEmilio Bonifacio(文字通りジャーニーマン状態)くらいしかいません。もしレギュラーを狙うなら、トレードでしょうね。ともかく、何らかの動きが間違いなくあるのは全ポジション中ここだけです。

このシリーズはこれで終わりです。次は、プロスペクト関連の記事に着手するつもりです。

2014/10/31

FA退団選手 まとめ

ワールドシリーズが終わったことにより、契約が満了した選手がFAを宣言しました。また、契約に付随していたオプションの行使期限も通常このタイミングです。

結果として、ナショナルズからは(数日前にリリースされたRoss Ohlendorfを含め)以下の6人がFAとなりました。いずれの選手に対しても球団がいわゆるQualifying Offerを提示することは考えられないためいったんは退団することになります。

Adam LaRoche (1500万ドルの相互オプションを球団側が拒否)
Rafael Soriano (1400万ドルの球団オプションを拒否)
Asdrubal Cabrera
Scott Hairston
Nate Schierholtz
Ross Ohlendorft

また、このタイミングでDenard Spanに対して球団が保有していた900万ドルのオプションを行使することが発表されました。今季の活躍ぶりからすると900万ドルは格安。当然の選択です。

Hot Stove Outlook 5 (OF)

1日遅れましたがまずはワールドシリーズの結果から。第7戦を3-2で制したジャイアンツが、2010年、2012年に続く5年で3度目のワールドチャンピオンとなりました。我らがMichael Morseは先制の犠牲フライと決勝タイムリーの2打点と大活躍。シリーズMVPこそ、第5戦での完封に続き、最終戦でも5イニング無失点セーブという驚異的な活躍を見せたMadison Bumgarnerには敵いませんでしたが、FAになる前に大いに評価を上げることができました。何より、ワールドチャンピオン、おめでとう!!!


さて、第5回は外野手編。ですが、ワールドシリーズが終わった翌日にDenard Spanの契約オプションが行使されたことにより、オフに向けての話題はなくなってしまいました。

2014年シーズンは、レフトBryce Harper、センターSpan、ライトJayson Werthで開幕。このうち、Harperは4月下旬から6月下旬まで約2か月離脱と、またも残念なシーズンになりましたが、SpanとWerthの2人はそろって147試合に先発。文句のつけようのないシーズンを過ごしました。

特にSpanは、リーグ最多安打(184)、初の打率3割(.302)、31盗塁数も自己ベストを記録するなど、キャリアベストのシーズンを過ごし、リードオフとしてチームを引っ張ってくれました。守備での貢献も素晴らしかった。当然、冒頭書いたように、球団は9百万ドルの来季契約オプションを行使。これにより、まさかトレードがあるとも思えないので、来季もこの3人がレギュラーを務めることが決まりました。

2014/10/29

Hot Stove Outlook 4 (INF)

激動の内野手編に入る前に、大盛り上がりのワールドシリーズ。後がない状態でホームに帰ってきたロイヤルズが10-0と第6戦を大勝し、3勝3敗で第7戦へ。明日は両軍総力戦となることが見込まれます。仕事のため観ることはできませんが、DHで出場予定のMichael MorseがMVPを獲るような活躍をすることを期待しています。


さて、冒頭で「激動」と書きましたが、内野陣について言えば、2014年シーズンはチームの姿を大きく変える転換点となりました。

開幕時の陣容はファーストAdam LaRoche、セカンドAnthony Rendon、サードRyan Zimmerman、ショートIan Desmond。このうち、LaRocheとDesmondは打撃の好不調の波はありながらも、それぞれ135、154試合に先発。シーズンを通じてしっかり守ってくれました。

