2017/09/02

2017年8月をふりかえる

野手に故障者が続出して得点力が低下する中、投手陣(こちらもそれなりにDL入りはありましたが)が踏ん張り着実に白星を積み重ねていったという印象の1か月でした(チーム防御率は全体2位、打率は14位でした)。今改めて結果を眺めても、連勝は最長でも4連勝ながら、連敗は実に1度だけ(それも2連敗でストップ)という堅実ぶり。

[National League East end of August 2017]
WLPCTGB
Washington8152.609-
Miami6667.49615.0
Atlanta5973.44721.5
New York5875.43623.0
Philadelphia5083.37631.0

月間成績は18勝11敗。最後に(いちおう地区2位の)マーリンズを3タテで15ゲーム差とし、地区優勝をほぼ手中としました。戦力的もJayson Werth、Trea Turnerの2人が8月最終週に復帰して陣容が整ってきており、いい流れで9月に入ります。

地区2位は月間17勝12敗と好調だったマーリンズが3位以下との差を大きく広げ、勝率5割でのフィニッシュも見えてきました(Giancarlo Stantonのホームラン数がどこまで伸びるかという楽しみもあります)。3位はブレーブス。そして4位には月間10勝20敗という不本意な結果となったメッツ。そして最下位は30球団中30位(来年のドラフト1位指名権)もほぼ手中に収めたフィリーズとなっています。

ポストシーズンを見据えて他地区に目を転ずると、西地区では歴史的な快進撃を続けてきたドジャーズが地区優勝へのマジックを14としていますが、最終週に2位のDバックスに3連敗するなど5連敗と足踏み中。一時は確実かと言われていた史上最多シーズン勝利数(116勝)に届くかどうかぎりぎりとなってきました。まあ、それでも地区優勝、ナ・リーグ最高勝率は間違いないでしょうが。

ナショナルズのNLDSの相手となりそうな中地区ではカブスが首位に立っています。出遅れていた前年チャンピオンでしたが、8月の快進撃で2位ブリューワーズを逆転し、3.5ゲーム差を付けています。

ワイルドカード争いは、ドジャーズの後塵を拝しているとはいえ、同じ西地区のDバックスとロッキーズがリードし、ブリューワーズが追いかける展開。その後に続くカージナルス、マーリンズ(ロッキーズまで6ゲーム差)までが可能性を残しているかなといったところ。

[Pitcher of the Month: Sean Doolittle]
GSIPWKERAWHIP
Gio Gonzalez532.14272.231.11
Edwin Jackson530.03233.001.37
Tanner Roark531.03273.481.13
Max Scherzer422.01292.050.91
A.J. Cole422.00245.321.50
Stephen Strasburg321.01230.860.76
GIPSVHLDERAWHIP
Matt Albers1413.1032.031.05
Brandon Kintzler1314.0063.211.21
Sean Doolittle1313.0911.380.92
Oliver Perez86.0030.000.67
Sammy Solis 109.1104.821.29

Stephen StrasburgとMax Scherzerの2人が故障で短期間離脱したことにより、ややイレギュラーな形での起用もあった先発投手陣ですが、先発投手全員の防御率3.05は全体2位nの素晴らしい結果。何よりローテーションをしっかり守ったTanner Roark、Edwin Jackson、そしてGio Gonzalezの3人の貢献には感謝しかありません。中でもGioは31日の試合を前に4戦4勝、防御率1.03という快進撃。31日に打たれたのは残念でしたが、あれがなければリーグの月間MVPの有力候補だったはず。惜しかった。

ロースターの都合でメジャーとマイナーとの間を行ったり来たりさせられながらスポットスターターとしては多い4試合に先発したA.J. Cole。結果は4連敗で防御率も5.32ですが、奪三振数はイニング数を上回るなど、内容はこの数字よりはるかに良かったという印象。9月にもローテーションの一角として十分に期待しています(ポストシーズンのロースター入りは他の選手次第でしょうが)。

一方、ここにはありませんがErick Feddeも2試合に先発したものの、こちらは2試合ともいまいちな内容でした。個人的にはもうシャットダウンでいいと思います。

DL入りしてやきもきさせたStrasburgとScherzerの2人も月末には完全復活(と信じています)。マウンドに立ちさえすれば支配的な投球をできることは今さら言うまでもありません。9月は調整に当てて、万全の状態でポストシーズンに突入できるようにお願いします。

そしてブルペンです。トレード期限前に弱点だったことなど完全に忘れさせてくれるほどの頼りがいを見せてくれています。トレード加入3人衆のうち、Ryan Madsonこそ右手中指の負傷でDL入りしてしまいましたが、クローザーとして完全に信頼を受けるに至ったSean Doolitte、セットアッパーのBrandon Kintzler(クローザーとして投げた試合は見事に失敗しましたが)は大活躍。これに、それまでから頑張っていたMatt Albers、Oliver Perezががっちりとかみ合い、勝ち試合のパターンは出来上がってきました。その中でも、9度のセーブ機会を全て成功させたDoolittleの貢献は極めて大きいと思います。Doolittleが完全にクローザーとして定着してくれたことで周りも役割がよく見えるようになっています。頼むから故障だけはしないでくれと願っています。

ポストシーズンに向けて、あと2人ほど信頼できるブルペン投手が出てきてくれることを期待しましょう。

[Hitter of the Month: Howie Kendrick]

PAAVEOBPSLGRHRRBISB
Wilmer Difo 114.324.357.43815145
Anthony Rendon 114.266.360.404121172
Ryan Zimmerman105.233.343.433165120
Daniel Murphy92.263.348.438143111
Howie Kendrick 91.357.396.619125212
Matt Wieters86.213.302.30792120
Adam Lind78.250.321.38252100

野手陣はとにかく故障者が多かった。DLが入りしている選手はもちろん、DL入りには至らないまでもRyan ZimmermanとDaniel Murphyが小さな故障で数試合離脱したり、といったことで、先発オーダー中、開幕オーダーにも名前を連ねていたのがMatt Wietersだけ、という試合さえあったほどです。

そんな中で頑張ってくれたのが、Wilmer DifoとHowie Kendrickの2人でした。打率はもとより、Kendrickの打点を見て下さい。21打点。月間MVPの候補になってもいい程の数字です。しかも、2人とも、チーム事情から内外野いろいろなポジションを守りながらこのようなバットでの活躍を見せてくれているのですから、余計に素晴らしい。Trea TurnerとJayson Werthが復帰したことで9月は出場機会が多少減ることが予想されますが、もったいない。そうです、もったいない、と思わせるだけの仕事をしたということです。素晴らしい。

元々のレギュラー野手陣は疲れも溜まっている気配が濃厚です。9月にはセプテンバー・コールアップの若手もたくさんいることですから、ベテランは無理せずポストシーズンに向けた調整をしてくれればいいと思います。(例外はTrea Turner。若いし、スピードがあってチームに勢いをつけることになるので、全力で行って下さい)

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