2019/10/11

NLDSをふりかえって

第5戦までもつれ込んだ末にナショナルズが制したNLDS。公式にはMVPがないので当ブログで独自に選んでみようかと思ったのですが、結論的には無理でした。Stephen Strasburg, Max Scherzer, Anthony Rendon, Juan Soto, Ryan Zimmerman, Howie Kendrickと候補には事欠きませんが、それぞれにあまりに強いインパクトを残す活躍のため、とても1人を選べません。Dave Martinez監督という選択も考えましたが、いやいや、それは違う。 

ということで、数字を見ながら個々の選手について思いつくままに振り返ってみることにしました。数字はbaseball referenceのNLDSのページをご参照ください。

[野手編]

  • ポストシーズンが始まる前に書いた記事で調子を落としているのが心配と書いたRendonとSotoの2人でしたが、ワイルドカードゲームの8回以降、見事に結果を残し、NLDSでは2人ともOPS1.000超。チーム5本塁打のうちの3本、21点のうちの9点を2人で叩き出しました。もちろん最大のハイライトは第5戦、8回のClayton Kershawからの連続ホームラン。2000年代初めのDavid Ortiz-Manny Ramirezコンビとだぶって見えました。
  • Trea TurnerとAdam Eatonの1、2番コンビもしっかり出塁して貢献しました。Turnerの最大の貢献は第2戦の初回の二塁打でしょう。初戦の完封負けの後の一打はシリーズ全体の流れを左右する貴重なものでした。Eatonも打率こそ低いもののチーム最多の5四球。第5戦の延長10回、先頭打者として歩いたのもEatonでした。
  • ZimmermanとKendrickは、もちろんそれぞれ第4戦と第5戦の試合を決定付けホームランを打ってくれて、もうそれだけで十分です。ともに30代後半のベテラン。若手とベテランがうまく噛み合っているという印象のナショナルズを象徴する2人の活躍でした。
  • Kurt SuzukiとYan Gomesの捕手コンビは、2人合わせて1本しかヒットを記録していませんが、四死球では5度出塁。第5戦で四球を受けて途中退場したSuzukiの状態が気になります。また、Suzukiがシーズン終盤にヒジを痛めて離脱していたことが影響したかどうかはわかりませんが、ドジャーズに5度走られ(いずれも二盗)1つも刺せなかったことも気になります。
  • 故障の状態が気になると言えば、第2戦の走塁で足を痛めて交代したVictor Robles。 第5戦では代打は可能という話でしたが、結局出番なし。ロースターから外れることはないと思いますが、足が大事な武器の選手だけに心配です。
  • もっとも、NLDSに限ればRoblesの代役として出場したMichael A. Taylorが立派に結果を残しました。打率3割超えのバッティングもさることながら、センター守備はさすがの安定感。第5戦の10回裏、最後の打球をつかんだ後のはにかんだ笑顔は、まさにTaylorらしいものでした。
  • Asdrubal Cabrera, Brian Dozier, Matt Adams, Gerardo Parraのバットからは快音は 聞かれませんでしたが、Dozierは守備固めとして貢献したし、Parraは相変わらずベンチで盛り上げ役を務めてくれました。NLCSでは試合の流れを変える代打の一振りを期待しています。
  • 最後にチーム打撃成績。.230/.321/.373、5本塁打、21得点、0盗塁。スラッシュラインの数字はポストシーズンならこんなものかなという感じ。ドジャーズの.220/.303/.428、勝ち上がったカージナルスの.251/.314/.423と比べても遜色ありません。気になるとすれば盗塁0。レギュラーシーズンではそれなりの武器となっていた機動力が完全に封じられたことに原因があるなら懸念材料です。

[投手編]

  • Stasburgが2度、Scherzer, Patrick Corbin, Anibal Sanchezが各1度務めた先発。5試合計29イニングで自責点7(失点8)、被安打20、与四球11。防御率/WHIPに直せば、2.17/1.07。42奪三振。上出来どころか、サイヤング賞並みの内容でした。
  • にもかかわらず簡単に勝てなかった要因はむろんブルペンです。Sean DoolittleとDaniel Hudsonの2人は計6イニングを投げて1失点と仕事をしましたが、他の本職ブルペン投手は4人で計6イニングで自責点7、被安打10、与四球5。防御率/WHIPに直しましょうか?10.50/1.67ですね。被本塁打4。第5戦で起用され、1イニングを三者凡退に抑えたTanner Raineyには期待できますが、あとは・・・。4人の中に、イニング数を超えるホームランを打たれているピッチャーがいますね。NLCSではJavy GuerraかErick Feddeに代えるべきだと思います。で、NLDSでは登板機会のなかったAustin Vothにブルペンから投げさせてはどうでしょうか。
  • そんな頼りにならないブルペンのため、Scherzerか1度、Corbinが2度、リリーフ登板することになりました。第2戦の8回裏のScherzerの三者連続三振も強烈な印象を残しましたね。Corbinも第3戦では派手に打ち込まれましたが、第5戦ではしっかりと投げました。仮にDoolittle以外に左腕がいないままで行くならNLCSでもブルペン左腕として出番があるかもしれません。
  • 最後に、チーム全体としての投手陣のパフォーマンスという点で1つ紹介しておきたい数字は、ドジャーズの主砲、リーグMVP候補のCody Bellingerの打撃成績です。21打席に立ち、4安打(長打は二塁打の1本だけ)、2四球、7三振。.211/.286/.263。そして、打点0。見事に敵の主戦力の非戦力化に成功しました。シリーズの勝因はここにあったのか、という感じです。

[番外編]
5試合のうち、勝った第2戦、第4戦、第5戦に共通する法則があります。さらに言えば、ワイルドカードゲームも含めて法則は生きています。何か分かりますか?

私がコメント欄でフォロー実況した試合は全勝。しなかった試合は全敗なのです。

NLCSの第1戦、第2戦は日本時間でいうと土曜日と日曜日の午前なのでフォローする予定ですが、もしこの2試合も勝ってしまったら・・・火曜日以降どうしたものでしょうか。いちおう生活していくための本業を持つ身なのですが・・・。

是非2連勝して、大いに私を悩ませてください。

2 件のコメント:

マル さんのコメント...

estoppelさん

こんにちは。振り返りの記事をありがとうございます。

素晴らしいNLDSでしたが、各々の活躍が印象的で、その中から1人選ぶというのは自分にも無理です(笑)
それにしても選手たちがこれほどポストシーズンで頼もしく見えるのは初めてのことです。
NLDSを突破した瞬間は満足してしまいましたが、いざNLCSに入るとNLチャンピオンもワールドチャンピオンも欲しくなってきました(笑)

お互い全力で楽しんで応援しましょう!

estoppel さんのコメント...

マルさん
ありがとうございます。ホントにね、一瞬満足しましたが、今日の第1戦を勝ったことでますます欲が出てきました。何よりこの素晴らしいロースター(NLCSを前に入れ替えがあったことでようやく言えます)の選手たちの戦いを少しでも長く応援したいという気持ちです。

明日の朝も楽しみです。頑張って早起きしましょう!