激動の震源となったのは、(残念ながら)Zimmermanでした。ここ数年、右肩痛などを原因としたスローイングの乱れで三塁守備に不安を抱えていましたが、開幕直後から不安定ぶりを露呈。開幕2戦目に最初の悪送球を記録した後、5戦目では失点につながる悪送球。打球が飛ぶたびにファンをドキドキさせ、ただ普通に処理しただけで拍手が起こるという、およそプロとは思えない情けない状況でした。そして迎えた4月12日のブレーブス戦。2塁ランナーとして牽制で帰塁する際にヘッドスライディングをして右手親指を骨折・・・。これにより 「サード Ryan Zimmerman」の時代は終わりを告げることになりました。この後、6月に復帰したときにはBryce HarperがDL入りしていたこともあってほぼレフトで出場。Harper復帰後は一時的にサードに戻りましたが、それも長くは続かず、7月にハムストリングを痛めて再びDL入り。9月下旬に復帰してきましたがサードを守れる状態ではなかったようです。ナショナルズの顔として2005年からサードを守り続けてきたZimmerman。華麗な守備はまさに息を呑むほどに素晴らしかった。引退するまでサードでいて欲しかったけれど、仕方ありません。

そのZimmermanからサードのポジションを奪い取ったのがRendonでした。当初はDanny Espinosaとの併用かと言われていましたが、結局実力でセカンドのレギュラーとしての出場機会を確保すると、打撃でチームMVPの呼び声も上がるほどの大活躍。Zimmermanが離脱した後のサードを任されると、守備力でも高い能力を見せつけました。

Zimmermanが離脱し、Rendonがサードに回ったことで出場機会を得、実に77試合にセカンドとして先発出場させてもらったEspinosaでしたが、守備は相変わらず超一流なのに、如何せん打てず、レギュラーポジションを奪回するには至りませんでした。フラッグディール・トレードでやってきたAbsdrubal Cabreraが(本職はショートにもかかわらず)セカンドのレギュラーとして起用され、その後ついぞEspinosaがセカンドで先発することはありませんでした。

以上の選手のうち、FAとして退団することが決まっているのはCabreraのみ。LaRocheとの契約には来季1500万ドルの相互オプションが付いていますが、LaRocheは残留を求めるコメントをしているものの、球団側はおそらく破棄するものとみられます。

これも結局のところZimmermanが要因です。Zimmermanとは2019年までの長期契約を結んでおり、DHのないナ・リーグのナショナルズではどこかを守らせなければなりません。そうなった時に、送球不安があるZimmermanの守備位置としてはファーストしかないためです。まさか、ZimmermanとLaRocheを併用するほどの贅沢はできないでしょうから。

すると、ファーストZimmerman、サードRendon、ショートDesmondまでは見えてきます。

残るポジションはセカンド。CabreraがFAとなり、しかもショート・セカンドともにFA選手の層が薄く、かなりの争奪戦が展開されるとみられます。個人的にはそこまでCabreraを買ってもいないので退団してくれても別にいいです。むしろ問題はEspinosaの処遇。8月以降の扱われ方を見ると、ノンテンダーFAかあるいはトレードでの放出の可能性も高いように思えます。しかし、Espinosaのあの守備は、あれだけでも十分に価値があると思いますし、オフの間にこれまでのスイッチヒッターから右打者に変わることにチャレンジしてみると言っているので、それに賭けてみてもいいのではないかと思います。

もちろん、控えがJeff KobernusだけというわけにはいきませんのでFAから補強するとは思いますが、控えでいいならいくらでも候補者はいそうです。

2014/10/28

Hot Stove Outlook 3 (CA)

次は捕手編ですが、幸か不幸か全く話題がありません(笑)。

正捕手Wilson Ramos、控えJose Lobaton、デプスのSandy LeonJhonatan Solanoの4人ともが引き続き契約下にあり、故障で出遅れるという懸念も今のところありません。このままいけば、スプリングトレーニング用に何人かのベテランと契約する程度でしょう。

心配があるとすれば、故障。4人が4人とも南米出身者なので、母国でのウィンターリーグに参加する可能性があります。参加することが悪いとは言いませんが、故障のないようくれぐれも留意してもらいたいですね。

2014/10/27

Hot Stove Outlook 2 (RP)

ワールドシリーズはMadison Bumgarnerが完封勝利のジャイアンツが第5戦を取って王手をかけました。が、話題はカージナルスのOscar Taveras外野手の交通事故死。長くトッププロスペクトとして期待され、今季メジャーデビューしたばかりだったのに。22歳の早過ぎる死に深い悲しみを感じます・・・。


さて。オフのアウトルックシリーズの2回目は、ブルペン投手編

昨季、そして今季の8月までクローザーを務めていたRafael Sorianoとはようやく縁が切れそうです。2年で75セーブ、防御率3.15という数字だけ見ると悪くなさそうですが、ファンの信頼は全くありませんでした。ゼロ。0。零。契約上は来季1400万ドルの球団オプションがありますが、当然破棄でしょう。

