遂に借金生活に突入し、ポストシーズン進出がいよいよ危なくなってきたナショナルズ。何がどう悪いのか。「打てない」という印象もありますが、実際はどうなのか、データで確認してみました。
まずオールスター前と後の成績です。
1試合当たりの得点が4.28点から3.57点に下がっており、打てなくなっているのは確かです。
しかし同時に、1試合当たりの失点も3.86点から4.50点へと、得点の減少とほぼ同じ規模で増えてしまっています。次に、投手陣の内訳をみると、次のとおりとなっています。
Max Scherzerを始め、前半戦に比べて先発が序盤で崩れるケースが目立つ印象がありましたが、数字を見ても確かに悪化しています。しかし、それをはるかに上回る悪化を示しているのがブルペン。ひど過ぎます。ブルペンの強化がポストシーズンを勝ち抜く上で重要というのは近年のMLBでは定説になりつつあり、そのためにJonathan Papelbonを補強したはずですが、効果を発揮していません。というか、オールスター後の数字をPapelbonのトレードの前後で分けて見るとむしろ逆効果となっています。
Papelbonのトレード以降のブルペン防御率はなんと5点台と目も当てられない惨状。当初から微妙な印象を持ったトレードでしたが、これほどまでにブルペン投手陣の成績、そしてチーム成績を悪化させてしまうと明確に失敗だったと評価するしかないでしょう。Papelbon自身の数字は5試合5イニングに投げて2失点(防御率3.60)とさほど悪くないのですが、他の投手、特にDrew Storenがひどいことになっています。
Drew Storen:
Papelbonトレード前 38G 1W-0L-29SV 1.73/1.02 7ER 44K
Papelbonトレード後 9G 1W-2L-2HD 10.38/1.27 10ER 11K
この間にStorenのシーズン防御率は1.73から3.40まで倍増。なお、PapelbonとStorenの数字を除いたPapelbon移籍後のブルペン防御率は4.57となりますので、それでもやはりかなり悪化していることになります。
結論。Papelbonのトレードが今回のチーム状況の悪化の原因であった。
これまで当ブログではMike Rizzo GMに対して信頼を寄せてきましたが、今回のこのトレード、特に(1度ならずに2度までも)Storenをぶっ壊した責任は重いと言わざるを得ないと思うようになりました。ここからチームが大逆転を見せてくれない限り、シーズン終了後には何らかの形で責任を取るべきであると主張しておきます。
6 件のコメント:
Papelbonの獲得は疑問でしたが、ここまでチームの成績が落ちるとは思いませんでした。
何とか持ち直してほしいのですが・・・
こんにちは。初めまして。いつも楽しく拝見しております。
最近本当に酷いですね。
ただし、当該記事の結論は些か飛躍してはいないでしょうか。
パペルボンの獲得によりCLとしての職務を失ったことでストーレンが調子を落としているように読めますが、そう仰るなら、私としてはストーレンがプロフェッショナルであるならチームの為に如何なる役割も果たすべきと考えます(勿論、彼の心情は私も大いに察するところであります)。パペルボンが炎上続きならこの記事にも同意ですが、少なくともセーブ失敗は無く、仕事はしています(悲しいかな、チームの不調でセーブ機会が少ないですが)。
デッドライン当時市場にいたセットアッパーはクリッパード、ソリア、ベノワあたりかと思いますが、ソリアは調子が今一つ安定せず、当時の動きを見るに来年も比較的安価なオプションが残るベノワをSDは手放す気がなかったと感じます(或いは見返りが高いか)。クリッパードを持って行かれたのは確かに痛かったですが。こうなると、市場に残っていて、成績も良く、且つ本当にトップレベルの有望株を失わずに獲得できる物件としては、パペルボンだったのかなと思います。
以上から、この動きは幾らかの疑問が残るものの、明確にペケの付くものではなかったと思うのです。パペルボンの獲得だけでガタガタになるような軟弱なチーム力だったとも思いたくありません。
初投稿で批判的な散文を書き連ねてしまい、お気を悪くされましたら申し訳ありません。同じくナショナルズを愛する者として、意見を書かずにはいられませんでした。
残り50試合を切りましたが、可能性ある限り応援しましょう!
