主力選手の打撃成績は以下の通り。シーズンを通じてフル出場したと言えるのはLaRocheとEspinosaの2人だけ。ほとんどの積み上げ系はこの2人が記録。2人以外に規定打席に到達したのはZimmerman、Harper、Desmondの3人。打率と長打率のWerthとMooreは規定打席に到達していないためこんな色にしています。
G | PA | 2B | 3B | HR | R | RBI | BB | SO | BA | OBP | SLG | SB | |
Jesus Flores | 83 | 296 | 12 | 1 | 6 | 22 | 26 | 13 | 59 | .213 | .248 | .329 | 1 |
Adam LaRoche | 154 | 647 | 35 | 1 | 33 | 76 | 100 | 67 | 138 | .271 | .343 | .510 | 1 |
Danny Espinosa | 160 | 658 | 37 | 2 | 17 | 82 | 56 | 46 | 189 | .247 | .315 | .402 | 20 |
Ian Desmond | 130 | 547 | 33 | 2 | 25 | 72 | 73 | 30 | 113 | .292 | .335 | .511 | 21 |
Ryan Zimmerman | 145 | 641 | 36 | 1 | 25 | 93 | 95 | 57 | 116 | .282 | .346 | .478 | 5 |
Mike Morse | 102 | 430 | 17 | 1 | 18 | 53 | 62 | 16 | 97 | .291 | .321 | .470 | 0 |
Bryce Harper | 139 | 597 | 26 | 9 | 22 | 98 | 59 | 56 | 120 | .270 | .340 | .477 | 18 |
Jayson Werth | 81 | 344 | 21 | 3 | 5 | 42 | 31 | 42 | 57 | .300 | .387 | .440 | 8 |
Steve Lombardozzi | 126 | 416 | 16 | 3 | 3 | 40 | 27 | 19 | 46 | .273 | .317 | .354 | 5 |
Roger Bernadina | 129 | 261 | 11 | 0 | 5 | 25 | 25 | 28 | 53 | .291 | .372 | .405 | 15 |
Tyler Moore | 75 | 171 | 9 | 0 | 10 | 20 | 29 | 14 | 46 | .263 | .327 | .513 | 3 |
Kurt Suzuki | 43 | 164 | 5 | 0 | 5 | 17 | 25 | 11 | 20 | .267 | .321 | .404 | 1 |
【捕手】
数え切れないほどの故障に見舞われました。時系列的に振り返ります。開幕レギュラーのWilson Ramosはわずか25試合に出場したところでひざの靭帯損傷でシーズン絶望(離脱時の打撃成績.265/.354/.398)。代わって起用されたルーキーのSandy Leonはデビューわずか4イニング目に本塁での交錯プレーで離脱。とりあえず33歳のAAAA選手Carlos Maldonadoでつないだものの、正捕手のJesus Floresがハムストリングを痛めて(DLは回避したものの)5月末にはJhonatan Solanoを昇格させることに。6月に入ると今度はMaldonadoがDL入り。さらに、なかなかいい打撃を見せていたSolanoも7月のオールスター明けには脇腹の痛みでDL入りとなり、Leonが復帰。8月上旬にKurt Suzukiをトレードで獲得して、ようやく落ち着きました。
なんといっても残念だったのはRamosの故障離脱。かなりの重症で2度の手術を経て、まだリハビリ中だそうです。来季の開幕に間に合うかどうか後遺症はないかどうか気がかりです。
Floresが、Ramosの離脱からSuzukiの補強までの約3か月間、レギュラーを任されながら全く結果が出せず、遂にノンテンダーFAとして退団することになったのも残念でなりません。私がブログを始めた頃には将来のレギュラーと期待していましたが、ついに居場所がなくなってしまいました。
一方収穫は、こうした経緯の中でSuzuki、Ramos(順不同)という強力な2枚のレギュラーに加え、Solano、Leonという若手にも経験を積ませることができたことでしょう。特にLeonは、元々かなり高い評価を受けていた守備に加え、打撃でも高い出塁率で評価を上げました。
【内野手】
一塁手はLaRocheがほとんどフル出場。スロースターターという悪評はどこへやら、4月に打率.329と好発進。6月に一時減速しましたが持ち直し、勝負どころの9-10月に打率.324、10本塁打とチームを引っ張りました。元々評価の高かった守備でも安定した動きを見せ、多少逸れたボールなら難なく処理し、他の内野手を助けてくれました。リーグMVP投票6位、ゴールド・グラブにシルバー・スラッガーまで獲得する素晴らしいシーズン。(堂々とFA市場に打って出ましたが、この記事を書いている時点ではまだ契約していません。)
主に二塁を守り、DesmondがDL入りしていたときにはショートも守ったEspinosaがチーム最多の160試合出場。昨季後半の減速を踏まえ、修正できるかどうかが問われましたが、数字も内容もあまり変わりませんでした。特に189三振はナ・リーグ最多。明らかに対策が必要。このままではレギュラーの座は安泰とは言えません。来季は(今季のDesmondのような)飛躍が望まれます。
