12月6日にFAのNate McLouthと契約合意。またウィンターミーティング中の11日、アスレティックスからJerry Blevinsをトレードで獲得。Fisterの獲得と併せ、今オフの課題とされていた、先発、ベンチ、ブルペン左腕のアップグレードをわずか10日の間に実現しました。ウィンターミーティングで行われたルール5ドラフトの結果も合わせて、どうぞ。
●McLouthとFA契約
12月6日に、オリオールズからFAとなっていたMcLouthと2年1075万ドルで契約合意しました。3年目には650万ドルのオプションが付いています。
Nate McLouth
146G 593PA 12HR 53BB 86K .258/.329/.399 30SB (2013 season for BAL)
32歳の左打ちの外野手。元々はセンターで2008年にはゴールドグラブ賞を受賞するなど守備力は高く、今も外野3ポジション全てを守ることができるらしいです。2000年に高卒でパイレーツに入団。2005年にメジャーデビューするとまもなくレギュラーとなり、2008年には上記のゴールドグラブ賞に加え、26本塁打を記録するなど打撃も好成績。オールスター選出、MVP投票でも得票する大活躍を見せました。翌2009年途中に3選手を放出してブレーブスがトレードで獲得しましたが、ブレーブス在籍の2年半は打率.229と不幸なトレードとなりました。2012年はFAとしてパイレーツに戻りましたが、やはり打てず5月に解雇されました。ところが拾われたオリオールズで復活し、ポストシーズン進出に貢献すると、再契約した今季も主に1番レフトとして活躍。今季のサプライズはメジャー9年目31歳にして初の30盗塁を記録したことですが、この方面で期待できるとは思っていません。
控え外野手に単年500万ドルはやや高い印象ですが、もしかするとレギュラー待遇で迎えてくれるチームもあったかもしれないレベルの選手に4番手外野手の地位を受け入れさせた補強で好印象。戦力を大きく落とすことなくレギュラーの3人(特にWerth)に休養を与えられることは、長いシーズンを戦っていく上では大きなメリット。左投手を苦手にしていますが、逆に左投手だけを得意とするScott Hairstonとはプラトーンの相性バッチリ。仮に外野のレギュラー3人の誰かが長期離脱することになっても、この2人でとりあえず戦えるという見方もできます。
ロースター枠を空けるためにCorey Brown外野手をDFA(2度目のDFA)。これによりJosh Willinghamのトレードで来た選手は2人とも退団(もう1人はHenry Rodriguez)。残念ながら2010年12月のトレードはナショナルズにとって実りあるものとはなりませんでした。なお、時系列的には下記のBlevinsのトレードの後ですが、アスレティックスに金銭トレードされていきました。
●Blevinsのトレード獲得
最近アスレティックスとのトレードが多いなと思っていたら、12月11日にまた1件合意しました。アスレティックスからBlevinsを獲得し、マイナーのBilly Burns外野手を送りました。
Jerry Blevins
67G 60.0IP 17BB 52K 3.15/1.07 (2013 season for OAK)
30 歳のブルペン左腕。Craig Stammenとはデイトン大学で同学年のチームメイトで友人同士(早速ツィッター上でジョークの応酬が展開されていました)。ドラフト指名はStammenより1年前の2004年。17順目でカブスに入団も長らく結果を残せませんでした。ところが2007年に突然、覚醒。開幕はA+で迎えたもののまもなくAAに昇格。夏にアスレティックスにトレードされた後も好投を続け、その年の9月にはメジャーに到達。その後数年間はAAAと行ったり来たりを繰り返しましたが、2010年にはメジャーに定着し、主に対左のワンポイントとして起用されてきました。今季も安定した成績を残しましたが、アスレティックスのブルペン左腕の中ではSean Doolittleに次ぐ2番手という立場で、比較的プレッシャーの少ない場面で起用されていたようです。そういう意味では、やや力が落ちる投手。年俸調停2年目で、保有期間は2シーズン残っています。
ブルペン左腕の不在で苦労した今季のナショナルズ。さらにオフに入ってからFernando Abadをアスレティックスに(あれ?)、Ian Krolをタイガースにそれぞれトレードしたことで、実質的にXavier Cedenoしかいないという状況になってしまったため、補強が予想されていました。実際、FA選手にも片っ端から声をかけ、トレードも複数模索したようですが、コストやチームへのフィットを考慮して、最終的にBlevinsを選んだようです。FA選手が軒並み高額契約を受けとっているのを見ると、コスト的には間違いなく好判断と言えます。パフォーマンスについても、対右打者にもそこそこしっかりした結果を残しており、場面によっては1イニング任せても問題なさそうだし、いい選択だったのではないかと思います。
対価として放出したBurnsは2011年ドラフト32順目というかなり下位指名ながら、プロ入り後にスイッチヒッターとなり、持ち前の選球眼とスピードを活かしたプレースタイルを確立。今季はA+とAAで.315/.425/.383、74盗塁。センター守備も(肩は弱いながら)守備範囲の広さを評価され、今季のチーム公式Minor League Player of the Yearに選ばれていました。ただ、ナショナルズの外野手プロスペクトは、センターに限ったとしてもEury Perez、Brian Goodwin、Michael Taylorが目白押しで、年齢が24歳と比較的高いBurnsは彼らの下に位置付けられていましたので、ナショナルズからすれば出しても痛くない、むしろ本人のためには良かったのではないかと思います。西海岸で頑張ってください。
●ルール5ドラフト
ウィンターミーティング中に恒例のルール5ドラフトが開催されました。全体2位でホワイトソックスにAdrian Nietoが指名されました。両打ちの捕手。2008年ドラフト5順目で高卒入団(ロイヤルズのEric Hosmerとは高校で同級のチームメイト)。当初はそこそこの期待を集めましたが、伸び悩み、故障、禁止薬物使用による50試合出場停止処分など紆余曲折があり、24歳の今季もまだA+でプレーしていました。今季は.285/.373/.449と好成績。アリゾナ秋季リーグにも派遣されて、ホワイトソックスのスカウトの目に留まったようです。ナショナルズとしては、捕手プロスペクトにそこそこ厚みがあり、あんまり痛くない印象です。
40人ロースターがいっぱいのナショナルズはMLBフェーズでは指名せず(できず)。AAAフェーズでレッズからTheodis Bowe(23歳の外野手。2012年に70盗塁。今季はAA)と、メッツからMartires Arias(23歳の右腕投手。ドミニカ出身。まだルーキーリーグ)の2人を獲得しました。
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