2013/12/27

2013 シーズンレビュー4: 野手MVP Desmond

続いて、野手陣の個人成績。 


G
PA
2B
3B
HR
R
RBI
BB
SO
BA
OBP
SLG
SB
Kurt Suzuki
79
281
11
1
3
19
25
20
32
.222
.283
.310
2
Wilson Ramos
78
303
9
0
16
29
59
15
42
.272
.307
.470
0
Adam LaRoche
152
590
19
3
20
70
62
72
131
.237
.332
.403
4
Anthony Rendon
98
394
23
1
7
40
35
31
69
.265
.329
.396
1
Ryan Zimmerman
147
633
26
2
26
84
79
60
133
.275
.344
.465
6
Ian Desmond
158
655
38
3
20
77
80
43
145
.280
.331
.453
21
Bryce Harper
118
497
24
3
20
71
58
61
94
.274
.368
.486
11
Denard Span
153
662
28
11
4
75
47
42
77
.279
.327
.380
20
Jayson Werth
129
532
24
0
25
84
82
60
101
.318
.398
.532
10
Steve Lombardozzi
118
307
15
1
2
25
22
8
34
.259
.278
.338
4
Danny Espinosa
44
167
9
0
3
11
12
4
47
.158
.193
.272
1
Chad Tracy
92
136
4
0
4
6
11
7
25
.202
.243
.326
0

シーズンを通じて故障者リストに入らずにプレーしたのは、Adam LaRocheIan DesmondDenard Spanの3人。ただ、ほかのレギュラーにもシーズンを棒に振るほどの故障者はなく、比較的健康なシーズンでした。Ryan ZimmermanJayson Werthまでの5人が規定打席(502打席)に到達。

【捕手】
正捕手として期待されたWilson Ramosは、最終的にはチーム最多の77試合で先発マスクをかぶりましたが、シーズン前半に(またもや)故障離脱を繰り返しました。4月早々に足を痛めてDL入り。最短で復帰したものの5月に再離脱すると今度は7月頭までかかりました。その後はシーズン終了までプレーし、よく見れば立派な打撃成績を残しましたが、「故障で失ったシーズン」という印象は拭えません。来季こそは、シーズン通じて活躍してくれることを期待しています。「MLBを代表する捕手」になれる選手だと信じています。

Ramos離脱中にレギュラーとしてマスクをかぶったのは昨季と同じくKurt Suzukiでしたが、打撃成績が上がらず、Ramosが復帰してくると出場機会を失い、8月にアスレティックスにトレードされていきました。

【内野手】
一塁手はLaRocheがほぼ常時出場。守備は変わらず安定していましましたが、7本塁打、打率.330と好調だった5月を除くと、打撃は低調で軒並みキャリア最低の数字を残すことになりました(故障離脱のシーズンを除く)。2年契約の2年目となる来年は、同じ状況で迎えた2012年の再来を期待したいところ。

開幕時の二塁手のレギュラーはDanny Espinosa、守備力はさすがでしたが、抱えていた左肩の故障の影響もあってか開幕からバットが超・絶不調。ベンチはかなり我慢して使いましたがむしろ負のスパイラルを転落していきました。6月2日の試合を最後にDL入り、そしてそのままAAAに降格となりました。AAAでも数字を残せず(75試合で.216/.280/.286)、9月になっても呼ばれませんでした。さっさ肩の手術をしたほうが良かったと思うのですが、未だ手術していない模様です。当然ながら、トレードの噂が出ています。

そのEspinosaに代わって以降セカンドのレギュラーとなったAnthony Rendonについては、次回、チーム新人王の記事で書きます。

チームの顔、Zimmerman。DL入りは4月の1回だけで147試合に出場。元々守備はいいはずでしたが、今シーズン前半は送球エラーを連発し、そのせいで落とした試合もありました。昨オフに右肩の手術を受けたことに伴う感覚のズレが原因だったらしく、シーズン後半になると安定。来季に向けて不安はないと思われます(ファーストへのコンバート案も鳴りを潜めています)。打撃でも前半はパワーを失ったと心配されましたが、9月だけで11本塁打を打ち、終わってみればチーム本塁打王となっていました。こちらも来季に向けて不安はありません。

昨季大ブレイクしたDesmond。27歳という選手として油の乗り切った今季も、打撃、守備とも中心選手として活躍してくれました。チーム最多の158試合に出場。シーズン通じて安定したプレーを続け、2年連続の20-20を記録。シーズン終了後には、シルバースラッガー賞を獲得するとともに、ゴールドグラブ賞でも最終候補3人にノミネートされました。プレー以外でもチームリーダーとしての評価が高まっています。FA前の保有期間はあと2年。契約延長が待たれます。

【外野手】
開幕戦で2打席連発という強烈なスタートダッシュを見せたBryce Harper。4月中はMVP級の活躍でしたが、シーズンレビューでも書いたように「壁」にぶつかってしまい、大きかった期待からすると平凡なシーズンとなりました。それでも20本塁打をクリア。オフにしっかり直し、来季は鬱憤を晴らすような活躍を期待したい。
 
新加入のSpan。やや心配されていた脳震盪の後遺症を感じさせず、ほぼフル出場。6月にやや調子を落として10試合ほど下位打線に落とされましたが、その後復調して1番に戻りました。結局、リードオフとして134試合に先発。8月17日から9月18日にかけて、自己ベスト・今季メジャー最長となる29試合連続安打を記録。前半は伸び悩んだ盗塁数も9月に9個の荒稼ぎでシーズン20個に到達。守備は文句なしの大活躍。145試合にセンターとして先発し、ノーエラー。守備範囲も広く、球際にも強く、好プレーを連発してくれました。ゴールドグラブ賞の最終候補にノミネートされましたが、受賞はならず。チームとして長らく固定できていなかったリードオフ&センターとしてしっかり成績を残し、期待に応えてくれたと言えるでしょう。

7年契約の3年目となったWerth。開幕直後は不振の上、ハムストリングを痛め約1か月間DL入りしましたが、6月上旬に復帰した後はよく打ちました。特に7月は.367/.450/.622(OPS 1.072)と打ちまくり、ナ・リーグ月間MVPを受賞。さらに8月は7月を上回るOPS 1.087を記録し、規定打席不足ながら首位打者を窺うところまでシーズン打率も上昇させました。9月にやや失速したものの、それでも打率、出塁率、超打率ではいずれもキャリアベストの数字。

【MVP】 Ian Desmond

数字だけならWerthのほうが上です。公式のリーグMVP投票でナショナルズから票を得たのもWerthだけでした。ただ、シーズンの流れを引き寄せられそうで引き寄せられなかった前半戦に離脱したことは大きなマイナスだったし、特に欠場したWerthに代わってライトに入ったHarperがフェンスに激突、負傷し、調子を落としたことがシーズンの行方を分けたと思っていることもあり、Werthを年間MVPに選ぶ気にはなりません。

逆に年間通じてしっかりした成績を残したのがDesmond。数字の上ではWerthはもとより前年の自身の数字をもやや下回りましたが、2年続けて結果を残したことで大リーグを代表するショートストップと認められるようになりました。また、自身あるいはチームが苦しい状態でもリーダーシップを発揮していたことも高く評価したいと思います。

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