他に退団が確実なのは故障もあって今季一度もメジャーで登板しなかったRoss Ohlendorfくらいですが、Ryan MattheusRoss Detwilerも年俸調停申請されずにFA(いわゆる、ノンテンダーFA)となるかトレードされて退団する可能性があります。Mattheusは、今季はシーズンのほとんどを過ごしたAAAで数字を残せず、メジャーではほとんど戦力として扱われませんでした(敗戦処理で7試合に登板したのみ)。にも関わらず年俸調停対象となって年俸が上がることを球団が良しとするかどうか。微妙なところです。一方、契約上マイナーには落とせなかったためメジャーのブルペンに入り続けたとはいえ、やはり大事な場面で使われることはほとんどなく、ついにNLDSのロースターから外されたDetwilerに至っては、調停最終年で年俸が400万ドル程度になるだろうと言われており、かつてのトッププロスペクト(私がブログを始める前年にドラフトされ、ブログを始めた当初は球団内2位のプロスペクトでした。)とはいえ、いよいよ退団の日が来るかもしれません。

その他のブルペン投手陣は戻ってくると見込まれます。NLDSでは精彩を欠いたもののレギュラーシーズンでは文句の付けようのないピッチングでクローザーの地位を奪い返したDrew Storen。もはやメジャーリーグを代表するセットアッパーとなったTyler Clippard。ロングでも僅差でも、どんな使われ方でもしっかり投げてくれるCraig StammenMatt ThorntonJerry Blevinsの頼りになるベテラン左腕2人。今春、彗星のように現れ、すっかりベンチの信頼を得たAaron Barrett。これで6人となります。

通常、メジャーのブルペンは7人ですから、仮にMattheusかDetwilerが残留するとそれで枠は埋まるわけですが、2年前も同じような状況でSorianoと契約して驚かせてくれたRizzo GM。特にポストシーズンを勝ち上がっていくにはブルペン力がものをいうことは、昨季のレッドソックス、今季のロイヤルズ、ジャイアンツが示しているところ(反証としてのタイガース)。何の動きもないとは考えにくいです。Jason GrilliCasey Janssen上原浩治といったクローザー経験のあるベテランがだぶついた感じでFA市場に出てくる見込みなので、その中から1枚くらい契約するのではないかと予想しています。

一般的に成績が安定せず長期契約には向かないと言われるブルペン投手ですが、5年連続で70試合以上に登板し、チームに多大なる貢献をしてきたClippardは別格。その功に報いる意味でも残り2年の年俸調停期間に1年を加えた3年契約あたりを提示してもいい/提示すべきだと思います。チームにとっても、今回の年俸調停プロセスを経ると650万ドルほどになることが予想され、もはやセットアッパーとしては抱えきれない水準。3年1800万ドルくらいで合意できれば双方ともハッピーだと思うのですが。

2014/10/26

Hot Stove Outlook 1 (SP)

ジャイアンツとロイヤルズのワールドシリーズは第4戦を終えて2勝2敗。がっぷり四ツの好勝負となっています。我らがMichael Morseは第1,2戦ではDHとして先発出場。第3戦では、代打で登場し、反撃の口火となるレフト線へのタイムリーを放つなど活躍中(試合には結局負けましたが)。Morseがいるから、という理由だけではありませんが、ジャイアンツを応援しています。

さて。

予告していたとおり、ナショナルズのオフの注目点についての記事を書いておきます。

まずは先発投手編。

2014年は、先発ローテーションの5人(Stephen StrasburgJordan ZimmermannDoug FisterGio GonzalezTanner Roark)がほぼ健康に過ごし、5人で全162試合中149試合に先発。スポットスターターはわずかにBlake Treinen(7試合)、Taylor Jordan(5試合)、Taylor Hill(1試合)の3人しか必要としませんでした。となれば当然といえば当然ですが、チーム先発投手防御率は3.04で30球団中独走トップの素晴らしい結果を残しました。

