2015/11/30

Jordan Zimmermannはタイガースと契約

ナショナルズからFAとなっていたJordan Zimmermann投手が、デトロイト・タイガースと5年110百万ドルで契約合意に達したと報じられました。

このオフのトップFA選手では一番最初の契約合意。タイガースには、Justin Verlanderという大エースがいますが、ここ2年は故障で満足に活躍することができず、Zimmermannには実質的なエースとしての活躍が期待されています。2015年のタイガース先発投手陣のチーム防御率は30球団で最悪でしたから、立て直しに向けてZimmermannにかかる期待は大きいと言えるでしょう。

懸念があるとすれば、健康面。TJ手術経験者では史上初めて100百万ドルを超える契約に合意しましたが、このヒジがいつまでもつかが心配です。

なお、Qualifying Offerを出して拒否していたので、タイガースはドラフト指名権(1順目はプロテクトされているので2順目)を失い、ナショナルズは1順目と2順目の間に指名権を1つもらうことになりました。

第一報を聞いての感想は、素直に「良かったね」というものでした。地元(ウィスコンシン州)に近いデトロイトということで、またア・リーグということで、行き先としては素晴らしいと思いました。ただ、契約内容を見てからは、それくらいならナショナルズでも十分出せたはずなのに(実際、昨オフに今回と同じ契約期間で105百万ドルをオファーしていたらしい)、振られたという感覚が残る、複雑な心境となっています。この辺り、Rizzo GMのあまり上手ではないところのように思います。

とまれ、Zimmermannの健康と、新天地での活躍を、心から願っています。ワールドシリーズで会いましょう!

2015/11/21

Bryce Harperが2015年ナ・リーグMVP!!!

公式アワードの最後は両リーグのMVP。

ア・リーグはブルージェイズのJosh Donaldson三塁手が受賞。158試合に出場して、41本塁打、123打点と打線を引っ張り、チームのポストシーズン進出に貢献しました。27歳となった2013年にようやくレギュラーとなった遅咲きの選手。昨オフ、アスレティックスからブルージェイズにトレードされたときは、アスレティックスが高値でうまく出したという評もありましたが、結果的にはブルージェイズにとって大成功となりました。2位はエンゼルスのMike Troutが、過去4年で3度目の2位(残りは昨年の1位)となりました。

そしてナ・リーグは、我らがBryce Harperが全会一致で受賞。パチパチパチ!!

153G 654PA 118R 42HR 99RBI 124BB 131K .330/.460/.649 6SB 

このうち、得点、本塁打、出塁率、長打率はリーグトップ。打率はシーズン最終日にマーリンズのDee Gordonに抜かれはしたものの僅差の2位。四球数も2位。打点は5位でした。

22歳のシーズンに受賞したのは史上4番目の若さ。前回一致で選出された中では最年少。ちなみに新人王のKris Bryantよりも年少です。モントリオール時代を合わせた球団史上初のリーグMVP。

2012年に19歳でメジャーデビューしてから4年。名前先行と批判されることもありましたが、名実ともにスーパースターとなりました。

こうなると気になってくるのが将来ですが、現実的に契約延長は難しいでしょうね。FAまであと3年。2018年オフにFA市場に出てもまだ26歳。史上最高額でのFA契約を狙っていくんでしょう。いっそ狙ってくれていいです。できればそれがナショナルズとの契約であってほしいけれど。

最後に、Harper自身の受賞を受けてのTwitterでの発言です。

To My Family, The Nationals Organization/Teammates, and to all the amazing Fans, Thank You! I'm truly blessed and "The Best is Yet to come"

そうです!まだまだこれから!ワールドシリーズ優勝に導いてもらいましょう!

サイヤング賞投票でMax Scherzerが5位

両リーグのサイヤング賞投手が発表されました。両リーグとも立派な候補が複数いましたが、1位は大方の予想通り。いずれもチームの久し振りのポストシーズン進出に貢献した、という点が好印象です。

ナ・リーグはカブスのJake ArrietaがドジャーズのZack Greinkeを僅差で抑えて受賞。勝率、防御率、WHIPではいずれもGreinkeが上回りましたが、勝負どころの8-9月の12試合で11勝。失点したのがわずか3試合(防御率0.41)という驚異的な快投でチームのポストシーズン進出に貢献したことで投票した記者のハートを掴んだことでしょう。

ナショナルズの投手では、Max Scherzerが5位に入りました。2度のノーヒッターを記録した素晴らしいシーズンでしたが、さすがにシーズン防御率が1点台の上位とはレベルが違いました(Scherzerは2.79)。

