12月10日、ウィンターミーティングの最終日にエンゼルスとの間でトレードが成立しました。Yunel Escobarと150 万ドル(ちなみに、Escobarの来季年俸は700万ドル)をエンゼルスに送り、Trevor Gottとマイナーのベテラン右腕Michael Bradyを受け取りました。
Yunel Escobar (2015 Season for Nationals)
139G 591PA 9HR 56RBI 45BB 70K .314/.375/.415 2SB
33歳の内野手。昨オフ、Tyler Clippardとのトレードでやってきた際には素行面での不安を言われていましたが結果的に大きな問題はなく、上位打線を中心に、時には4番に入って高い打率・出塁率、低い三振率を記録。リーグMVPを獲得したBryce Harperに次ぐ頼りになる打者として貢献してくれました。打撃面ではキャリアベストのシーズンと言っていいでしょう。問題は守備。2014年まではショートでしたが、守備範囲を中心に限界。今春はセカンドへのコンバートが画策されましたが、Anthony Rendonの故障もあって結局はサードでシーズンのほとんどを過ごしました。ただ、サード守備の評価も低く、どうしたものかという感じでした。その点、DHもあるエンゼルスでは活躍のチャンスは広がる思われます(とりあえずセカンドとして使われる見込みのようですが)。比較的安値での保有期間がまだ2年(おそらく行使されるであろう球団有利な内容のオプションを含め)残っていたので惜しい気もしますが、守備の低下から使いにくくなる可能性もあった選手を高値で売り抜けたとも評価できます。
さて、これにより、現時点の布陣は、セカンドDanny Espinosa、サードRendon、ショートTrea Turner、控えWimer Difo、Chris Bostickとなってしまいました。さすがにこのまま開幕を迎えるとは思えません。が、FAで残っている二遊間を守れる選手としては、Ian Desmondを除くと、Howie Kendrick、Daniel Murphy(左)、Alexei Ramirez、Jimmy Rollins(両)くらい。このうちRollinsについては少し噂が出ていましたね。セカンドかショートかは別として、いずれにせよ、Espinosaの存在感が高まりそうです。
そのEscobarを一部のサラリー負担までして放出して獲得したのが次の2投手。
Trevor Gott (2015 Season for Angels)
48G 47.2IP 16BB 27K 3.02/1.24
23歳のブルペン右腕。パドレスの2013年ドラフト6順目。2年目の2014年には早々にAAまで昇格し、その夏にHuston Streetのおまけという感じでエンゼルスにトレード移籍。今季もAAで開幕しましたが、5月にはAAAに昇格。そして6月19日にメジャーデビュー。以降、マイナーに落とされることなく過ごし、次第に重要な場面で起用されることが増え、最終的には14ホールドを記録しました。
大学時代からブルペン一筋。平均96マイルを超える速球を主体としたピッチング。今季のスタッツを見ると、奪三振はそんなに多くなく、ゴロを打たせていますが、マイナーでの奪三振率はかなり高いので、今後、大事な場面で三振が取れる投手に育つことを期待。そうなれば、セットアッパーやクローザーを務められるだけのボールは投げています。四球が少し多いのは気になりますが。保有期間があと6年もある点は魅力ですね。
結果的には、Clippardの残り1年を、Escobarの1年とGottの6年に交換したことになります(とりあえず)。やはり大したGMです。
Michael Brady (2015 Season for AA)
32G(19GS) 119.1IP 12BB 113K 3.77/1.14
2009年ドラフト24順目でマーリンズに入団。大学時代はショートでしたが、プロ2年目の2010年にブルペン投手に転向。AAまでは成績を残しながら順調に昇格し、2013年のルール5ドラフトを前には40人ロースター入りも果たしましたが、翌春のスプリングトレーニング中にウェイバーにかけられたところをエンゼルスがクレームし、移籍となりました。ところがエンゼルスでの1年目となった2014年もAAでは好投したのですが、AAAに上がった途端に激しく打ち込まれ、28歳となった今季はAAでなんと先発に初挑戦していました。基本的にはブルペン投手だと思います。
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