この8人全員が2015年シーズンも契約下にあり、大きな補強はないだろうというのが大方の予想です。

最大の関心は、いずれもFAまであと1年となるZimmermannとFisterとの契約延長問題。生え抜きのZimmermannとはこれまでも何度となく議論してきたものの折り合わず。昨オフ、年俸調停の残りの2年をカバーする契約を結んでおり、しかも2年目の来季が1650万ドルという超超高額。さらにレギュラーシーズン最終戦でのノーヒッターなどもあって市場価値は上がっているため、Zimmermann側に合意するメリットがありません。Fisterは15年が年俸調停最終年でZimmermannに比べる低い金額になるでしょうが、(開幕には出遅れたものの)5月以降はエース級の働きをしており、こちらも市場価値は上昇。昨オフ、トレード直後にナショナルズから延長契約を提示されながらFister側が拒否したという経緯もあります。2人とも、「このチームで優勝したい」などというセンチメンタルな理由で残留してくれるようなタイプではないこともこれまでの発言から明らか。ということで、Rizzo GMをもってしても、契約延長に合意する可能性はかなり低いと思われます。

こうなると、(あくまで頭の体操ですが)トレードも考えられます。例えば、最低限レギュラーを張れる二塁手にエリートプロスペクトを足してくれるならZimmermannかFisterを対価として出してもいいと思います。その場合は、別途トレードかFAで先発を補強する必要が出てきますが、マーケットにまともな二塁手がいない(Absrubal Cabreraのように本職ショートの選手を回すというなら別ですが)ことを考えると悪くない考えかもしれません。とはいえ、来季こそワールドチャンピオンを狙って勝負をかけるなら、ナショナルズで実績を残した2人が残留してくれることが望ましいのは当然です。

FAマーケットとなると、Max ScherzerJon LesterJames Shieldsが3本柱という感じで出てきます。この中なら、Scherzer一択。2016年にはトレードに出されなかったほうもFA流出するわけですから、思い切った長期契約はアリだと思います。

まあ、トレードがそううまく行くとも思えませんので、結局は故障が頻発する場合の保険として、今季AAAでフルシーズン投げたAaron Laffeyのようなタイプのベテラン投手2-3人とマイナー契約を結ぶ程度に終わるのではないかと予想しています。

2014/10/18

10/7 NLDS Game 4 (負): シリーズの敗因は打線

[10月8日オリジナル]
シーズン終了。がっかりし過ぎて記事を書く元気がありません。また後日。


[10月17日追記]
まずはこのホームランを御覧ください(動画)。我らがMichael Morseが大きな仕事をやってのけました。元ナショナルズでもやっぱりMorseはなんとなく特別です。お陰でブログを更新する気力が戻ってきました。早いものでNLDS敗退から早や10日。いまさらですが更新しておきます。

L2-3@SFG (Series 1-3)
Gio(ND) 4.0IP 0ER(2R) 4H 1BB 1K 1E
Thornton (L0-1) 0.1IP 1ER 2H
Barrett 0.1IP 0ER 2BB 1WP
Harper 2/3 double HR(3) BB R 2RBI

後がない状態で迎えた敵地での第4戦。先発を任されたGio Gonzalezが悪いほうのGioらしさを見せてしまいました。2回裏1死1塁で打者Juan Perezの打球はバットが折れるほどにどん詰まりのピッチャーゴロでしたが、これをGioが捕球できず足に当ててオールセーフ。はっきり言ってイージープレーだったのに。さらにピッチャーRyan Vogelsongの送りバントをGioとサードのAnthony Rendonがお見合いしてしまい、1死満塁。これで集中力を失ってしまったGioが続くGregor Blancoに対してストレートの押し出し四球を与えてしまいました。さらにJoe Panikの一ゴロの間にもう1点。ポストシーズンの大事な試合でこんなことが許されるんでしょうかというような、情けないイニングでした。

それでも何とか立ち直ったGioが3、4回は無失点で抑えてくれて、迎えた5回表。先頭のIan Desmondのシングルに続き、Bryce Harperがレフト線に鋭い二塁打を弾き返して1点差。しかし、痛かったのはなお無死2塁のチャンスで、Wilson Ramos、Asdrubal Cabrera、(代打Nate Schierholtzの四球を挟んで)Denard Spanが凡退し、もう1点が取れなかったことでした。あれは追いつかなければならない場面でした。結局、先発4番手のはずのVogelsonにまるでTim Hudsonのような好投を許してしまっては勝てるはずもありません。