ア・リーグはアストロズの左腕Dallas Keuchel。リーグ最多の232イニングを投げて、20勝で最多勝。アストロズのエースとして、チームの10年ぶりのポストシーズン進出に貢献しました。2位も、フラッグディールでブルージェイズに移籍してから11戦で9勝と引っ張り、こちらはなんと22年ぶりのポストシーズン進出に貢献したDavid Priceでした。

2015/11/20

AFL派遣選手アップデート(最終)

各賞の発表も終わり、いよいよオフが本格化してきましたところですが、AFLのシーズンも終了しました。

ナショナルズから参加した選手の結果をまとめておきます。

Chris Bostick 71AB 4HR 12RBI 7BB 23K 6SB .268/.333/.549
Spencer Kieboom 42AB 2HR 7RBI 8BB 10K 0SB .238/.373/.381
Derw Ward 31AB 0HR  2RBI 11BB 9K .097/.326/.161
John Simms 6G(5GS) 24.0IP 6BB 18K 1.88/1.21
Dakota Bacus 7G 7.0IP 4BB 6K 1.29/1.43
Nick Lee 6G 6.2IP 4BB 5K 4.05/1.95
Abel De Los Santos 6G 6.2IP 3BB 8K 13.50/2.25
Wirkin Estevez 4G 4.0IP 6BB 1K 13.50/2.75

Kieboomも打率は下がってしまいましたがの、打者ではBostick、投手ではSimmsの2人が収穫でしょうか。

期待したWardは全くいいところなく終わってしまいました。ふむ。

2015/11/17

新人王は得票なし

両リーグの新人王投票の結果が発表されました。

ナ・リーグはカブスのKris Bryant三塁手が満票で受賞。スプリングトレーニングで好成績を残したにも関わらず開幕を前にマイナーに送られた時には物議を醸しましたが、4月17日にメジャーデビューしてから151試合に出場して、打率.275、26本塁打、99打点と大活躍。カブスの久しぶりにポストシーズンに進出に大いに貢献しました。きわめて順調な受賞。

ア・リーグはアストロズのCarlos Correa遊撃手。こちらも打率.279、22本塁打、68打点の好成績。というか、出場99試合での数字ですから、本塁打数と打点数を単純に1.5倍すればBryantをも上回る数字です。こちらはほぼ同じ水準の成績を残したインディアンスのFrancisco Lindor遊撃手との大接戦でしたが、最後はポストシーズン進出への貢献が明暗を分けたかもしれません。

ナショナルズの選手の得票はありませんでした。Joe RossFelipe Riveroには1票くらい入ってもいいと思うのですが。元ナショナルズでは、トレードされていった先のアスレティックスで俊足を活かして活躍したBilly Burns外野手が少しですが得票していました。

2015/11/14

シルバースラッガーにBryce Harper

今日はシルバースラッガー賞が発表されました。我らがBryce Harperがナ・リーグの外野手部門で受賞しました。初受賞!おめでとう!そのHarperを含め9人が初受賞と、こちらもフレッシュな顔ぶれです。

それにしても、ナ・リーグの内野手が4人そろってゴールドグラブ賞と同じ顔触れってのは異様ですね。見間違えかと思いました。

NATIONAL LEAGUE
C Buster Posey (SFG) 2年連続3度目
1B Paul Goldschmidt (ARI) 2年ぶり2度目 
2B Dee Gordon (MIA) 初
3B Nolan Arenado (COL) 初
SS Brandon Crawford (SFG) 初
OF Bryce Harper (WAS) 初
OF Andrew McCutchen (PIT) 4年連続4度目
OF Carlos Gonzalez (COL) 5年ぶり2度目
P Madison Bumgarner (SFG) 2年連続2度目

AMERICAN LEAGUE
C Brian McCann (NYY) 4年ぶり6度目
1B Miguel Cabrera (DET) 2年ぶり6度目
2B Jose Altuve (HOU) 2年連続2度目
3B Josh Donaldson (TOR) 初
SS Xander Bogaerts (BOS) 初
OF Mike Trout (LAA) 4年連続4度目
OF Nelson Cruz (SEA) 初
OF J.D. Martinez (DET) 初
DH Kendrys Morales (KC) 初

2015/11/12

ゴールドグラブ賞は受賞なし

シーズン終了後の各賞の発表です。まずは守備のゴールドグラブ賞でしたが、今年もナショナルズからの受賞はありませんでした。

ライトのBryce HarperとセンターのDenard Spanが事前に公表されていた3人の候補入っていましたが、受賞はならず。いろいろなサイトを見ているとセカンドのDanny Espinosaが高く評価されていましたが、出場機会の少なさが影響してか、3人の候補にすら入っていませんでした。

