シリーズ第14回は、トッププロスペクトとして名が上がるにしては珍しく打撃成績では全く目立たないPedro Severino捕手です。
[Player Data]
Name: Pedro Severino
Position: CA
Born: July 20, 1993
Birthplace: Bonao, Dominican Republic
School: NA
Height: 6-1
Weight: 180
Bats: Right
Throws: Right
Draft: NA
Acquired: International FA
BA Organization Rank: 13(2014) ⇒ 14(2015) ⇒11(2016)
BA Overall Rank: NA
[Scouting Report]
ほとんど守備力だけでプロスペクトとして非常に高い評価を得ている珍しい選手。最大の売りは、打撃のマイナスを補って余りある守備力。地肩の強さに加え、捕球から送球への動作も極めて速く、簡単には盗塁を許さない(マイナー通算の盗塁阻止率は約40%)。運動能力の高さを見せつけるバントやキャッチャーフライの処理だけでも人目を引くレベル。フレーミングも既に高評価を得ている。いわゆるメイクアップも高く評価され、チームメイトに比べてかなり若いにもかかわらず、リーダーシップを発揮しているとのこと。打撃についても、年々と向上し、メジャーでも最低限打てる力がある。
[Background]
ドミニカ出身。2010年12月に17歳でナショナルズと契約。
2011、12年はともにGCL Natinals(Rk)に所属。盗塁阻止率が高いことが目立つくらいで、2年間合わせた打撃成績は、.201/.280/.277と全く打てず。
それでも、2013年に控え捕手としてHagerstown(A)に昇格すると、正捕手が負傷離脱した隙にその座を奪うことに成功。波はあったものの.241/.274/.333という打撃成績を残し、元々評価されていた守備力も相まって、プロスペクトとしての評価を一気に高めた。とはいえ、守備型捕手プロスペクトの評価は難しく、BAでは上記のとおり13位だが、BP, MLB.comではトップ10入りしている一方でSickelsではトップ20にも入らないなど、評価が割れた。
まだ20歳ということもあり、Aをもう1年かと思われた2014年はPotomac(A+)に昇格して開幕。健康にシーズンを過ごし、高い盗塁阻止率を続けながら、打撃でも.247/.306/.399、9本塁打と前年をも上回る成績。注目は本塁打数。前年のわずか1本から一気に9本へ。しかも三振率は上がらず。アリゾナ秋季リーグにも派遣され、12試合に出場して、.250/.292/.341とまずまずの成績。
2015年にはメジャーのスプリングトレーニングに初参加。開幕後は、Harrisburg(AA)の正捕手としてプレーし、7月にはEastern Leagueのオールスターに選出される。91試合出場で.246/.288/.331の打席成績を残し、セプテンバーコールアップでメジャー初昇格。Wilson Ramos、Jose Lobatonの後の3番手捕手としてベンチを温める日が続いたが、9月20日に代打でメジャーデビュー(レフトへの二塁打)。最終戦では先発マスクをかぶった。
2016年のスプリングトレーニングでは、10試合で打率4割超と打った上、リード面での評価をさらに上げた。開幕後は、Syracuse(AAA)の正捕手として過ごしつつ、4月、7-8月にスポット的にメジャーでもプレーした後、セプテンバーコールアップで昇格。やはりRamos、Lobatonに次ぐ立場であったが、9月26日にRamosが右足負傷で離脱したため出番が急増。NLDSでも第1戦の先発マスクを含む4試合に出場することになった。守備はもちろん高評価の上、打撃成績も、AAA(82試合)で.271/.316/.337、メジャー(16試合)でも.321/.441/.607と飛躍の年となった。
2015年にあっさりとメジャーに到達し、その後も順調に成長しています。Wilson Ramosの故障離脱という形で運も味方し、NLDSでもプレーする機会を得、しっかり評価を上げました。RamosのFA退団が濃厚で(Lobatonも年俸調停の対象ですがノンテンダーの可能性あり)、来季の捕手ポジションは白紙状態のナショナルズ。オフにRizzo監督がどういう動きを見せるか分かりませんが、Severinoにレギュラーを任せてベテランの控え捕手を補強するという策も選択肢に入っているはず。私としてはそれを支持したい。現時点で23歳、大きな可能性を感じさせる選手です。(2016年10月)
2014年には打撃、特にパワー面で大きな伸びを見せたことからプロスペクトランキングで上位に入ってくるかと思いましたが、意外とそうでもなく、トップ10入りには至りませんでした。それでも、層が厚い捕手プロスペクトの中での最高評価。期待しています。(2015年3月)
守備力、特に捕手守備力を計るスタッツはほとんどなく、Aでは動画を見ることもままならず。日々追いかけるのはなかなか難しいというのが正直なところ。とりあえず、故障離脱がないことを願っています。(2014年5月)
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