このシリーズ、打線でただ1人好調だったHarperが7回表にライト場外の海に飛び込むソロ本塁打を打ってなんとか同点としましたが、打線にできたのはそこまで。その裏、Matt Thorntonが2人の走者を残して降板すると、続いて起用されたAaron Barrettが四球で満塁とした後になんとワイルドピッチ。結局これが決勝点となってしまいました。後のないこの場面、BarrettではなくTyler Clippardを起用すべきだったという意見もみられますが、私としてはBarrettの起用は悪くなかったと思っています。

とはいえ打線は沈黙したままで最後まで行ってしまいました。8、9回で出したランナーは9回2死から半ば歩かされて四球のHarperだけ。見せ場を作ることもなく虚しく終戦。

***************************

シリーズを通じて投手陣は良く頑張りました。4試合(延長18回を戦っていますから実質5試合分)で9失点。うち非自責点が3もあって、チーム防御率は驚異の1.23。しかし、負けた試合は全て1点差。Storen、Roark、Barrett、みんなギリギリのところで粘れなかったのは確かでした。いやいや、誰がなんと言おうと投手陣は十分に頑張りました。

敗因は打線。チーム打撃成績 .164/.222/.258って・・・・。全9得点で、そのうち2点は第3戦でのMadison Bumgarnerの悪送球でもらったもの。残る7点のうち、ソロホームランによるものが4点。そしてBryce Harperが1人で4打点。他の打者では、Anthony Rendonだけが気を吐き、打率.368(7安打)と頑張りましたが、全試合にフル出場したにも関わらず、1番Spanは2安打、3番Werthと4番LaRocheはともに1安打ずつ(もちろん打点0)に終わってしまいました。特に3,4番の本来ならチームを引っ張るはずの2人がこの成績に終わったことが最大の敗因でしょう。

そして、忘れもしない第2戦の9回2死での投手交代。ですが、それを言うのは結果論になるのでやめましょう。

ともかく、このようにしてナショナルズのシーズンは終わってしまいました。故障者もRyan Zimmermanくらいという充実した戦力を持ち、シーズン終盤がものすごく好調だっただけに、ものすごい消化不良感があります。えっ?!ほんとに終わりなの?という感じです。でも、終わりは終わり。また来年に向けて、応援していきたいと思います(そう思えるようになるまで10日かかりましたあ。)。

もうちょっと充電した後で、オフの注目に関するシリーズなんかを書いてみようと思います。それから、プロスペクトの話題かな(アリゾナ秋季リーグはナショナルズ的には今一つ盛り上がりに欠けますが。)。

皆様、今後ともよろしくお願いします。

2014/10/07

10/6 NLDS Game 3 (勝)

(さすがに平日の午前中なので観戦はできず。)

W4-1@SFG (Series 1-2)
Fister(W1-0) 7.0IP 0ER 4H 3BB 3K 
Clippard(HD) 1.0IP 0ER 
Storen 1.0IP 1ER 2H K
Harper 1/3 HR(2) BB 2R RBI 
Cabrera 1/4 RBI 
Span 2/4 
Rendon 2/4

崖っぷちに追い込まれたナショナルズを最終的に救ってくれたのは、相手投手のMadison Bumgarnerでした。7回表、ここまで4人の走者を出しながらも3塁を踏めていなかったナショナルズ打線。この回先頭のIan DesmondのシングルとBryce Harperの四球で無死1,2塁のチャンスを得ると、打者Wilson Ramosに対してベンチのサインは送りバント。とはいえ、過去何年もやったことのない送りバントをしろと言われても簡単にはできません。2球失敗して2ストライクと追い込まれましたが、それでもサインは変わらず。必死の思いだったというRamosのスリーバントは一塁側へのきっちりしたバント。当然1塁に送球すべきところを、Bumgarnerは3塁へ、しかも悪送球してくれました!ボールがジャイアンツのブルペン辺りを転々とする間に、1塁走者のHarperまでもがホームインしてあっという間にナショナルズに2点が入りました。

