2016/06/03

2016年5月をふりかえる

恵まれたスケジュールだった4月とは違い苦しい戦いが続きましたが、なんとか乗り切ったという感じで5月が終わりました。

[National League EAST End of April 2016]

WLPCTGB
Washington 3221 .604  -
New York 2922 .569 2.0
Miami2725 .519 4.5
Philadelphia2626 .500 5.5
Atlanta  1536 .29416.0

まず、2日からの前年ワールドシリーズチャンピオンのロイヤルズとの3連戦は2勝1敗と勝ち越したものの、続く5日からのカブスとの4連戦を4連敗。メッツに抜かれ地区2位に後退し、ずるずる行くのではないかとの懸念もありました。

しかし、この直後、9日のタイガースとの試合中に明らかになったのが、この日マウンドに上がっていたStephen Strasburgの契約延長。この試合をサヨナラで制すると、翌々日にはMax Scherzerが20奪三振のMLBタイ記録。悪い流れを断ち切ったという印象の残る出来事でした。

この後は、今シーズン最初のメッツとの直接対決6試合を3勝3敗(ともにホームで1勝2敗)で終えるなど勝ったり負けたりを続け、最後にフィリーズとの2試合を勝って5月の勝ち越しを決め(16勝14敗)、地区首位を奪回しました。

地区2位はメッツ。一時はナショナルズを抜いて地区首位に立ちましたが、最後に息切れし、5月は借金1。3位は貯金1だったマーリンズ。4月末は3位だったフィリーズは、今月は息切れ。そしてブレーブスは4月の5勝からは倍増の10勝を記録しましたが、引き続き最下位を独走しています。

[Pitcher of May 2016: Stephen Strasburg]
GSIPWKERAWHIP
Stephen Strasburg637.25503.111.17
Joe Ross638.02323.321.26
Max Scherzer642.13603.830.92
Tanner Roark639.02323.231.18
Gio Gonzalez632.22285.231.47
GIPSVHLDERAWHIP
Jonathan Papelbon1111.1603.181.32
Blake Treinen1412.0003.001.25
Felipe Rivero1512.10103.650.81
Sammy Solis 1011.1011.591.06
Yusmeiro Petit 813.0002.081.08

先発、ブルペン合わせたチーム防御率3.43は4月より丸まる1点増えましたが、それでも30球団中4位。先発・ブルペンで分けると、先発は8位なのに対して、ブルペンは3位と頑張っています。引き続き、投手陣が引っ張ってくれている印象どおりです。

先発ローテーションの5人は、全体的に4月ほどの安定感はありませんでしたが、きっちり6試合ずつに登板して30試合をこなしました。引っ張ったのは圧倒的な安定感を誇るStephen Strasburg。今月だけで5勝負けなし。4月と合わせ9勝負けなし。Strasburgに勝ち負けはつかなかった試合を併せ、彼が先発した試合でチームは11連勝。Max Scherzerほどの目に見える迫力のあるピッチングではありませんが、内容では圧倒しています。

そのScherzerは被弾が多くなかなか数字が伸びませんが、11日のタイガース戦で20奪三振のMLBタイ記録の偉業を達成。良い日と悪い日の差が激しい印象です。Tanner RoarkとJoe Rossの2人は驚くほど似た結果。2人とも安心してマウンドを託せる投手となりました。最も心配なのはGio Gonzalez。18日のメッツ戦までの8試合を終えた時点では防御率1.86だったのですが、その後の2試合で計13失点と大乱調で、防御率もあっという間に3.57まで上昇。立ち直ってくれることを願います。

ブルペンは7人の投手がそれぞれよく頑張っています。Jonathan Papelbonは3日に2点リードを守れず逆転サヨナラ負けという大失態を演じましたが、その後はセーブ失敗なし。なんだかんだで粘っています。貢献してくれた印象が最も大きいのはFelipe Rivero。数字を見ると、7人中で防御率が一番高いという意外な結果になっていますが、上旬に失点したことが影響したもので、13日以降は10登板中9試合でホールドを記録。完全にエース・セットアッパーとして定着しました。月末に3試合連続で投げており、登板過多がやや気になります。一方、最も低い防御率を記録したのがSammy Solis。4月下旬にDL入りしたMatt Belisle代わって昇格してきてから、負け試合が中心ですが、しっかり投げています。

[Hitter of May 2016: Daniel Murphy]
PAAVEOBPSLGHRRBI SB
Anthony Rendon125   .269.368.46318   4 14  5
Daniel Murphy 118.416 .424.67317 7 23  0
Ryan Zimmerman 117.262.316.54215 7 17  1
Bryce Harper116.200 .422.36316 4 10  2
Danny Espinosa114.208 .283.37610 5 12  1
Jayson Werth107.235.271.392 16 4 13  1
Ben Revere102.170.225.26610 1   6  2
Wilson Ramos100.333.400.52212 4 17  0
 
チーム打率.251、18位は4月の.230、26位に比べればずっとまし、43本塁打は4位で得点にすると10位ですが、チームを引っ張っているという感じではありません。

そんなチーム打撃成績にも関わらず、Daniel Murphyがリーグの月間MVPを受賞。打率.416はそれ自体が驚異的ですが、それが4月の.370に続くものだというところが素晴らしい。シーズン打率4割はさすがに無理だと思いますが、どこまでこの水準をキープできるか、見ものです。また今月は、8二塁打、7本塁打と長打も出ました。自己「シーズン」ベストが15本塁打なので、その約半分を1か月で稼ぎました。これからもよろしくお願いします。

一方、4月はリーグMVPの活躍だったBryce Harperが不振に陥りました。5日からのカブス4連戦で19打席中、13四球1死球と徹底的に敬遠された後、はっきりと打撃がおかしくなり、続く2週間は打率2割にも満たないという状況でした。26日のカージナルス戦で久しぶりにホームランを打ち、その試合を含め4試合連続安打とちょっと上向いてきたかと思われた矢先、30日にフィリーズのJeremy Hellicksonからヒザに死球を受けて途中退場、翌日から欠場しています。まったくもう。

この他の野手では、Wilson Ramosの好調ぶりが目立ちます。5月の打率.333は全捕手の中で圧倒的なトップ。Anthony Rendon、Ryan Zimmermanの2人は4月の不振からは立ち直りつつあり、またJayson Werthも17日に2番打者として起用されるようになってからの後半の15試合では.264 /.316/.415と調子を上げています。

一方、低打率にあえいでいるのがDanny Espinosa、Ben Revereの2人。2人とも時折いいところで打ってくれている印象はありますが、数字は惨憺たるもの。Revereのほうは、盗塁死が成功と同じ2つと、足でも苦しんでいる状況。控えに下がったMichael Taylorも49打席で.217/.265/.348という似たような数字ですからすぐにどうこうということはないと思いますが、リードオフがこの出塁率では困ります。

ベンチも、Clint Robinson、Chris Heisey、Stephen Drewが揃って2本塁打ずつを記録するなど、機能しています。

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