Happy Opening Day !
ようやくこの日がやってきました。ナショナルズの2014年シーズンの開幕です。
開幕シリーズの相手はメッツ。昨季は12勝7敗と勝ち越させて頂きました。オフにCurtis GrandersonとBartolo Colon(第2戦先発予定)を補強したとはいえ、エースのMatt HarveyをTJ手術で失っており、まだ上位を狙う戦力はないと言われています。開幕ダッシュを決めるため、まずはしっかりと勝っておきたい相手です。
その初戦にWilliams監督が送り出したオーダーはかなりのサプライズでした。
Denard Span 8
Ryan Zimmerman 5
Jayson Werth 9
Wilson Ramos 2
Bryce Harper 7
Ian Desmond 6
Adam LaRoche 3
Anthony Rendon 4
Stephen Strasburg 1
開幕投手はずいぶん前にStrasburgと発表されていましたが、1~8番はかなり意外なラインナップとなりました。2番Zimmermanや5番Harperはまだしも、4番Ramosには仰天。しかし、Williams監督は、昨季後半からスプリングトレーニングでの好調ぶり、勝負強さから適任と判断したものであり当面Ramosに4番を任せてみたいと話していました(故障がなければの話なわけですが・・・)。また、Rendonが8番というのも一見してもったいないという印象を受けましたが、Williams監督によると選球眼の良さを買っての起用だそうです(投手の前なので歩かせても良いというつもりで際どいところに投げられる傾向があるため)。
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W9-7(10) @NYM
Strasburg(ND) 6.0IP 4ER 5H 2BB 10K
Barrett(W1-0) 1.0IP 0ER 2K
Rendon 2/5 double HR(1) R 4RBI
LaRoche 1/3 HR(1) 2BB 3R 2RBI
現地時間31日午後1時過ぎ、メッツ先発のDillon GeeがSpanに対して第一球を投じて試合開始。約3時間半、日本時間では午前2時から5時半までという眠いはずの時間帯でしたが、(仮眠をとっていたとはいえ)全く眠気を誘わない、実にエキサイティングな試合となりました。
●ナショナルズ先発は3年連続の開幕投手となるStrasburg。過去2回はいずれも好投していましたが、今回は4失点、リードを許しての降板となりました。最大のダメージは初回2死からAndrew Brownに打たれた3ラン。1死1,3塁のピンチからGrandersonを見逃し三振で2アウトとし、ピンチを切り抜けたかと思ったところでの痛い一発。そのBrownに対しても、カウント1-1からの3球目の高め速球で完全に圧倒して追い込み、1球ボールになる変化球を挟んで、再び高めの速球で空振りを取りに行ったものが若干低く入ってしまった失投。2回も先頭打者の四球からランナーをためて犠飛でもう1失点。その後、最後の10人の打者を連続でアウトに取るなど立ち直り、三振も10個奪ったことで前向きな評価をするコメントも多く見ましたが、私は不安を覚えました。速球は90マイル台前半が多く圧倒する感じが全くなく、変化球に頼ってばかり。次回登板が気になります。
●ひやりとしたのは2回表。今季初打席で四球を選んだHarperが、続くDesmondの三ゴロで併殺を崩すために二塁にスライディングしてメッツの二塁手の脛で頭を強打。グラウンドに転がってしばらく動けませんでした。結局、脳震盪の症状もなく、7回には反撃ののろしを上げる内野安打を放つなど試合終了まで元気にプレーしましたが、あの瞬間はかなり焦りました。
●一方で、深刻な事態となったのがRamos。4番で起用されたものの3打席ノーヒット。守備でファールチップを受けて左手を痛め、7回の第3打席でバットを振れずに見逃し三振に終わったところで交代してしまいました。検査の結果、骨折はしていないようですが、DL入りは不可避と見られています。せっかくいい感じでSTを終え、4番にまで起用してもらったのに故障離脱となれば不運としか言いようがありません。1日に再検査して判断するようですが、軽傷であることを願います。
●試合は、ナショナルズ・キラーである先発のGeeの前に、2回のLaRocheの2ランの後は1人の走者を出すこともできないまま7回1死まで抑えられる完全なメッツペース。しかし、開幕戦からそのまま終わるわけにはいきません。Harperが内野安打で出塁し、2死ながら1,2塁と久しぶりのチャンスを作ると、打席にはRendon。球数90球を超え、疲れから球が浮き始めたGeeに対し、カウント2-1から外の速球を逆らわずにライト線に運ぶタイムリー二塁打。一時は完投もあるかと思われたGeeをここでノックアウトしました。私には、この打席できっちり仕留めたことが、試合の分かれ目に見えました(よって、10回の3ランではなくこの一打によりRendonを今日のMVPとします)。代わったメッツのブルペン投手から代打Nate McLouth、Spanが2者連続で四球を選び、押し出しで同点。この時点で、なんとなく負ける気はしませんでした。
●この後8回裏にTyler Clippardがやはり伏兵のJuan Lagaresにソロを浴びてまたもリードを許しましたが、それでも流れはナショナルズ。9回表も2死まで追い込まれながら、代打Danny Espinosaが四球を選んで1,2塁とすると、Spanがタイムリーを打ってまた同点。9回裏をメジャーデビューとなるAaron Barrettが完璧に抑え、延長10回表、連打から作った1死2,3塁のチャンスでDesmondが勝ち越しの犠飛。さらに2人の走者を置いてRendonが勝負を決定付ける3ランをレフトスタンドに打ち込みました(打たれたのがJohn Lannanだったのは、やや微妙な気持ちですが・・・)。
●その裏、Jerry BlevinsがDavid Wrightに2ランを打たれましたが、そこまで。Barrettがメジャー初登板で初勝利。それにしても、あんなに緊張感のある場面でメジャー初登板しきっちり抑えたBarrettもたいしたものですが、起用したWilliams監督もまたずいぶん思い切ったものです。そのWilliams監督にとっても監督として記念の初勝利となりましたが、試合後の第一声は、「胃が痛くなった」でした。全く同感です(笑)。
●最後に特記しておきたいのは、序盤で3点のリードを奪われながら追いつき、さらに9回2死まで追い込まれながら追いつき、そして逆転勝利を飾ったという事実。昨季は、3点以上の点差を付けられてから逆転したのは6月28日が最初、6回以降にリードされながら逆転した試合も6月5日まで待たねばなりませんでした。開幕戦から、昨季とは違うぞというところを見せてくれています。
●ともかく、勝ってよかったです。
MVP: Anthony Rendon