第1戦でAdam LaRocheが間に合わない2塁に送球したところから失点したのとちょうど逆の構図。このプレーで流れはナショナルズに傾き、この後、Asdrubal Cabreraにもタイムリーが出て(Ramosの激走もあって)もう1点。さらに、9回表にはHarperがライトへあわや場外かというソロホームランでダメを押しました。

しかし、今日の主役は何と言っても、7回無失点のピッチングでBumgarnerとの真っ向からの投げ合いに勝利したDoug Fisterを置いて他にはいないでしょう。2回にシングルと2つの四球で2死満塁としたのが唯一のピンチらしいいピンチでした(Bumgarnerを三振で切り抜けた)。後がない大一番とは思えない、落ち着き払った様子は、さすがに場数を踏んでいるだけのことはあります。他の投手にはなかなか真似ができないでしょう。

8回はTyler Clippardが完璧な三者凡退でしたが、心配なのは、今日も出てくるなり2連打されてピンチを作り、結局犠飛で1点を失ったDrew Storen。個人的には心中するつもりで起用してほしいところですが、ここまでの2戦の内容を見るとベンチは起用法を考え直すかもしれません。だからといってRafael Sorianoはやだなあ。

ともかくこれで1勝2敗。引き続き負けたらシーズン終了の状況は変わりませんが、ムードはすっかり変わりました。Denard Spanにもヒットが出て、Anthony Rendonとともにいい流れを作り始めています。明日はGio Gonzalez。シーズン終盤の好投を続ければ勝てるはず。頑張って。

2014/10/04

10/4 NLDS Game 2 (ライブ観戦)(負)

[試合後追記]
L1-2(18) Giants (Series 0-2)
Zimmermann 8.2IP 1ER 3H 1BB 6K
Storen(BS1) 0.1IP 2H
Roark(L0-1) 2.0IP 1ER 1H 3K
Rendon 4/7 BB R RBI

(Jim Riggleman時代の後は)あまり采配についてどうこういうことはありませんでしたが、この敗戦に関しては、9回2死走者から四球を出したところでJordan Zimmermannを代えた采配がすべてでしょう。それまでほとんど完璧な(この四球の前まで20人連続で凡退させていた)ピッチングをしていたZimmermannを代える必要はなかったはず。「Zimmermannがマウンドを降りたことでジャイアンツ・ベンチに行けるという空気が流れた」という試合後のHudsonのコメントが物語るように、敵を利することはあってもナショナルズには何の益もない交代でした。案の定、代わったDrew StorenがBuster Posey、Pablo Sandovalに連打を浴びて同点・・・。長い延長線の末に敗れたことでチーム全体が意気消沈していることでしょうが、特に心配なのはDrew Storenの精神状態。Storenを救うためだけにでも、勝ってほしかったのに。


[ライブ観戦メモ]

【先発メンバー】
NATIONALS
CF Denard Span
3B Anthony Rendon
RF Jayson Werth
1B Adam LaRoche
SS Ian Desmond
LF Bryce Harper
C Wilson Ramos
2B Asdrubal Cabrera
RHP Jordan Zimmermann

GIANTS
CF Gregor Blanco
2B Joe Panik
C Buster Posey
3B Pablo Sandoval
RF Hunter Pence
1B Brandon Belt
SS Brandon Crawford
LF Travis Ishikawa
RHP Tim Hudson

両チームとも昨日と全く同じメンバー。ナショナルズは最終戦でノーヒッターのZimmermann。対するジャイアンツはかつてブレーブス時代にはナショナルズキラーだったHudsonということで、投手戦が予想されます。

ホームで2連敗は許されません。気合を入れて頑張ってほしい。

【1回表】
Zimmermannが真ん中低めへの速球を投げ込んで始まりました。

2014/10/03

10/3 NLDS Game 1 (ライブ観戦) (負)

[試合後追記]

L2-3 Giants (Series 0-1)
Strasburg(L0-1) 5.0IP 1ER(2R) 8H 1BB 2K
Harper 2/4 HR(1) R RBI
Cabrera 1/4 HR(1) R RBI

反撃も及ばず惜敗。切り替えて、明日は勝ちましょう。

*****************
[ライブ観戦メモ]

さあ、いよいよポストシーズンが始まります。

【先発メンバー】
NATIONALS
CF Denard Span
3B Anthony Rendon
RF Jayson Werth
1B Adam LaRoche
SS Ian Desmond
LF Bryce Harper
C Wilson Ramos
2B Asdrubal Cabrera
RHP Stephen Strasburg