匿名さん コメントありがとうございます。
そうですね何とか持ち直して欲しいですね。1つ1つ勝っていくしかないんでしょうが、何かがきっかけとなって勢いがついて欲しいところ。まあ、これまでも何度か勢いの付きそうな勝利はありながらも後が続かないというパターンを繰り返しているわけですが。。。。
そうは言ってもまだ可能性があるかぎり、応援しましょう!
よろしくお願いします。
匿名さん はじめまして!コメントありがとうございます。
いやーお恥ずかしい限りです。あまりの無残な負けっぷりに頭に血が上って書き殴ってしまいました。今更ですが、読んでいただいて申し訳なく思っております。
仰るとおり!飛躍し切った結論ですね。笑
素直に数字を見ればStorenの不調が原因となるんでしょう。実際、完璧に進んできた試合を満塁本塁打でひっくり返されたこともありましたから。オーナー、フロントからそこまでの信頼を勝ち得て来なかった以上は処遇された範囲で全力を尽くすのがプロです(私もサラリーマンなので)。にも関わらず、結果が残せていないStorenが批判されてしかるべきでしょう。ですが、ですが、ドラフト以来Storenをフォローしてきた者として、どうしても彼を責められないのです。で、無理を承知であのような結論になったと。。。涙
トレードの評価についても仰るとおりだと思います。Nick Pivettaとの1対1でPapelbon(の2シーズン)を獲得したというのは、単純に戦力だけで考えれば評価できるトレードだと思います。しかし、単純に戦力だけで考えていいのか、ということです。ケミストリーという抽象的な表現をどう捉えられるかは分かりませんが、どうしてもあのトレードがチームの何かを傷付けたように思えてならないのです。迷
とはいえ、私も一晩寝てちょっと落ち着きました。笑
シーズンはまだ終わっていません。残り45試合で4.5差ということは10試合で1ゲーム詰めればいいだけのこと。まだまだ行けます!一緒に応援していきましょう!
繰り返しになりますが、コメントありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いします。拝
estoppel様 いきなりの批判的投稿にも関わらず返信を頂き、深謝致します。
これまでの記事を拝見させて頂き、ストーレンへの思いは凄く伝わってきます。私も過去2年各所で批判的に書かれることの多かったハーパーの大ファンとして、どうにかして擁護しようと苦心していました。笑 ファンってそんなもんですよね。
ケミストリー…確かに抽象的なことではありますが、昨年のKCやSFの強さを見るに確かにチームに影響を与えるものだと思います。そういう意味で、今回のトレードがチームに何かしらの波風を立てた可能性は否定できませんが、何しろクラブハウスの外にいる身では分かりにくいことですから、とりあえず目に見えるところから私の思うことを書いてしまいました。
リゾー氏は基本的に有能だと確信していますが、ソリアーノの獲得といい、選手の心情に疎いところはあるかもしれませんね。
(逆に、シビアに戦力を見極める目があるとも言えるかもしれません)
これだけの戦力を抱えてプレーオフにすら行けないとなれば、仰る通り彼も何かしらの責任を取らざるを得なくなるでしょう。
とはいえ、私としては全くもって諦めていません。幸いなことにNYMもグダグダです。
9月終了時に笑って、そして10月終了時に今年1番の笑顔になっていることを信じています。
最後に、こちらこそ、今後とも宜しくお願い致します。
匿名さん ありがとうございます。
Harperはいよいよ開花しましたね。これまでは名前先行で、「故障さえなければ」という感じでしたが、今年は遂に名実ともにMLBを代表する選手になりつつありますね。もっとも、個人的にはそこまでの愛着は持っていないというのが正直なところなんですが。。。ですが、そんな個人的心情はさて置き、トッププロスペクトが期待通りにスター選手に育っていく過程をフォローできるというのは得難い経験だと思って楽しんでいます。
Rizzoは素晴らしいGMだと思います。スカウト出身者らしく特にマイナー選手を見る目はピカ1でしょう。ドラフトは運もありますが、トレードは違います。Wilson Ramos、Tanner Roark、Joe Rossといった選手を引っ張ってきた功績は「特大」でしょう。ただ、おっしゃるようにビジネス面でシビア過ぎて(あるいはオーナーの意向が働いているのかもしれませんが)、ファン心理としてはやや付いていけない部分もあります。それでも有能は有能。何とか首がつながるような結果となるよう応援していきます。
批判的でも、匿名さんのような冷静かつ的確なコメントなら、全然大歓迎です!!
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