John Lannan (6 seasons for Nationals)
134G(134GS) 42W52L 783.2IP 296BB 410K 4.01/1.42
Patrick McDermott - Getty Image |
でもやっぱり、2008年からずっと見てきたファンとしては寂しいですね・・・。
まず来歴。ナショナルズとなって最初のドラフトとなった2005年ドラフトの11順目(1順目はRyan Zimmerman)。トッププロスペクトとして期待されたことは一度もありませんでしたが(参考まで、2006年BAランキング、2007年BAランキング)、22歳、Potomac(A+)で開幕を迎えた2007年シーズンに突如、覚醒。A+で2.13(8試合)、AAで3.25(6試合)、AAAで1.66(7試合)と好投を続けると、元々層が薄かった先発投手陣が故障もあって本当にいなくなってしまったというチーム事情もあって、7月26日のフィリーズ戦でメジャーデビュー。Chase UtleyとRyan Howardに連続死球を与えて退場となる伝説的なデビュー戦でした。ここまでは私がこのブログを始める前の話。
2008年。私がブログを始めて7つ目、2008年2月7日付のスプリングトレーニングに向けてのアウトルックを書いた記事がLannanに言及した最初の記事でした。
ジョン・ラナン(John Lannan)はマイナーで好投し7月にメジャーに昇格したものの定着できませんでした。しかし、07年のチームのMinor League Pitcher of the Yearに選ばれたように潜在能力は高く評価されており、左腕ということもあってローテーション入りへの期待は大きいです。
迎えたスプリングトレーニングでは5試合に先発し、防御率2.18、WHIP1.16と十分な結果を残しましたが、開幕投手となったOdalis Perezと、前年に実績を残した(といっても7勝9敗、防御率4.63の)Matt Chicoに押し出される形で開幕直前にマイナー行き通告を受けました。が、開幕早々DL入りしたChad Corderoに代わって昇格し、4月6日の試合で先発すると、以降メジャーリーガーとしての地位を確立していきました。
2008年はTim Reddingに次ぐチーム2位の9勝。開幕投手を努めた2009年は、103敗を喫した最悪のチーム状態の中でチーム最多の9勝と孤軍奮闘。7月21日のメッツ戦では(これまでの)キャリアでただ1度の完封も記録しました。2010年にも2年連続の開幕投手。この年は不振で6月下旬から約1か月AAへの降格も味わいましたが、8月に復帰すると残りの11先発で6勝と完全復活。翌2011年には、(これまでで)ベストのシーズン防御率3.70、そして念願の2桁10勝を記録し、投手として一皮向けた印象もありました。速球に威力がなく制球重視で打たせて取る投手という印象が強い投手でしたが、2010年8月に再昇格した頃からは球速が常時90マイルを越えるようになり、奪三振率も上がっていました。そういう意味でも進化しており、大いに期待していました。
ところが。迎えた2012年。Stephen Strasburg、Jordan Zimmermannの台頭、Gio Gonzalezのトレード獲得、そしてEdwin JacksonのFA獲得により層が厚くなった先発投手陣にあって、球団の戦力構想から外れていることが徐々に明らかになっていきます。スプリングトレーニングではローテーションの残り1枠を王建民、Ross Detwilerと争う立場で迎えると、王の故障もあってローテーション入りはほぼ確実かと思われながら、開幕直前にマイナー行きを通告されました。トレード志願を表明したものの、500万ドルの年俸を負担して引き取る球団は現れず。不本意な気持ちでAAAで投げていたことは想像に難くなく、特のシーズン序盤はAAAでも打ち込まれる試合が多く、ますますトレード価値としては下がってしまいました。それでも徐々に調子を取り戻し、7月と8月にようやく巡ってきたスポット登板の機会ではいずれも白星。そして9月にはイニングリミットでシーズン終了となったStrasburgの穴を埋めて、9月の4先発で2勝とチームに貢献してくれました。これまでの功労者に報いる意味でもディビジョンシリーズのロースターには入れてあげたかったというのが個人的な気持ちでしたが、チームの判断は非情なものでした。この時点で今回のノン・テンダーはほぼ確実かなと思いました。
結局、Lannanがナショナルズのユニフォームを着て投げた最後の試合は10月1日のフィリーズ戦となりました。負け投手にこそなりましたが、5回を2失点と好投で締めくくりました。なにより、ナショナルズが球団史上初の地区優勝を決めた記念すべき試合の先発投手を務めたという記録が残りました。あの試合を球場で観戦できたのも何かの縁かな、なんて思います。
こうして積み上げてきたLannan のナショナルズでの6年間の記録は次の通り。カッコ内はナショナルズ歴代のランク(2位となっているもののの1位は全てLivan Hernandez)。
134先発(1)
783.2 投球イニング(2)
42 勝利(2)
52 敗戦(1)
410 奪三振(2)
820 被安打(2)
77 被本塁打(2)
393 失点(2)
296 与四球(1)
30 与死球(1)
ナショナルズの弱い時代を支え続けてくれたのがLannanでした。ありがとう。さようなら。
といっても28歳。まだまだキャリアは続くはず。新天地での活躍を期待しています。
4 件のコメント:
圧倒的な強さがあるわけではないのですが、エースでしたよね。毎度併殺で打ち取る辺りが、ハラハラしますが面白かったです。
PHI戦に弱くATL戦では最強だったLannan。本当に面白い投手でした。去年10勝した時には、私も嬉しかったです。
こんな形でLannanを放出するのはとても寂しいです。
しかし、World Serieseを目指すため、来年もチームには頑張ってもらいたいですし、Lannanはこれからも息長く続けて欲しいです。
匿名さん ありがとうございます。
頂いたコメント全て同感です。
他にも、満塁で迎えた打者(通算62人)を.115/.177/.115とほとんど完璧に抑える「逆満塁男」ぶりも知る人ぞ知る数字。ホントに不思議な投手でした。
投球スタイルから言っても長いキャリアが待っているはず。これからも見守ってあげましょう。
Lannan...よりによってPhillies ですか。。。これは想定外でした。
頑張ってほしいと思うんですが、複雑です(笑。
Philliesファンはどうなんでしょうね。Utley 怪我さしてますから、Lannanの印象はよくないとは思うんですが。
匿名さん
デビュー戦でUtleyに怪我させて以来、フィラデルフィアではいつも特に強烈な野次を浴びてきたのは事実。
ですが、先ほどフィリーズファンのファンフォーラムをちらっと見てきた限りでは、概して歓迎で、放出したナッツを見返してやれ、という雰囲気でしたね。
私は応援しますよ。どこに行ってもLannanはLannan。
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