GIANTS
CF Gregor Blanco
2B Joe Panik
C Buster Posey
3B Pablo Sandoval
RF Hunter Pence
1B Brandon Belt
SS Brandon Crawford
LF Travis Ishikawa
RHP Jake Peavy

先発メンバーは予想通り、シーズン終盤のレギュラーメンバー。Ryan Zimmermanがどういう場面で代打として起用されるかが注目です。

【1回表】
高め速球のストライクでプレーボール。

NLDSロースター

サンフランシスコ・ジャイアンツとのNLDSの25人ロースターが発表されました。

[PITCHERS]
RHP Stephen Strasburg
RHP Jordan Zimmermann
RHP Doug Fister
LHP Gio Gonzalez
LHP Matt Thornton
RHP Aaron Barrett
RHP Tyler Clippard
RHP Tanner Roark
RHP Rafael Soriano
RHP Craig Stammen
RHP Drew Storen
LHP Jerry Blevins

[CATCHERS]
C Wilson Ramos
C Jose Lobaton

[INFIELDERS]
1B Adam LaRoche
INF Asdrubal Cabrera
INF Anthony Rendon
SS Ian Desmond
INF Danny Espinosa
INF Kevin Frandsen
INF Ryan Zimmerman

[OUTFIELDERS]
OF Denard Span
OF Jayson Werth
OF Bryce Harper
OF Nate Schierholtz

驚きは、Rafael Sorianoが入って、Ross Detwiler が入らなかったことくらいです。納得いかないけど。

2014/10/02

2014年9月をふりかえる

既にワイルドカード・ゲームが始まり、昨日はロイヤルズが歴史的な好ゲームの末にアスレティックスを降し、今日はジャイアンツがパイレーツを圧倒し、ナショナルズとの対戦権を獲得しました。

********

さて、レギュラーシーズン終了時点での9月の月間成績を確認しておきます。

[NL EAST End of 2014 Season]
WLPCTGB
Washington9666.593  -
Atlanta 7983.48817.0
New York7983.48817.0
Miami7785.47519.0
Philadelphia7389.45123.0

最後まで緩めることなく、9月を19勝8敗とむしろ勢いを付けてシーズンを終えたナショナルズが、2位に17ゲームという大差をつけて独走優勝を飾りました。2年ぶり2度目。2位ブレーブスとの直接対決も4勝2敗と勝ち越し、苦手意識も払しょくしました。ブレーブスは月間7勝18敗と大失速。勝率5割を切り、ポストシーズンももちろん逃し、とうとうメッツに並ばれてシーズンを終えることになりました。頑張ったのがメッツ。15勝10敗という好成績で、来季につながる9月を過ごしました。新人王候補Jacob deGromが大活躍。Matt Harveyも開幕には間に合う予定で、来季はメッツが強敵になりそうです。マーリンズも一時はブレーブスに並びましたが最後にナショナルズに連敗して4位フィニッシュ。フィリーズは・・・どうするんでしょうね。

ナ・リーグの中地区はブリューワーズが自滅して、カージナルスとパイレーツが最終日まで争いましたが、カージナルスが逃げ切りました。西地区はドジャーズがあっさりと優勝。ワイルドカードは、パイレーツとジャイアンツが同率で並んでの進出となりました。地区優勝3チームの勝率は、ナショナルズ、ドジャーズ、カージナルスの順なので、ナショナルズのNLDSの相手はパイレーツとジャイアンツの勝者となりました。

ア・リーグでは、東地区のオリオールズと西地区のエンゼルス(98勝で30球団最高勝率)が早々に優勝を決めました。中地区は最後の最後までデットヒートが繰り広げられましたが、タイガースがロイヤルズを振り切って地区4連覇。しかし、そのロイヤルズもワイルドカードで、なんと29年ぶりのポストシーズン進出を決めました。もう1つのワイルドカードは、8-9月で11も負け越したA'sがなんとかなんとか1ゲーム差でマリナーズを振り切って滑り込みました。

