2016/12/22

2016 シーズンレビュー3: 新人王: Trea Turner

今季、ルーキー資格を持って出場した選手は次の14人でした。うち、規定出場機会(打者130打席、投手50投球回数)に到達してルーキーを卒業した選手は太字で記載の4人でした。一方で、赤字で記載の5人が今季メジャーデビューを果たしました。おめでとう!

Trea Turner
Felipe Rivero
Sammy Solis 
Trevor Gott (今季はわずか6イニングでしたが、前年までにエンゼルスで47.2イニングを投げていたため卒業)
Matt Grace
Rafael Martin
Wilmer Difo
A. J. Cole
Pedro Severino
Brian Goodwin
Reynaldo Lopez
Lucas Giolito
Koda Glover
Spencer Kieboom

チーム新人王はTrea Turnerリーグ新人王投票でも2位になったのですから当然です。

Syracuse(AAA)のショートで開幕から打ちまくり、夏にはAAAのオールスターにも選出されるなど昇格に向けた準備は万端。6月にRyan Zimmermanの出産立会休暇の際に3日間だけ昇格し、3打数3安打1四球と結果を残してアピールしましたが、本職であるショートではDanny Espinosaが(特に前半戦は)意外なほどの高いパフォーマンスを発揮していたため、なかなか本格昇格の機会はめぐってきませんでした。

7月8日にZimmermanのDL入りにより再昇格しましたが、当初はDaniel Murphyがファーストに入る日のセカンドとして起用される控え扱いでした。転機となったのはセンターへのコンバート。元々今季のナショナルズのセンターはオフにトレードで獲得したBen Revereがレギュラーと目されていましたが、開幕戦でDL入り。代役を務めたMichael Taylorが期待外れに終わり、復帰したRevereもさっぱり打てないという状態で7月下旬を迎えていました。Turnerにとって、センター守備は全く未経験の領域でしたが、持ち前の運動能力で最低限守れることが確認されてからは、「1番センター」でレギュラーに定着することになりました。

以降は下記の数字の通りの大活躍で、8月、9-10月と2か月連続で公式のナ・リーグ月間最優秀新人賞を受賞。特に9月には、他の打者陣が低迷する中で文字通り打線を引っ張りました。内容を見ても、もともと定評のあった打率、盗塁だけでなく、長打力も示し、ナショナルズあるいはMLB全体でも最もエキサイティングな選手との1人と評価されるほどになりました。

8月:   131PA 27R 5HR 15RBI .357/.366/.571 11SB
9-10月: 129PA 19R 8HR 18RBI .339/.380/.612 15SB
NLDS:  24PA 5R 1HR 1RBI .318/.333/.318  2SB

来季以降、長きにわたってナショナルズのリードオフを務めてくれることでしょう。問題は守備位置。ショートの守備力は最高レベルではないので、いずれどこかのタイミングで今季守ったセンターか、あるいはセカンド、サードへのコンバートもあるかもしれません。まあ、それは先のこと。

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かなり差がありますが、Turnerに次ぐ活躍を見せたと評価できるのが、NLDSでもロースター入りしたReynaldo LopezSammy SolisPedro Severinoの3人(Severinoついては、Wilson Ramosの故障という要因があったにせよ)。Lopezはトレードされていきましたが、残る2人は今後のナショナルズに不可欠の人材。特にSeverinoには2018年あたりには正捕手となってくれることを期待しましょう。

また、後半戦のクローザーMark Melanconとのほぼ1対1のトレードでパイレーツに移籍したFelipe Riveroも違った形で貢献してくれました。パイレーツでも結果を残し、ブルペン投手としてしっかりと地位を確立しています。

2 件のコメント:

5年目のNatsファン さんのコメント...

こんばんは。今年は申し分ない働きをしてくれたTurnerですが、個人的にはちょっと心配です。
マイナーではそれなりだった四球率がメジャーでは低い水準にとどまっている一方で、三振率はそこそこ高いんですよね。どうも個人的には数年前のWil Myersを思い出してしまって...
不安を吹き飛ばす活躍を期待したいところです。
いけませんね。どうも心配性なもので。でも好きなチームだからこそ、余計な心配をかけてしまうんですよね。

estoppel さんのコメント...

5年目のNatsファンさん
Wil Myersですか。まあ、今年はオールスターにも選ばれたレベルの選手ですから、Myersくらいに育ってくれればいいんじゃないかという感じもしますが、確かに、2年目のジンクス的な苦労はしていましたね。おかげでナショナルズにTurner(+Ross)が来てくれたわけですが。
マイナー時代の数字を含めて見てみると確かにおっしゃるような点では似ていますね。ただ、大きな違い、MyersにはないがTurnerにはある武器、が1つあると思います。それは足。俗に、足にスランプはないとも言います。内野安打である程度打率を維持できれば、多少の四球率の低さは目をつぶってもいいのではないでしょうか。
ともかく、守備でもショートへのチャレンジが始まります。しっかり応援しましょう!!