今季一番の飛躍を遂げた野手と言えばDesmondでしょう。今季の5月頃まではエラーの多さ、出塁率の低さなどが指摘され、ファンの間でも将来のショートとして期待すべきかどうか意見が二分していましたが、夏場以降の活躍で完全に反対派を黙らせることに成功。夏場にかけて調子を上げ、初のオールスター選出(脇腹の故障のため辞退)。その脇腹痛で約1か月離脱しましたが、復帰後も好調を持続し、9-10月に本塁打と盗塁を積み上げ、20-20を記録。シーズン終了後には、シルバー・スラッガー賞を獲得するとともに、MVP投票でも投票を受けました。昨季は酷評された守備でも大きな進歩を見せ、エラー数を2010年の34個から、昨季の23個、今季の15個へと減らし、今季のUZR/150では遊撃手で10位という好成績。
開幕前に6年1億ドルで契約延長に合意したZimmreman。ところが開幕から大不振。右肩の痛みで4月末からDL入りしたりしましたが、成績は向上せず。6月23日終了時点での打撃成績は.218/.285./305、わずか3本塁打と散々でした。これを救ったのが6月24日の試合前に打ったコルチゾン注射。以降の90試合では、.321/.383/.584で22本塁打73打点とMVP級の活躍でした。初のポストシーズン出場となったNLDSでも.381/.364/.714、2本塁打。さすがです。
スプリングトレーニングで活躍し、開幕ベンチ入りを果したLombardozzi。Desmondの離脱中はセカンドを、Zimmerman離脱中はサードを守っていい動きを見せ、バットでも十分通用するところを示しました。チーム事情でレフトまで守りましたが、こちらの守備は・・・。
【外野手】
Harperについてはチーム新人王についての後の記事をお待ちください。
昨季は散々だったWerth。4-5月を.276/.372/.439となかなかの滑り出しを見せていましたが、5月6日のフィリーズ戦で左腕を骨折。8月2日に復帰すると、約3か月間ベンチからチームの快進撃を眺めていただけの鬱憤を晴らすかのように8月は.358/.435/.505と打ちまくりました。9-10月はやや減速したものの、それでもシーズン打率.300ちょうど(300打数90安打)で終了。昨季に比べて三振が減り、かつ変わらず出塁率が高いままと内容も評価できるもので、シーズン終盤はリードオフを任され、打線を引っ張りました。懸念は本塁打がわずか5本だったこと(シーズン10本ペース)。4年連続20本以上だった高額契約選手としては不満と言わざるを得ません。が、しかし、NLDS第4戦のあの一発はまさに値千金でした。
昨季代ブレークし、レフトのレギュラーと目されていたMichael Morseでしたが、スプリングトレーニング中に痛めた背中の痛みが長引き、6月に入ってようやく開幕。その後は昨季とあまり変わらないペースで打ちましたが、やはり2か月も戦線離脱したのは残念でした。
6月にMorseが復帰してからもWerthが帰ってくる8月までMorseはライトを守ったため、空いたレフトを守ったのが、Steve Lombardozzi、Tyler Moore、Roger Bernadinaの若手3人でした。Lombardozziは上述。Mooreも本職は一塁手ながらLaRocheにブロックされ、ほとんど経験のないレフトを守ることになりました。守備ははっきり言ってお粗末でしたが、打撃のほうは171打席で2ケタ10本塁打と期待通りの成績。そしてNLDS第1戦で殊勲の一打。来季のブレーク候補と期待しています(LaRocheと再契約したらまたブロックされますが・・・)。そして嬉しかったのがBernadinaの活躍。昨季のプレーでフロントの信頼を失い正念場として迎えた今季。先発出場こそわずか49試合でしたが、代打、代走を併せて計129試合に出場し、.291/.372/.405の成績は立派。特に出塁率の高さは特筆もの。代打で出てきて粘って四球という場面が目立ちました。盗塁数15に対して失敗3つというのも安定しています。
開幕戦でセンターを守ったのは2年連続でRick Ankielでしたが、相変わらずの低打率(最終的に.228)。Harperの昇格以降次第に出場機会を失い、代打で三振という場面を繰り返し、次いで守備固め要因となり、7月下旬にDFAされました。苦労人だけにまたどこかでプレーしてくれるといいなと思います。
代打要員の中で圧倒的に目立ったのがChad Tracy。シーズン序盤に何度も殊勲打を放ちました。5月下旬から約2か月故障で離脱しましたが、8月に復帰してくるとまた活躍し、そのままポストシーズンまで代打の切り札として起用されました。今季はマイナー契約からのスタートでしたが、8月に契約を延長し、来季もナショナルズのベンチに入る見通しです。
【MVP】Adam LaRoche
LaRocheとDesmondで迷いました。Desmondのほうが印象は抜群でしたが、やはりシーズンを通じて打線を引っ張ったことに、守備での貢献も加味して、LaRocheとしました。
勝手MVP Pointでも、LaRocheが野手トップの8Wに対して、Desmond(とHarper)は7W。ちなみに6Wに、Zimmermanと並んでTyler Mooreが入りました(NLDSでの2ポイントが効いていますが、それでも控え選手としてこの活躍は立派です)。
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