ところで、例年私は開幕前にポストシーズン進出チームを予想しているのですが、今年の予想を確認してみてびっくりしまsちあ。なんと、パイレーツとオリオールズ以外の8チームを、スロットまで含めて当ててしまいました。まぐれと言えばまぐれですが、うれしいですね。何か出ないかな。出ないよな。このままWS優勝チームまで当たるといいなあ。

[Pitcher of September 2014: Jordan Zimmermann]
GSIPWKERAWHIP
Stephen Strasburg532.03321.130.75
Jordan Zimmermann534.04341.320.74
Gio Gonzalez532.24312.480.80
Doug Fister533.24181.870.98
Tanner Roark425.23142.450.97
GIPSHDERAWHIP
Drew Storen1412.11020.000.81
Tyler Clippard1312.00103.750.83
Aaron Barrett107.0030.000.86
Jerry Blevins99.0023.001.11
Rafael Soriano98.1207.561.56

月間MVPは、月間4勝負けなし、最終戦で球団史上初のノーヒッターを達成したJordan Zimmermannで文句なしですが、とにかく先発投手陣は全員絶好調でした。Stephen StrasburgはZimmermannをも下回る防御率1.13で、一番悪いGio Gonzalezでも2.48という数字。2度の登板機会を得たBlake Treinenまでもが2.92。スポットスタートで打ち込まれたTaylor Hillの数字を加えても、先発投手陣全体の防御率は2.25。もちろん30球団ダントツの好成績。WHIPの数字に至っては主力5人全員が1.00を切っています。負けるわけがありません。

ブルペンでは、ずっと不安定なピッチングを続けていたRafael Sorianoが9月5日に3点リードを守りきれなかったことでようやくクローザーから降格。当初、Williams監督はクローザーを固定せずマッチアップによって起用すると言っていましたが、ふたを開ければDrew Storenが圧倒的な安定ぶりを見せてあっという間に月間10セーブ。完全にクローザーの地位を確立しました。9月に再昇格してきたAaron Barrettも10試合無失点とポストシーズンのロースター入りを確実。7回BarrettとMatt Thornton、8回Tyler Clippard、9回Storenという形がしっかり確立した状態で、ポストシーズンに臨むことになりました。

[Hitter of September 2014: Adam LaRoche]
PAAVEOBPSLGHRRBI SB
Anthony Rendon 99.337.429.50614  3 11  4
Ian Desmond 94.277 .351.45815  2 10  7
Denard Span 94.321.394.48811 3   9  4
Asdrubal Cabrera 94.217.290.361  8 2 10  3 
Bryce Harper 93.289.352.422  7 3   4  1
Jayson Werth   92.324.478.47913 1   7  2
Adam LaRoche 88.263.352.53912 7 22  0
Wilson Ramos   77.203.221.297  8 2   9  0

地区優勝が決まった後はレギュラー陣にときおり休養させながら調整していたという感じで、大体はいい感じでレギュラーシーズンを終えました。心配なのは、Wilson Ramosくらい。Asdrubal Cabreraはこんなものでしょう。Anthony Rendon、Denard Span(守備でヒザを痛めてヒヤリとしましたが最後はしっかりプレーして終了)、Jayson Werth、Adam LaRocheは好調を維持。中でもAdam LaRocheはあの9月3日のクレイジエスト・ゲームでの代打同点2ランから始まり、いいところで何本も打ってくれました。今季限りでの退団が有力視(本人もそう語っていました)されていますが、堅実な守備ともどもいい選手です。ポストシーズンでのもう一暴れを期待しています。

7月から長期離脱していたRyan Zimmermanが9月20日になってようやく復帰。プレーできることはできるようですが、結局サードを守ることは一度もありませんでした。打撃でもややついていけていない場面が見受けられましたので、不安は残ります。ポストシーズンのロースター入りは確実ですが、起用法が最大の不確定要因となっています。

セプテンバー・コールアップのMichael Taylor(打率.238)とSteven Souza(同.182)の2人は、数字だけ見ると期待外れだったようにも見えますが、Taylorは守備でも打撃でもなかなかの評価。Souzaは記録した2本の安打がともに印象的な大ホームランで、そして最終戦でのスーパーキャッチで歴史に名を残しました(少なくともトリビアクイズの答えにはなりました)。