2017/10/12

NLDS Game 4: Taylorの殊勲の満塁弾で最終戦へ

W5-0@CHC (Series 2-2)
Strasburg(W) 7.0IP 0ER 3H 2BB 12K
Taylor 1/3 HR BB R 4RBI
Turner 1/3 double 2BB R

さっさとアウトになればいいよ。1-0。8回表。1死走者なし。打者Ryan Zimmerman。そう思いながら見ていました。四球で出塁。余計なことを。牽制でセーフの判定にカブスがチャレンジ。止めてくれ。判定変更で2アウト。Daniel Murphy、早く凡退しよう。センター前へのシングル。カブスはピッチャー交代。あぁもう・・・。これで8回裏のマウンドにStephen Strasburgが上がることはなくなってしまった。

雨で試合が中止になった前日(火曜日)のプレスカンファレンスで、Baker監督が第4戦の先発はTanner Roarkと発言。中4日でStrasburgに投げさせることができるはずだ、風邪を引いているといいながら雨のグラウンドに出ていたのはなぜだ、といった論争・騒動を起こしましたが、蓋を開けてみればStrasburgが先発。朝の体調を見て最終的に判断したとのことですが、それなら未定と言っておけばいいのに。私は、(第3戦の記事のコメント欄にも書きましたが)Roarkが先発すればいいという意見でしたので、Roarkが気の毒に思うとともに、騒動の後で体調が不十分なStrasburgを先発させることに不安を感じていました。

ところが、そんな私の懐疑的な見方とは裏腹に、マウンドに上がったStrasburgのピッチングは実に素晴らしいものでした。脱帽です。2回1死からBen Zobristに二塁打を打たれたためノーヒッターは早々になくなりましたが、かえって緊張感がなくなって良かったのかもしれません。ランナーを出しても落ち着いたピッチングを続け、要所では三振を奪い、0を並べていきました。終盤に突入した7回裏には三者連続で三振を奪いましたが、特に興奮した様子を見せることもなく淡々とダッグアウトへ。この時点で106球。ジャケットを来て8回もマウンドへ上るべく戦況を見つめていました。

こういう状況で避けたいのは、無駄に長い攻撃です。特にこの試合は霧雨が降る寒いシカゴで行われており、味方の攻撃の間は休息というよりも体が冷えてしまう時間。カブス2番手のJon Lesterに5,6,7回と三者凡退=9人で抑えられたことも、この試合に限っては、Strasburgのテンポを乱さないという意味で悪くないと思って見ていました。8回表もさっさと終わればStrasburgが裏のマウンドに上がることができる。それが、ナショナルズが勝利する確率が最も高いはずだと思っていました。

ですから、カブスのピッチャーがLesterからCarl Edwards Jr.に交代することになり、ナショナルズのブルペンでRyan MadsonとOliver Perezがウォームアップしている様子を見た時は不安でいっぱいでした。この攻撃が無駄なものになってはならない。それではカブスに流れが行ってしまう。1点リードしているにも関わらず、なぜか追い詰められた気持ちでした。

そんな嫌な感じを全て吹き飛ばしてくれたのが、Michael Taylorの一発でした。吹き付ける雨風で手元がおぼつかない様子のEdwardsがAnthony Rendonと Matt Wietersを続けて歩かせ2死満塁。Taylorに対する初球も明らかなボール。ここでJoe Maddon監督がベンチを出て、クローザーのWade Davisを召喚。カウント1ボールから1球ファールの後のDavis 2球目、真ん中高めにきた速球をTaylorがコンパクトなスイングで叩くと打球は右中間へのフライボール。強い逆風を物ともせず打球は伸び、フェンスの最上部に設置されたネットに収まりました。満塁ホームラン。5-0。このシリーズに入って比較的いいスイングをしている印象のTaylorでしたから微かな期待はしていましたが、まさかホームランとは。喜びというよりは、驚きと、そしてほっとした声が思わず出てしまいました。

こうなればさすがにナショナルズの流れ。8回裏はMadsonが得点圏にランナーを進められながらも最後はAnthony Rizzoをセカンドゴロに打ち取って無失点(このシリーズ、得点圏にランナーを置いて打たれ続けていたRizzoを初めて凡退させた意味は大きい)。9回裏はSean Doolittleが全く危なげなく三者凡退で終了。

前日からの騒動を思うとよく勝ったな、というのが一番の感想。ともかくもシリーズを2勝2敗として、ナショナルズパークに戻ってくることになりました。

7回までの打線は相変わらず低調でしたが、朗報はTrea Turnerにようやくヒットが出たこと。3回表1死からレフトへ二塁打。その後ワイルドピッチで3塁へ進み、ZimmermanのショートゴロをAddison Russellがエラーする間に先制のホームイン。他2打席で歩き計3度出塁。盗塁こそ記録しませんでしたが、こうして塁に出てくれることで大きなプレッシャーを与えることができます。もう吹っ切れたでしょうから、第5戦でもしっかり塁に出てくれることを期待していいと思います。

MVP: Michael Taylor

明日はナイトゲーム。(日本時間)午前中は仕事のため見ることはできませんが、お昼頃から観戦しようと思っています。

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