2017/07/17

Ryan MadsonとSean Doolittleをトレード獲得

7月末の期限に向け、交渉が加速していたトレード市場。ブルペン投手の補強が至上命題となっていたナショナルズが、アスレティックスとの間でRyan MadsonSean Doolittleの両投手を獲得することで合意しました。2人ともクローザー経験もあるベテランのブルペン投手。2人とも、奪三振に対してとにかく四球が少ないという点が魅力。精神的な部分も含めてブルペンの安定化に大いに期待したいと思います。

むろん対価は支払います。Blake Treinenと昨年(2016年)のドラフト2順目、3順目指名のSheldon NeuseJesus Luzardoの計3人。もはや使い道がなくなっていたTreinenはともかく、NeuseとLuzardoは期待のプロスペクトで惜しい気もしますが、プロスペクトランキングでさらに上位に位置しているトッププロスペクトを手放さずに2人の実績あるベテランを獲得できたことは、Rizzo GMの手腕と言っていいと思います。

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Ryan Madson, RHP (2017 for Oakland)
40G 39.1IP 1SV(3BS) 14HD 39K 6BB 2.06/0.79
36歳、メジャーでも12年目のシーズンの大ベテラン。2003年のメジャーデビューから9シーズンに渡って在籍したフィリーズでの印象が強い投手。その間、Jayson Werthらとともにワールドシリーズを制覇した2008年にはセットアッパーとして活躍しました。しかし、フィリーズからFAとなりレッズと契約した直後の2012年春に右ひじを痛めてTJ手術に踏み切りましたが、経過は思わしくなく、結局2012~2014年の3シーズンはメジャーでの登板なし、マイナーでもわずか1イニングのみとなり、このまま引退かと思われました。ところが2014年春にロイヤルズとマイナー契約を結ぶと、ここからロースター入りを勝ち取り、再びワールドシリーズのリングを手に入れることになりました。その後、アスレティックスとメジャー契約を結び、再び安定した投球を続けてきました。

Sean Doolittle, LHP (2017 for Oakland)
23G 21.1IP 3SV(1BS) 8HD 31K 2BB 3.38/0.66
2007年ドラフト1順目でヴァージニア大学(Ryan Zimmermanの大学の2年後輩になります)からアスレティックスに入団し、メジャーでも6シーズン目を迎える30歳のベテラン左腕。比較的安価な長期契約を結んでおり、2018年シーズンまで確定、2019年、2020年には球団側にオプションがあります。メジャーでは一貫してブルペン投手として活躍し、2014年にはク゚ローザーとして22セーブも記録。2015年以降はやや故障がちで登板数は減っていますが、それでも投げればきちんと結果は出しています。今季も4月末から6月上旬までDL入りしていますが、大きなものではなく、復帰後も安定したピッチングを続けています。特に対左打者には今シーズンまだ一本もヒットを打たれていません。左腕からの速球は素晴らしく、個人的にはクローザーを任せるならDoolittleかなという印象を持っています。

Blake Treinen, RHP (2017 for Nationals)
37G 37.2IP 3SV(2BS) 5HD 13BB 32K 5.73/1.62
元々は2011年ドラフト7巡目でアスレティックスに入団した選手。2012年オフにMichael Morseのトレードで移籍してきました(一緒に来たのはA.J. ColeとIan Krol)。当初は先発として育成され、メジャーデビューした2014年はもっぱら先発として投げていました。転機となったのは2014年オフのMax ScherzerのFA加入でしょう。これでTreinenはブルペンに転向することとなり、ここから2015年、2016年とシンカーを武器に欲しいところで併殺が取れるピッチングで地位を築いていきました。そして、この春、スプリングトレーニングで結果を残し、開幕時には「クローザー」の指名を受けるほどに成長。どれほどの活躍を見せるかと期待させました。が、あえてその後のことは書かないことにしましょう。新天地で気分一新し、頑張ってくれることを願っています。

Sheldon Neuse, 3B/SS (2017 for Hagerstown(A))
77G 321PA 9HR 51HR 25BB 66K .291/.349/.469 12SB 
2016年ドラフト2順目でオクラホマ大から入団。昨季はAuburnであまり打てず、BAではトップ10外でしたが、BPなど他のランキングでは軒並みトップ10にランクインしていました。今季は開幕からHagerstownで主軸を打ち、打率も残しつつ、長打あり、意外にも足もあり、また守備でもサードだけでなくショートも守れるところを見せ、大いに評価を上げていました。オールスターにも選出。

Jesus Luzardo, LHP (2017 for GCL Nationals(Rk))
3G(3GS) 13.2IP 0BB 15K 1.32/1.02 
2016年ドラフト3順目。元々はドラフト1順目指名候補でしたが、ドラフト前にTJ手術を受けたため、ナショナルズが3順目で指名。リハビリを経て、この6月にようやくプロデビューを果たしたばかり。GCLで3試合に先発して2失点。15個の三振に対して無四球という結果もさることながら、軽く90マイルを超える速球を投げているというレポートも入っていて大いに期待を高めていたところでした。惜しい、けれどもリスクも高く、トレードバイトとして使われる可能性はかなり高いと見ていました。

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