2016/10/29

Aaron Barrett退団

Aaron Barrett投手がFA退団しました。

これまで40人ロースター(60日DL)に入っていたBarrett。今週になってウェイバーにかけられたもののクレームする他球団がなかったことから、ナショナルズは傘下のSyracuse(AAA)行きを打診しましたが、これを拒否してFAとなる道を選びました。

2010年のドラフト9順目入団(Bryce Harperの同期)。2012年に頭角を現し、2013年にはHarrisburg(AA)のクローザーとして結果を残し、オフに40人ロースター入り。それでも全く無名のプロスペクトでしたが、2014年のスプリングトレーニングで好投して開幕ブルペン入りすると、開幕戦で同点の9回に起用され、結果的にメジャー初白星を記録しました。その後、夏場に調子を落としたものの、9月には調子を取り戻し、チームの地区優勝に貢献。ジャイアンツとのNLDSでもロースター入り。そして、(これまでの)キャリアのハイライトとなったNLDS第4戦でのワイルピッチがありました。あのワイルドピッチが汚点と言えば汚点ですが、それでも、2014年はBarrettにとって大きな飛躍の年。当ブログでも、チーム新人王に勝手に選ばせていただき、これからのナショナルズのブルペンを支える投手として大きな期待をかけていました。

ところが、この後は故障に苦しむことになります。翌2015年、開幕からしばらくはセットアッパーとして活躍しましたが、6月に右腕の痛みを訴えてイニング途中で降板。休養とリハビリで7月に復帰しjたものの、8月に右ひじ痛で再度のDL入り。右ひじのじん帯断裂が判明し、9月にTJ手術に踏み切ることになりました。これだけなら多くの投手が通ってきた道なのですが、残念ながらこれで終わりませんでした。リハビリも終盤に入っていた2016年8月、マウンドからの投球練習で再び右ひじを痛めて再手術。今季中の復帰どころか2017年の開幕にすら間に合わないと見込まれています(本人周辺は、2度目の手術はTJではないので来季の開幕には間に合うと言っていますが、現実的には無理みたいです)。

このように故障に苦しむことになった原因は、ひとえに登板過多でしょう。2014年の活躍で信頼を得た結果ではありますが、2015年は開幕から勝ち試合ではほとんど常に登板させられ、6月に最初にDL入りした時点までのチーム60試合のうち実に半分の30試合に登板させられていたほどでしすから。この毀誉褒貶のあったMatt Williams前監督でしたが、このBarrettの処遇は大きな汚点でしょう。

DLとは言えずっと40人ロースターに席を置いていたことからメジャー在籍期間が約3年(3年には少し足りませんが、いわゆるスーパー2という特例対象)でこのオフには年俸調停対象となり、年俸上昇することが見込まれることとなりました。が、一方で来季も、また故障履歴からしてその後も復帰できるかどうかが不透明な選手となったことも事実。このタイミングで40人ロースターから外すことを球団が決断したことについて、浪花節的には可哀想ですが、ビジネスとしては肯首できます。

才能ある選手がこうした形で退団することは残念。他球団ででもいいので、いずれまたメジャーのマウンドに戻ってくることを心から願っています。来季開幕時でもまだ29歳。やれるはずです。

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