2014/12/17

2014 シーズンレビュー 4: 野手MVP Anthony Rendon

次は野手MVPなのですが、なかなかどうして。簡単な選考ではありませんでした。
G PA 2B 3B HR R RBI BB SO BA OBP SLG SB
Wilson Ramos 88 361 12 0 11 32 47 17 57 .267 .299 .399 0
Jose Lobaton 66 230 9 0 2 18 12 15 61 .234 .287 .304 0
Adam LaRoche 140 586 19 0 26 73 92 82 108 .259 .362 .455 3
Danny Espinosa 114 364 14 3 8 31 27 18 122 .219 .283 .351 8
Asdrubal Cabrera 49 200 9 2 5 20 21 22 29 .229 .312 .389 3
Anthony Rendon 153 683 39 6 21 111 83 58 104 .287 .351 .473 17
Ryan Zimmerman 61 240 19 1 5 26 38 22 37 .280 .342 .449 0
Ian Desmond 154 648 26 3 24 73 91 46 183 .255 .313 .430 24
Bryce Harper 100 395 10 2 13 41 32 38 104 .273 .344 .423 2
Denard Span 147 668 39 8 5 94 37 50 65 .302 .355 .416 31
Jayson Werth 147 629 37 1 16 85 82 83 113 .292 .394 .455 9
Kevin Frandsen 105 236 8 0 1 17 17 6 26 .259 .299 .309 0

シーズンを通じて故障者リストに入らずにプレーしたのは、Anthony RendonIan DesmondDenard SpanJayson Werthの4人。Adam LaRocheも最短の15日だけ。上記の5人が規定打席に到達しました。逆に、Bryce HarperWilson RamosRyan Zimmermanの3人は長期離脱。特にZimmermanはメジャー10年で初めて100試合出場を切る不本意なシーズンとなってしまいました。

【捕手】
4番捕手で開幕を迎えたRamosでしたが、左手の有鉤骨(hamate bone)の骨折でまさかの開幕戦途中退場、DL入り。5月上旬に戻ってきましたが、(hamate bone後にはよくあるようですが)パワー不足。6月にもハムストリングを痛めてDL入り。夏場に少し盛り返しましたが、9月には大失速。ポストシーズンでも活躍できずで、昨季後半に膨らんだ期待には応えられないまま終わってしまいました。

むしろRamos離脱中にがんばったJose Lobatonが評価を上げたシーズンとなりました。大きな故障で離脱することなく、Ramosがいるときは控えとして、いないときはレギュラーとして貢献。特に守備面で大いに投手陣を助けた印象。

【内野手】
ファーストはLaRocheが140試合に先発。2年前の再現とはいきませんでしたが、チームトップの本塁打、打点を記録し、主砲としての仕事をしっかり果たしてくれました。ポストシーズンに入るまでは、でしたが…。

開幕戦のセカンドはRendonでしたが、Zimmermanの離脱によりサードに回ったため、結局Danny Espinosaが最多の出場機会を得ました。守備力は相変わらずでしたが、バットも相変わらず。4月はまさかの復活かと思わせるいいバッティングをしていましたが、次第に大振りが目立つようになり、結局見限られ、フラッグディールトレードでAsdrubal Cabreraを獲得した後は、一気に出場機会を失いました。そのCabreraもEspinosaよりはマシという程度の低調な打撃成績で、守備を加味したらEspinosaとあまり変わらないのではないかという印象のままFA退団となりました。

昨季終盤に安定感を取り戻し、大丈夫かなと思わせたZimmermanのサード守備でしたが、やっぱり無理でした。開幕2戦目に最初の悪送球を記録した後、5戦目では失点につながる悪送球と不安定ぶりを露呈。4月12日のブレーブス戦で2塁ランナーとして牽制で帰塁する際にヘッドスライディングをして右手親指を骨折・・・。これによりサードにコンバートされたRendonが、そのままポジションを奪い取ってしまいました。守備力でも高い能力を見せるとともに、打撃でも大きな飛躍を見せ、リーグトップとなる111得点を記録。オフには、三塁手としてシルバースラッガー賞も受賞しました。

ショートはすっかり不動の地位を築いた感のあるDesmondがほぼフル出場。相変わらず三振は多いものの、これで3年連続となる20本塁打、20盗塁を達成。こちらも3年連続となるシルバースラッガー賞を受賞。守備でも安定した働き。また、チームリーダーとしても貢献。エキスポス時代から残る最後の1人として、FAとなる前に契約延長に応じてくれることが期待されています。

【外野手】
2年連続でほぼフル出場を果たしたSpan。センター守備はGG賞が受賞できなかったのが不思議なほど素晴らしい上に、打撃でも自身初の3割、30盗塁を記録するなど、キャリアイヤーとなりました。格安の来季契約オプションは当然ながら行使されました。誰だよ!こんな素晴らしいセンターを連れてきたGMは!という感じです(笑)。

7年契約の4年目となったWerth。こちらも、まさかのほぼフル出場。出場試合数も加味すれば、移籍後最高の個人成績と言ってもいいかもしれません。数字に表れない勝負強い打撃の印象も強い。7月には、.337/.446/.687、6本塁打、24打点の成績でリーグ月間MVPを受賞するほど打ちまくり、チームの加速を引っ張りました。ライトの守備は少しずつ落ちてきている感じを受けました。不良債権間違いなしと言われた長期契約の折り返し点を過ぎましたが、もう悪く言う人はいないでしょう。これで、ポストシーズンで打ってくれていれば・・・。

残念だったのは、Harper。オフにしっかり休んで体調万全で迎えたはずのシーズンでしたが、今一つ波に乗れないままで来た4月末に三塁打でヘッドスライディングした際に左手親指の腱を断裂し、約2か月の離脱を強いられました。復帰してきてもしばらく調子がでないまま。8,9月には復調し、悪くない感じでレギュラーシーズンを終えましたが、残った数字は13本塁打をはじめ、まったく物足りないものとなりました。救いは、ポストシーズンでの大暴れ。チームメイトが本当に全然打てない中、4試合で3本塁打を放つなど1人で奮闘していました。来季こそは大ブレイクしてくれることを期待しています。

【野手MVP】 Anthony Rendon

迷いました。

スタッツを見ると、Rendon、Werth、LaRoche、Spanの4人はいずれも印象的な数字を残していますが、これだけでは決め手にかける。リーグMVP投票の結果は、5位Rendon、18位Werth、19位タイSpanとなっています。また、御存じ、当ブログ独自の勝手MVP、野手陣の結果を取りまとめたものがこちら。

11W: LaRoche
10W: Werth
9W: Desmond
8W: Rendon 
5W: Span、Ramos、Zimmerman
2W: Espinosa 
1W: Moore、Frandsen、Harper、Taylor、Souza

この結果からは、LaRoche、Werthが2トップでチームの勝利に貢献し、特にLaRocheがレギュラーシーズン終盤の勝負がかかった時期に活躍してくれていたことが分かりました(実感としてもそういう印象です)。しかし、2人のポストシーズンでの惨状を忘れられないファンとして、LaRocheとWerthはどうしても選べませんでした。

こんなに迷ったのは、ブログを始めてから初めてのこと。迷いに迷った末、シーズンを通じて、攻守にわたってオールラウンドに貢献してくれたRendonを今季の野手MVPとしました。

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