受賞者は下記のとおり。初受賞が9人とフレッシュな顔ぶれとなっています。

NATIONAL LEAGUE
C Yadier Molina (STL) 8年連続8度目
1B Paul Goldschmidt (ARI) 2年ぶり2度目
2B Dee Gordon (MIA) 初
3B Nolan Arenado (COL) 3年連続3度目
SS Brandon Crawford (SFG) 初
LF Starling Marte (PIT) 初
CF A.J. Pollock (ARI) 初
RF Jason Heyward (ATL) 2年連続3度目
P Zack Greinke (LAD) 2年連続2度目

AMERICAN LEAGUE
C Salvador Perez (KC) 3年連続3度目
1B Eric Hosmer (KC) 3年連続3度目
2B Jose Altuve (HOU) 初
3B Manny Machado (BAL) 2年ぶり2度目
SS Alcides Escobar (KC) 初
LF Yoenis Cespedes(DET) 初
CF Kevin Kiermaier (TB) 初
RF Kole Calhoun (LAA) 初
P Dallas Keuchel (HOU) 2年連続2年目

2015/11/11

BA: Nationals Top 10 Prospects

今年はNL東地区からということでずいぶんと早いのですが、BAからナショナルズのトップ10プロスペクトが公表されました(元記事)。

1. Lucas Giolito, RHP
2. Trea Turner, SS
3. Victor Robles, OF 
4. Erick Fedde, RHP
5. Reynaldo Lopez, RHP
6. Wilmer Difo, SS/2B
7. A.J. Cole, RHP
8. Andrew Stevenson, OF 
9. Austin Voth, RHP
10. Anderson Franco, 3B

前年からあまり変わってないという印象。Trea Turnerトレード獲得後のツートップは変わらず。前年の3位Michael Taylorと6位Joe Rossが卒業し、A.J. Coleまでの選手はほぼ前年の順位を維持しています。順調に育っていると言えば育っているわけですが、新たに上位に食い込んできたのが3位に入ったVictor Roblesだけというのは、むしろ残念と言わざるを得ないでしょう。2015年ドラフト組から入ったのが8位のAndrew Stevensonだけというのも、仕方ないのかもしれませんが寂しいですね。

とはいえ、3位のRoblesと10位に入ったAnderson Francoの2人はそろってドミニカ出身の18歳という夢のある選手。基礎から立て直すことになったドミニカでのスカウト事業も、あれから5年以上が経ち、次第に成果を生み始めたのかもしれません。

2015/11/07

FA選手まとめ(Zimmermann, Desmond, Span 退団)

契約の満了又は球団による来季契約オプション破棄のため以下の選手がFAとなりました。再契約の可能性がないわけではありませんが、ひとまず退団。

Jordan Zimmermann, RHP
Ian Desmond, SS
Denard Span, OF 
Doug Fister, RHP
Matt Thornton, LHP
Dan Uggla, IF
Casey Janssen, RHP (700万ドルのオプション破棄)
Nate McLouth, OF (650万ドルのオプション破棄)

Jordan ZimmermannIan DesmondDenard Spanの3人は主力としてここ数年のナショナルズを支えてくれた功労者。それぞれピッチャー、ショート、センターのポジションで球団ワシントン移転後の先発出場最多を記録しての退団となりました。特に、ZimmermannとDesmondの2人は私がブログを始めた2008年当時はマイナーのプロスペクトで、いずれも2009年シーズンにメジャーデビュー(懐かしい生地のリンクを張っておきます。Zimmermannのデビュー戦Desmondのデビュー戦)。これまでずっとフォローしてきた選手だけに、寂しさが募ります。Spanも2005年以来長らく固定できなかった「リードオフ」「センター」の役目をしっかり果たし、チームの核となってくれました。今季は故障に悩みましたが、2012年オフの入団時に心配された脳震盪の影響は全くなく過ごせただけでも良かったと思います。

なお、球団が来季ドラフトでの補償指名権の根拠となるQualifying Offerを提示したのは、ZimmermannとDesmondの2人のみ。Spanはわざわざ代理人をScott Borasに変えたこと等からQOを出しても受けることはなかったと思うんですけどねぇ。。。ま、選手の市場価値という意味では上がったので、いい条件でSpanが新天地を見つけてくれることを願いましょう。

ある意味で最も残念だったのがDoug Fister。トレードでやってきた1年目の2014年シーズンに大活躍したので、今でもあのトレードは成功と言っていいと思いますが、今季はあまりの不振で終盤はブルペン投手に降格。QOの対象にもならず、何とも残念な形での退団となりました。

