ナショナルズ、パドレス、レイズの間で、総勢11人が動く大型三角トレードが成立しました。メインピースは、レイズからパドレスに移籍することになるWil Myers外野手ですが、ナショナルズとしては、Steven Souza外野手とTravis Ott投手を放出し、Trea Turner遊撃手とJoe Ross投手を獲得しました。長くなりますが、チームごとに獲得した選手を書くと次の通りとなります。
[WAS]
Trea Turner, SS (from SD)
Joe Ross, RHP (from SD)
[TB]
Steven Souza, OF (from WAS)
Travis Ott, LHP (from WAS)
Rene Rivera, C (from SD)
Burch Smith, RHP (from SD)
Jake Bauers, OF (from SD)
[SD]
Will Myers, OF (from TB)
Gerardo Reyes, RHP (from TB)
Jose Castillo, LHP (from TB)
Ryan Hanigan, C (from TB)
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ナショナルズに関連する選手たちについて、それぞれコメントしておきます。
●Trea Turner, SS
69G 321PA 5HR 35BB 67K .323/.406/.448 23SB [SS and A]
21歳のショートストップ。今年のドラフト1順目(全体13位)、ノースカロライナ州立大から入団したばかりのトッププロスペクト。契約後、ショートシーズンでしばらく過ごした後、Low-Aに昇格し、しっかりした数字を残す上々のプロデビュー。打率を残せて四球を選べる打撃のみならず、走力も広い守備範囲も高く評価されている。プロ入り後の69試合でわずか4エラーは立派。ただし、それほど強肩というわけではない模様。(なお、ルール上ドラフト指名後1年以内の選手はトレードできないので、当面はPTBNLとなるそうです。)
●Joe Ross, RHP
23G(22GS) 121.2IP 29BB 106K 3.92/1.26 [A+ and AA]
兄はパドレスのTyson Ross。2011年ドラフト1順目(全体25位)で高卒入団の21歳。比較的順調に育っており、BAによる2014年開幕前のパドレス組織内プロスペクトランキングでは10位。今季もまずまずのピッチングを続けてAAまで昇格してきました。90マイル台前半の速球が主な武器ということで、変化球はまだまだ。上限は先発3番手と言われているが、ブルペンに転向する可能性も。
●Steven Souza, OF
21G 26PA 2HR 3BB 7K .130/.231/.391 0SB [Major]
96G 407PA 18HR 52BB 75K .350/.432/.590 [AAA]
25歳の右打ち外野手。2007年ドラフト3順目で高卒入団。プロ入り後長らく適応に苦労しましたが、2012年にA、A+で計23本塁打を放ってブレイク。三振が少なく四球を多く選べる選球眼も持ち合わせている。2013年にはAA、アリゾナ秋季リーグで結果を残し、プロ入り8年目となる2014年にようやくメジャーデビューを果たした遅咲きの選手。2014年はInternational League(AAA)のリーグMVPを獲得する活躍。メジャーでの実績は少ないものの、ナショナルズのユニフォームを着ての最後のプレーとなったあのプレーのおかげで、ファンには忘れられない選手です。
レイズではライトのレギュラーとして起用される見込み。このチャンスを活かし、一人前のビッグリーガーになってくれることを心から、本当に心から願っています。頑張って!
●Travis Ott, LHP
13G(=GS) 55.0IP 26BB 45K 3.93/1.35 [SS and A]
2013年ドラフト25順目で高卒入団の19歳左腕。まだまだ未知数。
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大方の評判は、ナショナルズの一人勝ちというもの。確かに、Bryce HarperとJayson Werthがあと3年はナショナルズの両翼を務めることが確実で、故障がない限りは控え外野手でしかない26歳のSouzaと、まだLow-Aでしか投げていないドラフト25順目のOttの2人を、ドラフト1順目のプロスペクト2人に換えたのですから、当然の評価と言えるでしょう。もちろん、Turner、Rossの2人とも即戦力いうわけではなく、どれほど育つかは分かりません。しかし、プレイヤーのバリューという観点からは、文句の付けようがない。いつもながらRizzo GMの手腕には恐れ入ります。
Turnerを獲得したことで、Ian Desmondとの長期契約に向けた交渉に影響が出るという説もありますが、そんなことはないでしょう。Turnerがいずれはショートのレギュラーが務まるような選手に育ってくれることを期待していますが、どんなに早くてもあと2年はかかり、DesmondのFA退団とはタイミングが合いません。そもそも期待通りに育つかどうかも分かりません。攻撃のあるショートというのは貴重です。Desmondと長期契約を結び、Turnerが育ってきたところでショートの守備が苦しくなってきたDesmondがサードかセカンドに移るというのがベストシナリオでしょう。
それにしても、なかなかにインパクトのあるトレードです。
6 件のコメント:
スルスルっとパドレスとレイズの交渉に入ってきて、いつの間にかこんなトレードを成立させるとは、Natsは本当にトレード上手ですね~。敵ながら天晴れな補強です。
うちのターナーとロスを宜しくお願いします。特にターナーには期待していたので、一人前に育ててあげて下さい!
まさ2さん
お褒めいただいて恐縮です。
BAの組織内ランキングでSouzaが5位だったのですが、どうやらTurnerは2位で、Rossは6位に入るそうです。
よくこんなトレード成立させるな、とびっくりです。しっかり育ってもらいましょう。
美味しいトレードですね~。いいな~。上を重視してマイナーをごっそり出すこともあるけど、キープすべき選手はキープするし、一方で将来に向けた布石もしっかり打てるのは素晴らしいですね。
Desmondとは違ったタイプかもですが、これで契約延長(まぁどのみち一旦はFAになるかもですが)に失敗しても安泰ですね。
ララさん
Desmondが退団となっても安泰といえるほどTurnerがしっかり育ってくれるかはまだ分かりませんが、少なくとも現時点において考えられる手としてはかなりの妙手。
素晴らしいGMだと思います!
ブログにコメントして頂き、ありがとうございます。
Turnerのトレードはパドレスフロントの人事に翻弄された感があって良い気分ではありませんが、ナショナルズで一人前に成長することを期待しています。
コメントにも頂いた彼のポジションについてですが、私としては2Bは向いていないと感じています。日米大学野球で2Bの守備を何試合か見ましたが、常に窮屈な印象が強かったです。あとでBAにも似たようなことが書かれていたので、そう感じた人は多いのかなと。コンバートならCFを推したいです。短期的な措置ならば、大学で1シーズン経験した3Bの方が良いかもと思ったり…。
SS守備もまだまだ洗練させるべきですし、できればずっとSSを守らせて欲しいなと。彼個人のファンとしてはそう思います。
あとはパワーを付けたい(HRをある程度打ちたい)という旨の話を再三しているので、スイングの安定と両立できるかどうかでしょうか。
拙ブログでは大学野球を中心としていますが、私をその世界に誘ったTurnerのことは今後も追いかけていくつもりです。ナショナルズのことを知らないので、お詳しい方と知り合えてとても嬉しく思います。今後ともよろしくお願い致します。
長文失礼しました。
K.F.(WJR5) さん
コメントありがとうございます。なるほどTurnerは大学時代にはサードを守ったこともあるんですね。ふむふむ。Turnerをじっくり育てて、Desmondをセカンドに移すタイミングでショートに入れるというのが理想かもしれませんね。
私は私でTurnerをフォローしていきますので、また時々のぞきに来てやってください!
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