2019/10/20

相手はアストロズ!WSプレビュー

ALCSは、第6戦の9回裏、Jose Altuveのサヨナラ2ランという劇的な結末でアストロズがヤンキースを降して終わりました。

これにより、日本時間10月23日(水)朝に開幕するWSの第1戦がヒューストンのミニッツメードパークで行われることが決定。NLCSが終わってから長い休みに入っていたナショナルズの選手も、対戦相手が決まり気持ちを新たにしていることでしょう。

アストロズといえば、2017年以来フロリダ州West Palms Beachのスプリングトレーニイングのファシリティをナショナルズと共有している友好(?)チーム。今年2月のスプリングトレーニングの初戦の対戦相手でした。このWSで戦った後、来年2月も最初の対戦相手の予定となっています。

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強敵です。2017年に球団創設(1962年)以来初のWS制覇を成し遂げ、昨シーズンはALCSで敗退したものの、今シーズンまで3年連続100勝以上(その間の311勝となると1969-71年のオリオールズの318勝に次ぐ史上2位)。しかも恐ろしいことに101→103→107と年々勝ち星を増やしています。今シーズンの107勝は30球団最多。チーム打撃成績、.274/.352/.495はいずれも30球団トップ、チーム投手成績、3.66/1.13はいずれもドジャーズに次ぐ2位。奪三振数・奪三振率ともに1位。先発・ブルペンに分けてもほとんど変わりません。

つまり、攻守において全く隙のない、ものすごく強いチームだということです。

ちなみにナショナルズはといえば、チーム打撃成績は、6位/2位/7位、チーム投手成績は、13位/8位、奪三振の数字はいずれも8位となっています。先発投手に限った防御率だけが唯一アストロズを上回る2位(アストロズは3位)ですが、裏を返すとブルペンの防御率は29位(アストロズは2位)となります。

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そんな強豪アストロズですが、いろいろな意味でナショナルズと似ています。その1つが、今の強豪チームを作ることになったプロセス。

このブログを始めた2008年、2009年、2年続けてナショナルズは100敗以上を喫し、それで得たドラフト全体1位指名権を使ってStephen Strasburg(2009年)、Bryce Harper(2010年)を獲得。この2人と翌2011年に1巡目全体6位で指名したAnthony Rendonを核にチーム作りを進め、強化を図ってきました。その前からいるRyan Zimmermanとともに。

一方のアストロズは、ナショナルズの上を行く2011年からの3年連続100敗以上で、翌年のドラフト全体1位指名権を取得。2012年のCarlos Correaの指名は当時は意外に受け止められましたが結果的には大当たり。2013年は大外れで、2014年には入団拒否にあったりしましたが、その補償で得た翌2015年の全体2位で指名したAlex Bregmanがまた大当たり。その前からいるJose Altueveとともにチームを作ってきました。(しっかりWSを制したところはナショナルズを真似しませんでしたが。)

再建期といえば聞こえはいいものの、むしろ負けを推奨しているようで賛否両論あるところですが、両チームがある種の成功モデルを提供したことは確かです。

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現在の戦力に目を転ずると、まず、両チームのローテーションは強烈です。夢のマッチアップと言ってもいいでしょう。両軍のエースは、ともにサイ・ヤング賞を複数回の受賞し、タイガースでチームメイトだったMax ScherzerとJustin Verlander。2010年の全体1位Strasburgと2011年の全体1位Gerrit Cole。2人とも今季キャリアベストの結果を残しました。そして、昨シーズンまでDバックスでチームメイトだったPatrick CorbinとZack Greinke(ちょっと後述しますがとりあえず)。全く互角と言っていいと思います。差が出るのは4番手。ナショナルズはAníbal SanchezがもはやBIG 4と言っていい活躍を見せていますが、アストロズには対抗する投手はいません。この差がナショナルズに勝機を産んでくれる、と期待しましょう。

野手陣もタレントぞろいですが、中心となるのは両軍のサード。ナショナルズは言うまでもなくリーグ打点王のRendon。アストロズはレギュラーシーズンでチーム最多の41本塁打、112打点の4番Alex Bregman。要注意です。

そして、Ryan ZimmermanとJose AltuveのFace of Franchize対決も注目です。Altuveはまだ29歳と若いのでZimmermanと比較するのは若干微妙な気分ですが、MLB選手とは思えない小柄な体型でのエネルギッシュなプレーぶりと低迷期(Altuveのメジャーデビューは2011年)を乗り越えてきた選手ということで、アストロズファンから絶大な人気を誇る選手です。そのAltuveがWS進出を決めるサヨナラ本塁打。アストロズが勢いに乗らないはずがありません。

最高の状態の最強のチームとガチンコでぶつかるWS。上等です。楽しみでなりません。

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最後につまらないことを2つほど。

アストロズとヤンキース。ALCSを見ながら、どちらと対戦したいかと考えていましたが、私の中では断然アストロズでした。

伝統あるヤンキースを破っての初のWS制覇というのもシナリオとしては素敵だなとか、田中将大のいるヤンキースとの対戦となれば日本での注目もアップし、ナショナルズの魅力も広まるかなとかも思いましたが、やはりヤンキースが勝つことはそれ自体気分が悪いことです。街中でNYのキャップをかぶっている人を見るだけで内心「Yankees S**K」と呟いているくらいですから(口には出てないと思います。たぶん)。ヤンキースが勝ち上がるなんてことは、全然全く喜べません。

そしてもう1つ、アストロズを応援した理由がありました。それは、Zack Greinkeと対戦する機会を望んだということです。私は今もちゃんと覚えていますよ。2011年のオフにGreinkeから受けた仕打ちを。しつこいと言われても、あの時のショックは強烈でしたから。あれから8年。Greinkeにとってもこれがようやくたどり着いた初のWSの舞台。是非とも、Greinkeの目の前で先にWSを制覇するところが見たいです。

そんなつまらない話で締めくくっていいのか分かりませんが(笑)、以上をもちまして、当ブログのWSプレビューとさせていただきます。

Let’s Go Nats!  Stay in the Fight !!

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