Matt Thorntonは意外な掘り出し物でした。2014年シーズン途中にヤンキースからDFAされたところを獲得し、昨季の残りは18試合を無失点、今季も60試合に投げて防御率2.18というナイスピッチング。39歳の大ベテランですが、特に左腕として左打者相手にはいい仕事をしてくれました。このリストの中では唯一再契約が現実的に話題になっている選手です。

Dan Ugglaは春先ちょっと打ちましたが、終わってみれば打率は2割にも満たずとひどいものでした。セットアッパー、あるいはクローザーもと期待されたCasey Janssennでしたが、全くダメでした。来季の契約オプションももちろん破棄。昨オフの重要なFA契約の1つでしたが、見事な失敗。さらにひどい失敗FA契約となったのが、Nate McLouth。2年契約プラスオプションでしたが、1年目は不振から左肩手術、そして今季はその左肩の影響で全休。これだけ派手に失敗したFA契約もなかなかないというくらいの大失敗でした。

2015/11/06

Dusty Baker新監督就任

シーズン終了直後にMatt Williams前監督が解任されてから約1か月。11月5日に記者会見が行われ、Dusty Bakerが新監督に就任しました。この間、この夏までパドレスの監督を務めていたBud Blackに決まりかけたものの金銭面で折り合わず破談になったりと「またも」ごたごたしましたが、最終的にはいい人選になったと思っています。

66歳。選手としては、18年にわたり外野手としてメジャーでプレーし、オールスター出場は2度、1981年にドジャーズの主力としてワールドシリーズも制覇しています。引退後はコーチを経て、1988年にジャイアンツの監督に就任。その後、カブスでも指揮を執った後、2008年から2013年シーズン終了までレッズの監督を務めました。通算20年間指揮を執り、リーグ優勝1度、地区優勝5度、ポストシーズン進出は7度、通算勝率は.526となっています。ジャイアンツ時代に最優秀監督賞を3度受賞。「出塁率を軽視する」、「投手を壊す」といった悪評もありますが、選手からの信頼・人気は高く、何より勝ってきたという事実は率直に評価すべき。懸念される投手起用についても、カブス時代にMark Priorが壊れたことで強い印象を残していますが、レッズ時代には特に大きな投手の故障事案は発生していません。

プレーするのは監督ではなくあくまで選手であるという考え方に立って采配するタイプで、少なくともおかしな采配はしないという安心感はあります。今季のベンチでのごたごたを若いWilliams監督が全く制御できなかったという苦い教訓を踏まえると、成熟度を増している今のナショナルズの選手たちを率いるにはこれくらい経験豊富な監督のほうがいいでしょう。加えて、ワシントンDCの土地柄に照らし現時点でメジャーで唯一のアフリカン・アメリカンの監督という点も評価していいと思います。

また、投手コーチにMike Madduxが就任することも決定。あのGregの兄で、自身も15年間メジャーで投手としてプレーし、2000年の引退後はブリューワーズ、レンジャーズで投手コーチを務め、高く評価されています。つい先日レンジャーズとの契約が満了し、自由契約となっていました。ブルペンの立て直しが多きな課題となっているナショナルズでも手腕を発揮してくれることを期待しています。

2015/11/02

AFL派遣選手アップデート(11月2日まで)

ワールドシリーズはカンサスシティ・ロイヤルズの30年ぶりの優勝で幕を下ろしました。ALDSでのアストロズ戦から逆転に次ぐ逆転で勝ち上がり、最後の試合も9回表に0-2から追い付き、延長12回で勝つという驚くべきチームでした。

ナショナルズファンとしては、メッツが負けてくれて少し溜飲が下がっています。(笑)

さて、これからいよいよストーブリーグに入っていくわけですが、ここでAFLの状況をアップデートシておきます。

AFLのシーズンは半分を少し過ぎたところ、正直言うとナショナルズ派遣選手はぱっとしないのですが、まあ、まとめておきます。

Chris Bostick 39AB 2HR 6RBI 4BB 11K 4SB .256/.326/.487
Spencer Kieboom 28AB 1HR 4RBI 6BB 7K 0SB .286/.412/.393
Derw Ward 12SB 0HR  0RBI 3BB 4K .167/.333/.250
John Simms 3G(2GS) 11.0IP 4BB 9K 1.64/1.27
Dakota Bacus 4G 4.2IP 2BB 6K 0.00/1.29
Nick Lee 4G 4.1IP 4BB 3K 4.15/1.85
Abel De Los Santos 4G 4.0IP 1BB 4K 20.25/2.75
Wirkin Estevez 2G 2.0IP 3BB 0K 4.50/2.00

ここまでで満足できる数字を残していると言えるのは、KieboomとSimmsくらいでしょうか。オールスターに選出されたのがDe Los Santosとか、悪い冗談みたいです。残りの2週間で少しでも評価を上げてもらいたいですね。